<憑依>悪意に染まる日常①~ぶきみ~

とある高校に通うごく普通の女子高生は、
ある日、クラスメイトの男子から告白された。

ちょっと不気味なその男子の告白を
断わった日から”日常”が変わり始めた…。

※リクエスト作品デス!

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熊山 大五郎(くまやま だいごろう)-
彼はクラスで孤立していた。

暗い性格で、ちょっと不気味な感じ…
というのも理由の一つだったが
それだけではない。

以前、大五郎にちょっかいを出し、
からかっていたお嬢様育ちの女子生徒・実乃里(みのり)という子がいたー。

だが、実乃里は
ある日を境に豹変し、やがて学校に来ることもできなくなり
そのまま退学になってしまったー

実乃里の体調を気にした友人が、
実乃里が入院しているという病院を訪れたが
実乃里は面会謝絶となっており、
会うことすらできなかった。

クラスメイトたちは噂した
”大五郎に呪われた”、のだとー。

それ以降、大五郎のことをみんな避けるようになった。
露骨に避けたりはしないが、なるべく、大五郎と
関わらないようにー

そうするようになったのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---おはよ~!」

今日もいつもの穏やかな日常が
流れている。

女子高生の根森 那奈(ねもり なな)は、
”今日の晩御飯何かなぁ”などと考えながら
穏やかな昼休みを過ごしていた。

「那奈はいつも平和そうにしてるよねぇ」

那奈の小学生時代からの友人・琴音(ことね)が
笑いながら言う。

那奈は誰にでも優しく、穏やかな性格で
争いごとを嫌う性格ー。
いつもほんわかとした雰囲気を
漂わせている。

「--え~、そんなことないよ~!
 わたしだって色々と考えてるんだから~!」

那奈が言うと、
琴音が「何にも悩みとか無さそうだけどなぁ~」と
那奈のことを茶化す。

いつもの日常ー。

そんな光景を、教室の端っこから
見つめている男子生徒がいたー。

大五郎だー。

クラスのみんなから”不気味”だと思われている大五郎ー。

彼には最近、”気になる女子生徒”がいたー。
スケッチブックを手にもちながら、
彼の目は”初恋相手”のことを
じーっと見つめていた。

”優しい彼女”であれば
きっと自分を受け入れてくれる。

大五郎はそう思いながら微笑んだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---ふ~終わった~!」
那奈は伸びをしながら笑う。

ようやく、今日の授業が終わった。

やがて、担任の女性教師・比沙子先生が
やってきて、帰りの連絡事項を伝えるー。

「--じゃあ、今日はこれで」
比沙子先生が言う。

待ちに待った下校の時間ー。

那奈は、いじめられているわけではないし
友達も多かったが
放課後になるこの瞬間が大好きだった。

まるで、鳥が翼を得たかのようなそんな時間ー

自由だ~!と叫びたくなるような開放感。

そんな魅力が、この時間にはあったのだった。

友人の琴音、純玲(すみれ)と一緒に廊下を歩く那奈。

純玲は、高校に入学してから知り合った女子生徒で
とても大人しい生徒だったが、
なんとなく息が合って、今ではすっかり
那奈・琴音とも仲良しだった。

3人で雑談しながら昇降口へ向かうー

その時だった。

「あのー」

背後から男子生徒に声をかけられた3人ー

振り返るとそこには、
クラスメイトの男子・大五郎の姿があった。

「---熊山くん?何か用?」
那奈が微笑みながら言う。

大五郎がクラスで孤立しているのは那奈も
当然知っているし、
去年退学になった実乃里の噂は
那奈も聞いている。

だがー
那奈は噂は噂だとしか考えていなかったし
別に特別意識して避けるようなことはなかった。

「--ちょっと話があるんだけど…」
大五郎がひひひ…と一人でニヤニヤしながら言う。

那奈・琴音・純玲の3人は、
不思議そうな顔をしながら
大五郎の方を見た。

「--わたしたちに?」
琴音が言う。

3人のうち、誰に用があるのか分からない。

琴音の言葉を聞いた
大五郎は「あぁ…雑魚に用はないよ」と呟いた。

こういう無神経な発言も孤立する原因の一つなのだが
大五郎は全く気にする様子もなかった。

「--ざ、、雑魚って!?」
琴音が感情的になって反論する。

「根森さん…ちょっと、話できるかな?」
大五郎は、那奈のことを指名した。

近くの空き教室で2人きりで話をしたい、と
大五郎は言う。

「--わ、わたし?」
那奈は自分のこと指さしながら首をかしげる。

何の用事だろう?と。

だが、琴音は反対した。
「や、やめときなよ!」
とー。

琴音は大五郎のことを
心底気持ち悪がっているし、嫌っている。

「--だ、大丈夫だよ!
 ただ、お話するだけだし!」
琴音の方を見ながら那奈はそう答えた。

「--で、でも…!」
琴音は、去年退学になった”実乃里の噂”を
口にしようとした。

だがー
那奈は
「大丈夫だって!」と
笑いながら答えた。

噂は所詮噂でしかない。
確かに実乃里は入院中ではあるものの
大五郎とは関係ないだろう、と
那奈はそう考えていた。

「、、…じ、じゃあ、先に帰ってるからね」
琴音が言う。

「わ、わたしも…」
純玲も、大五郎のことを気味わるいものを
見るような目で見つめると、
そのまま立ち去って行った。

「くひ…」
大五郎は不気味な笑みを浮かべると、
近くの空き教室に入って行く。

那奈もそのあとに続く。

「--それで、話って?」
那奈が微笑みながら尋ねると、
大五郎はにっこりとほほ笑んだ。

「--きみってエロいよな」

大五郎の突然の意味不明な発言に、
那奈は首をかしげた。

「へ?そ、そうなの?」
ちょっと天然気味でもある那奈は
”面白いこと言うなぁ~”ぐらいにしか
思わず、そう返事をした。

「嫌らしい身体つきだ」
大五郎は興奮した様子で、
空き教室の机に手にしていたスケッチブックを
おくと、ニヤニヤと微笑んだ。

「--…そ…それでわたしに何の用?」
流石に那奈も大五郎にちょっと
違和感を感じながら愛想笑いを浮かべた。

「あぁ、実は僕さ…
 きみのこと、好きになったんだ」

大五郎が言う。

眼鏡をかけた生気のないカオー
そこに不気味な笑みを浮かべているー
しかも、髪型は何故かリーゼントのような
髪型で何回か頭髪指導を受けている。

「す、好き、わたしが?」
那奈は驚いた。

別に大五郎のことを
特別嫌っていることはないが
好きだと思ったことはないし、
流石に大五郎と付き合うつもりはない。

那奈が断ろうとして
口を開こうとすると、
大五郎が「あ、ちょっと待って!」と
笑みを浮かべながら
スケッチブックを開いた。

そこにはー
那奈の似顔絵が描かれていた。

微笑む那奈の似顔絵ー

その絵は、とても上手だった。

「わぁ…上手だね!」
那奈は告白されたことを忘れて
綺麗に書かれた似顔絵を素直に褒めた。

「ふふ、どうも」
大五郎はそう言うと、
次のページを開いた。

そしてー
その絵を見た那奈は表情を変えたー

あからさまに、那奈の表情が曇った。

普段、他人に対して
嫌そうな表情だとか
そういうのを浮かべることは
滅多にない那奈が、
嫌悪をにじませたー

大五郎が見せた絵はー

大五郎の男性器を
嬉しそうに咥えている那奈の
イラストだったー

「どうだい?」
大五郎がニヤニヤしながら言う。

不気味な薄ら笑いだー。

「--え、、、あ、、あの、、個性的だなって」
那奈は明らかに引いた笑みを浮かべていた。

大五郎もそれに気づく。

「---あぁ、あぁ、いきなりは刺激的すぎ
 だったね。
 ごめんごめん

 で、僕さ、君のことが大好きなんだ
 僕と付き合ってよ」

大五郎は改めて那奈に告白する。

「ごめん…ちょっと」
那奈が言う。

「---あ?」
大五郎は首をかしげた。

大五郎は
優しい那奈が告白を断るなんて
夢にも思っていなかった。

告白をすれば
当然のように受け入れてもらえるー。

そう、思っていたー

「ごめん、付き合うとか、そういうのは、ナシで」
那奈はそう言った。

「くふ…ふふふふふふ…ふふふふふ」
告白を断られた大五郎は不気味な笑みを浮かべて
笑い始めた。

那奈は”恐怖”を感じた。

”気持ち悪い”という感情が
表情に出てしまうー。

「僕のこと、気持ち悪いと思ってるだろ?」
大五郎は言う。

「--そ、、そ、、そんなこと、、と、とにかくごめん」
那奈は必死にそう言ったが、
”気持ち悪い”と思っているのは
明らかだったー

「ぐふふふふふふ…ふふふふふふふふふふ」

笑い続ける大五郎。

那奈は「わ、わたし、もう帰るね!」と口にして
逃げるようにして空き教室から外に飛び出した。

「ぐふふふふふ
 僕のこと、、キモいものを見る目で見たな」

振られたショックで、
大五郎の愛が憎しみに変わる。

”あ、琴音 待っててくれたんだ”

空き教室の外から那奈の声が聞こえる。

”うん、どうだった?”

琴音の声ー。

”ちょ、ちょっと熊山くん、気持ち悪くて…”
”でしょ~!あいつキモすぎ”

那奈と琴音はそんな会話をしながら
離れて行ったー

「--くふ」
大五郎はスケッチブックのページをめくる。

そこにはー
男性器だらけの実乃里の姿が描かれていたー

かつてー
大五郎をいじめていた実乃里は、今ー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「おはよ~!」

那奈は登校してすぐに
大五郎の座席を見つめたー。

大五郎の姿はない。

大五郎は今日は欠席のようだー。

大五郎は身体が弱いのか、
定期的に学校を休むし、
登校している日は、いつも異様に早いので
この時間に姿がないということは
休みということだー。

「--今日はアイツ、休みみたいね」
琴音が言う。

クラスメイトたちはいつも通りー。

「--おはよ…」
友人の純玲も登校してくる。

那奈も琴音もいつものように挨拶をし返す。

「あ、そうだ、那奈ちゃん」
純玲が思い出したのようにして呟いた。

「今日の昼休み、大事なお話があるんだけど」
純玲の言葉に、那奈は「え?お話?」と
首をかしげた。

だが、すぐに那奈は笑みを浮かべて
「うん、わかった」と答えたー。

そしてー
昼休みー

那奈は、空き教室を訪れる。

先に到着していた純玲は窓の方を
向いていて、
那奈に背を向けている。

「お待たせ!話ってなに~?」
那奈が笑いながら空き教室に入って行くと
純玲は呟いた。

「ぐふふふ…ふふふふふふ…
 待ってたよ…ふふふふ」

純玲が不気味な笑い声をあげる。

「--純玲?」
那奈は不思議そうに首をかしげた。

「--はぁ…はぁ…
 那奈ちゃん…」

純玲が振り返るー
振り返った純玲はーー
歪んだ笑みを浮かべていたー

いつもの大人しい表情では
なく、歪んだ笑みー

そしてー

純玲のスカートが破裂そうなほどに
膨らんでいたー

まるで、純玲が勃起しているかのようにー

「え…!?」
那奈は驚きを隠せない。

「--ねぇ…那奈ちゃん…
 僕と付き合ってよ…くふふ…ふふふふふふぅ♡」

純玲の明らかにおかしな様子に
那奈は思わず叫んだ。

「ちょ…す、純玲…!?どうしちゃったのー?」

純玲は女子だー。
男子のアレがあるはずがないー

けどー
スカートのふくらみは一体ー?

そしてー
この笑い方は、昨日の大五郎と同じー?

「--はぁぁぁぁ…」
純玲はニヤニヤしながら自分のアレを
触って右手で刺激し始めた。

「あぁぁ♡ あ…♡ 那奈ちゃん…
 見てるだけで興奮するぅ♡」

純玲が涎を垂らしながら笑みを浮かべている。

そしてー
那奈に抱き着いてきたー

スカートの膨らんでいる部分が当たるー

これは、やっぱり、男性のー

「--ひっ!?やめて!」
那奈は純玲を突き飛ばした。

空き教室の机に激突する純玲。
純玲はバランスを崩し、その場に転んでしまう。

「くひっ…」

それでも、純玲は痛がる様子もなく、
笑みを浮かべていたー

「--ひっ…!?」
那奈は空き教室から飛び出した。

純玲がおかしい!

そう思って教室に駆け込む那奈ー

教室ではーー
いつも通りの穏やかな日常が広がっていた。

「はぁ…はぁ…」
冷や汗をかきながら自分の座席に戻る那奈。

「ど、どうしたの?」
琴音が思わず那奈に声をかける。

「う、、ううん…別に」
那奈はさっきの光景を頭に浮かべたー

勃起した純玲に襲われた光景ー
しかも、まるで純玲は大五郎のような笑みをー

「そ…そんなわけない」
那奈は首を振った。

きっと疲れているだけだー
那奈はそう思いながら、
深呼吸して、心を落ち着かせたー

「--ぐふ」
教室の別の場所にいる女子生徒が笑みを浮かべたー

笑みを浮かべた生徒はー
那奈の方だけを凝視していたー

女子にはないはずのものを
勃起させながらー

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依Xふたなりのリクエストによる作品デス~!
リクエストの原文は最終回(③)のあとに
ご紹介しますネ~

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