莉愛の身体で
裏垢を作って、欲望を満たしていく千代香。
千代香の正体に気づき、
元に戻ろうと奔走する莉愛ー。
その運命は…?
--------------------—
千代香(莉愛)は、
困惑していたー
大変な人と入れ替わってしまったー
千代香は、一見真面目そうに見える女子大生ー
けれども、非常に性欲が強く、見られることに
快感を感じ”裏垢女子”として
裏でエッチ三昧の日々を送っていたー
「---ど、、どうしよう…」
千代香(莉愛)は困惑するー
”りありあ♡”として、
莉愛になった千代香は、
コスプレ衣装までツイートし始めたー
過激なSM衣装ー
チャイナドレスー
バニーガールー
スクール水着ー
過激なOL衣装ー
りありあだよ~♡などと、
嬉しそうに毎日ツイートしているー
「--…あぁぁ…」
自分の身体のエッチな姿を見て
千代香(莉愛)は恥ずかしさのあまり目をふさぐー
「---……どしたの?」
「--ひゃああっ!?!?ああううう!?!?」
千代香(莉愛)は驚いてスマホを放り投げてしまうー
今、自分が大学にいることを
千代香(莉愛)は忘れて
”りありあ♡”のアカウントを凝視してしまっていたー
急に声をかけられたことで、驚いてスマホを
放り投げてしまう。
「--っと」
千代香の元彼氏・幸哉が、千代香(莉愛)の
放り投げてしまったスマホをキャッチするー
「--……」
幸哉は千代香(莉愛)のほうを見て
じーっと、その顔を見つめた。
「ひぇぇ…な、なんでしょう…!?」
千代香(莉愛)が戸惑いながら言うと、
幸哉は呟いた。
「--あのさ…すっげぇ、変なこと聞いていい?」
幸哉の言葉に
千代香(莉愛)は「は、、はぃぃぃぃ???」と
答えるー。
「----…本当に、千代香?」
幸哉の言葉に、
千代香(莉愛)は叫んだ。
「ど、どうしてわたしが千代香じゃないって
わかったんですかぁぁ!?」
あっさりと認めてしまった千代香(莉愛)
ほぼ初対面の人間と話すと、
莉愛はいつもこうなってしまうー。
まともに話すことができないー
「--え」
あまりにもあっさりと認められて
半分上段のつもりで言った幸哉は、唖然としたー
・・・・・・・・・
「--マジか」
幸哉は呟いた。
千代香(莉愛)の説明を受けた幸哉は、
半信半疑だったものの、
ここ1週間の千代香の言動から、
”本当に入れ替わっている”と判断した。
「し、信じてくれますかぁ…?」
千代香(莉愛)がそう言うと、
幸哉は頷いた。
「ま…まぁ…
それで千代香…じゃなくて、莉愛ちゃんだったっけ…
君の身体に、千代香が入っているってことかな?」
幸哉はそう言いながら”りありあ♡”のアカウントを見て、
ため息をついた。
「--あ~あ…
まぁ…千代香がやりそうなことだよ」
幸哉はそう言うと、自分のスマホで
「あいり♡」というアカウントを開いて
それを千代香(莉愛)に見せた。
”あいり♡”とは、千代香が自分の身体の時に
使っていた裏垢だ。
「--これ…たぶん、千代香の裏垢なんだ。
あいつさ、その、、なんていうか、
性欲…っていうか、まぁ、そういうのが強くて
俺がついていけなくなって別れたんだけどさ」
幸哉がそう言いながら呟く。
「--俺と別れてから千代香…
もっとそういうのが強くなっちゃって…
こういうことも始めちゃったんだ」
幸哉は少し悲しそうに言う。
最近の千代香は”暴走”していたー
手当たり次第男と寝ているなんて噂もあった。
元彼氏として、幸哉は心を痛めていた。
「--…わ、、わたし…」
りありあ♡のアカウントを見ながら
悲しそうにしている千代香(莉愛)
「--……ふぅ」
幸哉はため息をつくと、口を開いた。
「--分かった…
俺も手伝うよ。
一応さ、俺の元彼女だし、
巻き込んじゃったみたいなものだから、
力になるよ」
幸哉はそう言うと、立ち上がって千代香(莉愛)に
手を差し伸べた。
そしてー
「君の…もともとの君の連絡先、教えてもらえるかな?
千代香のやつ、俺が連絡すれば、たぶん
呼び出しに応じるから
…あ、元に戻ったら君の連絡先はすぐ消すから
大丈夫だよ。
JKに手を出したりしないからさ」
幸哉は苦笑いしながらそう提案したー
・・・・・・・・・・・・・・・
「---ふふふ♡」
昼休み-
莉愛(千代香)はLINEで
男と連絡を取り合っていたー
今週末、会う予定の男だー。
莉愛の身体で初めて男とエッチをするー
「--あぁぁ…ゾクゾクする」
莉愛(千代香)が、普段は絶対に
浮かべないような笑みを浮かべて、
興奮していると、背後から茂がやってきたー
「---あ、、あのさ…」
茂が顔を真っ赤にしながら言う。
「--なぁに?」
莉愛(千代香)が甘い声を出しながら
茂のほうを見ると、
茂は「あ、、、、あ、、、あの、、あの」
と呟いたー
莉愛(千代香)は茂が何を言いたいのかわかった気がしたー
”告白”
莉愛(千代香)はほほ笑むー
”ふふ…中身がわたしのほうが、魅力的ってことね…
こんなに早く告白されるんだもん…
わたしのほうが、莉愛にふさわしい…ってことね…うふふ”
「--お、、、おれ……おれ…!」
茂が叫ぶー
その時だったー
♪~
莉愛のスマホが鳴る。
莉愛(千代香)は「ちょっと待ってね」と茂に伝えて
スマホを開いた。
”莉愛ちゃん…
いいや、千代香。
放課後、会えるか?”
千代香の元彼氏・幸哉からのメッセージ。
ーーーー!?
莉愛(千代香)は表情を歪めたー
「---…幸哉?」
そして、莉愛(千代香)は立ち上がる。
なんで、、
なんで、幸哉からわたしに?
入れ替わったことを知られた?
莉愛の人生を奪うつもりだった千代香は動揺したー
そしてー
”今すぐ会えるけど?”と返信し、
まだ昼休みなのにも関わらず、教室を飛び出したー
「おれーーー…
昨日の数学の宿題忘れちゃったから、移させてくれ!」
茂が叫んで頭を下げたー
茂は莉愛が立ち去ったことに気づいていない。
「あのさ…」
莉愛の友人・史帆が苦笑いしながら声をかける。
「え?」
茂が目を開く。
「莉愛、行っちゃったよ?」
苦笑いする史帆を見て、
茂は「え…?」と呟いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
とある広場ー
そこに
莉愛(千代香)がやってくる。
幸哉と千代香(莉愛)がそこに姿を現したー
「---……千代香、なんだよな?」
幸哉が言うと、
莉愛(千代香)は笑った。
「--千代香って…?誰ですかぁ~?
わたし~莉愛ですけど~?」
莉愛(千代香)がふざけた調子で言う。
「わ、、わ、わたしの身体、返してください!」
千代香(莉愛)が言うと、
莉愛(千代香)は笑った。
「もうこの身体はわたしのもの!
どうしようと、わたしの勝手でしょ!」
とー。
「そんな…」
千代香(莉愛)が戸惑いの表情を浮かべるー
「--千代香…その身体はお前のものじゃない、
この子に返すんだ」
幸哉が言う。
莉愛(千代香)は、笑みを浮かべながら首を振った。
「あんたにはもう関係ないでしょ?」
とー。
「--千代香!いつからお前は
そんな風になってしまったんだ!?」
幸哉が叫ぶ。
「昔のお前は、もうちょっと優しくて
どちらかと言うと、この子みたいに
控えめな感じだった!
いつから、いつからそんな風になっちまったんだ!」
幸哉が言うー
幸哉と千代香は、中学時代まで同じ学校に通っていたー
高校は別々の高校に進学して
大学で偶然再会、付き合い始めたのだった。
「---……」
莉愛(千代香)が表情を曇らせる。
「そ、、それは…」
莉愛(千代香)は自分で思うー
いつからだっただろうかー。
中学生のころから、千代香は幸哉のことが好きだったー
けれど、幸哉には振り向いてもらえなかったー
そして、高校に入った千代香は「可愛くなろう」と必死に努力したー
いつしか、
千代香は願いを叶えて、地味だった自分を
変えることができたー
可愛いを手に入れることができた。
顔にコンプレックスがあるのは、
昔の面影が顔に残っているからだー。
可愛いを手にすることができても
大本の顔を変えることはできないー
”かわいい”
周囲からそういわれることに次第に
快感を覚え始めていったー。
”いつか幸哉に振り向いてもらいたい”
その思いはー
いつしか
”かわいいと言われたい”
”チヤホヤされたい”に変わったー
大学で偶然幸哉と再会してー
幸哉に告白して、千代香は
幸哉の彼女になることに成功したー
だがー
千代香は変わってしまっていたー
幸哉は、千代香のあまりにも強すぎる性欲に
耐えられずー千代香を振ったのだった。
「ーーーだって…だって幸哉に…」
莉愛(千代香)はその場に膝をついて
泣き出し始めた。
「--…」
幸哉と千代香(莉愛)は、泣きじゃくる
莉愛(千代香)を見つめる。
「----…千代香。
あの子に身体を返そう」
幸哉が優しく言う。
「--千代香が、あの子にちゃんと身体を返して
元に戻ったら、また二人のことを、
ちゃんと話し合おう
もちろん…また付き合えるかどうかは
分からないけどさ」
幸哉の言葉に、莉愛(千代香)は泣きながら
頷いた。
「--よ、、よかったぁぁぁ…」
千代香(莉愛)はほっと一安心して、
へなへなとその場に座り込んだー。
「--あ…」
千代香(莉愛)が呟くー
あの人が元に戻る気になったとして、
どうやって、元に戻ればー
「---…元に戻る方法…」
莉愛(千代香)が涙を拭きながら立ち上がる。
「---元に戻る方法…見つけたの」
莉愛(千代香)が言う。
彼女は、莉愛の身体で裏垢女子として
楽しみながらも、元に戻る方法も探していたー
そして、偶然ネットで情報の山から
”実際に過去に入れ替わりを経験した”と思われる人物の
書き込みを見つけたー
もちろん、周囲からは”うまくできた作り話だな~”ぐらいにしか
思われていない様子だったが、
莉愛(千代香)はその内容から、本当だと確信したー。
「---入れ替わりたいって、強く願いながら、
お互いに強い衝撃を与えるの」
莉愛(千代香)が言う。
「--え…そ、そんなので、元に戻れるんですか」
千代香(莉愛)が言うと、
莉愛(千代香)はほほ笑んだ。
「わからないけど…やってみるしかないでしょ…」
莉愛(千代香)が言う。
あの日ー
千代香は、下校している女子高生たちを見て
内心”いいなぁ”と思っていたー。
その最中に莉愛とぶつかって入れ替わったー
だから、信憑性はあるかもしれないー
「痛いかもだけど…ぶつかりましょう…
元に戻りたいと願いながらー」
莉愛(千代香)の言葉に、千代香(莉愛)は「ふぇ…」と言いながら頷いた。
「--な、なんか、ファンタジー的な展開だな」
幸哉が、二人から離れる。
ふたりがぶつかる準備をするー
そして、あの時のように、二人は、
正面からぶつかり合ったー
「いったぁぁあぁ…」
千代香が言う。
「うぅぅぅ…」
莉愛も痛みに耐えている様子だ。
「--だ、大丈夫か?」
幸哉が言うと、莉愛が自分の身体を見つめて
嬉しそうにほほ笑んだ。
「--や、、、やった!戻ってる!!
やったぁぁああああ!!
ありがとうございますぅぅ!」
嬉しそうにはしゃぐ莉愛。
そんな莉愛の姿を見て、
千代香は少しだけ昔のように、
優しく微笑んだー。
「---千代香」
幸哉が手を差し伸べる。
「--なんだかんだ言って、
元に戻る方法も調べてたなんて
やっぱ、本当は優しいんだな」
幸哉がそう言うと、
千代香は「たまたま目に入っただけよ」と言って
恥ずかしそうに目をそらしたー
元通りー。
通常ー
ぶつかっただけで入れ替わることはないー
相手と入れ替わりたいと思いながらでも、
入れ替わることはないー。
けれどー
何か、何らかの条件が偶然重なった時に
奇跡は起こるー。
そんな奇跡が、偶然が、莉愛と千代香に
起きてしまったのかもしれないー。
そして、その出来事がー
千代香を立ち直らせたー。
千代香の男癖の悪さは少しずつ治りー
裏垢女子としての活動もやめてー
幸哉と再び付き合い出した。
性欲の強さは、そう簡単には変わらないけれど、
幸哉のことも考えながら
ふたりでうまく、バランスを取るようになったー。
裏垢女子だった千代香は、
思わぬ偶然で、立ち直るきっかけを手に入れたのだった。
・・・・・
・・・・・・・・・
「クス…♡」
女が笑っているー
自分の太ももを撮影しながらー。
チャイナドレス姿の女は笑みを浮かべながら、
ツイッターアカウントを開くー
”りありあ♡”の
アカウントにその写真をツイートするー。
莉愛の身体になっている間に、
千代香が購入したエッチな衣装は
莉愛の部屋に残されたままだったー。
元に戻った莉愛は、その衣装を見つけてーーー
ドキドキしてーー
そして、虜になってしまったー。
一時的に千代香が莉愛の身体を使っていたことで、
莉愛の思考に、脳に何か影響を与えたのかもしれないー
そういう衣装を目にして、目覚めてしまったのかもしれないー
真相は分からない。
けれどー
「ふふふふ…♡」
莉愛は、「りありあ♡」のアカウントに送られてきた
コメントを見て、ゾクゾクしながらほほ笑むー
新たな裏垢女子が、誕生したのだったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
昨日のコメントの続き(?)ですが、
このお話を書いて、ツイートしたら、
私のツイッターも、
裏垢女子の皆様にたくさんフォローされちゃい(?)ました笑
裏垢女子、という言葉が入ったツイートにものすごいスピードで
反応するなんて、なんだかすごいですネ…!汗
今日もありがとうございました~!
コメント