<皮>わたしの中には、あいつがいる②~欲望~

男に乗っ取られたまま、
大学生になった彼女…

ますます男の支配は強まっていくー
どうすることもできないまま…。

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「---わたし…大学生になったら、一人暮らししたいの」
真梨が、母の千鶴子にそう打ち明けたー

千鶴子は驚いていたー

「--そんなに遠い大学じゃないのに…?」
とー

真梨の口が震えるー

”くくく、ほら、とにかく一人暮らししたいって言え”

真梨の母親ー
千鶴子は身体が弱く、体調を崩しがちだったー。
父は仕事で不在なことが多くー
真梨は、千鶴子のことが心配だったー。

だから、本当は一人暮らしなんて、したくないー

けれどー

”ほら、言えよ”

「--わたし、、わたし…」

”面倒くせぇやつだな。引っ込んでろ”

男がそう言うと、
”あっーーー”
と、真梨の意識はプツンと途切れたー

・・・・・・・・・・・・・

「---はぁ…♡ あっ♡ あっ…♡ え…???」
真梨がハッと気づくと、
そこは見知らぬ家だったー。

エッチな本や服が並びー
散らかった部屋ー。

趣味の悪いアクセサリーや、
”男”の好きなロックバンドのCDが散乱しているー

「--あ、、、え…え…」
真梨が周囲を見渡すー
自分の喘ぐような声で目を覚ました真梨ー

足元には、大人のおもちゃが落ちていたー
どうやら、自分はこれでエッチをしていたようだー

”久しぶりぃ”
男の声が響いたー

「え…えっ…?」
真梨が困惑するー。

ふと、部屋の中のカレンダーが目に入るー

そこにはー
”9”と書かれているー

「--え、、、」

9月ー?

真梨は、ますます混乱したー

母親に、一人暮らしをすると打ち明けさせられそうになったあの日はー
1月だったー

”--半年以上、眠ってた感想は?”
男が笑うー

「え…う、、嘘…え??? わ、、わたし…?」

”ははは、混乱するなよ。
 お前が一人暮らしするってのを母親になかなか言わねぇから
 むかついて半年以上もお前の身体を完全に支配してたんだよ”

その言葉に、真梨は震えたー

「じ、、じゃあ、、わたしは…今…?」

”はは、そうさ
 お前はとっくに大学生になって、今は一人暮らしを始めてる。
 どうだ?素敵な部屋だろ?”

部屋には、バンドグループのよく分からない曲が
流れているー。

「-へへっ…ノッて来たぜ」
男が勝手に真梨の身体を動かし始めるー。

激しく髪を振り乱しながら
大好きなバンドの曲をー

”大好きな女の身体”で歌いながら踊ってー
”感じるー”

最高の瞬間ー

「--ははははっ!!一人暮らしは最高だなぁ♡
 ひゃははははははははっ!」

真梨は落ちていた大人のおもちゃを拾うと、
容赦なくアソコでそれを感じ始めたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「------」

”二度と俺に逆らうなよ。
 次は1年だって、2年だって、
 お前が死ぬ直前までだって支配することができるんだ”

「----……」
真梨が暗い表情で、部屋を見つめるー

”---返事は?”

「---」
真梨は答えない。

”返事をしろよ!この皮女!!!”

「---うぁぁっ…」
頭がピキッと割れて、中から男が出て来るー

これをされるたびに、激痛と苦痛が走るー

真梨の皮から完全に男が外に出るー

「---あ、、、、、、ぁ…」
皮のようになってしまった身体を自由に動かすことすら、できないー

「--へへへ、久しぶりに完全に外に出たぜ」
男が笑うー
あの時のやせ細った姿のままー。

「---ある意味、今の俺は引きこもりだなぁ、ははっ
 ま、部屋に引きこもってんじゃなくて、女体に引きこもってるんだけどなぁ ははは」

男は笑うと、
真梨の脱いだ皮を踏みつけ始めたー

「う、、、、あ、、、、、、あぁ、、、、、あっ」
この上ない激痛が真梨を襲うー。

「--おら!!お前は俺の洋服なんだよ?
 洋服が口答えすんじゃねーよ!

 な????
 分かったか???おい!おら!」

「--ぎ、、、、ぎ、、、あ、、、、、」
声すら満足に出すこともできない皮になってしまった身体ー

真梨は苦痛に耐えながら、
”助けて”と嘆願するー

しかし、その言葉すら届かないー

男は、笑みを浮かべるー

「世間じゃ俺は失踪した人間扱いさぁ
 ま、誰も心配しちゃいねぇだろうがな。

 だが、お前はこうして、俺に着られて普通に存在しているー
 お前の親も友達も、誰もかも、
 お前が支配されてるなんて気づいちゃいねぇし
 気づいてもくれない!!
 ははははは!」

男はそれだけ言うと、
さらに凶悪な笑みを浮かべてー

真梨の皮を洗濯機に放り込んだー

「う、、、あ、、、、、、あぁ、、、、あぁぁああ””」

この上ない苦痛を味わう真梨ー。
まるで、拷問のようなー

溺死しそうなぐらいに苦しむ真梨ー

けれど、皮になっている自分の身体は
もう、普通の人間とは違うのかもしれないー。

溺死することもなく、
ただ、苦しみだけが、真梨を襲うー

ようやく、洗濯機から取り出された真梨は、
物干しざおに吊るされてしまうー

激しい痛みが真梨を襲うー。

”殺して…”
真梨は、そう思うようになったー

「---へへへへ…」
男は笑みを浮かべながら、
再び真梨を着るー

「---たすけて…おねがい…」
真梨が泣きながら言うと、男は笑ったー

”-----ま、確かにちょっとかわいそうな気もしてきたな”
男の言葉に、
真梨は少しだけ希望を抱くー

”どうだ?こうしねぇか?大学卒業までー。
 大学卒業まで、俺に自由にさせてくれたら、
 解放してやるよ”

「---…」
真梨はその言葉に、
「本当?」と尋ねるー。

”本当???ははは、俺を疑うのか?”

男は笑ったー

「ち、、違う…違うけど…でも!」
真梨が泣きそうになりながら叫ぶと、
男は笑ったー

”---いいんだぜ?疑ってるなら疑ってるんでも”

「----」
真梨は、男に強い憎しみを抱いていたー

なんで、わたしがこんな目に合わないといけないのー?と、
何度も何度も何度も思っているー

”そうだ、お前の大学での評判、教えてやろうか?”
男が笑うー

「--評判…?」

真梨は思うー
そういえば、9月なのに、自分がどんな大学生になっているのかも知らないー。

とー

”へへへ、淫乱女だって評判だぜ 
 金を積めば誰とでも寝る女、とかも言われたな”

男が笑うー

「--わたしの身体で…いったい、、いったい何をしてるの‥?」
真梨が泣きながら言うー。

”前に言ったよな?大学生になったら、好き放題するって。
 今がその時だー

 俺は女を好き放題、しゃぶりつくしてるのさ へへへへ

 そうそう、今はメイドカフェでバイトしてるんだぜ~?
 書店で働いていた真梨ちゃんより、全然輝いてるぜ!

 ははははは”

「--これ以上…!これ以上、、わたしの身体で好き放題しないで!!!!!!!!!」
真梨は怒りのあまり、叫んだー。

部屋もー
学生生活もー
バイトもー

何もかも、男の思うままー

「ふざけないで!!!!!!!!!!!」
真梨が大声で叫んだー

”わたしの身体?”
男が笑うー

”--俺の身体だろうが。勘違いしてんじゃねぇよ”

怒りの声ー

真梨は恐怖を覚えるー

「や、、、やめて…わたし、、もう、、もう、消えたくない…!わたし…!」

”また”乗っ取られて意識が闇に飲まれる感覚を思い出すー

完全に乗っ取られている間は
完全な”無”だー

寝ている間とも違うー

本当の”無”-

まるで、”死”を体感しているかのような状態で、
この上ない恐怖を感じるーーー

「---やめて、、わたし、、もう、、消えたくない、、お願い、、やm

プツンーーー

真梨の意識は、再び闇に飲まれたー

「--へへへ…うっせぇんだよ」
真梨は凶悪な笑みを浮かべると、
胸を乱暴に揉み始めたー

「-この身体は俺の”お洋服”なんだからよぉ~!
 洋服は黙って、俺の意のままにアンアン言ってりゃいいんだよ」

真梨の口でそう呟くと、男は真梨の身体で、喘ぎ始めたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「----ふぁっ…!?」
真梨は再び意識を取り戻したー。

「---ひっ!?!?」
真梨の隣には、知らない女性が眠っているー

「---!?!?!?!?」
真梨は慌ててカレンダーを見つめたー
12月24日ー。

クリスマスイブー?

「---…どうしたの?真梨?」
一緒に寝ていた女性が声を出すー。

「--え、、、え…」
真梨は戸惑いながら、どう返事していいのかも分からず、
困惑したー

”こういう状況に、なりたくねぇだろ?俺に逆らわなきゃ、
 ちゃんとお前の意識も残しておいてやるよ。

 だから、俺に逆らうな。
 な?”

「---う、、、うぅ…」
真梨の頭の中に響く声ー

”あいつ”だー。
あの変態常連客ー。

真梨は正直、自分を乗っ取っている男の名前も、知らないー。

高校時代、書店でバイトしていた時の常連客ー。

それしか、本当に、知らないのだー。

”その娘は、俺の…いいや、お前の彼女だ”

「--か、、かの…!?」
真梨はさらに戸惑ってしまうー

「--ねぇ、どうしたの?真梨?」
真梨の中にいる男の声は、この女性には聞こえないー。
彼女は戸惑いながら真梨を見るー

”--バイト先ー
 同じ、メイドカフェで働く先輩メイドだよ。
 今じゃ、俺のテクの前に、気持ちよさそうに喘ぐ女に
 なり下がったけどなぁ”

男の言葉に、真梨は「もうやめて!」と叫ぶー

メイドカフェの先輩が戸惑いながら真梨を見つめているー

”おいおい、彼女が戸惑ってるじゃねぇか。
 ま、いいや、また、寝てな”

「--もういーーーーー」

プツン、と全てが途切れたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---はぁ…はぁ…」
真梨が目を覚ますー

また、乗っ取られていたー

大学生になってから、ほとんどの時間をあの男に乗っ取られているー

”どうだ?こうしねぇか?大学卒業までー。
 大学卒業まで、俺に自由にさせてくれたら、
 解放してやるよ”

男の言葉を思い出す真梨ー

大学卒業後に開放してくれるー?
嘘だー。
この男が、そんなことしてくれるはずがないー

”--疑ってんのか?”
男が笑うー

思考まで、読み取られてしまうー

「う、、、疑うにきまってるでしょ…3か月もわたしを乗っ取って…」

12月28日ー。

この前、目を覚ました時は24日ー
そして、その前は9月だったー

”3か月…ねぇ”
男は笑ったー

”よく、カレンダーを見てみな”

男の言葉に、真梨がカレンダーを見つめるー

真梨は、悲鳴を上げたー

”9月”に意識を取り戻した時から、
経過したのは3ヵ月ではなくーー

1年3カ月ー

「---あ、、、、あぁぁああ…」
真梨が震えるー。

”へへへへ…どうだい?なが~い間眠ってた感覚は?
 あ、感覚もねぇか?
 お前にとっては一瞬だったかな?”

「--もう…もう、、やめてよぉ…」
真梨がその場にうずくまるー

自分の身体が、自分の身体じゃないような感覚がするー
毎日毎日エッチ三昧で、真梨の身体はすっかり
イヤらしい体つきになっていたー。

”お前が悪いんだぜ
 俺の愛を受け止めなかったから”

男が言うー

”でもまぁ、俺の告白を断ってくれたおかげで
 こうして俺は、大好きなお前自身になって、
 最高の毎日を送ることができているから…
 お前に感謝、だな… へへへへへ”

「----ふざけないで!!わたしの身体を返して!
 もうやめてよ!!返してよ!!!」

真梨は思わず発狂するー
大声で叫ぶー

しかしー

ピキッー
脳天が割れてー
男が中から出て来るー

「-あ、、、ぁ、、、、が、、、、ぁ」
真梨の頭が割れて、首のあたりまで、
皮が裂けた状態で男が笑うー

「”洋服”が俺に口ごたえすんじゃねぇよ」
男が、自分の口で笑うー

「--あ、、、ぁ、、、、ぁ」

苦しむ真梨の頭の部分を掴んで
男がぐにゃぐにゃと乱暴に真梨の皮を揺さぶるー

「---ぁ、、、、、、ぁ…」
苦しそうな真梨を見て、男は笑みを浮かべたー。

「--な、?いい加減俺に逆らうなよ。
 俺はお前の一部、
 俺は真梨の一部なんだ?

 な???」

男の言葉に、
真梨は深い絶望に突き落とされたー

③へ続く

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乗っ取られ続けている彼女の運命は…?

逆転はあるのかどうか、
続きはまた明日デス~!

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