<入れ替わり>お父さんが新成人!?③~同窓会~(完)

父と娘が入れ替わった状態のまま、
成人式は終わり、同窓会の時間が近づいてくるー。

果たして、父と娘の運命はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・

信号無視のバイクが原因で、
事故を起こしてしまった父・昭二はー
人を巻き込むことはなかったものの、
その際の衝撃で、娘の美愛と身体が入れ替わってしまったー。

人生に1度きりの成人式ー
その当日に、あろうことか娘と入れ替わってしまったのだったー。

美愛(昭二)は、鼻血をティッシュで止めながら
やっとの思いで家に帰宅すると、
「トイレ!トイレ!」と、必死に叫びながら、
着物をなんとか脱ぎ捨てようとするー

「ーーあぁぁぁ…ダメだ…どうやって脱げばー」
美愛(昭二)は叫ぶー。

成人した娘の身体でお漏らししてしまうなんて
洒落にならないー
とにかく、なんとかしなくてはならないー

焦っているからかー
振り袖姿なんて経験がないからかー
脱ぐのにそれなりに時間がかかってしまうー。

「ーーはぁぁぁぁ…」
美愛の身体が震えるー。

かなり尿意が限界に達しているー。

ようやく振袖を脱ぐと、トイレに駆け込みー

「ーーって、立ってできないんだった!」と
思いながら、「す、座るんだよなー?」と、
戸惑いながらトイレに座るー。

”女”としての初めてのトイレー
正直なところ、
もう”見ちゃいけないんだ”とか、”娘の身体でトイレなんて興奮する”とか、
そんな感情は一切なかったー。

”漏れる”
”早く”

そんなー
トイレの我慢がギリギリな人間の切実な思いー。
それだけが、今の美愛(昭二)を支配していたー。

「ーーーは~~~~」
ようやくトイレを終えた美愛(昭二)は、ほぼ半裸状態で
トイレから出たー。

漏れそうだったので、
もはや何にも考える間もなく、ほぼすべての衣類を脱ぎ捨ててしまったのだー。

ガチャー

「ーー!」
美愛(昭二)が驚くとー
ちょうど、母の園枝が、
父・昭二の身体になった美愛のいる病院から帰宅したところだったー

「ーーー美愛…?」
ほぼ裸の状態で家の廊下に立っていた美愛(昭二)を見て
母・園枝が驚くー。

美愛(昭二)は顔を真っ赤にして、慌てて
「こ、こ、これはー!と、トイレが…限界でー!」
と、咄嗟に叫んだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

園枝から、昭二(美愛)が骨折で入院した病院の場所を聞くー。

園枝と雑談しながら、
同窓会に美愛が着ていこうとしていた
パーティドレスを身に着けると、美愛(昭二)は、
鏡で、”大人の女性”っぽくなった美愛を見てドキッとしたー。

思わず、イケないことを想像してしまいそうになるもー
美愛(昭二)は心の中で
”平常心 平常心”と何度も呟くー

確かに、昭二は”ちょっとHな父親”ではあるものの、
娘の身体でそういうことをするーとか、犯罪に手を染めるーとか、
そういうつもりは全くなかったー。

”とにかく、まずは病院に行って、美愛に身体を返さないとー”

時計を見つめる美愛(昭二)ー。
病院の場所はそこまで遠くなかったー。
今から病院に行けば、十分に昭二(美愛)と合流して、
身体を元に戻すことに成功すれば、
そのまま自分の身体に戻った美愛が
同窓会に行くことができるー

”楽しみだなぁ”
そんな風に言っていた美愛から成人式も同窓会も
全てを奪ってしまうことは、できないー。

その時だったー。

美愛の母・園枝のスマホが鳴るー。

「ーーー」
その間に、鏡で髪型やパーティドレスを着た美愛の姿を
確認する美愛(昭二)ー

「ーー同級生のやつら、ぜったい惚れるだろ…」
美愛(昭二)は鏡を見つめながらそんな風に呟くー
”親バカと言われるかもしれないけど、娘が綺麗すぎるー…!

そんな風に思いながらいるとー
園枝が叫んだー

「お父さんの容態が悪くなったってー」

「ーーえ?」
美愛(昭二)が表情を歪めるー

「ーータクシー呼ぶから、美愛は早く同窓会に向かいなさいー。
 わたしはすぐ、お父さんのところに行くからー」
園枝の言葉に、
美愛(昭二)は「ーえ…俺…じゃない、お父さん、急にどうしたの?」
と、不安そうに呟くー

「ーーわ、分からないけど、とにかく病院に行くからー」
慌てた様子の園枝に、美愛(昭二)は言われるがままに、
そのまま”同窓会”に向かうことになってしまうー

園枝と共にタクシーに乗り、病院に向かう途中に位置する
同窓会会場に向かうー。

一緒に病院に行くと美愛(昭二)は提案したものの、
慌てた様子の園枝は「いいから!美愛は今日を楽しみなさい!」と
半ば強引に、同窓会会場の前で下ろされてしまったー。

”え…ちょっと待てよー?
 成り行きでここ来ちゃったけどー”

そんな風に慌てながら、
”やっぱり私も行く!”と、
妻である園枝に連絡しようとしたがー

「ーーあ~~~!くそっ!暗証番号!」
再びスマホのロックを解除できないことを思い出して
悲鳴を上げるー。

”お父さんの容態が悪くなった”とは
どういうことなのだろうかー。

園枝によれば、”死ぬとか、そういうことじゃないみたいだけど”と
言っていたもののー
どうやら激しい頭痛がどうとか、そんなことを言っていたー

「ーー俺も、病院に行かないとー」

”でも、俺、骨折しただけのはずだしなー”
昭二はそんな風に思うー。

骨折しただけで死ぬなんて、あり得ないー。

でも、もし死ぬのだとしたらー
昭二の身体が死ぬ前に、娘と入れ替わるしかー

「ーー美愛!」

「ーーえ?」
声をかけられた美愛(昭二)が振り返ると、
そこには友人の姿ー。

友人たちが集まってきてー
「久しぶり!」「美愛綺麗になったね!」
「うわっ!マジで美愛か!」
などと、色々な声に包まれるー

そしてー
そのまま”病院に行くから”と言える雰囲気は消えてしまいー、
同窓会会場に引きずり込まれてしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

病院に駆け付けた美愛の母・園枝は、
医師から説明を受けていたー

急に激しい頭痛を訴えたため、緊急で処置と検査を行ったものの、
脳梗塞や脳出血などの類は見られず、
鎮静剤などで対処した、という説明だったー。

「ー夫は、いったいー?」
園枝が言うと、
意識を失ったままの昭二(美愛)を見つめながらー
「ー脳に大きな異常は見られないため、
 一時的なものだと思いますがー
 正直なところ、原因は不明ですー」と、医師は、
”突然、昭二が苦しみだした原因は不明”としたー。

不安そうに園枝が、昭二(美愛)のほうを見つめるー。

それから10分ちょっとが経過しただろうかー、
ようやく昭二(美愛)が目を覚ましたー

「ーーー大丈夫?急に意識を失ったって連絡があったからー」
園枝が心配そうに言うと、
昭二(美愛)は静かに口を開いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ~~~もう、おっぱいってたまんねぇよ~!へへへへ」
美愛(昭二)が自分の胸を揉みながら、笑っているー

周囲には「美愛ちゃんやべぇ~!」っと、男子が集まって
美愛(昭二)を盛り上げているー。

”誤算”ー

成人を迎えたメンバーが集まっていた同窓会では、
お酒も出されていたー

昭二は”お酒に強い”ため、
周囲との付き合いがてら、”少しだけ”飲んだのだがー

”お酒に強い”のは、昭二の身体の話ー
まだ、飲んだ経験がなかった”美愛の身体”は、
想像以上にお酒に弱くー、
”あっという間に酔っぱらってしまった”のだったー。

美愛になった昭二の理性がはじけ飛び、
欲望のままに人前で胸を揉む美愛(昭二)ー

「ーーへへへ お前もわたしの、、揉むかぁ~?」
美愛(昭二)がイカれた目つきで、男子に絡むー

「マ、マジで!?」
男子がそう叫ぶと、美愛(昭二)の胸を触るー

「えへへへへへ…マジできもちいい♡」
美愛(昭二)はそう呟くと、他の女子にも絡み始めて、
友達の胸を触るー。

幸いー
その友達も酔っていたのか、
美愛の行為を気にすることはなく、
美愛(昭二)の唇に突然キスをしたー

女同士のキスに、周囲の男子が「うぉぉぉぉ」と、
嬉しそうにしているー。

「ーーあぁぁぁぁ~娘が可愛すぎるんじゃぁ~」
酔いが回って意味不明なことを呟く美愛(昭二)ー

昭二は酒癖も悪くなくー
お酒にも弱くなかったのだがー
美愛の身体が壊滅的にお酒に弱すぎてー
美愛(昭二)は完全に酔っぱらってしまっていたー。

「うふふふふふふふ♡ えへへへへへへへへっ♡」
美愛(昭二)がパーティドレスの上から胸を揉み続けるー。

蟹股で立って胸を揉みまくる美愛(昭二)を見て、
友達の一人が「み、美愛…ちょっと、酔いすぎじゃない?」と
戸惑いの声を上げるー。

お酒に弱い美愛 と 少しHな父親の昭二ー。
最悪の組み合わせによって
性欲に狂ったモンスターが生まれてしまったー。

「ーーえへへへへへへへ~~~エロい♡ エロいよぉ♡」
美愛(昭二)が叫ぶー
酔った男子たちが喜んで美愛(昭二)に言葉をかけるー

やがて、美愛(昭二)は泥酔状態のまま、
ちょっとチャラそうな男子と一緒にタクシーに乗って
そのままどこかへと行ってしまったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー」

「ーーーーー」

「ーーーーはっ!?!?!?!?」

美愛(昭二)が目を覚ますとー
そこは、見知らぬホテルの一室だったー

「ーーえ!?!?!?」
隣には、知らない男ー。

「ーーえ…俺…」
美愛(昭二)は昨日のことを思い出すー。

”適度にお酒を”と思っていたら急に酔いが回ってー

”!!…み、美愛の身体だから早く酔っちまったのか”
そんな風に思いながら
まだ寝ている男のほうを見るー

”お、、俺は美愛の身体でいったい何をー…?”

「ーーって…美愛は…!?」
美愛(昭二)はそう思いながらスマホを見るー。

もちろん、ロックで内容は確認できないがー
メッセージが届いていたー。

”お父さんは大丈夫~”という見出しが見えるー。

それを見て、慌てて病院に向かうー。

「俺はなんてことをー… 
 美愛の成人式を完全に奪ってしまったー

 それにーーー」

美愛(昭二)はそう思いながらー
病院に駆けつけるとー
昭二(美愛)が、病室で元気そうにベッドで本を読んでいたー

「ーー美愛!成人式たのしめたか~?」
昭二(美愛)から皮肉を言われたー。

そう思いながら、美愛(昭二)は「ごめんな…美愛」と、
呟きながら病室に入っていくー

しかしー

「ーーん?何言ってるんだ?」
笑う昭二(美愛)ー

「ーーえ」
美愛(昭二)は戸惑いながら、
「ーー美愛ー…大丈夫か…?これから元に戻る方法をー」
と、言葉を口にしたー。

しかしー
昭二(美愛)は続けたー。

「お、おいおいー美愛…急に何を言いだすんだよ?
 元に戻るってー?

 昨日は、ごめんな。大事な日に事故なんて起こしちゃって」

昭二(美愛)の言葉に、
美愛(昭二)は困惑の表情を浮かべるー。

「ーーーあ、美愛ー」
母の園枝も病室に入ってくるー

そしてー
昨日の出来事を園枝に説明されたー

”容体が悪くなった”
昨日は、そう言われて、園枝は病院に、美愛(昭二)は同窓会に向かったー

そのあとのことを園枝から説明されたのだー

”急な、激しい頭痛ー?”
美愛(昭二)は表情を歪めるー。

「ーーなぁ…”本当に”覚えていないのかー?」
二人になったタイミングでー
美愛(昭二)が、昭二(美愛)に聞くー

だが、昭二(美愛)は
「ーいやいや、全部覚えてるさー。
 信号無視のバイクのことも、全部、さー。

 急に
 どうしたんだ、美愛?」

と、答えたー

完全に”自分が美愛だと”認識できていないー

美愛(昭二)は、そう悟ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1か月後ー

美愛(昭二)は、大学へと向かうー

「ーーまさか…俺が女子大生になってしまうなんてー」
美愛(昭二)はため息をつくー

あれから1か月ー。
父・昭二は”美愛の身体”にも慣れてきているー。

だがー
早く美愛に記憶を取り戻してほしいし、
早く身体を返してあげたいー。

もちろん、それなりに楽しいこともあるし、
ゾクゾクすることもあるけれどー。

でも、何故、”自分は美愛になった昭二”だと分かっているのにー
美愛は、”自分は昭二になった美愛”だと、分からなくなってしまったのかー。

怪我をしていたからかー。
それとも、美愛の自我より、昭二の脳に蓄積された記憶の方が強かったのかー。

それは、昭二には分からないー。

昭二は、美愛の記憶を引き出せないー。
だが、美愛は、昭二の記憶を持ってるどころか、昭二そのものになってしまっているー。

何かー
何か、身体で起きたのだろうー。

”身体の脳”と”中身の人間の自我と記憶”ー

美愛の場合、
昭二の身体が、美愛の自我に打ち勝ちー、
昭二の身体の持つ記憶に、塗りつぶされてしまったのだろうかー。

「ーーいや…考えても仕方ないかー」
美愛(昭二)は思うー

今はとにかくー
”両親”を心配させないように、
美愛として振る舞い続けるしかないー。

いつの日か、昭二(美愛)が、自分が美愛だと思い出す、その日までー。

おわり

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コメント

成人式の入れ替わりモノでした~!☆

もうお正月シーズンから続く(?)特別な感じもなくなって
普通の日常という感じになりましたネ~!

憑依空間は、普通の日も特別な日も、引き続き毎日更新デス~!!

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