自宅の古い蔵ー。
その整理を手伝いにやってきた幼馴染。
ありふれた日常ー
しかし、そんな日常は壊れてしまうー
※リクエスト作品デス!
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「親父が残したものが
大量に残っててさ…
そろそろ整理しなきゃな、
って思ってたんだよ」
大学生の土森 聡史(つちもり さとし)が
古びた蔵を片付けながら言う。
聡史は父子家庭で育った。
1か月ほど前に、その父が、
病気で他界ー。
最後まで立派な父だった。
父が残してくれた土地と、家は
そのまま聡史が利用することになっている。
そして、今日ー
古びた蔵の整理をしようとしていたー。
”蔵の整理をする”と、彼女で幼馴染の
東条 多嘉恵(とうじょう たかえ)にしたところ、
多嘉恵が”手伝いにいく~”と言ってくれたので、
こうして、大学の休校日に、二人で
蔵の整理をすることになったのだった。
「へぇ~!なんか雰囲気あるね~!」
多嘉恵が笑いながら言う。
蔵の中には古びたものがたくさんあった。
正直、息子である聡史も、この蔵に何が
あるのかあまり知らない。
古文書。
刀のようなもの。
壺ー
芸術品のようなもの。
色々なジャンルのものが、そこには置かれていた。
「あ、これなんか面白そう~!」
多嘉恵が手にしたのは
厳重に封印された包み。
聡史は「なんだそれ?」と声をかけると
多嘉恵が「開けてもいい~?」と言うので
いいよ~と答えた。
すると、中から出てきたのは、
”巻物”だった。
全体的に黒く染まっているその巻物には
”赤い文字”で何かが書かれていた。
”怨”
と読めるー。
その文字が巻物全体に
連なるようにして刻まれていたー
「な…なんだこれ」
聡史が思わずつぶやく。
あまりにも不気味な巻物。
父親はこんなものがあるとは一言も言っていなかった。
そもそも、父自身も、「この蔵には祖父から受け継いだものがある」
などと言っていたぐらいで、何があるのかイマイチ分かっては
いなかったのかもしれまない。
「--な、なんか気持ち悪いね…?」
巻物を手にした多嘉恵も
気味悪そうにその巻物を見つめた。
その時だったー
ドクンーー
多嘉恵は”違和感”を感じた。
「え…?」
” ニクイ ニクイ ニクイ ニクイ ニクイ ニクイ ニクイ・・・”
呪文のような声が多嘉恵の頭の中に
響き渡る。
「お…おい!それを手放せ!」
聡史も異変に気付いた。
巻物から、赤い光のようなものが浮かび上がり、
それが多嘉恵の頭の方に近づいていく…。
「---あ…あ…あ…?」
しかし、多嘉恵はうつろな目をしていて、
反応がおかしい
「おい!手放せ!」
聡史は”危険”を感じて、多嘉恵に今すぐ
巻物を手放すように叫ぶ。
しかしー
多嘉恵は反応しない。
「あひぃっ♡」
アへ顔…とでも言えば良いのだろうか。
巻物から浮かび上がった赤い光が
多嘉恵の頭の中に吸収されていくと、
多嘉恵は変な声を上げて、奇妙な表情を浮かべたー
「--た…多嘉恵…!」
聡史は慌てて巻物を叩き落とした。
多嘉恵の手から、その巻物が
吹き飛ばされるー。
だがー
多嘉恵はーー
不気味に微笑んでいた。
「ひゅうううううう…」
「た…多嘉恵…?」
聡史が不安そうに多嘉恵の方を見つめると、
多嘉恵は聡史を見ながらこう呟いた。
「ーーやっと、やっと身体を手に入れた…
くひひひひひひ」
多嘉恵の唇が「ニヤァ」と不気味に歪み、
多嘉恵は胸を触り始めた。
「んふふふうふ~♡」
涎を垂らしながら、まるで獣のような
笑みを浮かべている多嘉恵を見て、
聡史は唖然としながらも
ようやく声を振り絞ったのだった。
「た…多嘉恵…だ、大丈夫…か?」
その言葉に多嘉恵は笑った。
「うへへへへへ!大丈夫 だいじょうぶ~」
舌をペロペロと出しながら
多嘉恵は不敵に微笑んで、
さっきまで持っていた不気味な巻物を手にした。
「--400年…
ず~っと、この中に封印されてたんだ…
あ~あ…久々の生の空気、
美味しいなぁ~」
多嘉恵が両手を広げながら息を
嬉しそうに吸ったり吐いたりしている。
「--あ、お前、この女の
友達か何か?
くはは、ザンネンだったな~!
今日からこの女は、俺の身体だぜ」
そう言うと、多嘉恵は古びた蔵の出口に
向かって歩き出した。
「んっん~!この時代の男でも
誘惑して遊ぶか~!」
「おい待て!」
蔵から出て行こうとする多嘉恵に声をかけた。
聡史は、思う。
”こいつは、多嘉恵じゃないー”
と。
「お…お前は、誰なんだ…!」
聡史が言うと、
多嘉恵は目を赤く光らせて微笑んだ。
「--霊だよ…!
その巻物に封印されていた、な…」
多嘉恵はそれだけ言うと、
髪の毛をくしゃくしゃと掻き毟りながら言った。
「--もう、いいか?俺、行くわ」
多嘉恵の言葉に聡史は叫ぶ。
「お、、おい待て!それは多嘉恵の身体だぞ!
どうするつもりだ!」
聡史の言葉に、
多嘉恵は振り向いて、蔵の入り口を閉めると
にやりと笑みを浮かべて
聡史のことを見つめた。
「もうこの身体は俺のものなんだよ。
わかるか?
自分の人生、どう生きようと自由だろ?」
普段、穏やかな言葉遣いの多嘉恵が
荒々しい言葉を使っていることに
違和感を感じながらも、
聡史はなんとか、多嘉恵を助け出そうと言葉を
考える。
「--ふふふ、そんなにこの女を助けたいのか?」
多嘉恵の言葉に、聡史はうなずく。
「当たり前だろ…!
多嘉恵は…多嘉恵は大事な…」
「ーーふ~ん、じゃあお別れの前に
遊んでやるか!」
そう言うと多嘉恵は聡史に抱き着いて
聡史にキスをした。
「--むぐっ…や、やめろ…!」
聡史が振り払おうとするー。
理性では分かっているー
今の多嘉恵は、多嘉恵であって多嘉恵ではない。
だが、多嘉恵の身体が密着すると
興奮してしまう。
やがて、聡史は多嘉恵を受け入れてしまった。
「ふひっ…分かってんじゃねぇか。
素直になればいいんだよ」
多嘉恵の言葉に聡史は
唇を噛みしめながらも、
多嘉恵にされるがままになっていた。
「俺はな…昔、盗賊をしていてなぁ…
不運にも捕まっちまって
処刑されちまったんだぁ」
多嘉恵がキスをしながら、
笑い話をするかのように、話を続ける。
「---でもさぁ…
処刑された時に、俺の血が
あの巻物に飛び散ってさぁ!」
さっき、多嘉恵が手にしてしまった巻物を
指さすと、多嘉恵がケラケラと笑いだす。
「--俺の怨念が、霊が、
あの巻物に宿ったんだよ!
で、ず~っと、誰かが俺の封印を
解いてくれるのを待ってたんだ…
そして今日、晴れてこの女が俺のモンになったってわけだ!
ふふふふ、あはははははははは!」
多嘉恵が聡史から離れると
両手で胸をわしづかみにして叫んだ。
「し・か・も! あひぃ♡
こんな、べっぴんさんだなんて♡
えへへへへへへ♡
うひひひひひひひひひっ♡」
多嘉恵が胸を触りながら
狂ったように笑い続ける。
窓が一つしかない蔵の中が
いつも以上に暗く感じる。
「--や、、やめてくれ…!
多嘉恵を返せ!」
聡史は多嘉恵から距離を取って
そう叫んだ。
しかしー
多嘉恵は舌打ちすると
「それが人にモノをお願いする態度?」
と不愉快そうに呟いた。
「---くっ!」
その目つきを見て、聡史は悟る。
今、この空間を支配しているのは多嘉恵ー
いや、多嘉恵を支配している巻物に宿っていた霊だ。
霊の命令は絶対であり、
霊に逆らうことは許されない。
そう言う状況であることがひしひしと伝わってきた。
霊の気分次第で、
多嘉恵の人生は奪われてしまうー
いや、最悪の場合ー
「---頼む」
聡史は、迷うことなく、土下座した。
「--多嘉恵を、返してくれ」
頭を地面にこすりつける勢いで、悲痛な叫びをあげる聡史。
しかし、
多嘉恵はまだ満足していなかった。
「返して…くれ?
返してください、でしょ?」
そう言うと、多嘉恵が腕を組みながら、
地べたに這いつくばる聡史を冷たい目で見つめた。
「---か…返してください…」
聡史は、怒りに震えながらも、
声を振り絞るようにして言うー
「--ふん」
多嘉恵はそう言うと、足を上げて微笑んだ。
「--わたしの足のお掃除してくれたら
許してやってもいいよ?」
「--貴様…!」
聡史は多嘉恵を睨む。
けれどー
従うほかなかった。
「うあああああああ!」
聡史は無我夢中で多嘉恵の靴を舐めまくった。
屈辱この上ない行為だが、
それでも、
それでも
多嘉恵が戻ってくるのならー
「---はい!ご苦労さま!」
そう言うと、多嘉恵は聡史を蹴り飛ばして微笑んだ。
「---くそっ…」
多嘉恵を取り戻したいー
その一心で聡史は頭をフル回転させながら
どうやって多嘉恵を救うか、考えていた。
しかし、良い手はなかなか浮かばない。
さらにー
悔しいことに、聡史のアレは、大きくなってしまっていた。
普段とはちがう、
乱暴な言動の多嘉恵を見て、不覚にも興奮を覚えていた。
「---ぷくくく…お前も男だな」
多嘉恵が笑う。
「---う、、うるせぇ!多嘉恵を…元に戻してくれ!」
聡史が言うと、多嘉恵は微笑んだ。
「--お前のそれ、舐めてやるよ!
ほら、出せよ!」
多嘉恵が笑いながら言う。
「こ…断る…!」
聡史はすぐにそう答えた。
しかし、多嘉恵は不機嫌そうに舌打ちすると
「いいから出せってんだよ!
この女を滅茶苦茶にしてやろうか~?」
と自分の顔をつねくりながら怒鳴り声をあげた。
「---うぅぅぅぅぅ…!」
聡史は怒りに震えながらズボンを下ろす。
ズボンを下ろして、飛び出した聡史のソレを
多嘉恵は嬉しそうに口に咥えた。
「た…多嘉恵…!目を覚ましてくれ!」
聡史が悲痛な叫びをあげる。
「んへぇ♡ おいしいよぉ♡
わたしの口の中に、聡史のソレを
ぶち込んでぇぇ♡」
多嘉恵が嬉しそうに笑う。
「ゾクゾクするぅ♡ ぞくぞく♡ ぞくぞくぅ♡」
聡史は必死に我慢した。
多嘉恵の口の中に、自分の白いアレを
ブチ込むわけにはいかない。
しかしー
多嘉恵のその綺麗な口が、
イヤらしく、聡史のアソコを刺激していく。
「んっ…や、、、やめろ…やめろ…多嘉恵…
め、、、目をさま・・ んっ…あぁああっ!」
聡史はもう我慢の限界だった。
「-わたし~!ミルクが飲みたいのぉ~!
はやく、、はやくぅ~!」
多嘉恵が甘い声で囁く。
そして、多嘉恵の甘い誘惑についに
我慢できず、聡史は白い液体を
多嘉恵の口の中に放り込んでしまった。
「はぁ…はぁ…♡」
「はぁ…はぁ…」
2人とも放心状態だった。
そして、しばらくすると、
蔵の中に日が差し込んできた。
多嘉恵が蔵の入り口を開けたのだ。
「ま、、待てよ!多嘉恵を返すって約束だろ?」
聡史が叫ぶ。
しかし、多嘉恵は不気味に笑うと、
振り向いて言う。
「--今日から俺が、いや、
わたしが東条 多嘉恵…
あとね…
わたしは約束を破っていないから…。
”多嘉恵ちゃんは”返したわよ
ふふふ♡
ははははははは~♡」
多嘉恵はそう言うと、蔵から飛び出して、
まるで、翼を手に入れた鳥のように、
両手を広げて
「今日からわたしが女子大生~!」
と笑いながら走り去って行った。
「多嘉恵…」
聡史が絶望してその場に蹲るー。
そしてー
あることに気付いた。
先ほどまで”怨”と文字が浮かび上がっていた巻物にー
”助けて”という文字が浮かび上がっていた。
「多嘉恵!」
聡史は直感した。
多嘉恵が、この巻物の中に封印されてしまっているー。
そう感づいた聡史ー。
巻物中に”助けて”の文字が刻まれている。
しかしー
霊に憑依された多嘉恵の身体は
もう、どこかに行ってしまったー
そしてー
どうすることも…できない。
「う…うわああああああ!」
聡史は、己の無力さ、そして、
起きてしまったことの重大さを噛みしめながら、
大声で叫ぶのだった…。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
憑依…と思いきや、入れ替わり…な作品でした!
皆様も古い蔵を整理するような機会があったら
注意しましょうネ!
ちなみに、リクエスト原文は下記の通りデス~
”蔵の整理に幼馴染が手伝いにやってきた。
しかし誤って巻物に封じてあった霊を
解き放ってしまい憑依されてしまう。何とか幼馴染を助けようとするが”
シンプルなリクエストなので、書きやすかったデス!
リクエストありがとうございました~!
コメント
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Tiraさんの「倉から出てきた赤マント」ですね
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> Tiraさんの「倉から出てきた赤マント」ですね
コメントありがとうございます!
Tira様の作品…読んだことはないのですが、
見てみます!
もし内容が似てしまっていたのでしたら
申し訳ありません!
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巻物に封印されてるオチ、何百年もこのままかと思うと普通に乗っ取られるより残酷ですねぇ……。
濃いめなダークで好きです
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> 巻物に封印されてるオチ、何百年もこのままかと思うと普通に乗っ取られるより残酷ですねぇ……。
> 濃いめなダークで好きです
コメントありがとうございます~☆
ある意味入れ替わり…ですよネ!
数百年後、また何かが起きるのカモしれません…!