<皮>皮ノ指導①~指導~

やりたい放題の不良生徒がいた。
そんな彼を見かねた先生は、
”人を皮にする”力を手に入れて
それを使って”指導”を試みる…

※リクエスト作品デス!

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「うるせ~なぁ」
煙草を注意された男子生徒・名坂 行也(なさか ゆきや)が
不貞腐れた態度を取っている。

「--これで3回目よ」
女性教師の、原野 美沙(はらの みさ)は
困り果てた様子で言う。

美沙はまだ若く、
熱心ではあるものの、こういった不良生徒からは
舐められやすい。

「・・・・・・」
指導を終えた美沙は思う。

小さい頃から、美沙は何事にも真面目に取り組んできた。
だがー。
こういった”不真面目なやつ”は必ず学校にはいるものだ。
美沙は小さい頃から”不良”が大嫌いだった。
そして、苦手でもあった。

がー
最近は、行也のことを連日指導していることもあって、
もう、なんだか、”諦め”のようなそんな感情に
なってきてしまっていた。

不良は、何をしても不良ー。
呆れて、キライを通り越した、とでも言えば良いのだろうか。

とにかく、美沙は行也の指導をしているうちに
不良そのものに慣れて来てしまっていたー

そしてー
”ルールに縛られずに生きる”ということに、
何故だか”憧れ”のようななんとも言えない感情を
覚えて来ていたー。

「--憧れだなんて…」
美沙は首を振る。

だが、
ルールに囚われて生きることしか知らない美沙に
とって、行也のようなとんでもない生徒は
ある意味では憧れでもあった。

ある日ー。

美沙が自宅でネットショップを
なんとなく眺めていると、
あるものを見つけた

”人体皮キット”

「皮…?」
美沙は変な商品もあるのね…と思いながら
その商品の詳細ページを開く。

すると、そこには
”人間を模した皮を作って
 着込むことでその本人に”
と書かれていた。

「うっそ~?そんなことあるわけ…」
そう呟きながら
商品説明の続きを見る美沙。

だが、そこには
軒並み購入者からの高評価レビューが
並んでいた。

”絶対やらせでしょ”

そう思いながらも
美沙はそれが気になって仕方がなかった。

”そんなに高くないし…”
美沙はそう思いながら
それを注文する。

注文を終えると
”おすすめ”商品のところに
”解除キット”という商品が表示された。

一度”皮”を来たら
この解除キットがないと、
皮を脱ぐことができない、と書かれている。

「ふぅん…二重でお金をだまし取ろうとしてるのね」
美沙は微笑んだ。

”解除キット”なんていらないー。
どうせ人間を皮にすることはなんてできないんだし
もし万が一、購入した皮キットがホンモノなら、
そのあと解除キットを買えばいいだけの話だー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日、皮キットが届いた美沙は
半信半疑ながら、不良生徒の行也を
呼び出した。

”少し、お仕置きしてあげなくちゃね”

皮キットを使って美沙は
行也を”指導”しようとしていた。

まぁ、これがホンモノならの話だけど…。

皮キットは2回分しかなく、
そこそこの値段がするため、
テストすることもできず、
ぶっつけ本番で行也に
使ってみることにした。

生徒指導室にやってきた行也。

「なんだよ」
行也は敵意をむき出しにしている。
とても、先生に取る態度じゃない。

”皮キット”は
小さな体温計のようなものを
口に咥えることで、
その人間の皮を作り出すことが
できる、というもの。

だが、行也が素直に
これを咥えるとは思えない

だからー。

「まずは、座りなさい」

お茶を用意した机の方を向いて
美沙が言うと、
行也は「俺忙しいんだけど?」と
悪態をつきながらも
先生に言われた場所に座る。

「--…名坂くん、
 いつもどうしてそんなに好き放題してるの?」

美沙が聞くー

行也は、何気なくお茶を口に運んだ。

美沙は笑みを浮かべたー
”睡眠薬”入りのお茶を飲んだー

行也は最初、普通に美沙の質問に
答えていたが、
やがて変化が現れて、
驚いた表情を浮かべながら、
そのまま眠りについた。

「ふふ…」
美沙は、自分が教師として
してはならないことをしていることを
自覚しながらも、
不良生徒への怒りや
憧れー
なんとも言えない感情から
暴走していた。

皮キットを眠っている行也の口に
咥えさせる美沙。

「まぁ…人間の皮なんて…」

そう呟く美沙。

皮なんて作れるはずがないー。

しかしー
すぐに変化が現れた。
行也の口に咥えさせた”皮キット”が変化を
起こし、膨張していくー。

やがて、着ぐるみのような形状になり、
それはそこに横たわった。

「--!?!?うそ…?」
美沙は驚いて、
出来上がった”皮”を見つめる。

間違えなく、行也の姿をした皮だ。

「--…ふ、、ふふふふ
 まさかホンモノだなんて」
美沙は笑う。

説明書には
作った皮を着込むことで
姿・声・記憶までも手に入れることが
できると書かれていた。

「---ふふ…なら」
美沙は自分の口に
”もう一つ用意していた”皮キットを
咥えるー。

そして、同じように、美沙自身の皮も作り出した。

自分が、行也になるためにはー
本物の行也をどうにかしないといけないー

日頃の行いが悪い行也にはー
お仕置きだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「う~ん…」
行也が目を覚ます。

「ーーー!?」
何だか、身体の感覚が変だ。

足元がちょっとスースーするし、
髪が妙に気になる。

「--あら、おはよう」
声が聞こえるー

男との声ー?

行也は不思議に思う。

自分は、美沙先生に職員室に
呼びだされて生徒指導を受けていたはずだ。

だが、
その最中に急に眠くなって…

「--な…!」
行也は声をあげた。

目の前に、自分がいる。

!?!?!?
頭の部分だけ、チャックが開いていて
少し垂れ下がっている行也の顔…
そして、その隙間から少しだけ
先生の顔が見えていた。

「---あなたにはお仕置きよ」
行也の皮を”ほぼ”着込んだ美沙は
行也の声でそう言った。

「ちょ…ま、待て!どういうことだよ!」
行也は叫ぶー

だが、
その口から出たのは、美沙の声ー

ーー!?

行也は驚く。

目の前にいる行也の皮を被りかけた美沙が、
鏡の方を指さす。

「な…なんだ!?うわあああああ!?」
行也は思わず叫んだ。

自分もー
目の前にいる行也の皮をほぼ着込んだ先生と
同じような状況だったのだー

美沙先生の皮をほぼ着込んでいて
あとはチャックを閉じるだけな状態ー

「な…なんだこれ!?」
美沙先生の声で叫ぶ行也。

「ふふふ…今日からあなたはわたしになって
 わたしはあなたになるの」

美沙先生はそう言い終えると、
行也の皮の頭の部分のチャックを
完全に閉めた。

チャックが光り、そして、消えて行く。

美沙先生は、完全に
行也になったのだった。

「--ふふ…
 好き勝手する生徒がいると
 どんなに困るか、
 思い知らせてあげる」

行也になった美沙先生は
そう言うと、
行也の方に近づいてきた。

「--さぁ、あなたはわたしになるのよ!」
行也(美沙先生)が叫ぶ。

あとは、チャックを引き上げれば、
行也も美沙先生になる。

一度、完全に皮を着こんだら
”解除キット”を使わないと
脱ぐこともできないのだ。

「---やめろぉ!」
行也は必死に叫んで、
行也(美沙先生)の方に突進する

しかしー
既に美沙先生の皮をほとんど
着込まされていて
女としてしか動けない行也の力では
行也の皮を着込んで完全な男になった
先生にはかなわなかった。

床に押し付けられる行也。

「や、、やめてくれぇ!助けてくれぇ!」
先生の声で叫ぶ。

しかしー
行也(美沙先生)はクスクス笑いながら
皮のチャックを引き上げたー

行也は、美沙先生の皮を完全に着こんでしまい、
美沙先生になってしまったー

「--元に戻る方法はあるケド…
 わたしの言うとおりにしなかったら
 元に戻してあげないから、
 ちゃんと言うことを聞くのよ」

行也(美沙先生)が言う。

「---なっ…ふ、ふざけんな!」
美沙(行也)が叫ぶ。

普段声を荒げない美沙の姿で
行也は声を荒げた。

「---ふふふ…いいのかな~
 そんな態度取って」
行也(美沙)はニヤニヤしながら言う。

「お互いの皮を脱ぐ方法は
 わたししか知らない…
 先生の言うこと…ちゃんと聞かないと…
 元に戻れないよ~?」

行也(美沙)は勝ち誇った表情で言う。

「テメェ!先生だからって調子に乗るんじゃねぇぞ!」
美沙(行也)が叫ぶ。

「--ふふ、わたし、そんな声も出せるんだぁ」
行也(美沙)は
自分の皮を来た行也の出した声を聞いて
少し興奮した。

美沙(行也)が殴り掛かってくる。

しかしー
行也(美沙)はそんな美沙(行也)の
手を掴んでひねった。

「今は、わたしが高校生の男の子。
 力で勝てると思ってんの?」
行也(美沙)がニヤニヤしながら言う。

「くっ…く、はなせぇ」
美沙(行也)が叫ぶ。

「--ふふふ…
 まぁいいわ。
 これで、わたしの言うことを聞くしかない、ってことは
 ちゃんと理解して貰えたかしら?」

笑う行也(美沙)。

「く、、くそっ…俺の姿で女言葉を使うのはやめろ!」
美沙(行也)の言葉に
行也(美沙)はにっこりとほほ笑んだ。

「その心配はしなくていいわー。
 これから、するのは”体験学習”だから」

行也(美沙)がイヤらしい笑みを浮かべた。

「体験学習!?」

その言葉に行也の姿をした美沙が頷く。

「--皮、脱ぎたいでしょう?」

美沙(行也)は、
これ以上抵抗しても無駄だと観念して
美沙の言うことを聞くことになってしまった…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

美沙が学校に登校する。
先生として、穏やかな笑みを浮かべて、
生徒たちに挨拶しながら
職員室へと向かう。

時々、歩き方ががに股っぽく
なってしまって、慌てて元に戻す
美沙(行也)

元に戻ったわけではないー。

”記憶… 
 着込んだ皮の記憶を読み取ることが
 できるから…
 名坂くんには、わたしに成りすましてほしいの”

昨日、先生はそう言った。
廊下を歩きながら美沙(行也)は
怒りに手を震わせる。

だがー
元に戻る方法が分からない。
昨日、ネットで調べてみたが
”人間の皮”なんて調べても
情報が出てこない。

”そして私は名坂君に成りすます。
 いつも通り、やりたい放題させてもらうわー。

 それを名坂くんは私の姿で、
 先生として止めるの。

 わたしが普段、どれだけ苦労しているか
 あなたに思い知らせてあげる…ふふふ”

先生はそう言った。

つまりー
たがいに成りすまして、
先生の皮を着た行也は先生として、
行也の皮を着た先生や行也として行動し
互いに相手の立場を”体験”する。

それが先生のやりたいことのようだ。

「--おはようございます」
職員室に入る美沙(行也)。

行也は美沙に言われた通り、
美沙の記憶を皮を通じて知ったー。

とても真面目な人生。
”つまんねーやつ”と、行也は思った。

けどー
記憶の奥底にー…

夜になると、エッチな服を着て
ひとりエッチを楽しむ
美沙先生の記憶が眠っていた。

それを見た行也は興奮してしまった。

先生が、夜な夜なそんなことを
してるなんてー

(へへ…いいぜいいぜ、美沙先生に
 なりきってやろうじゃねぇか)

美沙(行也)は
そう呟きながら
机に座っていると、
近くの別の先生から
白い目を向けられていることに気付いた。

「あ…」
タイトスカートであることを意識しない座り方…
それを、近くの先生が無言で指摘しようとしていた。

「ア…あはははは」
美沙(行也)は愛想笑いを浮かべると
”いけねーいけねー”と内心で呟くのだった。

・・・・・・・・・・・・・・

「んふふふ…」
行也の皮をかぶった美沙も登校した

学校に来る前、
美沙は”ちょっとした誤算”に気付いた。

だがー
別に構わない。

「さぁ…不良男子を堪能しようかな…んふふ♡」
そう呟くと行也(美沙)は
教室に向かって歩き出した。

 
②へ続く

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コメント

リクエストによる皮モノです!
入れ替わりの要素もありますネ☆
リクエストの原文は、明日のコメントで
ご紹介しますネ~!

明日もお楽しみにー!

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皮<皮ノ指導>

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    お疲れ様です。以前の作品から気になってましたが、不良やヤンキーは先生なんて尊敬語は使わないですよ。この作品でもテメェ!先生だからって調子に乗るんじゃねぇぞ!」
    て会話がありますが。
    不良やヤンキーなら、この場合なら先公だからって調子に乗るなになります。不良やヤンキーがほとんど先生なんて使わず、名字の呼び捨て、あるいは先公です。

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます~!

    私も名前呼びかな~!とは思ったのですが
    文章だと「〇〇!(苗字)」だと先生だと分かりにくくなっちゃうので
    先生にしてました~!

    でも、先公って呼び方も確かにありましたネ!
    ありがとうございます!