<憑依>ママがおかしいよ!①~母と女~

一人息子を愛していた心優しい若き母親は
ある日を境に、豹変した。

母である自分を捨てて、
母は”女”になったー。

女になった母は、妖艶に微笑む・・・。

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西井 法子(にしい のりこ)は一人息子の
孝敏(たかとし)と2人暮らしだったー。

父親の学(まなぶ)は、
現在、単身赴任中。

法子は、まだ25歳の若き母親で、
母親とは思えないような可愛らしさや美貌を
併せ持つ女性だった。

父の学が居ないことを寂しがる
小学1年生の孝敏を、
法子は、いつも優しく見守っていた。

「ーーママ!今日の晩御飯はなに~?」
食べるのが大好きな孝敏が尋ねる。

「--孝敏の大好きなオムライスよ~!」
法子が言うと、孝敏はやったぁ と喜びながら笑う。

8:10-

そろそろ家を出ないと学校に間に合わない。

「ほら!遅刻するわよ!」
母の言葉に孝敏は「はーい」と答えて
そのまま元気良く外に出て行った。

「いってらっしゃい」

法子はそう言うと、一息ついた。
毎朝、孝敏を送り出すことで、
ひと段落、という感じなのだ。

テレビではおしゃれファッション特集をやっている。

「ふふ、おしゃれなんて、
 最近全然してないな…」

法子は笑みを浮かべて呟く。

法子は、学生時代には、クラス一の美少女とまで
言われたこともあった。
大学在籍中に結婚したときは、周囲に驚かれたけれど、
ちゃんと家族や学とも話し合ってのことだったから、
別に悪い意味での結婚ではなかった。

法子は、
”母”になってからはおしゃれをあまりしなくなった。
家では動きやすい服装をすることが多いし、
外でも控えめだ。

夫の学は少し寂しがったけれど、
それが母になる、ということなのだと、法子は思っていた。

ピンポーン

「--あら?忘れ物かしら?」
インターホンが鳴る。

ただ、今、ちょうどインターホンが壊れていて
カメラと、応答ができないため、
時間的にもたった今、外に出て行った、
孝敏だと思い、法子は扉を開けた。

しかしー
そこに居たのは…。

孝敏などでは無かった。

ひげまみれの、粗野な雰囲気の男が立っていた。

「--ひっ!?」

睨むような目つきに法子は驚いて
扉を閉じようとした。

ガン!

男は、扉を抑えて、法子を睨んだ。

「--な、何ですか!誰か!」
法子が叫ぶと。

しかしー
運悪く、その声は誰にも届かなかった…。

男はニヤリと笑う。

「--美人なのに、女を捨てるなんてもったいない。
 あんたは”母”ではなく”女”であるべきだ」

男はそう言うと、
法子の頭をつかんで、キスをお見舞いした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--ただいまー!」

夕方。
孝敏が帰宅した。

「?」
孝敏は、すぐに違和感を感じた。

いつもなら、母が「おかえりー」と出迎えてくれるはずなのに。

リビングに入る。
しかし、そこに母の姿はない。

しかもー
掃除機は朝のまま、
洗濯物もそのまま。

朝ごはんの食器が台所に残ったままだった。

「--ママ?ママ?どこ!?」

”お母さんが居ない”

そう思って、孝敏は不安に駆られた。
母親が居ないということは、小学1年生の孝敏にとっては
不安でしかないのだ。

「あぁぁん♡」
2階から、声が聞こえたー。

母の声だ。

「ママ…?」
孝敏は、なんだか不安になって、2階に駆け上がった。

今のは確かに、母の声だ。

けれどー
何故だろう。

なんだか、とっても不安で仕方がない。

階段を登る孝敏。

そしてー
2階に辿り着くと、
母の部屋の中から声が聞こえた。

「--うふふ♡ うふふふふふ♡
 こんなからだ持っておきながら
 お母さんになるなんて、わたしも何考えてるのかしら!」

法子の声ー。
けれどー
聞いたこともないような嬉しそうでー
そして、妖艶な声。

「わたし、もう一度”女”になるわ♡ うふっ♡」

孝敏は怖くなった。
けれどー。

頑張って、扉を開けた。

そこにはー。
紫色の下着だけを身に着けた母が、
膝をついて、飢えた表情でポーズを決めながら
鏡を見ていた。

「--マ……」
孝敏は恐怖で声を止めてしまった。

「--チッ…クソ餓鬼が…」
法子はイライラした様子で呟いた。

だがー
すぐに笑みを浮かべて立ち上がった。

「--うふふ、おかえりなさい♡」

下着姿で近寄ってくる母を、
孝敏は戸惑いの目戦で見つめる。

一体、何が起こっているのか。

さっぱりわからないし、
理解できない。

「--」
母の体に、変な色の液体が付着している。
部屋の床にもー。

「--マ、ママ…汚れてる…
 どうしたの?」
孝敏が震えながら言うと、
法子は答える。

「お母さんねぇ、興奮しちゃって、
 いっぱいいっぱい汚しちゃったの…うふふ♡」

答えになっていない。
子供には、そんなこと、分からない。

「お母さんね…
 今日でお母さんやめるの。

 わたし、今日から”女”になるの。
 うふふふふ♡」

法子はそう言うと、
部屋の隅に置いてある袋をいじりはじめた。

憑依された法子が
貯金を下ろして買いまくってきた
洋服やアクセサリーの類だった。

アイドルみたいな衣装を取り出して、
それを身に着けて、
息子の孝敏に向かってピースする法子。

「イェイ★ なんちゃってね♡」

孝敏は、あまりの怖さに涙を流して
泣き始めてしまった。

「ーーーどうしちゃったの…ママ…」
孝敏が涙を流す。

そんなのお構いなしに、
法子は鏡に向かってポーズを決めながら
自撮りを繰り返した。

「--うふふ♡ まだまだいけるじゃない」

挑発的なポーズをとり、それを写真に収める。

「---さて…」
法子は、化粧台に向かうと、
口紅を取り出して、化粧を始めた。

「--そろそろアイツも来るころだし。
 もっともっと綺麗にならなくちゃね」

母がーー
女の顔に変わっていく。

子供はー
母の女の一面なんて見たくない。

子供はーー

「ママ!オムライスはどうしたの!」
孝敏が法子にすがりつく。

「--チッ…邪魔くせぇな」
法子はイライラして頭をかいた。

「--わたし、忙しいの。
 邪魔しないでくれる?」

精一杯我慢して、そう言った。

だがー。

「ママおかしいよ!」
孝敏の叫びに、
法子に憑依している男の我慢が限界を超えてしまった。

「--うるせぇんだよ!」
思いきり、最愛の息子にビンタをする母ー。

今まで、一度も暴力なんかふるったことないのに。

「--うわあああああん!」
孝敏が大声で泣き始める。

「--クソ餓鬼がぁ…!」
法子の目は怒りに染まっていた。

そして、何度も何度もビンタを喰らわせる法子。

ピンポーン。

「---はぁ…はぁ…」
インターホンが鳴り、法子は息を吐きながら、
外を見たー。

”来たー”

法子が玄関を開けると、
そこには、金髪の30代ぐらいの男の姿があった。

「---くくく、楽しみだぜ」

「--うふふ、楽しませてあげる」

法子はそう言うと、
金髪の男にその場で抱かれてキスをし始めた。

「--あぁん♡」

「---くふぅ…」

二人は熱く抱き合いながら
クチュクチュと音を立てている。

「--ママ!ママ!」
孝敏は必死に叫んだ。

母が、母で無くなってしまうような気がした。

だからこそー
必死に、喉が切れそうなぐらいに、叫んだ。

けれどー
母はーー
もう、母の顔をしていなかった。

法子は、女の顔をして、
男に抱かれて喜んでいた。

「---パパ!」
孝敏は父の事を思い出し、慌てて電話を入れた。

「どうした?」
父の学が、電話に出てくれた。

「パパ!助けて!ママがおかしいよ!
 ママが!」
必死に叫ぶ孝敏。

「--おかしい?倒れたのか?」
学が言う。

だが、違う。

孝敏は言う

「ママがー汚れて、なんか、知らない男の人が
 家に来て、なんか、チュウしてる…」

わけがわからない。
けれど、小学1年生の孝敏が伝えられるのは、
これが限界だった。

浮気ー?
父の学はそう感じた。

「--落ち着け。お母さんに代わってくれ」

そう言うと、孝敏はビクビクしながら
金髪の男と抱き合っている母に近づいた。

「ママ…パパから…」

そう言うと、金髪男と法子は
顔を見合わせてゲラゲラと笑った。

「---貸せ」
母が乱暴な口調で言う。

そして電話に出た。

「あ、お父さん~
 今、わたしね~浮気してるの!ふふふ♡
 聞かせてあげるわね」

そう言うと、法子は電話を持ったまま、
金髪男に胸を揉まれて
大声で喘ぎ始めた。

「んんんんんんっ♡ あぁああ♡ うふふふ♡
 どう、、、どう??わたしの色っぽい声♡
 わたしぃ、、男の人に抱かれてるのぉ♡
 あははは♡ はははははははっ♡」

「どういうことだ!?おい!」
父の学が必死に叫ぶ。

けれどー

「ばいば~~~い!うふっ♡」

そう言うと、法子は電話を思いきり床にたたきつけた。

そして、
「ここじゃ邪魔が入るから、2階に行きましょ?」と
法子が言うと、金髪の男がそれに応じて、
二人は抱き合いながら2階に向かってしまった。

「ねぇ!ママ!どうしたの!ねぇ!!!」
孝敏は叫んだー

けれども、その言葉は届かないー

そして、ほどなくして2階から、
母親の甘い叫び声が聞こえてきたー

②へ続く

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この後どうなってしまうのでしょうか!
続きは明日でーす!

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