家庭の事情で転校することになった男子高校生。
しかし…
転校先はなぜか「女子高」だったー。
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「---寂しくなるな」
親友の久米川 次郎三郎(くめがわ じろうさぶろう)が言う。
「--あぁそうだな…お前の長い名前を聞けなくなると思うと、寂しいよ」
男子高校生・瀬田 春夫(せた はるお)の
最後の登校日ー。
友人の次郎三郎に対して冗談を口にすると、
少しだけ寂しそうに、次郎三郎と握手を交わしたー。
「-……」
春夫は、来週から”新しい学校”に通うのだー。
父の仕事の都合によって、明日から引っ越しすることが決まっており、
そのために、今日で、この学校に通うのは最後なのだー。
”転校なんて初めてだからなぁ”
帰宅した春夫は、まさか自分が転校することになるなんて、と
苦笑いするー
アニメとかで、転校生がやってきてー
と、いう展開はよく見たことがあったし、
今までに、転校生がやってきて
”え?どんなやつ!?”とか、クラスメイトたちと
盛り上がった記憶もあるー
だがー
まさか自分がその”転校生”になるとは思わなかったー。
「転校生って緊張するんだなぁ…」
そんな風に思いながらも、春夫は、
”新しい学校では、彼女が出来るといいな”などと
前向きなことを考え始めたー。
翌日ー。
父、母と共に、春夫は、住み慣れた故郷を後にしー
新しい場所へとやってきたー。
今日は木曜日ー。
木曜日と金曜日は休みで、
転校先の学校に行くのは、月曜日が最初だ。
木、金、土、日曜日の4日間で
引っ越しの片づけを終えたり、
新しい地域に慣れたり、
学校の準備をしたり、色々と準備する期間もある。
スケジュール的には余裕がある程度あったー。
ダンボールから、荷物を取り出しながら
新しい家の、自分の部屋のセッティングをしていく春夫。
”ここに何を置こうか?”だとか、
そういう、引っ越し後のお楽しみの時間を過ごしながら
少しひとやすみ、と、家族のいるリビングに向かう。
リビングでは父親が、ダンボールから荷物を取り出して
色々と、モノの配置を考えていたー。
「---あ、そういえばさ」
春夫が口を開くー
「ん?」
父が振り返るー
そういえば、まだ転校先の学校の名前を聞いていない。
急な転校だったし、
なるべく負担を掛けないように、と、父が勝手に手配してくれたー。
だが、不思議なことに、まだその学校名も聞いていないし、
その学校に一度も足を運んだこともなかった。
聞くところによると、その高校の校長と父が古い友人らしく
半分”裏口入学”のように、手配してくれたのだとか。
「---あぁ そうだったな」
父が、ダンボールから手を放して、
リビングの一角に置かれているダンボールから何かを取り出すと、
春夫に向って、それを渡したー。
春夫は、その高校のパンフレットを見て
少しだけ笑うと、
「父さん、これ間違ってるよ」
と、笑みを浮かべたー。
父が渡してきたパンフレットは
「純恋学園(すみれがくえん)」という
女子高のパンフレットだったー。
完全に、渡すパンフレットを間違えているー
春夫は思わず失笑しながら
「女子高のパンフレットなんて、何で持ってるの?」と、父のほうを見る。
だが、父は真顔だったー。
「---お、、、おい…まさか…」
イヤな予感がするー
春夫は、冷や汗をかきながら、父のほうを見るー。
「---」
父は答えない。
「--な、、な、、なんの沈黙だよ!? 父さん!?」
春夫が叫ぶと、
父は真顔で答えたー
「お前の転校先は、その純恋学園だ」
とー。
「--はぁ~~~~~~~~~~?????」
春夫は思わず叫ぶー
全く意味が分からないー
純恋学園は”女子高”だ。
男子が少ない高校、ではなく
女子高だ。
「--お、、俺は男だぞ!?!?」
春夫が叫ぶー。
「---お前は、春菜だ」
父が真顔で答えた。
「--は~~~~~~~~~~~~??????」
思わず頭が360度回転しそうなほどに驚きながら
春夫は叫んだー
「父さん!?ついに血迷ったのか!?」
春夫が悲痛な叫びをあげると、
父は、「座りなさい」と、近くのテーブルに春夫を座らせ、
自分もため息をつきながら、テーブルに座った。
母は、2階の寝室で荷ほどきをしていて、ここにはいないー。
「---春夫。落ち着いて聞いてくれ。
お前が行くのは、俺の無二の親友が校長をやっている学校だ」
「--あぁ、それは聞いた気がするよ」
春夫が返事をすると、父は続けたー。
「お前の学力ともちょうど合ってるし
正直、俺の親友の学校は、経営が厳しいらしくてな、
少しでもあいつの力になりたいと思って、
お前の転校先に選んだんだ」
父は言う。
別に、そこまでは春夫にとっても構わない。
だがー
父は真顔で言い放った。
「---後から気づいたんだが、
俺の友人が校長をやってる高校は、女子高だったんだ」
「-いや、先にそこ見ろよ!」
春夫が突っ込みを入れる。
だが、父はその突っ込みを無視して言い放ったー。
「--俺も、純恋学園が女子高だと気づいたのは今朝だ」
「おぉい!?」
春夫は悲痛な叫びをあげる。
「--ど、、どうすんだよ!?
別の高校探しって言ったって、いきなりはー」
春夫が言うと、父は真顔でさらに爆弾発言をしたー
「---転校先が女子高なら、女の子になればいいじゃない」
と、真顔でー。
「なんでいきなりマリーアントワネットになるんだよ!」
パンがなければお菓子を食べればいいじゃない みたいに軽く言うなし!と
春夫が叫ぶと、
父は、「春夫ー、お前も腹をくくるんだ」と、真顔で言った。
「はぁ?勝手に腹をくくらせるな!」
と、苦笑いしながら叫ぶ春夫。
父は、「--お前は、今日から春菜だ」と、そう言うと、
何か注射器のようなものを取り出した。
「実はな、今朝、純恋学園の校長と会ってきたんだがー、
二人で話し合った結果、
お前を女の子にすればいい、という結論になった」
「--ん?」
春夫は超展開の連続に、もはや頭の整理ができなくなり、
仏のような笑みを浮かべながら首を傾げた。
「--お前が女の子になるんだよぉぉぉぉ!」
父が突然叫ぶー
「い、、いやだあああああああああああ!」
春夫も突然叫んだー。
だが、抵抗虚しくー
春夫は、父に変な注射器を打たれてしまったー
「----……え」
何も起きないー。
「そ、そうだよな… お、、驚かすなよ、父さん」
春夫が苦笑いしながら言うー
純恋学園に入学、というのも
注射器で春菜になるんだよ!というのも
父のドッキリだろう。
そう判断して春夫は笑う。
「--制服はそれだ」
ダンボールからセーラー服を取り出す父。
「--って、え…?え?」
春夫は、自分の胸が少しだけ膨らみ始めたことに気づくー
「え…え!?俺、マジで女の子になっちゃうの!?」
春夫が父に向って叫ぶと、
「女体化するまでに数時間かかるから、落ち着いて待ってなさい」と、
笑みを浮かべたー。
髪が伸びていくー
身体つきが変わっていくー
胸が膨らんでいくー
「--おぉぉぉぉ…俺の息子がぁぁ」
トイレで、春夫は、自分の肉棒が縮んでいくのを見て、
叫んでいたー
どうして、どうして、
俺が女の子にー?
つか、なんで転校先が女子高なんだ!と
憤りを感じながらも、
春夫はついにー
女体化してしまったー
「-----」
恥ずかしそうにリビングで座っている春夫ー
さっきまで着ていたジャージ姿ー
だが、胸が、気になってしまい、春夫は落ち着かず、
そわそわしていた。
「お、可愛いじゃないか」
父が笑う。
「--ふ、、ふ、、ふざけんなよ…」
春夫が拳を震わせながら言うと、
父は「まぁ、そういうなって」と、笑みを浮かべたー
母も春夫を見て
「あら、かわいいじゃない」と笑うと、
「わたしが、女の子としてのノウハウ、月曜日までに叩きこんであげるから、
覚悟しなさい!」と、笑みを浮かべながら言ったー
「--ちょ!?!?母さんまで!?」
春夫が戸惑いながら叫ぶー。
父も母も、春夫が女の子になったことに
何故かノリノリだー
「---お、、俺は男だぁぁぁぁぁ!」
そう叫ぶ春夫ー。
しかし、口から出るのは、とてもかわいい声ー。
「--月曜日までは、まだ数日あるから
その間に女の子らしい振る舞いを身につけなさい」
父が言う。
「-な、、ってか、俺はいつ男に戻れるんだ?」
春夫が言うと、
父は真顔で答えたー
「瀬田 春夫は今日、死んだ」
とー。
「は?」
春夫は意味が分からず首を傾げる。
「今日からお前は、瀬田 春菜だ」
真顔で言う父。
「--っ、おいおいおいおいおいおいおい」
春夫は可愛い声で叫ぶ。
そして、父に近づいて、父の肩を掴んで
揺らしながら
「--俺は男として生きたいんだよ~!」と、呟くー
「はははははは!年頃の女の子に触られると興奮しちゃうな~!」
父が冗談を口にすると、
春夫は「やめろよきもちわりぃ!」と叫んだー。
ひとまず部屋に戻る春夫ー。
長くなった髪ー
変わった肌の艶ー。
膨らんだ胸ー
そして、アソコには、アレがないー。
「ってか、ここに、アレがないって
こう…言葉では言い表せない、すっげぇ
変な感じなんだけど…」
ズボンの上からアソコのあたりを触る春夫。
妙に落ち着かない。
身体の一部分を失ってしまった感覚に襲われる。
いやー
実際に失っているのだから、
あながち、間違いではなく。
「しかもーー
こう…胸が目に入ると落ち着かねぇなぁ…」
春夫が呟くー
一瞬、揉んでみたい感じもしたが、
それをすると、なんだか女体化した自分を認める…というか
受け入れるような感じになってしまう気がして、
春夫は意地でも「俺は男だ!」と叫んだー。
「--絶対に…絶対に女の子にはならないぞ!
純恋学園には入学しないぞ!!」
決意を胸に、春夫は、自分の部屋に荷ほどきをはじめーー
「---って…この身体…力がない…」
と、すぐに疲れてしまった女体化した自分の身体を
見つめながら、思わずため息をついたー。
「----」
しばらくすると、春夫はトイレに行きたくなって
1階に降りていくー
「……(やべぇ、女の子のトイレなんて、どうやって済ませれば…?)」
春夫は首を傾げるー
女子のトイレの光景なんて見たことが無いし、
当然、経験したこともない。
春夫に気づいた父が言う。
「お、春菜!トイレか?」
とー。
「-俺は春菜じゃねぇ!春夫だ!」
春夫が言い返すー
だが、父はそれを無視して、
「お~い!母さん!春菜がトイレだってさ!」と叫ぶー。
「-あら、女の子としての初めてのトイレね」
母親がそう言うと、春夫に対して
「女の子のトイレの仕方、教えてあげるから、一緒にトイレにいきましょ」と笑みを浮かべたー
春夫は、「え」と呟きながらも
首を振ったー
”落ち着け俺”
”これは、夢だ”
”転校先が女子高の純恋学園なんてありえない”
”俺が、女の子になるなんて、絶対にありえない”
そう、心の中で念じながら
春夫は、突然、自分をグーで思いっきり殴りつけたー
”これは、夢だ”
”そう、夢”
”ほ~ら、痛くないいたくn
「いってえええええええええええええええ!!!」
自分で顔面を殴りつけた春夫は、悲痛な叫びをあげたー。
②へ続く
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コメント
転校先が女子高だった春夫くんの運命は…!?
次回は、冒頭から女子高に行きます~!
(家のシーンばかりやってると、
女子高に行く前に終わっちゃいますからネ~笑)
続きはまた明日デス~!
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