生意気な後輩に連日煽られ続ける先輩ー。
彼は妹から貰った憑依薬を手に、
その後輩にお仕置きをしようとしたものの、
さらに煽られる結果にー。
そして、彼は後輩に”2度目の憑依”を行うもー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
”前回よりも、もっとちゃんとお仕置きしてやる”
そう思って、後輩・寧々に”2度目”の憑依を
実行に移した先輩・樹。
しかし、いざ、憑依して見ると
やっぱり、ドキドキしてしまって
何もすることができなかったー。
ウロウロしたり、
落ち着かない様子で座ったり、
結局、大したことはできていないまま
既に5分以上が経過してしまっているー。
”ざぁ~こ♡”と、あざ笑っているツインテールの寧々が
頭の中に浮かぶー。
「ーぐぐ……
今も意識はあるんだよな???」
寧々の身体で、樹はそう言葉を口にするー。
1度目の憑依の時、寧々は憑依されている間の意識が
あると言っていたー。
意思疎通こそできないものの、
今もこの状況を、内側から笑いながら見ているに違いないー。
「ーーーーく、くそっー…流石に話はできないかー」
寧々の身体で、残念そうにそう呟くと樹は困惑の表情を浮かべるー。
”今、この状況も見られている”のであれば、
いっそのこと、寧々本人の意識と話が出来た方が楽だと、
少なくとも樹はそう感じたー。
しかし、寧々の意識と会話することは出来ないー。
樹は、”このままじゃまた、雑魚雑魚言われるに決まってるー”と
そう言葉を口にすると、
「ーよ、よ、よしっ…こ、こ、こ、こうなったらー!」と、
しっかりとお仕置きしてやる、と、心の中でそう自分を奮い立たせるー。
そしてー…
意を決した様子でスカートを掴むと、
そのままスカートをめくってみせたー。
…と、言っても、演劇部の部員は4人しかおらず、
しかもそのうち2人は幽霊部員状態ー。
残る二人のうちの一人である樹が寧々に憑依している以上ー、
寧々の身体でスカートをめくっても、それを見る人間は
誰もいなかったー。
そして、寧々の身体でスカートをめくっている樹自身も、
恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にして
スカートの方は見ないように目を逸らしていて、
あまり、何の意味もなかった。
「~~~~~」
しばらくすると、「こ、このぐらいでいいだろー」と、
そう言葉を口にすると、
さらに「せ、せ、せ、先輩ー…」と、寧々の声で
そう言葉を口にしてみせるー。
演劇部の部室にある演技の練習用の姿見の前に行くと、
そこには樹ー…ではなく、
ツインテールの美少女…つまり、後輩の寧々の姿が映るー。
”ぐぐー…くそっーかわいいー”
毎日のように自分を煽って来る後輩・寧々が
見た目だけは可愛いことにどこか腹を立てながらも、
気を取り直して姿見のほうを見つめると、
「ー先輩ー」と、今一度、寧々のフリをして言葉を口にしたー
「ま、毎日毎日、生意気なことばっかり言って、ごめんなさい」
寧々の身体で、そんな”謝罪の言葉”を口にさせる樹ー。
寧々に”謝罪させている”という状況にゾクゾクすると同時に、
強い背徳感のようなものも感じつつ、
”これで、少しはお仕置きになっただろ…”と、
内心でそんな言葉を口にするー。
さらに、胸も揉んでやろうかと思い、
手を動かしたものの、
結局、胸を触る勇気はなく、
姿見の前で、自分でもあまりよく意味の分からない
変なポーズを取らせたところで、
満足してしまったー。
「ーーよ、よしー黒崎さん…これで思い知っただろ?」
樹はそう言葉を口にすると、
前回の失敗を繰り返さないようにと、
今度はちゃんと、椅子に座ってから寧々の身体から
抜け出すのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーやっぱ先輩ってば雑魚ですね♡」
正気を取り戻した寧々が最初に言った言葉は
そんな言葉だったー
「ーーくっ…」
樹は悔しそうな表情を浮かべると同時に、
「ーこ、こ、今回は黒崎さんの身体で
色々しただろ!?謝らせたし!」と、
そんな言葉を口にするー。
「ーわたしの身体で勝手に先輩が喋って謝っただけですよね?
先輩はそれで満足なんですか~?ぷぷっ」
寧々は心底楽しそうに笑うー。
「それに、スカートめくった時も、
先輩、目を逸らしてましたよね???
どうして姿見の前で見なかったんですか~?」
寧々はさらにそんな言葉を口にするー。
「ぐぐ…」
樹は悔しそうにしながら
「み、み、見られたいのかよ!?黒崎さんはー」と、
そう言葉を口にすると、
「別に見られたくはないですけど、いかにもなんて言うかー
先輩って反応だなぁ~って」と、
クスクス笑いながら言葉を口にしたー。
完全にバカにされているー。
思い知らせるどころか、何かを思い知らされてしまったような
そんな気分だー。
「ーー憑依されても、先輩だと”安心”ですねー
安心してわたしの身体を預けられます~~♡ ふふふふふ」
寧々はバカにしたような口調でそう言葉を口にすると、
「ーあ、また言って欲しいですか?言ってあげますね」と、
そう言葉を続けるー。
そしてー、
樹に近付いて来ると、樹の耳元で「ざぁ~こ♡」と
嬉しそうにそう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
思い知らせてやるー。
今度こそー
樹はそんなことを思いながら、
不満そうに家に帰宅すると、
妹の真綾の元を訪れるー
「お兄ちゃんー?」
樹に気付くと、真綾は少し不思議そうにしながら、
「もしかして、また煽られちゃった?」と、そう言葉を続けるー
そんな真綾を前に、樹は戸惑いの表情を浮かべながらも
意を決した様子で言ったー。
「ー今度こそ、思い知らせてやる!
いや、分からせてやるー!」
とー。
「ーあ、あはははー…
まぁ、でも、あんまりやりすぎないようにねー?」
真綾はそう言葉を口にすると、
少しだけ考えるような仕草をしてから
”憑依薬”を1個手渡したー
「ありがとなー」
樹は申し訳なさそうにしながら、真綾から憑依薬を受け取ると、
自分の部屋へと戻っていくー。
今日も執拗に煽られて、樹も流石に怒りが溜まっていたー。
今度こそ、”分からせる”ぐらいの気持ちで
憑依するんだ、と、そう心の中で意気込むー。
一方、憑依薬を兄の樹に渡した妹・真綾は
自分の部屋で少しだけ溜息を吐き出すと、
「お兄ちゃんー…その子はきっとー」と、
そう言葉を口にするも、
「ーまぁ…でもー仕方ないかー」と、
小さくため息を吐き出したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「ーせんぱ~い!今日もわたしに憑依します?
憑依チャレンジ!!
今度は手袋でもはめて服の上から胸を揉んじゃいます???」
寧々は、またもや煽り口調でそんなことを言いながら
部室にやってきたー。
樹はそんな寧々のほうを見つめると、
「雑魚とか、シスコンとか、もう、うんざりだー」と、
そう言葉を口にするー。
最初はー、懐いてくれているのかと思ったこともあったー。
けれど、最近は”きっと本当に俺のことが嫌いなんだろうー”と、
樹はそんな風に思っていたー。
寧々のあまりに執拗な煽りに、いい加減うんざりしてしまっていた
樹は、憑依薬を手にすると、
「ーいい加減にしろー…!」と、そう言葉を口にしてから
カプセル状の憑依薬を口に運ぶー
「せ、先輩ー…?」
いつもとは違って、今度こそ本気で怒っている気がする樹を前に
流石に寧々も戸惑ったような表情を浮かべるー。
樹が霊体となり、
その姿が見えなくなるー。
寧々は「ー先輩ー、そのー」と、そう言葉を口にしたものの、
それ以上言うことは出来ず、
そのまま樹に憑依されてしまったー。
「ーー…」
”3度目の憑依”ー
それを成功させた樹は、今までと同じように
いざ、憑依を成功させるとドキッとしてしまい、
いつも通り、何も出来そうにない状況に陥ってしまうー。
がー
「ーここでいつも通り遠慮したら”雑魚”のままだ」と、
寧々の身体でそう言葉を口にすると、
両手で両胸を鷲掴みににするようにして揉み始めるー。
あまりの気持ちよさに声を上げながら、
「思い知らせてやるー!分からせてやるー!」と、
自分が途中で止まってしまわないようにと、
自分自身を奮い立たせる意味でも、
そんな言葉を口にしていくー。
やがて、顔を真っ赤にしながらも、
制服をその場に脱ぎ捨てると、
”どうすれば女の身体は気持ちよくなるのか”も、
あまり分からないまま、
とにかく適当に身体の色々な部分を探していき、
快感を感じる部分を見つけ出していくー。
寧々の身体から感じる”女の快感”にゾクゾクしてー、
ここまで来たら、徹底的に分からせてやる、とそんな風に思いつつ、
歯止めが効かなくなっていくー。
やがて、寧々の身体で無我夢中になって
”最後まで”お楽しみをすると、
女の身体が感じる快感に飲み込まれそうになりながらー、
満足そうに笑みを浮かべて、乱れ切った姿のまま
部室に倒れ込むー…
がーー…
「ーーく、く、黒崎さんー!?」
”部員”の一人ー、
演劇部の”幽霊部員”の1年生がたまたま
今日に限って部室にやってきてしまいー…
乱れ切った寧々の姿を見て
心底驚いたような言葉を口にするー。
「ーーえっ… あ、ちがっ… こ、こ、これはー…」
寧々の身体で、樹はそう言葉を口にすると、
慌てた様子で服を着ると、
そのまま青ざめた表情で、
「ーい、今のは見なかったことにしてー」と、
寧々の身体で幽霊部員にそう伝えると、
慌てた様子で部室を後にしたー。
そしてーーー、
部室から逃げた寧々は、離れた場所の廊下の角で
ため息を吐き出すと、樹はようやく寧々から抜け出したー。
「ーーー…ーーーー」
正気を取り戻した寧々は、
いつものように”ざぁ~こ!”とは言って来なかったー。
「ーーあ…あのーそのー…」
樹も”やり過ぎた”と思ったのかそう言葉を口にすると、
「気にしないで下さいー…悪いのは先輩をここまで怒らせたわたしなのでー」と、
それだけ言葉を口にすると、「本当に申し訳ありませんでした」と、
ぺこりと頭を下げるー。
「ーーえ…いや、あ、あのー…」
いざ、寧々に謝られると、何だか複雑な気分になるー。
寧々は、”憑依のことは、誰にも言わないって約束しますー。すみませんでした”と、
頭を下げると、そのまま立ち去って行ってしまったー。
そしてー…
その日を境に、演劇部の部室に寧々は来なくなったー。
樹は、数日間様子を見たものの、寧々は一向に姿を現さず
流石に心配になってしまったー。
そして、1年の教室を訪れると、
あの後、寧々は”変な噂”が学年中に広まってしまい、
ちょうど昨日、自主退学してしまったということを
聞かされたのだったー…。
「ーーー…ーーーー」
寧々が退学したー…
そのことを聞かされた樹は、
部室で一人、死んだような表情を浮かべていたー。
「ーーーーー…俺はー」
かつて、寧々から”どうしてわたしに揶揄われるだけなのに幽霊部員にならないのか”と
聞かれたことがあったー。
どうしてだろうー。
確かに、演劇部の活動に興味があったわけじゃないー。
それなのに、何故ー?
「ーーー」
樹は、心のどこかで寧々にいじられる日々を楽しんでいたのかもしれないと、
そう気付いていたものの、もう、その日々を取り戻すことはできない
状況に陥ってしまっていたー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー」
兄・樹が悩んでいる様子を見て、
妹の真綾は部屋に戻るとため息を吐き出したー。
「ーお兄ちゃんー、多分、その子、
お兄ちゃんのこと、好きだったんだよー…
素直じゃなかっただけでー」
真綾はそう言葉を口にするー。
確かに寧々は
”付き合います?”とか、”先輩なら憑依されても安心”とか、
素直じゃない言い方を繰り返していたー。
本当に、樹に好意があったのかもしれないー。
ただ、それはもう手遅れー。
そしてーー
”どうして憑依薬を持っているのか”ー
”真綾が1回だけ使ったという憑依薬は、何に使ったのかー”
”それ”は、絶対に”お兄ちゃん”には言えない、と
真綾は改めて心の中でそう思ったー
「ーー”この身体”を、5年も前から乗っ取ってるなんてー
言えないよねー
今は、お兄ちゃんのこと、大好きだしー」
真綾の中身は”真綾ではない”ー。
そのことは、墓場まで持って行くつもりだー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
何だか苦い結末に…★!
妹の真綾ちゃんのことは、お兄ちゃんは
気付かないままの方が幸せですネ~!
お読み下さり、ありがとうございました~★!
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