家庭の事情により転校ー
転校先はなぜか女子高「純恋学園」-
挙句の果てに、父に女体化させられた春夫ー。
彼の運命はー?
父の野望とはー?
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「--はぁぁぁ…」
帰宅した春夫は、ソファーでぐったりと制服のまま、
だらしない格好をしていたー
スカートはめくれ、下着が見えている状態だー。
「--春菜。お前は女の子なんだから
そんな恰好しちゃだめだぞ」
父が言う。
「--父さん~
俺の身になって考えてくれよ~
いきなり女子にさせられて、
女子高だぜ?
疲れずにはいられない…!」
春夫がかわいい声でそう呟くと
「それにしてもかわいい声だな」と、父はニヤリと笑みを浮かべたー
「ひぇっ!?」
春夫が、ただならぬ気配に悪寒を感じて
変な声を出すと、
「はは、女の子っぽいしぐさ、できるようになったじゃないか」と
父は笑みを浮かべたー
「あのさ…
俺、何のために女体化させられたの?」
春夫がふと気になって聞くと、
父は立ち止まったー
そして、少し考えてから言うー。
「--純恋学園が女子高だと知ったのは直前って言ったけどな…
あれは嘘だ」
とー。
「は?」
春夫が首を傾げる。
「--実は、お前の転校先を決めるときに
女子高だと知っていて純恋学園を選んだ」
父が真顔で言う。
「は??は???はぁ????なんで!?!?」
春夫は思わず叫ぶー。
何故、転校先を女子高に決めたのか。
学園長が、父の旧友だからか?
いや、それにしてもおかしいー。
「--じ、じゃあ、最初から俺を女子にするってのは
決まってたことなのか?」
春夫が言うと、父は頷いたー
「黙っていてすまない。
俺はお前を女の子にするつもりで、
女子高を選んだんだ」
父は真顔でそう、言い放ったー
「は、、はぁ??な、何のために!?
なんのために俺を女の子にしたんだよ!?」
転校先を間違えて女子高にしちゃったから、
その対策として女体化させられたのだと春夫は思っていたし、
父は最初、そう説明していたー
だが、実際は
”女体化ありき”で、女子高を転校先に選んでいた、というのだー。
「--話せば長くなる」
父は神妙な表情で言う。
「--はぁ?いや、説明してくれよ!?
急に女の子にさせられた俺の気持ちも考えてくれよ!」
可愛い声が響き渡るー。
ふと、鏡が目に入るー
可愛い女の子が、怒っているー
これが、今の自分ー
春夫はちょっとドキッとしながらも
”いや、ドキッとなんてしてる場合じゃねぇ”と首を振るー。
「----百聞は一見にしかず」
父は呟く。
「はぁ?」
春夫が不満そうに言うと、
父は答えたー
「時が来たら必ず、明かそうー
俺の野望をー」
とー。
・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
純恋学園に登校するー。
髪型は、母親に手伝ってもらいながら、
上手く整えているー
女子の髪の準備なんて、慣れてないし、
ショートヘアーにしようとすると、何故か父に反対されるー
「あ~くそ」
口元に髪が触れて、春夫は呟くー
ショートヘアーなら、男の時と同じような感じで
行動できるのに…
と、思いながらも、長い黒髪を指に数本巻いて、
少しだけ、ため息をつくー。
「--あら、春菜さん。おはよう」
お嬢様・麗子と鉢合わせするー。
麗子が「ちょっと、付き合ってくれるかしら?」と、
笑みを浮かべるー。
「え?あ、うん」
春夫が答えて、麗子の後をついていこうとするとー
「----面倒な子に目をつけられたわね」
と、背後から声がした。
「さ、、貞子さん!?」
ビクッとしながら春夫が言うと、
貞子さんが、呟くー
「ーーー白崎さんに呼び出されたということはー」
貞子さんがそこまで言うと、クスクスと一人で笑い始めるー
「え、、ど、、どういうこと…?」
春夫がそう呟くと、貞子さんはクスクスと笑ったまま
「ついていけば、分かるわよ」と呟いたー。
「--な、、な、、なんだよもう」
そう呟きながら春夫が、麗子についていくと、
麗子は、使われていない教室に入っていくー。
春夫もそれに続くー。
「------」
春夫は嫌な予感を覚えるー
このお嬢様に”目をつけられた”のではないか、と。
お金持ちのお嬢様=陰険な、イメージを勝手に
持っている春夫は
”あなた、生意気ですわ”とか、言われるんじゃないかと
身構えていたー
そして、この麗子と、麗子の取り巻きたちに
いじめられるのではないか、とー。
”女子のいじめに巻き込まれるとか、ホント勘弁してくれよ…”
春夫はそう思わずにはいられなかったー。
そして、空き教室に二人が入ると、
麗子が振り返ったー。
「---あなた」
”来た”
春夫はそう思ったー
「---とっても素敵ですわ」
ーーー?
春夫は、思わず首を傾げた。
なにー?
俺はいったい何を言われてるんだ?
麗子が近づいてくるー。
そして、麗子が、春夫の頬に手を触れて
うっとりとした表情で微笑むー
「この髪ー
艶のある肌ー
透き通った瞳ー
うるおいに満ちた唇ー
魅惑の胸ー
まるで、春菜さんってば、宝石ですわ」
麗子が言うー。
「--え…あ、、、え!?」
春夫は思わず、”美人なお嬢様”に、近づかれて
触られている状況にドキドキしてしまうー。
「--わたくしの宝石になりません?」
麗子が微笑むー。
「--え???え???え???」
春夫は頭がおかしくなりそうになりながら、
?を頭の上にたくさん浮かべるー。
「--わたくし、あなたの魅力に憑りつかれてしまったみたいですわ」
麗子がうっとりとした表情で言うー。
「な、、な、なんだこの展開…」
春夫は震えるー
「こ、、これが女の子同士の百合ってやつなのか…?」
春夫は戸惑いながらさらに震えるー。
「--ご、、ご、、ごめんなさい、ちょ、ちょっと考えさせて」
春夫はやっとの思いで、そう口に出すと、
空き教室の外に向かおうとするー。
「-春菜さん」
麗子の鋭い声が響き渡るー
”今度こそ、いじめられる!?”
春夫はそう思いながら「は、、はい…?」と振り返るー。
すると麗子は叫んだー
「わたくし、欲しいものは、意地でも手に入れますの。
それがたとえ、あなたのハートであっても、ね…」
麗子の言葉に、
春夫は「あ、、あははははは」と言いながらー
空き教室の外に出たー
何故だが麗子に好かれてしまったようだー
しかも、恋愛感情的な意味でー。
「---クスクスクス」
貞子さんが笑っているー
「やっぱりー。
女の子が大好きな白崎さんに好かれちゃったのね」
貞子さんが小声でぼそぼそ呟くー
白崎 麗子ー
”宝石の名手”と呼ばれた父を持つお嬢様ー。
非常に上品なふるまいとたたずまいの裏に
”女の子大好き”な一面を持つ。
ただし、とても飽きっぽい。
貞子さんは、そう説明したー。
「--今まで、白崎さんと付き合った子は13人」
貞子さんが言うー
「じ、じゅうさん!?」
春夫が驚くと、貞子さんは
「そのうち一人は、わたしね」とぼそぼそ呟いたー
「えぇ!?」
春夫は、声をあげながら教室に向かうー。
教室に到着すると、
ツインテールの蘭…隣の座席に座る蘭が
「おはようのモミモミ~!」と、春夫の胸を
容赦なく揉んできたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
純恋学園での生活にも
だんだんと慣れてきた春夫。
女子としての振る舞いにも
慣れては来ているー
だがー
やっぱりー
「あぁ、立ちションしてぇ」
そう呟きながらトイレを済ませる春夫ー
そこにー
巨体の女子生徒がやってきたー
”レディコング”の異名を持つ女子生徒だー。
裕福な家庭に生まれ、高級な食材や、
美味しいモノを食べ続けた結果ー
体重が爆増してしまった…という少女だ。
「--あんたーーーツラ貸しな」
鋭い形相で睨まれる春夫ー
”今度こそ、女子のいじめに巻き込まれるのか”
と、トホホ、と思いながら
レディコングの異名を持つ女子生徒についていくとー
レディコングの口から信じられない言葉が投げかけられたー
「--わたし、アンタのこと、好きになったみたい」
と。
「--はぁ!?!?!?」
春夫は、”もうだめだ、頭が爆裂しそうだ…”と、首を振ることしかできなかったー
「あら、春菜さんはわたくしのものですわよ?」
お嬢様の麗子が急に現れて、
薔薇の柄が描かれた扇子を優雅に仰ぎながら呟くー
「なによ!春菜さんはわたしのものよ」
”レディコング”が、麗子を睨むー
巨体の少女とお嬢様麗子の修羅場ー
”もうつきあってらんねー”
春夫はそう思いながら、こっそり空き教室から逃げ出しー
そしてー
蘭に胸を揉まれたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな日々が続くー。
春夫ではなく、春菜として、
女子高に通い続ける日々。
一体、いつまでこんな日が続くのだろうかー
とも思いながら、
だんだん、お嬢様たちに囲まれた
学園生活が楽しくなってきているのも
事実だった。
「(みんな、俺が男だと知ったらどういう反応するのかな…)」
色々な不安がよぎる日々を送る。
そんなある日ー。
1か月が経過したある日、
父は春夫を呼び出した。
「--春夫、いや、春菜」
父が言う。
「いや、家でぐらい春夫って呼んでくれよ…
あんま春菜春奈言われ続けると
心まで春菜になっちゃうんだけど…」
春夫が、スカートを落ち着かない様子で
いじりながら言うー。
母が
”女の子らしさを常に意識できるように”と
ズボンではなく、スカートを履くことを
強制してきているー。
スカートを履くことにより、
常に”自分は女なんだ”ということを意識することができるから、
スカートを履くべし、と。
そういうことのようだー。
「---…俺の野望の全てを話す時が来たようだな」
父は言った。
「-----」
春夫は、つばを飲み込むー。
父はいったいなぜ、自分を女体化させたのかー。
そこには、恐ろしい答えがー
春夫の想像もつかないような野望があるのかもしれないー
「実はーーーー…」
父が、真剣なまなざしで春夫を見た。
「実は俺ーー…女になりたかったんだ」
とー。
「--はぁ!?」
春夫が可愛らしい声で叫ぶー。
意味が分からないー
女になりたかった、とはいったいどういうことなのかー?
なんで、自分が女にさせられているのか?
さっぱり、意味が分からない。
「--それでな、父さんの働いてる研究所で
”女になる薬”
女体化の薬、を作ったんだ」
父は言う。
”これが、お前に注射したものだ”と説明する父ー。
父は研究所に勤務していて、
何やら変な薬を色々と開発しているー。
「---それで…?」
春夫が続きを促すと、
「この注射を打って、父さんが女になろうとしてたんだがー」
と、父は呟き、
職場は特殊な職場だから女体化してもそのまま働けるし、
母さんも既に納得して、”応援する”と言ってくれている、
とつけ加えた。
純恋学園の学園長は父の旧友であることから、
その計画に協力してくれて、女体化した春夫を受け入れてくれたのだと言う。
そしてー
「--でもさ、いきなり俺が注射して、副作用とかあったら
怖いだろ?
だからー
先に春夫、お前に女体化薬を注射した。
すまないー」
時が止まったー
気がしたー
「--おぉぉい!?じゃあ、俺は怪しい薬のモルモット?」
春夫が言うと、
父は頷いた。
「まぁ、そういうことになるな」
とー。
「--でもこの1か月、女体化したお前を見ていて、俺は確信したよ。
女体化薬に大きな副作用はない。
これで俺は、安心して女になることができる!!!!」
嬉しそうな父ー。
父は、迷わず自分に女体化薬を注射したー
そして、大人の色気がムンムンの熟女になっていくー
春夫は、髪をイライラした様子で掻きむしりながら
この時、決意したー。
”大学生になったら、こんな家、早く出て行こう”
とー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
元に戻れないので、春夫くんはこのあと、
純恋学園に通い続けることになります~笑
お読み下さりありがとうございました!!
コメント
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うーん。 憑依や入れ替わり、他者変身にて他人になりすまさないとあんまりしっくりこないしモヤモヤする、この場合なら男の子になりたい女の子と入れ替わって女子校に通うとか女の子、あるいは主人公の男の子の同意無しに憑依、入れ替わり、または他者変身で女子生徒になりすます方が良かったです。
そもそもここは憑依をタイトルにしています。憑依の延長線上で入れ替わり、他者変身、皮モノなどはわかります。いずれも他者になりすます訳ですから。しかし、変身ではなく単なる女体化は憑依から遠く離れています。他者になりすます訳ではありませんから。
今回は非常に残念な作品でした。
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コメントありがとうございます!
色々なご意見がありますので、
なかなか全ての皆様に納得していただくことは難しいのですし、
(女体化モノをまた見たいです!というコメントも頂いたことがあるので…)
今後も、どうしても「今回の作品は全く好みに合わない」ということは
出てきてしまうと思いますが、
その分、毎日更新という形で、少しでも
カバーできたら、と思います!