<憑依>髪~KAMI~②”欲望”(完)

髪フェチの彼は、
憑依したクラスメイトの女子の身体で
髪の毛の魅力に溺れて行く。

そして…

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「かみ~♡ かみ~♡ 神ィ~♡」

はぁはぁ荒い息をしながら
髪の毛のニオイを嗅いだり舐めたり
撫でまわしたりを繰り返す亜美。

「はぁはぁはぁ♡」
表情は飢えた獣のような表情になっている。

帰宅してから既に1時間以上が
経過していたが、
鞄は放り投げたままー
制服は着たままー
髪の毛を愛でる以外は
何もしていなかった。

放り投げた鞄から溢れ出た
スマホにLINEが届いているのも
気付かないまま、亜美は
髪の毛を愛で続けている。

「わたしは髪の毛
 わたしは髪の毛~
 うひ、ひひひひひひひ♡」

亜美は嬉しそうに
髪を愛で続けているー

さっき、母親らしき人物から
”ご飯が出来た”と下から声が
かかったがそれすら忘れてしまうほどに
亜美は夢中になっていた。

自分の髪にー。

もちろん、亜美本人の意思ではないー
亜美はクラスメイトの髪フェチ男子である
近雄に憑依されて
思うが儘にされていたー

「はぁ…はぁ♡
 亜美ちゃんの別の髪型を見てみようかな~」

笑う亜美。

亜美のポニーテール姿を見てみたい。

そう思った亜美は、
鏡の前で自分の髪をいじり始める。

しかしー

「そ、そういえば、どうやって作るんだ?」

亜美は首をかしげた。

男子である近雄に
ポニーテールの作り方なんて
分かるはずがない。

「---あぁ…くそっ!」
亜美はイライラした様子で
自分の可愛らしいスマホを手にする。

「---スマホで調べるか!」
亜美はベットの上で胡坐をかくと、
スカートから中が見えるのも気にせず、
スマホでポニーテールの作り方を
調べようとした。

しかしー
”暗証番号”の入力画面が表示される。

「----わ、、わかんねぇ~!」
亜美は叫ぶ。

鞄の中を探り、生徒手帳を見つけ出した亜美は
自分の生年月日を元にした番号を入力する。

しかし、
ロックは解除されない。

「くそっ!くそっ!
 ポニーテール姿を見せろ!」

亜美はイラついた様子で叫ぶ。

亜美のポニーテール姿を目前にして
それを調べることができないなんてー。

亜美の部屋にはパソコンもないから
このスマホで調べるしかない。

しかしー
これじゃ、調べようがない。

「--くっそ~!」
亜美は怒りの形相で
思わずスマホをカベに投げつけた。

音を立てて床に落ちるスマホ。

「あ、やべ」
我に返った亜美はスマホに近づく。

スマホの画面は割れてしまっていた。

「あぁぁ~
 ごめん、ごめんなさい~」
亜美は思わずそう呟く。

「--でも」
亜美は少し考えるような表情を
浮かべた後に、にっこりとほほ笑む。

「俺のスマホじゃないし、いっか♪」

そう呟くと、亜美は再び鏡の前をに立つ。

「う~ん…もう適当だ~!」
ゴムを手に、適当にポニーテールっぽい
髪型を作ってみる。

あんまりうまくできていないような気がするが
まぁこんな感じかな、と思いながら
ポニーテールを作った亜美は笑った

「亜美ちゃんのうなじ~!♡ぐへへへ」
亜美のうなじの部分を手で嬉しそうに
触りまくる亜美。

亜美はニヤニヤしながら
荒い息をして興奮している。

そのまま床に寝転んで
ぐるぐると転がりまわる亜美。

「あ~~も~~!髪~♡」
わけの分からないことを口走りながら
髪を触りつづける亜美。

「そうだ!ツインテール亜美ちゃんも
 見ちゃお~っと!」

”どうやってツインテールにすればいいのだろう?”と
思いながらも適当にツインテールっぽい
髪型を作って行く亜美。

「--うひひ♡」
なんとかツインテールっぽい髪型を作った亜美は
微笑んだ。

「--あぁぁぁぁ…♡
 かわいい…別人みたい…えへ…えへへへへへへ」
髪を撫でるようにして触りながら
初めてみるツインテール姿の亜美を前に
微笑んだー。

「--ちょっと、ご飯できてるわよ!」
部屋に母親が入ってきた。

「--え?」
母親はきょとんとした表情で亜美を見る。

鞄を放り投げたまま
ちょっと乱れた制服姿で
普段しないツインテール姿で
笑っている亜美。

亜美は、自分の髪に夢中で
母親に気付いてすらいない。

「むふふふ…わたしは髪の毛…
 むふふふふふふふっ♡」

涎を垂らしながら笑う亜美。

実の娘の見てはいけない姿を見た気がして
母親はそのままそーっと、扉を閉じた。

「---あ、亜美…
 ま、、まぁ…そういうこともあるわよね」
母親は自分にそう言い聞かせて
亜美の部屋の前から静かに立ち去った。

一方、亜美はツインテールをほどくのに
夢中になっていた。
ツインテールから元の髪型に戻る瞬間の
髪の感触ー

たまらないー

何度もそれを繰り返す亜美ー。
やがてー

”髪の毛がふわふわする感じ、いいなぁ”と思った亜美は、
近雄が大好きなロックバンドの踊りを
部屋の中でし始めた。

激しい動きに合わせて髪が激しく乱れて行く。

「ふぉぉぉぉぉぉぉ♡」

亜美は興奮して
激しく身体を動かしながら
髪を振り乱していくー

「あぁぁぁあああ♡ かみぃぃぃぃぃぃぃ♡」

奇声を上げながら
激しいダンスをして
髪を振り乱す亜美。

やがて
亜美の髪は
乱れきってしまったー

「あぁぁ…乱れた亜美ちゃんも素敵…」
流石に疲れてきた亜美は、
鏡に写るボサボサの亜美を見て微笑んだ。

両手で髪の毛を
ぐしゃぐしゃにして
さらに髪を乱れさせる。

「あぁ…♡
 誰も見たことのない亜美ちゃん…♡」

うっとりとした表情で呟く亜美ー。

既に時間は夜の8時を過ぎていたー
制服も髪も乱れきった亜美は、
「あ!」とあることを思いつく。

そう言えば、女の子の髪を
洗うってどんな感じなのだろうーと。

「---え…え~っと」
亜美はふと我に帰る。

お風呂に入るということは
亜美の裸を見ることになる。

流石にそこまでしてしまっては
いけないような気がしてきた。

だがー
髪を優雅に洗う亜美の姿を
妄想したら、それだけで鼻血を
噴きだしそうになって、
亜美は立ち上がった。

「お、、お風呂…」

だがー

”あ…そういや、そろそろ時間が”

と、亜美は思った。

これ以上家に帰らないと
”自分の両親”が心配してしまう。

憑依する直前に、亜美に勃起していることを
見られたのは厄介だが、
それはどうにもでも言い訳できるし
仮に嫌われてしまっても
こうして亜美に何度でも憑依できるから関係ない。

近雄にとって用があるのは
亜美ではなく、亜美の身体ー
いや、髪なのだから。

「--さ、抜けるか」
亜美はそう呟いた。

スマホは壊しちゃったし
髪は乱れきっちゃったケド、
そんなことは関係ない。

どうしてこうなっているのかも
恐らく分からないだろう。

オークションで愛染亮から購入した
憑依薬の説明書に書かれていた通り、
憑依から離脱するために
そのイメージを頭に浮かべるー

しかしー

「--!?」
亜美は少し驚きの表情を浮かべた。

「ん…憑依から抜け出せないぞ?」
亜美は呟いた。

もう一度試してみるー
しかし、抜け出すことができないー

たまらず亜美は、
オークションの出品者、愛染亮に
連絡を入れようとしたー。

だがー。

「--あぁぁぁ…スマホロックされてるぅ!」
亜美はそう叫ぶと、くそっ!と舌打ちして
ボサボサの髪のまま外に飛び出した。

出品者・愛染の電話番号は
何かあった時のために暗器しておいたー

近くの公園の公衆電話に飛び込むと、
早速、愛染に連絡する亜美。

”はい…”

相手が電話に出た。
青年だろうか。

「--憑依薬を購入したものですけど、
 憑依から抜け出せないのですが!」

亜美がそう叫ぶと、
電話相手の愛染は少しだけ笑った。

そして、答えたー。

”人の身体を軽い気持ちで奪うー…。
 それがどれほどの罪かー。
 思い知るがいいー…。

 君は、もうその身体から
 抜け出すことはできないー”

愛染は冷たい声でそう答えた。

事情は分からないー。
けれど、愛染は”憑依”そのものを憎んでいるー。

そう、感じた。

「--抜け出せない…?」
亜美はドキドキしながらそう答えたー。

”そうー。
 もう君は、その身体からー”

愛染の言葉をそこまで聞いた亜美は、
突然笑いだした。

「ふふふふ…
 そっか、そっか…
 ふふふ、ふひ、あはははははは!」

乱れきった髪型のまま
大笑いする亜美。

”-!?”

電話相手の愛染も
少し驚いた様子だった。

「--あはははははははは!
 別にそれならそれでいいですよ~♡

 うっふふふ…
 この髪は、、これからずっとずっと、
 俺の…いや、わたしのもの…

 うふふ、ふふふふ、いひ、ひひひひひひ♡」

亜美は嬉しそうに
片手で髪の毛をぐしゃぐしゃにしたー。

別人のように髪を乱し、
獣のような笑みを浮かべた亜美が、
公衆電話の窓に写っている。

そんな亜美の姿を見て
亜美は自分で興奮してしまう。

「くひっ…♡」

笑みをこぼす亜美ー。

”---もう君に言うことは何もない”

出品者の愛染は、
呆れたかのように、
そう呟くと、そのまま電話を切ったー

「あはっ!!」
亜美は嬉しそうに笑うと
公衆電話の受話器を乱暴に置いた。

そしてー
電話ボックスから飛び出す。

「最高じゃん!」
髪を振り乱しながら、
スカートの中身が見えることも
気にせず、走り出す亜美。

もう、自分は近雄に戻ることはできないー

確かに、憑依薬の出品者である愛染が言うように、
軽い気持ちで、憑依しようと思っていたし、
軽い気持ちで元に戻れると考えていたー

けど、
戻れないなら戻れないで、
別にどうってことないじゃないか。

「むひひひ…」
亜美は自宅に向かって走りながら
笑みをこぼした。

嬉しくてたまらないー

これから、自分は髪になれるー。

髪に埋もれ放題
髪を嗅ぎ放題ー
髪を舐め放題。

「ひひひひっ…ひひひひ
 あ~はははははは♡」
亜美の笑い声が路上に響き渡った…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後ー

亜美は大人っぽい服に
身を包み、とあるビルの屋上を歩いていた。

「んふふふふ…」

女子高生には見えないような
妖艶な格好で歩く亜美ー。

女としての人生を最大限楽しんでやろうー

学校では、亜美が変わったことに
驚く子もいたが、上手く亜美に成りすますことができたー

亜美の家族も、違和感は感じているものの、
思春期だから、という理由で
父も母も、納得したようだったー。

亜美に憑依した近雄はそう思いながら
屋上を歩くー。

この屋上は、隠れた夜景スポットとして
人気の場所だ。

自分の髪に手をやり、
それを少し舐めて笑みを浮かべるー。

屋上は風が強いー。

この程よい強さの風に
吹かれてなびく髪が、
なんとも心地よいー

亜美は夜景を見つめながら
妖艶な笑みを浮かべた。

「この髪は、、わたしのもの…」

とー。

髪と欲望の人生は
始まったばかりだー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

髪づくしな憑依モノでした!

髪フェチの皆様は
憑依薬探し、頑張ってくださいネ☆笑

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憑依<髪~KAMI~>

コメント

  1. 望月すすき より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    久々に読みに来ちゃいました。
    なかなかぶっ飛んじゃってますね(笑)

    髪フェチの彼のことなので、手入れとかもきちんとして女の子ライフを心行くまで楽しみそうですね( ˘ω˘ )

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 久々に読みに来ちゃいました。
    > なかなかぶっ飛んじゃってますね(笑)
    >
    > 髪フェチの彼のことなので、手入れとかもきちんとして女の子ライフを心行くまで楽しみそうですね( ˘ω˘ )

    コメントありがとうございます~!
    まずは髪の勉強からスタートですネ~笑!