入れ替わってしまった
OLと暴走族ー。
元に戻る方法をようやく発見した二人は…?
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「入れ替わり薬…」
正義(克美)が驚きながら呟くと
「裏ルートで手に入れたんだ」と
克美(正義)が笑みを浮かべたー。
「----」
正義(克美)が克美(正義)を見つめるー
「--わたしの身体のはずなのに、何だか自信に満ち溢れた感じですごいなぁ…
わたしも、そんな、強そうなオーラ出せるんだね」
正義(克美)が、笑うー
少し容姿が派手になったのもあるが、
何より、正義が中身の克美の身体は”表情”が自信に満ち溢れているー
「--へへ、そっか?」
克美(正義)は
”昨日の夜のエッチしてる姿、見せたら驚いて、倒れちゃうんじゃね?”と、
内心でニヤニヤしたー。
「--まぁ、それを言ったら、俺だって随分弱っちそうなオーラを
振りまいてるけどな」
と、克美(正義)は笑ったー。
「-う、うるさい!弱っちくて、悪かったわね!!!」
そう叫ぶ正義(克美)に向かってー
「でも、優しそうな俺ってのも悪くねぇけどな」
と、克美(正義)は笑みを浮かべたー
「--さて、戻るか」
入れ替わり薬を手に、克美(正義)は、笑みを浮かべるー。
実は昨晩ー
克美の姿でコスプレを楽しんで、その動画を撮影し、
元に戻ったあとの自分が楽しむように保存しておいたのはー
ここだけの秘密だー。
「--待って!」
正義(克美)が叫んだー
「え?」
克美(正義)は首を傾げるー
「--怪しい薬じゃねぇよ?単純に入れ替わるだけー
つまり、俺とお前は元にー
「そうじゃないの!」
「戻る前に、どうしてもやりたいことがあるの」
正義(克美)の言葉に、
克美(正義)は、「???」と、表情を歪めたー
「--あんたの…あんたの彼女…いえ、元カノかな?
どうしても許せなくって…!
元に戻る前に、一度、、一度、どうにか、お仕置きしたくて」
正義(克美)が、悔しそうに言うー。
正義の彼女・蘭と、暴走族のリーダー・ジュン。
どうしても、浮気と略奪で堂々としているのがー
克美には許せなかったー。
「------ジュンには恩義がー」
克美(正義)が言うと、
正義(克美)は叫んだー
「わたしにはない!!!!!!!!!!」
とー。
「--あ?」
克美(正義)が首を傾げると、
「恩義があって、”理不尽な浮気”にも何も言えないなら
わたしが代わりに文句言うから!
だって、絶対おかしいでしょ!?
仲間から彼女を取ったり、
浮気して平然としてたり…!
わたし、ああいうの絶対許せない!」
と、正義(克美)は叫んだー
「---…」
正義本人も、ジュンと蘭の二人には怒っていたー。
でも、どうしてもジュンへの恩義から、何も言えなかったー。
「----……わかったよ」
克美(正義)がそう言うと、
「-じゃあ、俺もやりたいことがあるー。
お前の会社のクソどもー。
どうしてもあのまま許しておけねぇ」
と、付け加えたー。
正義(克美)は少し不安そうにー
「わたしの身体で犯罪しないでよ?」とだけ呟いたー。
「--しねぇよ。」
2人はー
”3日後”に元に戻ることを約束しー
お互い、決着をつけることを決意したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---!」
正義(克美)は、ジュンと蘭のことを徹底的に調べたー
”クズ男”
”クズ女”
ああいう二人は”調べれば出て来る”
そう思ったからだー
「やっぱりー」
正義(克美)は表情を歪めたー。
”ジュン”には、女がたくさんいたー
正義から奪った蘭を本命だと言っていたがー
アリサ、シンディ、香苗、啓子、恵、穂希、三郎という
彼女がいたー。
見事なまでの8股だー。
三郎は男だったが、”俺が愛してるのはお前だ”などと
口説いているのだというー。
そしてー
”蘭”にも男がいたー。
”ライバルの暴走族のリーダー”・ケンタロウー。
「ほんと、どうしようもない奴らー」
正義(克美)はうんざりとした様子でそう呟くと
”懲らしめるための舞台”を整えるため、行動を起こしたー
・・・・・・・・・・・・・・・・
「あぁぁぁぁ、女神の泉~~~~」
セクハラ上司・銀平が笑いながら
昼休みの時間に、突然克美(正義)の胸を揉みにやってきたー
これはー
”日常茶飯事”で、他の女子社員にもやっていることだー
「-ふおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ
こうやって、癒すのも君たちの仕事だからなぁ」
へらへら笑う銀平ー
「---」
克美(正義)は、殺意に満ちた目で、セクハラ部長を見つめたー。
「-今日も最高の揉み心地だったよ」
窓際で微笑む銀平ー。
そんな銀平に対して克美(正義)は、
「-あんたも、最高の反射だな」
と、窓際から差し込む太陽の光を反射している
銀平の禿げ頭を指さしながら言ったー。
周囲の女性社員たちが笑うー
銀平は顔を真っ赤にして、黙り込んだー。
「---明日の取引先とのプレゼンの準備 よ・ろ・し・く」
女帝”乙原 香澄”が、仕事をいつものように押し付けて来るー
「はいー」
笑顔で克美(正義)が微笑むと
”仕事”を終わらせたー。
「おい!!」
価値観がアップデートされていない専務・笠井が
克美(正義)を呼び出したー
”先日”の件で逆上した笠井専務は、
専務の部屋に克美(正義)を呼び出すと、
静かに笑みを浮かべたー。
「--残念だが君は、このままだとクビだ。」
笠井専務はそう呟いたー。
「-ーーはぁ?」
克美(正義)は表情を歪めたー。
「--君は、何か勘違いしているようだがー
”女”なんて、いくらでも辞めさせることができるんだよ」
笠井専務はニヤニヤしながら言うー。
「----」
克美(正義)は、暴走族モードで暴れ出すところだったが
それを我慢しながら、笠井専務を見つめるー。
「--会社に残りたいかね?残りたいだろう?」
そう言うと、突然笠井専務は、バニーガールの衣装を
机の中から取り出したー
「着たまえ
それを着て、土下座したまえ」
笠井専務の言葉に、
克美(正義)は失笑したー
「---男を喜ばせるのが、女の役割だ。違うかね?
着て、土下座しろ。
そうすればクビは考えてやってもいいー」
その言葉に、克美(正義)は笑みを浮かべたー。
「---やっぱあんた、頭の中で火災が起きて、脳みそ溶けてるよ」
克美(正義)がそう言い放って、部屋から出ると
笠井専務は、何かをギャーギャーと騒ぎ出したが、それを無視したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
元に戻る前日ー
”準備は整った”
「---話って何?」
呼び出された正義の彼女・蘭が言うー。
正義(克美)は笑みを浮かべたー
そこにー
暴走族のリーダー・ジュンもやってくるー
「--ジュン!」
「--蘭?」
表情を歪める二人ー。
正義(克美)が、二人を見つめるー。
”この身体でいると、ちょっとだけ強い気持ちになれるかも”
そんな風に思いながら、正義(克美)は叫んだー
「浮気、浮気、浮気、浮気、浮気ーーー
恥を知りなさい!」
とー。
「---!」
ジュンと蘭が、表情を歪めるー。
アリサ、シンディ、香苗、啓子、恵、穂希、三郎ーー
ジュンの浮気相手が全員、姿を現すー
「な…!アリサ、シンディ、香苗ーーえ?」
ジュンが間抜けな表情で浮気相手の女たちを見つめるー
「--し、、シンディ!どうしてここに!?」
ジュンが言うと、シンディと呼ばれた女が「わたしは穂希よ!クソ男!」と、
ジュンをビンタしたー。
「--ひぃっ!?」
ジュンが悲鳴を上げながら「待て!落ち着け!俺が一番愛してるのは、啓子だ!」と叫ぶー。
しかし、背後から恵の殺意を感じて、「いや、違う、恵だ!」と叫ぶー
そこに広がっていたのは、無様な光景ー。
そしてー
蘭の浮気相手である、ライバルの暴走族のリーダー・ケンタロウもやってくるー。
「--け、、ケンタロウ…なんでここに!?」
蘭が悲鳴を上げるー
「--おい!蘭!テメェ!そいつとどういう関係だ!」
ジュンが叫ぶー。
「ーーテメェこそ!」
ライバルのケンタロウが叫ぶー
悲鳴と怒鳴り声ー
ジュンの女たちが、ジュンを殴りつけるー。
ケンタロウが蘭の胸倉を掴むー
罵声と、悲鳴と、見苦しい言い訳ー
「---最低」
正義(克美)はそう吐き捨てると、
ジュン、蘭の無様な姿を見て”少し反省しなさい”と
心の中で呟いたー。
正義(克美)は、
全員の浮気相手それぞれに連絡を取り、
それぞれを呼び寄せておいたのだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”-今日も最高の揉み心地だったよ”
セクハラ上司、銀平の音声が再生されるー。
克美になった正義は、ボイスレコーダーで
銀平の音声を録音していたー。
「---あ、、、、ぅ…こ、、これは、、ですね」
セクハラ上司・銀平が顔を真っ赤にしているー。
専務や社長のいる前で-
銀平は、「申し訳、ありませんでした!」と、土下座しているー。
「--君には、それ相応の責任をとってもらうよ」
社長が言うー
「--あ、呆れたやつだな」
価値観が古いままの専務・笠井専務が、銀平に見切りをつけて笑うー。
だがー
”着たまえ
それを着て、土下座したまえ”
昨日のー
笠井専務が、克美にバニー衣装を強要した時の音声も流れたー
「---それが、どうかしたのかね?
私はスーツを着ろと言っただけだ 何も怪しい衣装をー
---!!!!」
笠井専務とのやり取りはー
動画付きで保存されていたー
笠井専務が、克美にバニー衣装を着せようとしているのがー
映っているー
社員も、社長もどよめき、笠井専務を見つめるー
「----これはどういうことだ?笠井」
社長の言葉に、笠井専務は、へなへなと座り込みながら
克美(正義)を睨んだー
だがー
克美(正義)は暴走族として培った
相手を威圧する睨み方で、笠井専務を睨みつけたー。
「--ぎ… ぎ… ぎぎ、、ぎぎぎぎぎ」
笠井専務とセクハラ上司・銀平は、何も反論できないままー
”処分”を受けたー
そしてー
「--な、、なにこれ!!??」
取引先との会議で
克美(正義)に押し付けて完成させたプレゼンの資料を
発表していた”女帝”こと香澄が表情を曇らせているー。
”確認”もせずに、スクリーンに映し出してしまったプレゼンの資料ー
そこにはー
”わたしは部下に仕事を押し付けて、資料を作成しました”
と、大きく表示されているー。
「---あ、、これは、、ちがっ!!」
香澄が慌ててスクリーンの映像を消すー。
しかしー
既に取引先はどよめいていたー
「あ、、、あ、、あのクソ女ぁ!」
取引先の会議場で、取り乱して、香澄は持っていた資料を投げ付けたー。
夜ー。
「----!」
勘違いイケメン・自称白馬の王子様の忠が
夜道を歩いているとー
「--!?」
背後からバイクの音がしたー
フルフェイスヘルメットにラバースーツ姿の
香澄(正義)がバイクから降りると、
「---お前…俺の女に手を出すんじゃねぇぞ?」と、
男のように低い声を無理やり出して、
勘違いイケメンを脅したー
「---ひっ!?!?!?なんの、、、こと… ひっ!?」
怯える忠ー
「--会社でお前が絡んでる女の彼氏だよー」
あえて”克美”とは言わないでおいたー。
忠は、克美以外にも絡んでいるー
これで、克美も、克美以外も、絡まれなくなるだろうー
「次、絡んだらテメェ…」
克美(正義)が、忠の胸倉を掴んで、
ヘルメット姿のまま、忠を脅したー
「ただじゃ、おかねぇからな」
とー。
「--は、、、はひっ」
忠はその場に座り込むー
克美(正義)はそのまま顔を見せず、
バイクで走り去っていったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
元に戻る約束の日がやってきたー。
「--ほんと、色々すっきりしたー」
正義(克美)と克美(正義)は互いの出来事を情報交換したー
暴走族のリーダー・ジュンと浮気相手の蘭は失脚ー
正義が次期リーダーに推されているのだというー
会社は、笠井専務は解任、セクハラ上司の銀平と
女帝・香澄は異動となる見込みのようだー
「--その…ありがとな」
「--わたしこそ」
2人はー
入れ替わり薬を使って、
元に戻ったー
「--ーまた、会えたりするかな?」
克美が言うと、正義は首を振ったー
「暴走族とOL-
住む世界が違うし、会うことはないだろ」
「--そっか」
「--元気でな」
暴走族とOL-
互いの身体を使った二人はー
そのまま”別の道”を歩み始めたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3年後ー。
正義は、暴走族を引退しー
今は、運送業で働いていたー。
ある日の夜ー
コンビニに入ってー
晩御飯を購入しー
そのままコンビニの外に出るとー
派手なバイクが止まったー。
バイクの主である女が、ヘルメットを取り、
歩き出すー。
髪色も、メイクも派手な女だー。
正義は、ふと、その女と目が合ったー
「--ん?」
正義は、その女に見覚えがあったー
「---あ?」
女が首を傾げるー。
「--!」
「----!」
3年後ー
ふたりは再会したー
普通の社会人になった正義とー
まるで暴走族のような雰囲気になった克美ー
身体は確かに戻ったー。
正義の中身は正義だし、克美の中身は克美だー。
だがー
3年後に再開した二人はー
”立場”が入れ替わっていたー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
暴走族とOLの入れ替わりモノでした~!
そのうち3年後のお話もあるかも…ですネ~!
お読み下さりありがとうございました~!
コメント
入れ替わった状態でどちらもが入れ替わり相手の敵にそれぞれ制裁を加える展開いいですね。
大抵の入れ替わりの話はどっちが一方的にいい思いしたり、片方だけが破滅してたりするパターンが多いので、新鮮です。
コメントありがとうございます~!☆
言われてみれば確かに私の作品の中では珍しい内容だったかもしれませんネ…!
今後も機会があればこんな感じのお話も考えてみます~!!