豹変したフォロワーの「ユリカ」と会うことになった。
「タクオ」は「ユリカ」のリア友であるという
「みーちゃん」と合流してから、ユリカの指定した
場所へと向かう…。
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都内のカフェで、タクオは”みーちゃん”と
初めて会った。
ユリカのリア友だと言うみーちゃんは
女子大生だった。
控えめで、可愛らしい感じの子ー。
控えめな印象だからだろうか。
高校生ぐらいにも見えた。
「--あ、初めまして」
みーちゃんがほほ笑む。
「あ、こちらこそ。タクオです」
タクオはそう答えた。
お互いの本名は詮索しない。
今回、会うのはプライベート的な意味ではなく、
ユリカの異変を探る為だ。
「--タクオさんも大学生なんですね」
みーちゃんがほほ笑みながら、席につく。
「あ、はい。一応、大学生なんですよ」
タクオも微笑み返す。
タクオは、ユリカとの待ち合わせの時間までまだ1時間ほど
会ったため、みーちゃんと色々と雑談をした。
同じ大学生と言うこともあって、すぐに打ち解けることができた。
「--あ、そろそろ時間ですね」
みーちゃんが言う。
「--そうですね」
タクオが言う。
ーユリカは、カラオケボックスを指定してきた。
何故、カラオケボックスなのかと思いながらも
タクオはそれを承諾、
みーちゃんを一緒に連れて行くことに関しても
ユリカの承諾を得ることができた。
タクオとみーちゃんは、カラオケボックスに向かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まるでオフ会のようだ。
タクオはそんな風に思った。
ネット上でやりとりしている人と会うのは
これが初めてだった。
ネット上で関わったい人は今までにも大勢いるー。
だが、ユリカはその中でも特別だった。
タクオが心から”仲良くしたい”と思える人物だった。
タクオは思うー。
ユリカの身に何が起きたのか。
元々ユリカはそう言う子なのかー。
それをはっきりさせなくてはならない。とー。
指定されたカラオケボックスの
部屋につくとー
ユリカがノリノリで、アニメソングを歌っていた。
激しく体を動かして
ポーズを決めている。
みーちゃんとタクオは、背を向けて歌うユリカに
唖然とした。
タクオは思うー。
やっぱり…可愛い…と。
「--イェイ♡」
ユリカが歌い終えて可愛らしく言うと、振り向いた。
「--始めましてタクオさん。
わたしがユリカですよ… ふふっ♡」
ユリカは可愛らしく微笑んだ。
「--あ、あぁ…タクオです。初めまして」
タクオがそう言うと、
ユリカは、ほほ笑みながら手を差し出してきた。
握手ーー。
「---あ、はい…よろしくお願いします」
タクオが緊張しながらその手を握ると、
ユリカは突然、手を自分の胸に押し当てた。
ユリカの胸の感触が手に伝わり、
タクオは顔を真っ赤にした。
「あ・・・え…」
「ふふっ♡どうですか?私の胸は~?」
ユリカが笑う。
「--ちょ、ちょっとユリカ!」
みーちゃんが叫ぶが、ユリカは気にも留めない。
「--ほら!もっと触って!」
ユリカが力強く、タクオの手を握り、離さない。
「や、、やめて・・・離してくださいよ!」
タクオが言うー。
しかし、言葉とは裏腹にタクオの体は興奮してきていた。
「-うふふ・・・身体は素直ですね♡」
ユリカが言う。
そして、続けた。
「--ほら、手を動かして、私の胸、揉んでみなさい」
ユリカが少し命令口調で言う。
「--や、、お、、俺はそんなこと…」
タクオが言うと、
ユリカが笑うー。
「わたしがイイって言ってるのよ。
早く揉んだらどう?」
ユリカの言葉に、タクオはつい手を動かしてしまう。
「んふぅ…♡ いやん・・・ タクオくんったら…」
ユリカが甘い声を出したので、ついタクオはさらに
興奮してしまった。
「----あ、、あ、、、」
タクオは自分の手の動きを信じられず…
けれども欲望のためにユリカの胸を揉みまくった。
「あぁ…♡ あん♡ あぁん♡ あぁ、、、♡
さいこう♡ さいこうぉ!♡」
ユリカが狂ったように叫ぶ。
みーちゃんは唖然とその様子を見ていた。
「---と、ここまで。」
ユリカがタクオの手を離した。
タクオは未練がましく思いながらも、
正気を取り戻す。
「---な、なんてことをするんだ…
もっと自分の体を大事にしたら…」
タクオがそこまで言いかけると、
ユリカは微笑む。
「だって、わたしの身体じゃないもん!
ふふっ♡」
そう言うと、ユリカは何かを取り出した。
ーー”憑依薬”
「--これを使って、こいつの身体を
奪ったんだよ!!
ははははははっ!」
ユリカが突然、雰囲気を変えて笑い出す。
「--なっ」
「えっ…?」
タクオもみーちゃんも驚いた表情を浮かべる。
「--こいつが、こんな大胆なことするわけねーだろ!
なっくんに絡まれていたあの日、
俺は、この女に憑依したー。
みんな、ユリカのことが大好きみたいだからよ、
サービスしてやろうと思ってな!」
挑発的に髪をかきあげて、自信に満ち溢れた表情で
タクオを見つめるユリカ。
「--そ、、そんな…ユリカ…!
やめてよ!嘘だって言ってよ!」
みーちゃんがユリカの肩に触れて
ユリカをゆする。
「--触るんじゃねぇよ!」
ユリカがみーちゃんを突き飛ばした。
「これはもう俺の…いえ、わたしの体よ…
ふふ!わたしがユリカなの!!
うふふふふ♡
えっちで、乱れた女ユーチューバー ユリカに
なるの!うふふふふふっ♡」
タクオも、みーちゃんも、唖然とする。
そして、タクオはやっとの思いで口を開いた。
「なら、お前は誰なんだー」
ユリカに憑依しているー。
それが事実なら、誰が憑依しているのか。
タクオは”憑依がどうこう”とツイートしていたフォロワー
”なっくん”を思い出す。
だが、なっくんのアカウントは、この前、炎上して
それからなっくんは行方不明だ。
少なくともネット上には出てきていない。
ユリカは鼻で笑った。
「アキヤだよー」
ユリカが足を組んで微笑む。
ミニスカート姿で足を組まれると、
見えてしまいそうだ。
「アキヤ…?」
タクオが考えるー。
そういえばー
フォロワーの中に
”自称草食系男子 アキヤ”というのが居た。
ユリカが豹変してからは、ブロックされていたがー。
「--まさか、お前・・・自称草食野郎か…!?」
タクオは怒りを込めて言った。
「ぴんぽーん!
ユリカ、タクオさんに乗っ取られちゃいました~!」
ユリカが嬉しそうに言う。
そしてー
「見ろよ!どんな格好だって思うが儘だぜ!
この女、全て俺の思い通りだ!」
ユリカが嬉しそうにスキップをするー。
わざとスカートをめくって見せるー。
ヤンキー座りをして、床に唾を吐き捨てる。
狂ったかのように、奇妙なダンスをしてみせるー。
「やめてよ!ユリカをこれ以上、弄ばないで!」
みーちゃんが叫ぶ。
「--そうだ!お前!ただで済むと思うなよ!」
タクオが言うと、ユリカはバカにしたように笑う。
「--てめぇ!」
タクオが拳を作り、ユリカに近づいたその時だったー。
「待ちなよ!」
ユリカが手を出して、タクオの動きを止めた。
その手には”憑依薬”が握られていた。
「--もう1本あるの…憑依薬… ふふっ♡」
ユリカは笑いながら、
みーちゃんの方をちらっと見た。
「--!」
みーちゃんはその視線に悪寒を感じた。
「--あなたにあげるわ。タクオくん」
ユリカが憑依薬をタクオに手渡した。
「--私ね、憑依仲間を探してたの。
で、あなたなら、私と一緒に女の子ライフを
楽しんでくれると思った。
だからこそ、今日、こうして呼んだのよ」
ユリカが片足をあげて、壁につけながら
腕を組んで笑う。
「---さぁ、そこのみーちゃんの体を
乗っ取りなさい。」
ユリカがバカにしたようにしてタクオを見る。
「---た、、タクオさん…」
みーちゃんが足を震わせている。
「----」
タクオは手を震わせた。
怒りー。
ユリカの方を見る。
ユリカは、自信に満ち溢れた表情をしているー。
一方のみーちゃんは、
可愛らしくも、儚げなな顔に、恐怖を浮かべている。
「---ふざけんじゃねぇぞ」
タクオは言った。
そしてーーー
タクオはーー
憑依薬を飲み干したーーー
タクオが倒れるー。
「----」
ユリカはにっこりと邪悪な笑みを浮かべた-。
「---ひっ!?」
みーちゃんが体を震わせる。
「な…なんで…や、、やめて…出て行って…
ねぇ…やめ…!!!」
みーちゃんはそこまで言うと、意識を失った。
そしてー
数分後、みーちゃんは目を覚ました。
「--あなた一人だけ楽しむなんて…
ふざけるんじゃないわよ」
みーちゃんはそう言ってニヤリと笑った。
Welcome to the
Possessionーーー。
ユリカがそう言うと、
嬉しそうに近づいてきた。
タクオの震えはーー
怒りではなく、”歓喜”だった。
自分も女の子になれるー
ならば、断る理由は無い。
みーちゃんは、服をはだけさせながら笑う。
「--最高だよ…アキヤさん…!」
そう言うと、ユリカは笑った。
「アキヤじゃなくて、わたしはユリカよ?」
たしなめるように言うと、
みーちゃんもユリカも不気味に笑みを浮かべた。
「さぁ、女の子同士の時間、楽しみましょ?」
「---うふふ♡ そうしましょ!」
二人の女子大生は、カラオケルームの中で、
身体を抱き合わせて、熱い抱擁を始めるのだったー。
二人の喘ぎ声は、通路にまで響き渡ったー。
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”みーちゃん”も豹変した。
フォロワー達は戸惑う。
そして、”みーちゃん”と”ユリカ”の豹変ぶりに
ついていけず、フォロワー達はフォローを外し始めた。
”さすらいのタクシードライバー@車は奪った” は、
二人をブロックし、
”人ならざるもの”は何も反応しなくなった。
”メスミスト”は、今回の件とは関係なく、
何故かアカウントを凍結されてしまった。
”なっくん”は炎上後、姿を見せていない。
人々は気づいていないー
”ネット上の向こうで起きたこと”をー。
もしも、良く知るフォロワーが急に豹変したならば、
それは、憑依の仕業かもしれないー。
おわり
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コメント
ネット系TSF作品を初めて書いてみました!
どうでしたでしょうか?
お楽しみいただけたら嬉しいデス!
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