追いつめられた王国ー。
しかし、その王国では最後の手段として
”変身”の術で、王宮内の全員を姫に変身させ、
相手を攪乱する作戦い出て…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーレイスが戦士して、ルードが苦戦している?」
”騎士大国・カリバーの皇帝がそう言葉を口にすると、
報告に来た騎士は戸惑いながら、
「それが、王宮内にリアナ姫の影武者が大勢存在していて
苦戦しております」と、そう答えたー。
「ー影武者ー?」
皇帝は困惑の表情を浮かべるー。
「ーまぁ良いー。
ルードの言う通り、援軍を派遣するとしよう」
皇帝はそう言葉を口にすると、
「ドーマー!、リピアー!」と、
二人の名前を呼ぶー。
全身を鎧に包んだ騎士団長・ドーマーと、
支援部隊を率いるシスターのような姿をした女・リピアーが
姿を現すと、皇帝は二人に対してラフラ王国の進攻を援護するように
そう告げるのだったー。
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「ーー”本物”はどこにいるー?」
一方、ラフラ王国の王宮に攻め入った騎士団長・ルードは
不満そうにそう言葉を口にしていたー。
捕らえられた”リアナ姫に変身している兵士”は
「ーわたしこそ、リアナですー」と、そう言葉を口にするー。
「ーーーっ…」
騎士団長・ルードは表情を歪める。
捕らえられた、”リアナ姫に変身している兵士”たちは、
みんな、”わたしはリアナ姫”だと、そう主張したー。
事前に、そう”打ち合わせ”しているのだー。
捕らえられたリアナ姫が”本物”を主張している以上、
迂闊に手出しはできないはずー、
そう思ってのラフラ王国側の狙いだー。
「ルード様ー。こんな入口付近に本物がいるとは思えませんが」
配下の騎士の一人がそう言うと、
騎士団長・ルードは表情を歪めながら
「俺もそうは思うー。だがー」と、
捕縛されたリアナ姫たちを見つめながら思うー。
「ーだが、”裏をかく”可能性もある」
ルードはそう言葉を口にすると、
「ー王宮に入ってすぐの部屋に本物がいるはずがないー。
今、お前が言った通りだー。
だが、誰もがそう思うと読んでそれを逆手に取る可能性もあるー。
既に、我々が捕らえた中に、本物がいるかもしれない」
と、そんな言葉を続けるー。
「ーーそれは、確かにー」
配下の騎士は戸惑いの表情を浮かべる。
「が、リアナ姫を逃がすわけにはいかんー。
リアナ姫はラフラ王国の”希望”ー
奴を生かしておけば、ラフラ王国は再び立ち上がるだろうー。
それにー…
”フューリス”と組まれたらまずいー」
騎士団長・ルードは険しい表情を浮かべながら
そう言葉を口にすると、
”魔導国家・フューリス”の名前を挙げるー。
フューリスの現国王はリアナ姫より少し年上であるものの、
国王としてはまだ若く、
リアナ姫を妹のように可愛がっていたー。
もし、リアナ姫がラフラ王国から逃れ、
フューリスに助けを求めるようなことになれば、
騎士大国・カリバーにとっても大打撃となるー。
”魔術”の使い手が揃う魔導国家・フューリスとは
そもそも戦闘上の”相性”が悪いのだー。
「ー探し出せ!」
ルードがそう声を上げると、
王宮内の他の部屋に騎士たちが足を踏み入れるー。
2階への階段がある部屋では、
リアナ姫に変身した兵隊長が待ち構えていたー。
「ー侵略者たちよー
ここから先へは進ませない!」
リアナ姫に変身した兵隊長を前に、
騎士団長・ルードは剣を抜くと、
そのまま戦いを開始するー。
「貴様はリアナ姫ではないなー。
リアナ姫にここまで剣の心得があるとは思えぬ!」
リアナ姫に変身した兵隊長と戦いながら、
騎士団長・ルードがそう言い放つー。
リアナ姫にも多少の剣技の心得はあるかもしれないー。
が、武術に特別長けているー、とは聞いたことが無い。
”偽物”であれば容赦する必要はないー。
叩き斬るー。
騎士大国・カリバーの中でも
上位に位置する実力者である騎士団長・ルードは
笑みを浮かべると、「俺の剣技を受けてみるがいい」と、
リアナ姫に変身している兵隊長を圧倒していくー。
この兵隊長もなかなかの実力者ではあるものの、
騎士大国・カリバーの騎士団長が相手では分が悪く、
さらには”慣れないリアナ姫の身体”の状態で
戦っているために、次第に押され始めていたー。
がーーーー
「ーわたしを殺せば、あなたは”姫殺し”になりますよ?」
と、そう言葉を口にしたー
「ーー!」
”こいつは本物の姫であるはずがない”
騎士団長・ルードはそうは思いつつも、
一瞬動揺してしまうー。
それと同時に、蹴りを喰らい、
ルードは攻撃を受けて吹き飛ばされるー。
「ーふふふふー侵略者はどのような手を使ってでも
追い払いますー」
リアナ姫の姿をした兵隊長がそう言い放つと、
騎士団長・ルードは不満そうに表情を歪めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーー姫様!
敵の騎士団が次第にこちらに近付いております」
リアナ姫の姿をした兵士が、リアナ姫に報告をすると、
リアナ姫は困惑した表情を浮かべながら、
同じく姫に変身している親衛隊長のほうを見つめたー。
「ーこの私が”本物の姫”としてここに留まりますー。
姫様は王宮からの脱出準備をー」
リアナ姫に変身している親衛隊長の男がそう言うと、
リアナ姫は「ーごめんなさい」と、それだけ言葉を口にする。
「いえ、姫様を命を賭してお守りすることが
親衛隊の務め」
リアナ姫に変身している親衛隊長はそう言葉を口にすると、
魔術師の女のほうを見て言ったー。
「術はどのぐらい持つー?」
とー。
その言葉を聞いた、リアナ姫の姿をしている女魔術師は、
「この禁断の術は、魔力を大きく消耗します」と、した上で
「ただ、わたしも命を賭して、術を維持します」と、
半月以上は”変身”状態を続けられると、
そう言葉を口にしたー。
「それだけあれば十分だー」
親衛隊長の男は、リアナ姫の姿でそう言葉を口にすると、
部下たちを呼び寄せるー。
もちろん、部下たちもリアナ姫の姿に変身しているー。
「姫を護衛して脱出しろ」
その言葉に、親衛隊たちは頷くー。
が、その言葉を聞いたリアナ姫は言ったー。
「ー周りに人をつけていれば”本物”と思われる可能性が高まります」
とー。
そして、一呼吸置くと、
リアナ姫は意を決した様子で言った。
「わたしは護衛を付けずに、一人で参ります」
とー。
「ーー」
リアナ姫の姿をした親衛隊長は一瞬戸惑ったものの、
「それも、そうですねー」と、そう言葉を口にすると、
そのまま静かに頷いたー。
そして、親衛隊たちに”本物”のような装いで、
わざと護衛をつけて目立つようにして城からの脱出を目指せ、と
そう指示をするのだったー。
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「ーーくっ」
騎士団長・ルードは表情を歪めていたー
王宮の1階部分はほぼ制圧したー。
先程まで戦っていた”リアナ姫の姿をした兵隊長”も捕らえることには
成功したー。
だが、捕まった全員が”わたしが本物”と主張していて
区別がつかないー。
これだけの人数の”リアナ姫”がいると、捕らえた姫を
移送するだけでも人員を割く必要があるし、
”殺しに向かってくる相手を、殺さずに捕らえる”という難易度の高い
戦いを強いられているせいで、
そもそも、ルード率いる騎士団には大きな損害が出ていたー。
「ーこのままでは2階より上に進むのは厳しいかー」
ルードがそう言葉を口にするー。
が、その時だったー。
「ーあれれぇ?もう諦めちゃうんですかぁ?」
騎士大国・カリバーの本国から派遣された
”支援部隊長”のリピアー…
シスターのような格好をした女が到着するー。
「これはこれは、リピアー殿」
ルードが少し不満そうな表情を浮かべると、
続いて、別の騎士団を率いる騎士団長・ドーマーも到着したのに気付き、
「ーようやく、増援のご到着かー」と、ルードはそう言葉を口にしたー。
「ーーふふふふふふー
苦戦してるようですねぇー
レイスさんは死んじゃったみたいだし?」
リピアーは煽るような口調でそう言うと、
「ーわたしの回復魔法、浴びたいですかぁ?」と、
ニヤニヤしながら言うー。
「ーーーー…さっさとお願いしたいー」
ルードは不満そうに言うと、
リピアーはクスクス笑いながら回復魔法を唱えるー。
人を煽るような態度が目立つものの、リピアーの術の腕前は
確かなもので、騎士大国・カリバーにとって
欠かせない人材だ。
そしてー、リピアーにはもう一つの”特技”があったー。
「ーーーこの人は?」
リピアーが、騎士団長・ルードの捕らえた”リアナ姫の姿”をした兵隊長を
指さすー。
「ーリアナ姫だー。王宮のこんな場所にいるとは思えぬし、
偽物だとは思うのだが、確証が持てぬ」
ルードがそう言うと、
リアナ姫に変身している”捕らえられた”兵隊長が
不満そうに「ーわたしが本物のリアナです」と、そう言い返すー。
「ーーーー」
援軍としてやってきた全身を鎧で身に纏った
別の騎士団長・ドーマーがそんなリアナ姫のほうを見つめるー。
すると、それを見ていた支援部隊長のリピアーは
笑みを浮かべながら、リアナ姫に変身している兵隊長を見つめる。
そして、突然、その兵隊長の胸を揉み始めたー。
「ーー!?な、何をー!?」
女が女の胸を揉む光景に困惑する騎士団長のルード。
彼女ー、リピアーは時々突拍子もない行動に出ることもあり、
周囲は彼女に振り回されることも多いー。
「ーーーな、な、何をするんですかー!?」
リアナ姫に変身した状態で、リアナ姫のフリを続けている
捕らえられた兵隊長ー。
しかし、その様子を見てリピアーはクスクスと笑った。
「ーーこの人は、”本物”じゃありませんね」
とー。
「ーーなぜ分かる?」
騎士団長・ルードがそう返すと、
リピアーは「胸を揉まれた時の反応が男の反応です」と、
そう答える。
「ーお、男!?」
ルードは困惑しながらリアナ姫の姿をした兵隊長を見つめると、
「いや、しかしー」と、胸の膨らみのほうを見つめながら
「それはー?」と胸のほうを指さす。
「ーえぇ、これは本物ですねーふふ」
リピアーは再び、リアナ姫の姿をした兵隊長の胸を揉むと
揶揄うような表情で笑う。
その上で、言葉を続けた。
「ーー揉まれた時の表情、声、仕草、反応ー
そういう全てのものから読み取ることができるんですよー。
まぁ、ルードさんとドーマーさんには無理でしょうけど」
リピアーがそう言葉を口にすると、
ルードは「むぅ…」と、不満そうにしながらも
リピアーのもう一つの特技は相手の反応からそういった
細かいことを読み取る”洞察力”ー。
騎士大国・カリバーの皇帝もそんな彼女の観察眼のようなものを
強く信頼していて、リピアーが言うなら
間違いはない、と騎士団長・ルードもそう確信できるほどだったー。
「だから、こいつは消しちゃって大丈夫です」
クスッと笑うリピアー。
その言葉を聞いて全身を鎧で覆う騎士団長・ドーマーは
無言で、リアナ姫に変身している兵隊長を始末すると、
「ーさぁ、兵力も補給されましたー。
2階より上もササッと制圧しましょう」と、
リピアーはそう言葉を口にするのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーー敵に”目利き”がいるようですねー」
女王の間でリアナ姫に変身している親衛隊長が
そう言葉を口にすると、
術で王宮内の様子を探っている女魔術師も、
「ーーそのようです」と、不安そうに呟くー。
しかし、その様子にリアナ姫に変身している親衛隊長は
笑みを浮かべるー。
「ーご安心なされよー。
私は、任務とあらば心の底から姫様になりきる所存ー」
リアナ姫に変身している親衛隊長は
”リピアー”なる女に見られても、見破れないと自信を覗かせるー。
そんな中、いち早く脱出したリアナ姫と、
”本物のフリをして”裏口から護衛付きで脱出を目指す
親衛隊の一団は、裏口に順調に向かっていたー。
けれどーー
”ーーー女王の間にいる姫は偽物だー”
既に王宮内に潜り込んでいた騎士大国・カリバーのスパイは、
リアナ姫の姿でそう言葉を口にすると、
騎士団長のルードやドーマーらにその情報を送るのだったー…。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
次回が最終回デス~!
変身能力を駆使して、ラフラ王国の姫が無事に脱出できるのか、
それとも騎士大国がそれに勝るのか、
ぜひ見届けて下さいネ~!!
今日もありがとうございました~!!

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