ゴールデンウィーク最終日ー。
どうしても、GWを終えたくない彼は
”あること”を思いついてしまうー。
それはー、
”みんなが明日以降もGWだと思い込んでくれれば、
GWは終わらない”という狂気的な考えだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「は~~~…今日でゴールデンウィークも終わりかぁ」
社会人2年目の男・会田 壮太(あいだ そうた)が
そう言葉を口にすると、
壮太の家に遊びに来ていた彼女の檜山 美姫(ひやま みき)が
苦笑いしながら、
「ーーまぁまぁ、休みがあるだけいいでしょー?」と、
そう言葉を口にするー。
「そりゃまぁ、そうなんだけどさー」
壮太はそう言葉を口にすると
「あ~なんとかしてゴールデンウィークを伸ばす方法は
ないかなぁ」などと、ゴールデンウィークへの未練が
タラタラな言葉を口にするー。
「ーそんな方法あったら、みんな使ってるでしょ?
あ、そうだー
わたしも明日から仕事だから
そろそろ帰る準備するねー」
美姫はそう言葉を口にすると、
彼氏である壮太の家から帰宅するための準備を始めるー。
そんな美姫に対して「分かったー」と、
そう言葉を口にしつつも、
壮太はスマホで、
”ゴールデンウィークを伸ばす方法”などという、
そんな検索ワードを入力して、検索し始めてしまうー。
ゴールデンウィークが終わってしまうことが
よっぽど耐えられないようだー。
もちろん、壮太自身も”そんな方法”が本当にあるとは思っていない。
そんな方法があれば、美姫の言う通り、本当にー…
「ーーーえっ」
そんな風に思いつつ、期待せずにスマホをいじっていた壮太ー。
しかし、壮太は”信じられないもの”を見つけてしまったー
”ゴールデンウィークを終わらせないー
GWの終焉に抗う究極のアプリ
無抵抗で日常に戻る時代は終わった”
などと、そんな文言と共に表示されたアプリー…
それは、他人の思考を塗り替えー、操ることができる、
そうー”洗脳”するためのアプリだったー。
「ーーーいやいや…あり得ないだろー…」
壮太は一瞬、そう呟いたものの、
そこに表示されていた使用例を見て、
表情を曇らせるー。
”ーゴールデンウィークはまだ続いていると相手に思い込ませることも可能”
とー、そう書かれていたのだー。
「ーーーー…~~~…」
壮太はしばらくその文字を見つめると、
少し考え込むような表情を浮かべるー。
”これを会社の人たち全員に使えばー…”
壮太はふと、そんな悪魔のようなことを思いついてしまったー。
このアプリを使って、会社の人たち全員に
”まだゴールデンウィークは続いている”と、
そう思い込ませることが出来れば、
まだまだゴールデンウィーク休みを続けることができるー、
とー。
「使い方はー…?」
壮太はそう言葉を口にすると、
そのアプリに記述された”使い方”を確認していくー。
アプリを起動した状態の画面を相手に見せるか、
あるいはアプリから発される音を相手に聞かせることで、
相手を意のままに操ったり、認識を書き換えたり、
そんなことができるようだー
「ーーーー」
”嘘だろ?そんなことできるはずがないー”と、
そう思いつつも、
帰宅する準備をしている彼女・美姫のほうをチラッと見つめると、
壮太はそのアプリを早速インストールしてみせたー。
インストールはすぐに完了しー、
相手をどう操るか、相手の認識をどう変えるかー、
そんな入力画面が表示されたー。
「ーーー」
壮太は”アプリの効果”が実際にあるのかどうか試すためー、
そして、”どうせ嘘だろうな”とも思いつつ、
”俺とヤりたくてヤりたくてたまらない”
”Hなこと大好き”
などと、そんなワードを入力したー。
”美姫に効果があるかどうか”確かめるためー、
そして、”もし本物だったら”という下心から
そんな風に入力したー
そしてーー
「美姫ー」
壮太はそう言葉を口にすると、
帰る準備をほぼ終えていた美姫が
「なぁに?」と、そう言葉を口にしながら振り返るー。
”アプリ”を起動した壮太は
「これなんだけどさー」と、そう呟きつつ、
その画面を美姫の方に向けるー。
画面上には変なうずまきみたいなものがグルグルとしているだけー。
効果がないなら、”こういうの、目が回るよなーはは”で、
笑い話で終わらせればいいだけー。
そう思いつつ、その画面を美姫に見せたー。
するとー…
「ーーーねぇ…」
美姫が口を開くー。
「ーーこんなものよりー」
美姫はスマホを払いのけると、
そのまま壮太のほうを見つめるー。
その表情は、今まで見たことのないような
妖艶な表情だったー
「み、美姫ー…?」
壮太が困惑していると、
美姫は「ーねぇ、このあと時間ある?」と、
興奮した様子で言葉を口にするー。
あるとか、ないとか、そんな返事をしていないのに、
既に美姫は服を脱ぎながら
はぁはぁと息を吐き出しているー
「え…み、美姫?い、いったいー?」
壮太は少し戸惑いながら、美姫のほうを見つめると、
美姫は壮太に突然キスをして、
そのまま壮太を押し倒したー。
はぁはぁ言いながら興奮した表情で
「わたし、壮太とヤりたいのー」と、
そう言葉を口にすると、
飢え切った表情で、壮太の方を見つめたー
普段の美姫はこんな行動には出ないー
と、言うことはー…?
そんなことを考えたものの、
あまりにも大胆で積極的な美姫を前に、
壮太はしばらく美姫に夢中になることしかできなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー。
壮太はアプリを起動して、
事前に”1年中ゴールデンウィーク”という認識の書き換えを入力すると、
会社内の放送室に潜り込んだー
「へへー…
昨日の美姫はすごかったなぁ…」
昨日の大胆な美姫を思い出しながら、
壮太は少しニヤニヤすると、
「さてとー」と、スマホを放送機材に繋いで、
昨日手に入れたアプリを使いー、
会社の人間全員に「1年中ゴールデンウィーク」だと
思い込ませようと、そのアプリを起動したー。
アプリの音が会社中に流れるー。
放送室にいる壮太は、会社の人々にどのような
影響をもたらしたのかは分からなかったものの、
アプリが”本物”であることは既に確信しているー。
「へへへーこれで、俺が満足するまでずっとゴールデンウィークだ!」
壮太はそう言葉を口にすると、
放送室から出て、自分が所属している部署に向かうー。
すると、既にみんなが”帰る準備”を始めているのが見えたー。
「ーあれ?もう帰るんですかー?」
壮太がわざとらしくそう聞くと、
女性部長が答えたー。
「だって、今日ゴールデンウィークでしょ?
わたしも、みんなもなんか間違えて出勤しちゃったけどー」
とー。
その言葉に、壮太はニヤッと笑みを浮かべると、
「ーーへへーそうでしたねー
俺もつい勘違いして会社に来ちゃいました」と、
わざとらしくそう言葉を口にするー。
自分のいる部署だけではなくて、
他の部署の人間も、”ゴールデンウィーク”だと思い込んで
帰宅し始めるー。
そんな様子に壮太は笑いを堪えながら
「へへーこれでゴールデンウィーク休み続行だぜー」と、
嬉しそうにそう言葉を口にしたー。
”ゴールデンウィーク休み”を伸ばすことに成功した壮太は
心底嬉しそうに帰宅すると、
家で待っていた彼女の美姫に突然抱き着かれてキスをされるー
「ーーほら、早く脱いで!もうわたし、我慢できない!」
美姫のその言葉に、
壮太は「ま、まだ効果あるのか…すごいなぁ」と、
そう言葉を口にしながらも、
積極的な美姫のされるがままに欲望の時間を
過ごすのだったー…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー
「ーーーえ?
あ、あぁ、分かりましたー」
壮太は会社の同僚から連絡を受けて
急遽出勤することになってしまったー。
何故ならー…
壮太の通っている支社の人間には
”ずっとゴールデンウィークが続いている”と
刷り込むことができたものの、
会社は複数の支社があり、別の支社の人間ー、
そして会社以外の取引先の人間たちは
当然、ゴールデンウィークは終わったために
普通に働いており、その人たちから色々な問い合わせがあって、
”仕事をせざるを得ない状況”になってしまったのだー。
”ゴールデンウィーク中なのにごめんね”
壮太の上司である女性部長が電話の向こうからそう言葉を口にしていたー。
「そ、そっかー俺が通ってるところの人間だけじゃダメかー…」
壮太は仕方がなく会社に向かいながら、
”自分たちだけ永遠にゴールデンウィークにしてもダメだ”と、
そう悟るー。
「ーーー何とかして、本社も含めて会社の人間全員とー
あとはー…取引先とか関係者も、全員ゴールデンウィークにしないとー…」
壮太は、そんな風に言葉を口にしながら、
渋々と会社へと向かうのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー”音”でも平気なら、ネットを通じて
洗脳すればいいんじゃない?」
数日後ー
壮太とキスをしながら、アプリの影響を受けたままの
美姫がそう言葉を口にしたー。
今や美姫は壮太にひたすら尽くし続けて、
性欲に狂った欲望まみれの女になってしまっているー。
そんな大好きな壮太のために、
美姫は自分自身もその影響を受けているというのに、
”洗脳”を広める方法を口にしたー。
「ーわたしの働いてるところも、出勤しろしろ煩いし、
みんなゴールデンウィークにしてあげなくちゃ」
美姫がそう言うと、
壮太は「そうかー…」と、そう言葉を口にしながら、
笑みを浮かべたー。
そして、その日から、
壮太はネットを通じて、アプリを使った”音”による洗脳を広めていったー。
最初は自分のSNSからー、
そして、大手企業のコールセンターや知り合いにも電話をかけて、
電話越しにアプリの音を聞かせるなど、色々な方法を駆使して
”ゴールデンウィークは終わっていない”という認識を広めていったー。
そしてー、
”アプリをインストールして、壮太の命令をさらに広げるように”という指示も
一緒に入力して、広めて行ったことによって、
壮太に洗脳された人たちが、自らもアプリをインストール、
壮太と同じ命令を設定して、自分の周囲の人間にも次々と広めて行ったー。
この方法でー、
あっという間に”ゴールデンウィークは1年中続いている”という思い込む人々が
爆発的に増殖ー、
いつしかほとんどの人間が
”ゴールデンウィークは永遠に続く”と思い込み、休みを満喫するようになったー。
さらには”俺の職場はGWは休みじゃないし”と、友人の一人が
そう言葉を口にして、まだ働いているのを見た壮太は、
”ゴールデンウィークは絶対に休むもの”という命令もアプリに追加して
さらにそれを伝染させていったー。
結果ーー
”永遠のゴールデンウィーク”は現実のものとなったー。
アプリの影響で、壮太とヤりたくて仕方がない美姫と
連日のように、行為に及んでお楽しみを繰り返す壮太ー。
しかしー、
壮太にとっての”楽園”とも言える永遠のゴールデンウィークは
長くは続かなかったー。
「ーーくそっーどこもやってないー」
壮太は街中を歩きながら”店”のほとんどが閉店状態であることに気付くー。
「ーーふふー、仕方ないでしょ。ゴールデンウィークはみんな休みなんだから」
横を歩いていた美姫が笑うー。
「ーー!」
壮太は、この時初めて気づいたー。
”ゴールデンウィーク”は、誰かが働いているからこそ、
楽しく休むことができるのだとー。
そしてー、社会は誰かが働いているからこそ、
休みの日、のんびりと楽しむことができるのだとーー。
「まずいー」
今になって危機感を抱く壮太ー。
慌てて、”ゴールデンウィークは終わり”だと、洗脳し直して
元に戻そうとするー。
しかしー、
アプリを起動しようとしても、エラーが起きて起動できないー。
「おいっ!どうなってる!」
そうこうしているうちに、突然停電が発生するー。
発電所で何か不具合が起きたらしいものの、直す人間も”休み”でいないー。
「ーーー…おいっ!!くそっ!くそっ!」
壮太はアプリを何度も何度も起動しようとするー。
がーー
アプリに障害が発生ー、
そのアプリを開発・展開していた人々も”永遠のゴールデンウィーク”で休みのため、
対応が行われず、アプリも永遠に起動できなくなってしまったー
「嘘だろー…?」
壮太はそう言葉を口にすると、
”どうすりゃいいんだー…?”と、青ざめた様子で呟くー。
そんな壮太を見つめながら
美姫は嬉しそうに「ーほらほら、そんなことより早く服を脱いで!」と、
またHなことをしようと言い始めるー。
「ーーーーー俺、どうすりゃいいんだー?」
が、壮太はそれどころではないと言わんばかりの表情で、
絶望の言葉を口にするのだったー。
ゴールデンウィークは終わらない。
永遠にー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
5月最初のお話デス~!
せっかくのゴールデンウィーク期間なので、
ゴールデンウィークのお話を書いて見ました~!!
改めて、今月もよろしくお願いします~!☆
★作品一覧★

コメント