<憑依>大好きな漫画の作者に憑依しました①~続きが見たい~

”大好きな漫画の続きが読みたい”

その気持ち一つで、彼は
大好きな漫画の作者に憑依したー。

しかしー…!?

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男子大学生の滝山 英雄(たきやま ひでお)は、
最近、とある漫画にはまっていたー。

”霧の中の王国”という漫画で、
ファンタジー世界を舞台とした漫画だー。

高い画力と、予想を裏切る斜め上の展開続きー
そして、容赦ないダークな展開ー

人を選ぶ漫画であることは確かだが、
人を惹きつける独特な魅力を併せ持つ漫画で、
英雄も、そんな「霧の中の王国」に魅了された
人間の一人だったー。

「やばすぎるだろー… 零夜(れいや)先生ー」

”零夜”は、霧の中の王国を描いている漫画家だー。

大ヒットー
まではいかないものの、霧の中の王国はそこそこのヒットを
飛ばしているし、過去作品も熱狂的なファンが存在するー

残酷な描写なども多く、
”王道的な展開”からは外れていることも多いために、
”大衆受け”する作品ではなく、
それ故にアニメ化などはなかなかされないものの、
”零夜先生の作風は唯一無二”とも言えたー。

特に、
”宇宙探査体”を主人公とした前作は、
終盤で主人公たちがパラサイトされてしまい、
最後は地球の人類を攻撃し始めてー
地球を滅ぼしー、
故郷を滅ぼして満足そうに朝日を崖の上から見つめて
微笑む主人公たち(乗っ取られている)の笑顔で
最終回を迎えたときには、
あまりの展開に、秀雄は度肝を抜かれたー。

もちろん、そんな展開を好まない人も多いだろうー。

だが、異端であるからこそ、そこには光り輝くものもあるー

そしてー
現在連載中の作品
”霧の中の王国”でも、衝撃の展開が起きたー。

なんとー
第1話からずっとヒロインだった巫女が、
第28話にして、魔王に憑依されてしまい、
完全に敵になってしまったのだー。

しかもー
第1話から主人公の勇者と行動をしていた悪友を
乗っ取られたヒロインが殺すというショッキングな展開ー

「ーーやべぇ…さすがすぎる」
そう呟きながら、英雄は雑誌の巻末を見つめるー。

”この右手から闇を生み出していると思うと、
 ごはん3杯はいけますね”

と、意味不明な巻末コメントにも、秀雄は
思わずニヤニヤしてしまうー。

「ーーは~~続きが気になるー」
秀雄はそんな風に思いながら
”霧の中の王国”の作者である零夜のツイッターを見つめるー。

しかし、次回の話の予告だとか、
そういった内容は書かれておらず、
ため息をつくー。

「ーは~…いいよなぁ…
 零夜先生のアシスタントとか、知り合いは
 続きの話も知ってるんだろうしなぁ~」

秀雄はそんな風に思いながらベッドに横たわるー。

彼は、あまり友達が多いタイプではなくー
家で過ごすことが多いー。

”大っぴらに深夜アニメとかを見れない”という理由から
大学生になってすぐに、一人暮らしを始め、
今は快適な生活を送っている状況だー。

「ーーーあ~~気になる」

どうしても先の展開が気になってしまった秀雄は、
”零夜先生の知り合いとかいねぇかなぁ”と、思いながら
ネットで色々と検索してみるー。

するとー
”大好きな漫画の”先の話”を知る方法”と書かれたサイトを
見つけたー

「ははっ、どうせロクでもないことが書いてあるんだろ」
秀雄はそう言いながらも、そのサイトを開いてみる。

こういったサイトは、大抵中身が薄い。
見出しだけ壮大で、実際に中身を見てみると

”そんな都合の良い方法があれば、誰でも漫画の続きを
 見ることができちゃいます!
 次号まで、ワクワクしながら待ちましょう”

みたいな、ロクでもないことが書かれていることが多い。

”んなこと言われなくても分かってるよ!”と、
思わずスマホやパソコンに向かって叫びたくなってしまうような、
そんな感じの内容が書かれていることが多いのだー。

「ーー”次ページ”ばっかりだったりとかさ…」
秀雄は、自虐的に笑いながら、
”そうとは分かっているのに、こういうサイトを開いちゃう僕もアレだけど”
と、心の中で呟くー。

しかしー
そのサイトは
秀雄が思っているような、中身のないサイトではなくー

”具体的な方法”が書かれていたー。

「ーー憑依ー?」
秀雄は思わず表情を歪めるー。

そのサイトには
”大好きな漫画の続きを見るためには、あなた自身がその漫画家になるのが一番です”
と、そう書かれていたー

「ーーーHA?」
秀雄は思わず、片言のような口調でそう呟いたー

「何言ってんだこいつ そんなことできるわけないじゃん」
そう思いながら、秀雄がサイトを閉じようとするとー

”誰でもできる憑依の方法”と、
書かれているのが目に入ったー

「ーーーーー」
秀雄は、怪しいサイトだ、時間の無駄だ、と心の中で
何度も自分に言い聞かせたものの、
どうしても気になってしまいー、
その先を見てしまうー。

そこには
”憑依を行うための具体的な方法”が
書かれていたー

「ーーーーーーーーーー」
方法は、それほど難しい方法ではなかったし、
”何かを買え”だとか、そういうことが書いてあるわけでもなかったー。

身近に存在するものを使って、
最後にサイトに書かれた呪文を唱えれば、
憑依ができるのだというー。

”憑依したい相手のことを思い浮かべながら
 呪文を唱えるー”

たった、それだけでー。

「ーーぜ~ったい、あり得ないし!」
秀雄はそう叫ぶー。

いやー、でも、しかし、もしも万が一…

サイトの管理人は
”古の錬金術師の子孫”を名乗っているー

滅茶苦茶怪しいー

”古”とか
”錬金術師”とか、
明らかにイっちゃってるし、下らないー。

そんな風に思う秀雄ー。

「ーーあ~~~でもでもでもでも、気になる!」
秀雄は、馬鹿らしいと思いながらも、
”憑依の術”に必要な素材を、サイトに従って
集めてしまうー。

塩などの、”家庭にあるものばかり”だー。

「ーまぁ、どうせ暇だしー…
 お金がかかるわけでもないしー
 別のページにアクセスとか、
 変なファイルのダウンロードを求められているわけでもないしー…」

と、自分に言い聞かせながら
サイトに書かれた”錬金術”の準備をしていくー。

ほぼ100%嘘だとは、思うけれど
どうしても漫画の続きが気になってしまうー。

「ー零夜先生に憑依できたらー…
 数話先まで分かったり、
 秘蔵の資料とか見れたりしないかなぁ…
 へへへへへへ」

秀雄はそう呟きながら、”憑依の術”に必要な準備を終えるー。

”あ、そういえばー”

秀雄は”零夜先生”のことを名前しか知らないー。

”名前と姿、できる限りの情報を思い浮かべながら呪文を唱える”と
書かれているが、
零夜先生の姿を、秀雄は知らないー

秀雄は勝手に
”ベートーベンのような音楽家みたいな人”だと想像しているが、
実際はどうだか分からないー

疲れたおじさんかもしれないし、
意外とチャラそうなイケメンかもしれないし、
サンタクロースみたいなおじいさんかもしれないー。

だが、ここまで独創性のあるお話を書くことができる人間は、
きっと、音楽家のように、芸術性のある人間に違いないー。

「ーーと、そろそろ憑依の術やるかー」
秀雄はそう呟くと、サイトの説明を読みながら
説明通りに”零夜先生”のことを思い浮かべながら、
憑依の術の呪文を唱えていくー。

奇妙な単語ー
これが、本当に錬金術だとでも言うのだろうかー。

下らないー。
そう思っていると、秀雄の意識は急にすぅっ、と遠のいてー
そのまま意識を失ってしまったー

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーーー!!!!」
秀雄が目を覚ますー」

「ーー!」
周囲を咄嗟に見渡すと、
そこは見知らぬ部屋だったー。

しかもー
人気の可愛い系キャラクター”真ん中ぐらし”の
ぬいぐるみなどがたくさん置かれている部屋ー

「ーーえ…どうなってー?」
憑依の術を唱えていたらー
急に意識が遠のいてー

そしてー

「ーーえっ!?」

思わず驚いてしまうー。
何故なら、秀雄の口からー…
いや、乗っ取った身体の口から出たのは
女の声だったからだー…

「ーーー…お…女…?」
自分の声が急に女声になることはあり得ないー。
それに、この見知らぬ部屋はー

”あの憑依の術…本当だったのかー”

「ここ、どう見ても僕の家じゃないしー…」
そう思いながら自分の身体を見つめて、
胸の膨らみが視界に入ると、
顔を真っ赤にして「ちょ…ちょっとタイム!」と、
手で顔を覆うー。

”な、、なんなんだよこの展開ー”
秀雄は心の中で思うー

”憑依の術は本当だったけどー
 憑依する相手を失敗しちゃったみたいだなー”

とー。

”名前と姿、できる限りの情報を思い浮かべながら憑依の術を唱える”

ここが、恐らく失敗の原因だろうー。

何故ならー。
”零夜先生”は本名じゃないだろうし、
零夜先生の顔も姿も、秀雄は知らないのだー。

だからー
秀雄の脳内で勝手にイメージした”零夜先生”を浮かべながら
憑依の術を唱えた結果ー

見知らぬ女性に憑依してしまったのだろうー。

「ーーって…てか、やばくねー?」
女性の声で呟く秀雄ー。

「つい”漫画の先の展開が見たい”なんて
 憑依しちゃったけどー…
 これーー…憑依された方に記憶残ったりしないよなー…?」

ドキドキしながらそう呟く秀雄ー

もしー
もしも、今、自分が乗っ取っている身体に、
今、この瞬間も意識があるのだとしたらー?

”……捕まったりしないよな?”
秀雄はそう思いながら立ち上がると、
長い髪が自分に当たってドキッとしてしまうー

「ーー…う…ぁ…?」
女性の声でドキドキしながらそう呟くとー
首をぶんぶん振ってー
「ぼ、僕はそういうことをするために憑依したんじゃないぞ!」
と、一人叫ぶー。

しかしー
女性に”僕”と叫ばせたり、”~~じゃないぞ!”と叫ばせたりしたことで、
余計にドキドキしてしまうー

「ーーあぁぁぁ…なんだよもうー」
髪を掻きむしりながら、近くのベッドに座り込むー。

そして、ため息をつくー。

「ーーー……はぁ…」

”僕が憑依したかったのは零夜先生なのにー…
 確かに、他人に憑依できるとなったら
 こういうことに”力”を使う人はいるとは思うー。
 でも、僕は違うのにー”

心の中でぶつぶつとそう呟くー。

「ーー…そういえばー」
女性の身体でそう呟くと、
”どうやってこの女の人から抜け出せばいいんだー?”

「ーーあぁ…くそっ!」
”霧の中の王国”の先の話が知りたい!その一心で、
つい勢いで憑依してしまったもののー
よく考えたら”憑依から抜け出す方法”も調べないまま
憑依してしまったー。

「ーまさか、ずっとこの女の人として生きていくー…
 なんてことないよなー?」

そう思いながら、慌てて部屋に置かれていたパソコンを起動すると、
”大好きな漫画の続き”を読むための方法が書かれていた
例のサイトにアクセスしようとするー。

「ーー!?」
だがー
その時、秀雄はあることに気付くー。

「ーーえ…この女の人もー?」

秀雄が憑依した女性のパソコンのデスクトップの画面はー
”霧の中の王国ー”
秀雄が好きな漫画のデスクトップの画面だったのだー。

しかも、ヒロインだった巫女が悪い顔をして、
主人公と敵対している壁紙ー

”こんな画像…どこで貰えるんだー?”

そんなことを思っていると
部屋をノックする音が聞こえたー

「ゲッ!?」
 ”この人、人妻か何かか!?”とドキッとしていると、
外から声が聞こえたー

「零夜先生ー…失礼します」
とー。

「ーーえっ!?!?!?」
外から聞こえてきた声に、思わず部屋の中の鏡を見つめて、
秀雄はその女性の身体のまま戸惑いの表情を浮かべたー。

②へ続く

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コメント

漫画家の人に憑依するお話は…
確か初めてだった気がします~☆!
(あまりにも書きすぎて記憶の中から消えてる可能性…笑)

続きはまた明日デス~!

憑依<大好きな漫画の作者に憑依しました>
憑依空間NEO

コメント

  1. 葉月 より:

    憑依された女の子が僕っ娘になるのもいいなぁ

    続きも見てみたい

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