”消費期限切れ”の憑依薬ー。
それに気づきながらも”大丈夫だろう”と、欲望が勝り、
使ってしまった者ー。
期限切れに気付かずに使ってしまった者ー。
それぞれに”副作用”が襲い掛かるー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーあ~~凛香(りんか)ちゃんと付き合いたいなぁ~」
健吾に憑依されている加恋は、そんな言葉を口にしながら
クラスメイトの凛香の方を見つめるー
「あははー冗談はやめてよ~」
笑う凛香ー。
凛香は、とても可愛らしい感じの子で、
”健吾の好み”の子だー。
「ーーへへへへー冗談なんかじゃないんだけどなー」
凛香に背を向けて、加恋は下品な笑みを浮かべると
涎を垂らしながらそう言葉を口にするー。
「へへーにしても、この身体は最高だぜー
”俺自身”も可愛いしー、
それにーー…
あんなに可愛い子に警戒されずに近付くことができるんだからなー」
加恋は、小声でそう言葉を口にすると、
くるっと振り返って、凛香に対して笑顔を振りまくー。
”40代のおっさん”である健吾が、
凛香に近付こうものなら、確実に不審者扱いだし、
通報されてしまうだろうー。
しかし、加恋の身体であれば、
”いくらでも”近付くことができるー。
「ーーえへへー凛香ちゃんの髪ってサラサラしてて
綺麗だよね~~」
加恋はニヤニヤしながら、凛香の背後から、
凛香の髪をイヤらしい手つきで触っていくと、
凛香は「くすぐったいよ~」と、笑いながら
まさか、加恋の”中身”が、40代の下心塗れのおじさんだとは
思わずに、無邪気に笑うー。
「ーーへへー」
加恋は凛香の髪のニオイをどさくさに紛れて嗅ぐと、
嬉しそうに微笑むー。
加恋自身も”美少女”にもかかわらず、
それを忘れているかのような、下品な笑みを浮かべながら
凛香との時間を存分に楽しむと、
「わたしは本気で凛香ちゃんと付き合いたいんだけどなぁ~」と、
ニヤニヤしながらそう言葉を口にするー。
凛香は「え~?」と、戸惑いの表情を浮かべてはいるものの、
その表情はどこかまんざらでもないような表情にも見えるー。
加恋は「えへへーわたしはいつでもOKだからね」と、
嬉しそうに言葉を口にすると、
満足そうに立ち去っていくー。
そして、その日の夜も帰宅すると
凛香のことを思いながら、加恋の身体で存分に楽しみー、
楽しみ終えた後にお風呂に入ると、
今度は加恋自身の身体に興奮して、またお楽しみの時間を
初めてしまったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな、”充実した欲望の時間”を送っていた加恋に憑依した健吾ー。
けれどーーーー
その翌日から”加恋”の身体に異変が生じたー
「ーーねぇ、加恋、それ、どうしたのー?」
朝ー、
朝食を食べていると、加恋に対して
加恋の母親がそう言葉を口にしたのだー。
「ーー…え?”それ”ってー?」
加恋がそう言葉を返すと、
加恋の母親は心配そうに呟くー。
「ーー髭ー」
とー。
「ーは?髭?」
加恋に憑依している健吾は、思わず素に近い反応を
示してしまうと、
男であれば”髭”が生えているであろう場所に手を触れるー。
すると、そこには、
加恋には”ない”はずの髭が生えていたのだー。
「ーーは…???な、何だよこれー」
加恋はそう呟くと、慌てて洗面台の方に向かって行くー。
青ざめた様子で鏡を見つめる加恋ー。
するとそこには、”髭が生えた加恋”の姿があったー。
「う、嘘だろー…?え、な、何だよこれー…」
加恋は困惑した様子で呟くー。
女でも、”髭”と言うほどではないものの
ちょっと毛深い子はいるー。
けれど、流石にこれはおかしいー。
完全に男のような髭が生えているー。
しかも、”最初からそう”であったのであればともかく、
加恋に憑依してから約2週間ー。
今まで、加恋の身体で髭が生えたことなどなかったー。
「くそっー…こんな可愛い顔に髭とか、似合わねぇだろ!」
加恋はうんざりした様子でそう叫ぶと、
「ーーおやじーーいや、お父さんの髭剃りどこ!!?」と、
苛立った様子で母親に確認するー。
「ひ、髭剃りー?え、えっとー」
母親が戸惑っていると、加恋は「早くしろ!学校に間に合わなくなるでしょ!」と、
自分と加恋の真似をした口調が混ざったような様子で叫ぶー。
母親から場所を確認した加恋は、
乱暴に髭剃りを使うと、
「くそっー、まだうっすらと残ってやがる」と、不満そうに口にしてから
「ーおい!マスク!」と、母親に向かってマスクを用意するように叫ぶー。
加恋の母親は
”最近、加恋が乱暴になった気がする”と、不安を抱きながらも
まさか、娘の加恋が”消費期限切れの憑依薬”などというものを使った男・健吾に
憑依されているなどとは夢にも思わず、
慌ててマスクを用意するのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「オェッ… おええええっ…」
加恋が学校に向かっていると、道端で嘔吐している
OLを見つけたー。
「ーー…??」
加恋が困惑した表情でそのOLを見つめていると、
「み、見るんじゃねぇ!くそっ!」と、
充血した目で加恋を見返すー。
加恋は「す、すみませんー」と、そう言葉を口にすると
”道端で吐くとか、汚ねぇ女だなー”と、
そう心の中で呟きながら立ち去っていくー。
「ーーぐ… ぐ… ーーはぁ…はぁー」
OLはよろよろと立ち上がるも、
今度は鼻血を垂らしながら、困惑の表情を浮かべるー。
加恋に憑依している健吾は気づかなかったものの、
このOLも”期限切れの憑依薬”を使った男に憑依されている人物ー。
消費期限切れの憑依薬による”副作用”で、
急激にOLの身体の体調が悪化ー、
激しい嘔吐と、鼻血ー、さらには頭痛に襲われていたー。
「くそっー…なんだってんだー…」
OLは不満そうにそう言葉を口にするも、
立ち上がることすらできなくなり、その場に蹲るー。
”消費期限切れの憑依薬”による、副作用は
人によって異なるー。
”あらゆる副次的作用”が出る可能性があり、
健康面には影響がなく、自我が飲み込まれる者もいれば、
身体は健康であるものの、精神的に発狂してしまう人間もいるー。
そして今、このOLに憑依している男のように、
”身体”の健康面に甚大な副作用を発生させてしまう人間もいるのだー。
「ーーー…大丈夫ですか?」
突然、蹲ったOLに気付いた通行人がそう言葉を口にするー。
「ーはぁ…はぁ…はぁー」
しかしー、既にOLは返事をすることができないほどに
体調が悪化していて、その場に倒れ込んで意識を失ってしまったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー!」
学校にやってきた加恋は、
トイレで”髭”の状況を確認すると、
さらに”異変”に気付いていたー。
”歯”が何だか変だー。
昨日まで、綺麗な白い歯だった気がするのに、
まるで加恋に憑依している健吾自身の歯のような
少し黄ばんだ感じの歯になってしまっているー。
「っっー…なんだよこれー」
そう言葉を口にすると、加恋の”顔”を鏡で見つめながら
さらに違和感を覚えるー。
確かに、可愛い加恋の顔だー。
けれどー、
”昨日とはほんの少しだけ”顔が変わっているような、
そんな印象を抱いたのだー。
「ーーーーー……」
加恋は険しい表情を浮かべると、
自分の中での不安を払拭するかのように、
首を横に振るー。
「ーーーっ…たまたまだー。
女だって、髭が生えることぐらい、あるんだろ」
加恋は、自分に言い聞かせるようにして、
そんな、あり得ないことを口にすると
今一度マスクをしてからゆっくりと歩き出す。
しかし、いくら”現実”から目を背けようとしても
加恋の身体の異変は着実と進んでいたー。
その翌日にはーー
足の一部に”毛”が生えていることに気付いたー。
まるで、”おっさん”のようにー…。
「ーーお、おいっ…な、なんだよこれ…!?
これじゃ、ま、まるで俺の足ー…!?」
加恋に憑依している健吾は思わず困惑の声を上げるー。
どう考えても”おっさん”のような、そんな雰囲気漂う
毛の生えた足になってしまっているー。
綺麗な加恋の足が、これでは台無しだー。
「~~~~~~~……」
加恋は困惑した表情を浮かべながら、
周囲を見渡すー。
「おいっ…くそー…これ、どうするんだよー」
加恋は、そう呟きながら激しく動揺しつつ、
ハサミで毛を切り始めるー。
しかし、そんなことをしても意味がないー。
まるで男のように生えてしまった毛は
ハサミで多少切った程度では隠しきることができないし、
中途半端に切ってしまった毛は、余計に変な印象を与えるような
見てくれになってしまうー。
「~~…くそっー…でも、このまま学校に行くわけにもいかねぇぞー…?」
スカートを履いて学校に行けば、当然、この足の異変に気付かれてしまうー。
足の異変に気付かれてしまったら、
騒ぎになってしまうー。
女子が、こんな風な足になることはないー。
このままだとー
「ーチッーー」
今から毛をどうにかしようとしても間に合わないー。
しかし、学校で凛香には会いたいー。
散々考えた挙句、「そうだー」と、そう言葉を口にすると、
加恋は慌ててタイツを探し当てて、そのままタイツで生足を隠すと、
「これならー…バレやしねぇ」と、そう言葉を口にしてから
小さく息を吐き出したー。
「ーーーしかしどうなってやがるー…?」
加恋は自分の身体を触りながら、
改めて、”加恋が女であること”を確認するー。
「ー髭が生えるわ、足に毛が生えるわー…、
こいつ、実は男とかじゃねぇよなー?」
加恋はそう言葉を口にしながら、
鏡を見つめるー。
見た目はどう考えても美少女だし、
声も女だー。
ちゃんと胸はあるし、
それに、アソコにアレはついていないー。
なのに、どうしてー…?
「まさか、俺が憑依しているから変な影響が出ている…とかねぇよな…?」
不安そうな表情を浮かべる加恋。
”健吾”が憑依しているからこそ、
加恋の身体に何か異変が起きているのではないか、と、
そんな不安を抱きつつ、表情を歪める。
がーー…
しばらくすると、加恋に憑依している健吾は
”あること”を思い出してハッとすると同時に、
”まさか、原因はー…?”と、
それに対して強い不安を抱き始めたー。
そうー…
”俺が使ったのは、消費期限切れの憑依薬だー”
…と、いうことを思い出したのだー。
「ーーーーー」
加恋は、険しい表情で鏡を見つめるー。
がー…
すぐに首を横に振ると
「そんなことはねぇ…たまたまだー」と、
自分に言い聞かせるようにそう言葉を口にする。
しかしー、加恋に憑依した健吾の
”イヤな予感”は的中しているー。
加恋の身に起きている異変は
”消費期限切れの憑依薬”が、原因だったー。
その翌日には、手が”おじさん”のような雰囲気になってきて、
右手だけ加恋の綺麗な手ではなく、
健吾の手が混じったような奇妙な手になってしまったー。
「ーくそくそくそくそっ!!!なんだこれは!?」
加恋は怒りの形相で右手を見つめるー。
髭が生えたり、
足に毛が生えたりするのとは違うー。
手自体が変形しているー。
そのことに気付いた加恋は
怒りの形相で机を叩くと、
”この先、俺はどうなるー?”と、不満そうに表情を歪めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
憑依薬を販売していた業者の元に、
一人の女がやって来るー。
「ーおい!!どういうことなんだ!!!」
その女も”憑依薬の利用者”である男に乗っ取られている人物の一人で、
健吾と同じく”消費期限切れの憑依薬”を使ってしまった人間だー。
「ーー落ち着いて下さいー。どうされましたかー?」
業者の一人がそう言葉を口にすると、
「ーあぁぁ、くそっ!うるせーな!」と、女が独り言を口にするー。
それもそのはずー。
消費期限切れの憑依薬を使った副作用により、
憑依された側の意識が戻り、内側で騒いでいる状態になっていたのだー。
「ーこの女がうるさくて仕方がねぇ!説明書きには
本人の意識は消えるって書いてあったはずだろ!」
女に憑依している男がそう叫ぶと、
業者の担当者は困惑した状態で「そんなことないはずですが」と、
そう聞き返すー。
その言葉に、怒りの形相を浮かべる憑依薬の利用者ー。
”消費期限切れの憑依薬”による副作用は、
各地で広がりつつあったー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
次回が最終回デス~!!☆
やっぱり、憑依薬もちゃんと期限が切れていないかどうか、
確認しないとダメですネ~!!
今日もありがとうございました~!!

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