ツイッターでやり取りをしていた女子大生の
”ユリカ”が突然豹変した。
ユリカとツイッター上で親しくしていた男子大学生
”タクオ”はその異変の謎を調べていく…。
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ーーユリカが豹変した日。
ユリカは困惑していた。
タクオの読み通り、ユリカは正真正銘の女子大生。
しかも、結構可愛らしい子だった。
セミロングの髪に、控えめで女子らしい服装。
けれど、彼女は恋愛関係だとかそういう話は
苦手で、ツイッター上でもそういう話題には
首を突っ込まないようにしていた。
そんな彼女は、困惑していたー。
フォロワーの一人”なっくん”なる人物に、
「顔を見せろ」だとか、迫られていたからだ。
「はぁ…どうしよう」
ユリカが困惑する。
最初は無難な返事を返していたが、
なっくんの要求は止まらず、どんどんエスカレートしている。
ユリカは困り果ててしまった。
他のフォロワー…
親しくしている”タクオ”や、
”さすらいのタクシードライバー@車は奪った”
”人ならざるもの”
”自称草食系男子 アキヤ”や、
リア友である”みーちゃん”たちが、なっくんに対して
やめるように言ったが効果は無い。
「どうしよう…」
そんな時だった。
なっくんはツイートした。
”なら、奥の手を使っちゃおっかな~”
と。
「--奥の手?」
ユリカが、恐怖を覚える。
この男…
ストーカーにでもなるつもりだろうか。
しかし、そう思った次の瞬間ー
スマホの画面が突然真っ赤に光ったー。
ヒュッ…!
何かがスマホの画面から飛び出した。
「きゃっ…!?」
ユリカはスマホをびっくりして落としてしまう。
そしてー
”魂のようなもの”が口の中に飛び込んだ。
「えっ…? うっ…」
ユリカは苦しみの表情を浮かべて胸を抑える。
「あ・・・あぁ…あっ…く、、、苦しい…」
その場でもがくユリカ。
「ああ…はぁ…た、、、助け…」
”全身から力が抜け落ちるような感覚”
ユリカは、心臓発作でも起こしているのかと思い、
慌ててスマホに手をかけたー。
”1 1 9”
ユリカがやっとの思いで救急車を呼んだ。
「--どうしました?」
電話がつながったー。
けれど、その時には、ユリカはー
不気味な笑みを浮かべていた。
「ごめんなさい、間違えちゃいました♡」
甘い声で言うと、スマホをベットに
投げ捨てて、嬉しそうに笑みを浮かべたー。
「--やった…!本当にユリカちゃんになっちゃった♡」
…と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから数日。
タクオは、ユリカの豹変ぶりに戸惑うばかりだった。
毎日のように、きわどい写真をUPしていくユリカ。
コスプレの写真。
太もものアップの写真。
キスをするかのような写真。
コルセット姿の写真。
おかしい。
明らかにおかしい。
しかも…
彼女はユーチューブまで始めてしまった。
誘惑するような発言をしながら、
ゲームの実況動画や、日常的なチャレンジ動画などを
上げて、爆発的に再生回数を稼いでいる。
広告収益でも稼ぐつもりだろうか。
タクオは、他のフォロワーと情報交換をしてみることにした。
元々、ユリカやタクオは、とある同じ”趣味”繋がりを
持ち出した人が多い。
その趣味とは”登山”。
だから、タクオやユリカ以外のフォロワーとも
結構話をするのだった。
しかしー
他のフォロワーに聞いても、ユリカの豹変には
心当たりがないとのことだった。
”人ならざるもの”というアカウントは、
30歳台の主婦ー。
尋ねてみたが、向こうも困惑するばかりだった。
”さすらいのタクシードライバー@車は奪った” という
アカウントは、年齢不詳(教えてくれない)で、
タクシードライバーとして働く男のアカウントだ。
車は奪った、というのは個人タクシーの先輩に
お願いしまくってタクシーを貰ったことに起因するらしい。
彼も、当然、異変には心当たりもないという。
”自称草食系男子 アキヤ”には
何故か突然ブロックされてしまった。
恐らく、急に変態に豹変したユリカと関係する人間との
関係を絶ちたいのだろう。
”メスミスト”というアカウントも
反応がない。
タクオは、他のアカウントにも聞いてみたが、
何も分からない人ばかりだった。
と、なればやはり、リア友だと思われるアカウント
”みーちゃん”に聞いてみるしかない。
みーちゃんとは繋がりがないけれど、
思い切ってタクオは質問してみた。
すると、1時間後、みーちゃんからDMが届いた。
”はじめまして。
ユリカから、たまにお話しは聞いてました”
とー。
そして、
ユリカは最近、大学にも顔を出さなくなったこと、
LINEもブロックされてしまったことなどを教えてくれた。
みーちゃんは言う。
”絶対におかしい”と。
そのみーちゃんが、怪しいと睨んでいるのが、
直前にユリカに絡んでいたフォロワー
”なっくん”の存在だった。
ユリカが豹変したのは”なっくん”が
奥の手を使っちゃうぞ~などとつぶやいてからだ。
考えられにくいが、
なっくんがユリカを脅したのか、
それとも初めからなっくんとユリカはグルなのか、
もしくは…。
タクオはなっくんの過去のツイートを見て、
背筋が凍る思いをした。
何故ならー
”女の子に憑依したい” だの、
”憑依する方法、みーつけた!”だの
書かれていたからだ。
「--まさか、コイツ」
タクオはそう思いかけて首を振る。
いやいや、憑依なんてできるはずがないー。
タクオがそう思っていると、
タイムラインに、なっくんのツイートが表示された。
”ユリカちゃんサイコー!”とツイートしている。
”エロすぎるぜ”と続き、
その後、ユリカとやり取りをはじめた。
”今度、会えないかな?”と
なっくんがツイートする。
”いいですよ!ホテルの予約はどうしますか?”
とユリカから返事が返ってきている。
ホテル?
タクオは怒りでスマホを握りつぶそうとした。
なっくんに何かされたのであっても、
ユリカの本性がこれなのだとしてもー
どっちにしても怒りを抑えられないー。
”ホ、ホテル?”
なっくんは、躊躇した様子だった。
”そう。わたし、欲求不満になっちゃった♡”と
いうツイート共に、ユリカは自撮りのえっちな写真を
載せている。
”や、、やったぜ…
話はDMで…!”と
なっくんが返事を返していた。
「こいつ…」
タクオは確信した。
この”なっくん”が何かしたのだとー!
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ…♡ はぁ…♡
すごいぜ♡ この女・・・♡ はぁ…♡」
自分の部屋で、服をはだけさせて、
下着が見えた状態のユリカが、
興奮した様子で息を吐いている。
「んぁっ♡ あっ♡ あぁぁっ♡」
ベットで、あおむけになったまま、
胸を触って声を出しているユリカー。
「あぁ♡ わたし… 変態女になっちゃった♡
うふふ♡」
涎を垂らしながら、それを拭くこともせずに、
ユリカは起き上がる。
「---ふふふ・・・
この体を”道具”として使えば
金儲けもカンタンだぜ…!!!」
動画の再生回数を見て、ユリカは微笑む。
さらにはー
男と会う約束までしている。
「--くふふふふふふ♡
わたし!金儲けの道具になっちゃった♡」
ユリカが、笑いながら、
冷蔵庫から缶ビールを取り出してそれを乱暴に開ける。
冷蔵庫には健康的な野菜ジュースが入っている。
ユリカが元々飲んでいたものだ。
憑依されてから数日。
ユリカの生活は激変した。
「--もしも可愛くなくなっちゃったら
こんな身体、捨てればいいんだし…
うふふ♡」
ビールを飲み干すと、缶を部屋の隅に投げつける。
「ふぁ~~うめぇ!」
可愛い声でそう叫ぶと、ユリカはツイッターのDMを開いた。
”なっくん”からだー。
”ごめんなさい。
本当に会うとか、僕は遠慮するので…”
なっくんは、小心者だった。
ツイッター上でイキッているだけだ。
だからー
DMで、断りのメッセージをユリカに送ったー。
ユリカは舌打ちした。
「--ふん、つまんねーやつ!」
そう言うと、ユリカは不気味な笑みを浮かべて
スマホをいじり始めた。
「地獄に、落としてあげるー」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
タクオは、今日もなっくんの様子をマークしようと、
大学帰りにツイッターを開いた。
するとー。
”なっくん”のアカウントが炎上していたー
なっくんは、昨日、突然自分の裸の写真をUPしたほか、
ユリカに対して、卑猥な写真をDMで送りまくり、
炎上したようだ。
ーユリカが、DMのやりとりをツイッターにアップしたことが
決定打となり、なっくんのアカウントは悲惨な状態になっていた。
”住所特定ー!”
「くりきんとん」というアカウントが、なっくんの住所を特定した。
”俺の両足は機関銃”というアカウントが、
なっくんに暴言を浴びせまくっている。
そしてーー
なっくんは、ほどなくして、鍵垢にして、そのまま消滅した。
「---どういうことだよ」
タクオがつぶやく。
その時だったー
昨日、ユリカに送ったDMに対して、
ユリカから返事が来た。
”わたしが豹変した理由を知りたければ、
直接会いましょ?”
と。
タクオは、どうするべきか悩んだ。
だがー。
”みーちゃんと一緒に会いに行く…
それもいいかな?”
と、返事を入れた。
タクオは昨日、ユリカのリア友、みーちゃんと話し合い、
ユリカとの接触を試みていた。
それが、実を結んだのだ。
”ふふ、じゃあ、待ち合わせ場所は…”
ユリカは、タクオとそれほど遠くない場所に住んでいるー
待ち合わせ場所は、双方の自宅から1時間程度ー。
タクオはみーちゃんに、明日会うことが決まったと伝えると、
みーちゃんも、明日、一緒に立ち会うことを承諾した。
タクオは”初めて会う”ユリカが
どんな態度をとるのか、不安に思いながらも、
スマホを机の上にそっと置くのだった…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---ふん、ばーか!」
ユリカはベットにスマホを投げつけた。
「--新しい金づるになってもらうから」
ユリカが笑みを浮かべる。
”なっくん”は金づるにすらならないから
処分したー。
ユリカから、なっくんに憑依して、
アイツを滅茶苦茶にしてやったー。
「さて…!」
ユリカは服を脱ぎ捨てると、
カメラを手に微笑んだ。
「また、お金稼いじゃおっと♪」
そう言うと、ユリカは自分の下着姿を嬉しそうに
撮影し始めた…。
③へ続く
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次回は、オフ会(?)ですねー笑!
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