パワハラを受けるOL-
夜道を暴走する男ー
その二人が入れ替わるとき、事態は動き出すー。
-------------------------–
”はぁ…”
彼女は、ため息をついたー
社会人2年目のOLー
瀬野 克美(せの かつみ)-
真面目で優しい性格の彼女はー
大学時代は、いつも穏やかな笑みを浮かべているような子でー
誰からも頼りにされるような子だったー
しかしー
今では見る影も無くなり、
”疲れ切ったOL”オーラが全開になっているー。
スーツに身を包み、
疲れた表情で、会社に向かうー。
「---はぁ…」
大学時代の輝いていたころの自分とー
今の自分が並んだらー
もはや、”まるで別人”のような状態だろうー。
「--どうして…こんな会社に入社しちゃったかなぁ…」
克美は、そう呟きながらも、
どうすることも出来ない自分を呪ったー。
「--うへへへへ…克美ちゃん!
今日もいいケツしてるねぇ!」
セクハラ上司
塔田 銀平(とうだ ぎんぺい)
正直、ぶん殴りたいー。
「--部長に気に入られてるからって、いい気にならないことね」
”女帝”のあだ名を持つ、部署のお局的存在ー
乙原 香澄(おとはら かすみ)
この小さな部署で何が女帝だー。
「--君みたいな女は、どうせ、妊娠して、退職するんだ!
ほんっと、仕事を舐めてるよな!」
会社の専務ー
笠井 庄之助(かさい しょうのすけ)
思考回路が、まるで現代にアップデートされていないとんでもないやつー。
「僕は、君の白馬の王子様だー。」
勘違いイケメン野郎ー
新井 忠(あらい ただし)-
克美は、ため息をつきながら
今日も4人に顔を合わせながら仕事を開始するー。
「---へっへへへへ!克己ちゃんの胸のサイズとブラの色、
今日も当てちゃうぞ~!」
”このセクハラ野郎”
克美は、心の中で、そう叫ぶー
「あは、、あははは もうやめてくださいよぉ~」
けれどー
表向きは笑顔で接するー。
「--じゃあ、この書類もよろしく」
”女帝”から仕事を押し付けられて残業ー。
「---これだから女は!」
差別専務の嫌味を聞きー
「僕は、いつでも君の味方だよー」
そう言いながら、女帝から押し付けられた仕事を
見て見ぬふりをする
口だけ白馬王子様が帰っていく姿を見つめるー
克美は、深くため息をついたー
「---早く、やめたい」
残業代は、もちろん出ない。
サービス残業だー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”チッ”
彼は舌打ちをしたー
バイクで夜の峠を仲間たちと爆走していたのはー
暴走族の一員・竜崎 正義(りゅうざき まさよし)
”正義”
せいぎ、と読む名前でありながら
実際の自分は、夜の峠で爆走を続けていたー。
幼いころから家庭環境が乱れていて、
平気で暴力を振るうような父親に、
浮気に走るような母親ー
まさに、地獄のような環境で育ったー。
”俺は親父のようにはならない”
”人を助けるんだ”
そんな風に思っていた正義ー。
しかし、気づけば暴走族の一員になって
夜の峠を爆走していたー。
「--へへへ 正義!今日も飛ばしてるなぁ!」
兄貴分の男・ジュンが叫ぶー。
「--」
正義は返事をしないー
正義の彼女だった、蘭(らん)が、
先日、ジュンと浮気していたことを、正義は知ったのだー
蘭もジュンも悪びれることなく
ジュンは、「女はより強い男に惚れる」と、訳の分からない言い訳で
自分を正当化させた。
腹立たしいー。
けれども、ジュンには恩義もあるー。
だから、正義は黙っていたー。
いつも通り、爆走を終えて、ジュンたちと別れた正義は、
コンビニに向かうー。
”ったく、ふざけやがって”
何度も何度も舌打ちを繰り返しながら、コンビニに到着した
正義は、そのままコンビニに入っていくー
「---うわぁ…」
その姿を見ていた、パワハラとセクハラに悩むOL・克美は、
思わず小声でそう呟いたー
”いかにもやばい感じ”の容姿の男が
コンビニに入って行ったー。
コンビニの駐車場に止められているバイクを見る限り、
”どう見ても”暴走族だ。
「はわわ…」
克美は、コンビニに入るのをやめようとして、
そのまま方向転換するー。
「は~~~~」
ため息しか出ないー
散々職場でイヤな目に遭ってー
ようやくサービス残業が終わりー
スイーツでも買って帰ろうかと思った矢先が、
”これ”だー。
もう、なんだかイヤな気分になるー
そんな風に思って、とぼとぼと歩いているとー
しばらくして、背後からバイクのうるさいエンジン音が聞こえたー
「--!」
克美が振り返るー。
さっきの暴走族のーー!
そう思った直後、バイクがバランスを崩しー
そのまま克美の方に、暴走族の正義が
突っ込んで来たー
「--えっ!?!?ええええええええええ!?」
克美はよけきることが出来ずー
そのまま正義と激突してしまったー
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
「おい!!」
声がするー
「おい!起きろ!」
女の声ー
どこかで聞いたことがあるような気がする声ー
「--起きろってんだろ!?おい!」
随分乱暴な言葉遣いだなぁ…
そんな風に思いながら、克美が目を覚ますー。
するとーー
目の前に、”自分”がいたー。
少し傷んだスーツ姿の克美が
「やっと起きたか」と呟いているー
「---め、、、め、、目の前に…わたし?」
克美は、寝ぼけたような状態で
そう呟くと、少し、ぼーっとしてから、笑みを浮かべたー
「--なんだぁ…夢かぁ」
そのまま幸せそうに寝ようとする克美ー
「おい寝るなコラ!」
ガシッと、目の前にいる克美が、胸倉を掴んでくるー
「-ひっ!?!?い、、いったい、、何なんですか!?」
克美が目の前にいる克美に対して慌てて叫ぶと、
「--ってか気づけよ!」
と、目の前にいる克美が叫んだー。
「--ふぇっ!?」
その言葉に、克美が自分の手を見てみるとー
「えっ!?!? えっ!?!?!?」
ごつごつとした手ー
じゃらじゃらとした装飾ー
よく考えたら声も違うー
「--えええええええええええええっ!?!?!?」
克美は叫ぶー
克美はー
暴走族・正義の身体になってしまっていたー。
「--ど、ど、ど、ど、どういうことですかっ!?」
正義になった克美が叫ぶと、
克美になった正義が「知らねぇよ…俺も」と、
うんざりした様子で、倒れたバイクを立てようとしたー。
衝突の衝撃で入れ替わってしまったらしいー。
だが、幸いにして、お互いに大きな怪我はなく、
バイクも無事な様子だったー。
「----…ってか…お前…力…ねぇなあ」
克美(正義)が、バイクを重そうにしているー
「--だ、、だ、、だって」
正義(克美)が戸惑っていると
克美(正義)が「見てねぇで手伝えよ!」と叫んだー。
「--は、、はひっ!?」
正義(克美)はビビりながら、バイクを起こすのを手伝うと、
「じ、、じ、、じゃあ、わたしはこれで」と、そのまま立ち去っていくー
とにかくこの、暴走族から離れたかったー。
「-----」
克美(正義)は、唖然としながら叫んだー
「って、おい!自分の身体、置いてくのかよ!?」
と、突っ込まずにはいられなかったー
「---あ」
正義(克美)はそれだけ言うと、
慌てて戻ってきて叫んだ。
「-わたしの身体、返してください!」
とー。
「-ーそれはこっちの台詞だ!」
克美(正義)の言葉に
正義(克美)は表情を曇らせたー。
入れ替わってしまったOLと暴走族ー
2人は、混乱しながらも、近くのベンチに座り、
状況を話し始めたー。
”ぶつかった衝撃”で入れ替わってしまったけれど
元に戻る方法が分からないー
克美は、正義に、
正義は、克美に
入れ替わってしまったー
そんな状況だったー。
2人は困惑しながらも、
やがて”お互いの愚痴”を話し始めるー
「ひっど~!じゃあ、浮気されてたんだ!
なんでその人に文句言わないの?」
正義(克美)が、叫ぶー。
暴走族のリーダー・ジュンに、彼女の蘭を
取られたー
そのことを克美になった正義が話したのだー。
「--ジュンには、恩義があるからさ」
「--わけわからない」
最初の緊張感も少しなくなった正義(克美)がそう言うと、
克美(正義)が口を開いたー
「お前の会社だって、だいぶやべぇじゃん!
なんでそんなことになってるのに、何も文句言わないんだ!?」
克美の状況も聞かされていた克美(正義)はそう叫んだー。
「--だ、だ、だって!クビになったらお金が!」
正義(克美)の言葉を聞くと、
正義(克美)はため息をついて、
克美(正義)は舌打ちをしたー
「---どうする?」
足を堂々と広げた座り方の克美(正義)に対して、
「--ちょっと!その座り方!」と
正義(克美)が叫ぶと
「うるせぇなぁ」と呟きながら、克美(正義)は足を閉じたー。
「---で?元に戻れるまでどうすんだよ?」
克美(正義)の言葉に、
正義(克美)は、「とりあえずこの身体でいつも通り過ごすしかないよね」と、
返事をしたー
「--はぁ?お前馬鹿か!?」
克美(正義)が怖い顔をしながら叫ぶー
「--このままの姿でいつも通りとか、無理だろ?
それにお前、このままいつも通り過ごしたら、
お前の身体で俺は暴走族することになるぞ?
ってか免許持ってんのかお前?」
克美(正義)が言うと、
正義(克美)は、「あ、、、え、、それは無理無理無理!わたしを暴走族にしないで!」と
叫んだー。
「だろ?大体俺の身体でOLとして働くのも無理があんだろ?
入れ替わりました~!なんて、絶対信じてくれそうにねぇし」
克美(正義)がそこまで言うと、
綺麗な髪をかきむしりながら呟いたー
「--”逆”しかねぇな」
とー。
「逆?」
正義(克美)が聞くと、
克美(正義)は答えたー。
「--俺が、、この身体でOLとして会社に行きー、
お前が、、その身体で…適当に…過ごすって感じか」
克美(正義)の提案に、
正義(克美)は叫んだー
「お互いのフリをするってこと!?
無理無理無理無理無理!わたし、暴走族なんかできないよ!?」
正義(克美)の言葉に、
「ただ適当に走ってりゃいいんだよ。免許持ってなくても
俺の身体は免許持ってるから問題ねぇし」
と、克美(正義)は適当な返事をしたー
「いやいやいや、無理無理無理無理!」
正義(克美)の言葉に、
「--でも、それしかねぇだろ。
お前はずっと会社休むわけにはいかないだろうし、
俺もずっと仲間たちに顔を出すわけにはいかねぇ」
結局ー
克美(正義)に押し切られる形で
お互いの”フリ”をしながら過ごすことになってしまったー。
さすがに、克美の身体で暴走族をやられたりー
正義の身体でOLをやるよりはマシだと、
そういう結論になったー。
連絡を取る方法ー
お互いの住所ー
生活上の注意点ー
色々な情報を交換してから、別れる二人ー。
「--あ!」
正義(克美)が叫ぶー
克美(正義)が「何だよ?」と首を傾げると
「--わたしの身体で、その、、変なことしないでよ!?」
と、正義(克美)が叫ぶー
「-しねぇよ。くたびれたOLに興味はねぇ」
克美(正義)はそう言うと、
さらに言葉を付け足したー
「お前こそ、俺の身体で変なことするんじゃねぇぞ?」
その言葉にー
正義(克美)は”くたびれたOL”と言われたことに腹を立てたのか
「-わたしだって、暴走族の身体に興味ないし!」
と、叫んだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--あっ♡ あっ♡ あっ♡ たまんねぇ♡♡」
帰宅した克美(正義)は、
下着姿でニヤニヤしながら、克美の身体を弄んでいたー
「--へへへっ…やっぱ我慢できねぇや♡
部屋の中でだけだから、、ごめんな♡ へへっ♡」
克美(正義)は、
克美の身体で、欲望まみれの一晩を過ごすのだったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
暴走族とOLの入れ替わり…!
入れ替わり後の日常の本番は、明日からデス!
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
ありそうで無かった真逆の入れ替わりサイコーです笑
正義は克美のカラダで朝までエンジョイして羨ましい笑
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
コメントありがとうございます~☆
存分にエンジョイできたみたいですネ~!
次回もぜひお楽しみください~!!