<他者変身>全員影武者③~王国の命運~(完)

②にもどる!

追いつめられた王国は、禁断の術により
王宮内の人間を全て”姫”に変身させることで、
姫を逃がそうとしていた。

一方、そんな王国側の秘策を、
騎士大国カリバーは打ち破ろうと、進撃を続けていくー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーこれより先は通しませんわ!」

2階の中央広間で、リアナ姫が立ちはだかるー。
そんなリアナ姫を前に、
複数ある騎士団を率いる騎士団長の一人、ドーマーが
武器を構えると、
もう一人の騎士団長・ルードは
「ここは貴公に任せるとしよう」と、そう言葉を口にして
先へと進むー。

無言で、弓を発射したリアナ姫に変身している兵士たちを
倒していくー。

「ーーここにいる”姫”たちは全部偽物だから、
 始末しちゃっていいよ!」
支援部隊長のリピアーは、そう言葉を口にすると、
ドーマーを弓から守るため、バリアの”魔法”を発動するー。

弓がバリアに弾かれ、
リアナ姫に変身している弓兵たちが狼狽えると、
「ー本物の姫なら、そんな簡単に動揺しないよね?」と、
リピアーはクスクスと笑いながら
「やっぱりここにいる奴らは偽物」と、そう言い放つー。

騎士団長の一人、ドーマーは容赦なく弓兵たちを
殲滅すると、残りのリアナ姫に変身している
弓兵隊長めがけて、巨大な戦斧を振りかざしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

騎士団長・ルードは
事前にラフラ王国内に潜伏させていた”密偵”を使い、
リアナ姫の動向を監視させていたー。

「すると、”本物”は護衛もつけずに裏口に向かっているのだな?」
ルードがそう言葉を口にすると、
”密偵”は、リアナ姫の声で”そのようですー”と、
そう言葉を口にしたー。

ラフラ王国の禁断の秘術により、王宮内のすべての人間は
リアナ姫に変身している状態ー。
そのため、事前に潜り込んでいるこの密偵も
例外なく、リアナ姫の姿に変身させられた状態になっていた。

「クククーその声で報告されると変な気分だな」
騎士団長・ルードは少しだけ笑うと、
リアナ姫に変身している密偵も戸惑いながら笑うー。

その上で、こう言葉を口にしたー

”護衛を引き連れて出口に向かっているほうは、
 偽物ですー奴ら、そう話していましたー”

とー。

「ー分かったー。そちらにはドーマーが向かうー。
 そこの玉座にいる偽物も目指しているフリを
 していないと奴らに感づかれる可能性があるからな」

騎士団長・ルードはそれだけ口にすると、
”魔導通信”を終えて、先に進み始めるー。

その先には、槍を持ったリアナ姫が3人ー。

”ーさすがに、俺だけでは目利きはできないー
 こういう中に本物が紛れ込んでいる可能性も0ではない以上ー、
 こいつらも捕縛するしかあるまいー”

騎士団長・ルードは目の前にいる
3人のリアナ姫が”明らかに偽物”だとは思いつつも、
心の中でそう言葉を口にして、自分の剣を抜き、構えるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーう~ん」
リピアーは、捕らえたリアナ姫のドレスの上から
アソコのあたりを触って、
その反応を見ていたー。

「ーーえっ… ちょっ!?」
捕らえられたリアナ姫に変身している親衛隊の一人が
そう反応すると、
「ーん~~~その顔は偽物だね」と、リピアーは笑うー。

その言葉を聞いた騎士団長のドーマーは無言で
その相手を抹殺するー。

既に王宮の最上階目前までたどり着いた
ドーマー率いる騎士団。

しかし、ラフラ王国側の”リアナ姫に変身した者たち”の抵抗も
激しく、ドーマーの騎士団もかなり疲弊している状態で
あるのも確かだったー。

それでもーー
ドーマーと、リピアーは王宮最上階までたどり着いたー。

女王の間には、リアナ姫に変身した親衛隊長と、
禁断の術を使った女魔術師が待ち構えていたー。

「ーわたしが死んでも、術は時間が来るまで解けませんー
 心配はご無用ですー」
リアナ姫に変身している女魔術師がそう言うと、
同じくリアナ姫に変身している親衛隊長が頷いたー。

「ーよくここまでたどり着きましたねー」
リアナ姫の姿をしている親衛隊長が言うと、
リピアーはその様子を見つめながら表情を歪めるー。

”姫のために”
全力で姫になりきっている親衛隊長ー。

その様子は、観察眼に優れるリピアーをも惑わせた。

”あいつは本物か偽物か判断つかないねー
 他は偽物だと思うけど”

ドーマーにそう伝えるリピアー。
ドーマーは「承知した」とだけ言葉を口にすると、
リピアーは「ドーマーさんの声、聞くの久しぶりだね」と、
笑いながらその場から離れるー。

”ルードさんの密偵は、本物は裏口から一人で
 脱出を目指しているみたいだけどー
 密偵の情報も100%とは限らないからねー。

 本物の姫を容赦なく殺したとなれば
 わたしたちの国への風当たりも強くなるし
 本物はしっかりと捕えなくちゃー”

リピアーは内心でそう思いつつ、
「ーねぇねぇ、わたしと遊ばない?」と、
リアナ姫の姿をしている女魔術師の方に近付くと、
そのまま、魔術を使う者同士、魔術による戦いが始まったー。

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「ーー!あ、あなたはー」
”護衛付き”のリアナ姫と遭遇した騎士団長のルード。

”くっー本物は護衛なしで移動していると聞いているー
 こやつらは恐らく影武者ー”

ルードはそう思いながらも、
判断がつかないために、ここにいるリアナ姫も
全て捕まえることを決意するー。

しかし、護衛のリアナ姫4人が襲い掛かって来て、
騎士団長のルードは”殺さずに捕らえる”ことに
少々苦戦するー。

始末してしまってよいのであれば、
カンタンなことー。
けれど、相手は殺す気で向かってくるのに
殺さないように戦闘不能にするのは難しいー。

それでも、4人を片付けると、
”護衛”に守られていたリアナ姫を見つめる。

「ーー本物の姫ですかな?」
騎士団長・ルードが言うと、
リアナ姫は答えないー。

すぐに”本物です”と、返されるよりも、
確かに本物らしさがあるー。

「ーーまぁ、捕らえるしかありませんな」
騎士団長・ルードはそう言葉を口にすると、
そのリアナ姫と戦闘を繰り広げて
激戦の末に、リアナ姫を捕獲することに成功したー。

が、この姫も”変身”している偽物ー。

騎士団長・ルードにはそれは判別できなかったものの、
密偵によれば、本物は一人で裏口を目指しているのだというー。

「ーー早く見つけ出さねばー」
騎士団長・ルードは意地でもリアナ姫を捕らえる、と、
その場から足早に移動を始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーー」
女王の間にいた、別の騎士団の騎士団長・ドーマーは、
苦戦の末に、女王の間にいたリアナ姫を倒していたー。

捕獲されるリアナ姫の姿をした親衛隊長ー。

そんな様子を見て、リアナ姫の姿をした女魔術師を倒した
リピアーは、「さすがドーマーさん」と、そう言葉を口にしながら
ドーマーに近付いていくー。

そして、女王の間にいたリアナ姫を見つめると、
その胸を触って反応を確かめるー。

「ーーー」
が、それでもリピアーには判別できなかったー。

リアナ姫に変身している親衛隊長は覚悟を持って、
リアナ姫になりきっていたー。

「仕方ないなぁ」
リピアーはそう言葉を口にすると、
キスをしたり、アソコを触ったり、
リアナ姫を舐めたりしていくー。

さらに、抱き着いてキスをしたりしながらその反応を確かめるー。

そんな様子を見ている、ドーマー配下の騎士団たちは
「リピアー様って女同士のああいうこと、好きなのかな?」
と、ざわついているー。

「絶対、自分がキスしたいだけだよなー」
と、いう騎士もいたー。

そんな時間が続き、ようやくリピアーは微笑むと、
「この姫は偽物だね」と、そう言葉を口にする。

「ーー確実か?」
ドーマーがそう確認すると、リピアーは「100%。断言してもいいよ」と、
そう言葉を返すー。

”くっーー”
リアナ姫に変身している親衛隊長は表情を歪めるー。

”自分を姫”だと、騎士大国カリバーの者たちに思わせて
できる限り時間を稼ごうとしたものの、もはやこれまでのようだー。

「ーー気付かれてしまっては仕方がないー」
リアナ姫のフリをするのをやめて、静かに笑みを浮かべると、
親衛隊長は、女魔術師から予め受け取っておいた
”魔導爆弾”を手に、笑みを浮かべたー。

「ーーー!!!」
リピアーがそれに気づいて表情を歪めるー。

「ー!!」
騎士団長のドーマーも、それに気づいて走り出した直後、
王宮の女王の間は爆発を起こしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーー!!!!」

一人、王宮からの脱出を目指していたリアナ姫は
表情を曇らせるー。

”今の音はーまさかー”
リアナ姫はそう考えながらも、
ようやくたどり着いた王宮の非常用脱出口ー”裏口”のほうを
見つめるー。

が、そこにーー

「ーリアナ姫ですなー?」
騎士団長のルードが笑みを浮かべながら姿を現すー。

「ーあなたは……」
リアナ姫が困惑した表情を浮かべると、
騎士団長・ルードは笑みを浮かべながら言ったー。

「ー姫。あなたにもう勝ち目はありませんー。
 潔く我々と来ていただければ、
 あなたの身は保証しましょう。
 我々とて、一国の女王を、それも民から慕われているあなたの
 命を奪うつもりはない」

ここに来るまでに苦戦したのだろうかー。
騎士団長のルードもそれなりにボロボロだー。

リアナ姫は王家に伝われる剣を手に、
ルードに向かって剣を振るうも、
簡単にそれを掴まれて、阻止されてしまうー。

「くっ…うぅー」

騎士大国・カリバーの資源は枯渇していたー。
民衆は次第に飢えに苦しみ、生活の質も落ちつつあり、
他国からの支援や輸入では賄えないレベルになっていた。

”騎士団”の実力は最強レベルでも、
他の部分で、カリバーは滅びへと向かっていたー。

それ故に、ラフラ王国を侵略しなければ
自分たちが滅ぶ、そんな状況で止むを得ず、
正当な手段ではないと理解しつつ、侵略に踏み切ったー。

カリバーの周辺には
”灼熱大国・フレイム”と、”傭兵国家・キャニオン”が存在していて、
弱みを見せればすぐに飲み込まれてしまう立地条件にある。

だからこそ、攻め入るしかなかった。
周辺で最も”陥落”がたやすく、資源も豊富なラフラ王国にー。

「姫、共に来ていただけますな?」
騎士団長・ルードがそう言うと、
リアナ姫は悔しそうにしながらも、もう打つ手はなかったー。

騎士団長・ルードはリアナ姫を捕縛し、
そのまま意気揚々と引き返し始めたー。

王宮最上階で、親衛隊長が使った魔導爆弾により、
最上階にたどり着いていた別の騎士団長・ドーマーは戦士、
支援部隊長のリピアーは咄嗟にバリアーの魔法を使い、
負傷したものの、生還を果たしたー。

騎士大国・カリバーの皇帝は
騎士団長・ルードを中心にその功績を称えて、労ったー。

がーーー
それから1週間ほどが経過したある日ー。

魔導国家フューリスが、突然騎士大国カリバーに対して
宣戦布告をしてきたー。

”魔導国家フューリス”は、リアナ姫らが頼ろうとしていた国で、
リアナ姫が脱出できた際には、
リアナ姫を妹のように可愛がっていた現国王に助けを求めるつもりだったー。

が、リアナ姫は脱出前に捕らえたハズだし、異変に気付く前に
ラフラ王国が陥落すれば、魔導国家フューリスが戦闘を挑んでくるはずなどー…

「ーーーフューリスの元に、リアナ姫が逃げ延び、
 ラフラ王国の者たちも、リアナ姫の号令で結集している模様ー!」

騎士の一人がそう報告を入れるー。

「ーなに!?リアナ姫は俺が捕らえたハズではー!?」
騎士団長・ルードが戸惑うー。
あのあと、リピアーも”この姫は本物でしょ”と、言っていたー。

それなのにー

騎士団長・ルードは知らないー。
あの時捕まえた”裏口から一人で逃げようとしていた”リアナ姫も
”影武者”だとー。

この日からしばらくして、捕らえていたリアナ姫の変身は術が解けて
解除されたー。本物ではなかったのだー。

あの日ーー
全員、リアナ姫に変身したあの日ー。

姫の側近だったある人物に、”自分をリアナ姫だと思い込む術”を
女魔術師がかけて、”本物の姫”だと思い込んでいるリアナ姫に変身した偽物を
作り出したー。

それを知っていたのは、女魔術師と、側近のフレデリックだけー。
内部に裏切者がいる計算もして、”誰にも知らせず”偽物を
本物扱いさせていたー。

一方、”本物のリアナ姫”は、早い段階で女魔術師が”ネズミ”に
変身させて、排水溝から脱出させていたー。

術が、フューリス国に到達するころには解けるようにして、
リアナ姫はネズミとしていち早く、ラフラ王国を脱出、
魔導国家フューリスにたどり着いていたのだー。

「ーーー」
本物のリアナ姫は、フューリス国の国王の隣で
寂しそうに外を見つめるー。

「ーわたしは、必ずまた平和な国を築いてみせますー」
そう言葉を口にすると、フューリスと協力して、
”騎士大国・カリバー”を倒すことを心に誓うのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

最終回でした~!★

本物の姫は、①の途中(騎士団長ルードが出てきたところですネ~)で、
こっそりとネズミとして脱出している描写がありました~笑☆

さすがに見破るのは(たぶん)無理ですネ~★!

お読み下さり、ありがとうございました~!★!

「全員影武者」目次

作品一覧

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他者変身<全員影武者>

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