スタッフと2泊3日で入れ替わりー、
入れ替わり体験を楽しむことができるとあるサービス。
その入れ替わり体験サービスは”わざと”延滞料金を
巻き上げるため、返却日になるとあの手、この手で利用者を妨害する
悪質なサービスだったー…。
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「はぁ…はぁ…はぁー」
可愛らしい雰囲気の美少女が慌てた様子で、
街を走っていたー
「やばいーあと30分ー…
早く、この身体を返さないとー」
彼女の名前はー、
藤崎 詩音(ふじさき しおん)ー。
ただし、今”その身体”を動かしているのは
詩音ではなく、
40代の中年男性・下野 雄太郎(しもの ゆうたろう)ー。
裕太郎は、少し前からスタートした
知る人ぞ知る”入れ替わり体験サービス”「ドリーム★ちぇんじ」の
利用者で、2泊3日でこの身体をレンタルしていたのだー。
”ドリーム★ちぇんじ”は、
入れ替わりを体験できるサービスとして、数か月前にスタート、
利用者は”スタッフ”の中から好きな相手を選び、
2泊3日で、”ルールの範囲内”なら好きなことをすることができる、
というそんなサービスだ。
しかし、スタッフの身の安全の確保という名目で、
”延滞”には非常に厳しいペナルティが課せられており
”延滞料金”も非常に高額に設定されていたー。
入れ替わったあと、”期限内にしっかりと身体を返す”
それを絶対に守ることを、”ドリーム★ちぇんじ”運営側は
強く、求めていたー。
がーーー
今、このサービスを利用している
詩音(雄太郎)は、
”返却期限”に間に合いそうにない状況に陥っていて
慌てて走っていたー。
延滞料金は”当社スタッフの安全”のために
非常に高額な料金が設定されていて、
もしも1分でも返却期限を過ぎれば、
”基本延滞料”である500万円を要求されー、
以降は、延滞時間1時間ごとに、追加で100万円が
増えていくー。
さらに、1日経過しても返却しない場合、
”自分の身体”の所有権を手放す、ということにもなっているほか
身体を持ち逃げしようとしても、
入れ替わりの際に使う装置によって
”互いの位置情報”は把握できるようになっているため
”ドリーム★ちぇんじ”の回収部隊、通称”ナイトメア”によって
確実に身体を回収されるー。
延滞料も
払うことができない場合は”更なるペナルティ”も
存在していて、絶対に期限内に返却しなければならないー
もちろんー
これらは”入れ替わりというシビアなサービスであるため
スタッフを守るために、”重いペナルティ”をあえて設定している”
というものであり、
期限内にちゃんとルールを守って返却してくれれば、
問題ない、と運営側は説明しているー。
延滞料やペナルティに関しても、
入れ替わりサービスを利用する前に
事前にしっかりと説明されていて、
後出しでそういうことを言い出すわけではないー。
だからー、入れ替わり体験サービスは
良心的なサービスだと、そう信じてしまうー
しかしー
「ーーへへへー逃げるなよー」
詩音(雄太郎)は、金髪の怪しい男に
絡まれて、”返却場所”にたどり着けずにいたー。
「ーい、い、一体何なんですかー…?
ぼ、僕ー…忙しいので」
早く入れ替わり体験サービスの事務所にたどり着かないと、
延滞料金を取られることになってしまうー。
そんな焦りも感じていたからか、
うっかりと一人称を「僕」のまま喋ってしまうー。
「へへー可愛い女がいたから声をかけたー
それ以上の理由があるかー?」
金髪の男がそう言葉を口にすると、
詩音(雄太郎)は怯えた表情を浮かべながら後ずさるー。
”雄太郎”自身、小太りのただの中年男性で、
別に屈強な肉体を持つスポーツマンでも何でもないー。
”非力なおっさん”だと自分では思うー。
けれど、今の身体ー、
詩音の華奢な身体では、力まかせにこの男を突破することも難しくー、
怯えながら、後ずさることしかできなかったー
「ーーおいおいおいーちょっとでいいんだよー。
俺と遊ぼうぜー?」
金髪の男は笑みを浮かべながら、詩音(雄太郎)へと近づいていくー。
”ーくそっー、あ、あと20分しかないのにー
今から全力疾走しないとー、
返却が間に合わないー”
詩音(雄太郎)は戸惑うー。
今日は、返却期限の6時間前に、1時間程度で到着する
”入れ替わり事務所”を目指して移動をし始めた詩音(雄太郎)ー
延滞料金のことは事前に説明を受けていたし、
雄太郎自身、ちゃんとしっかりと期限内に身体を返すつもりだったー。
それなのにー…
まず、移動中の電車でモバイルバッテリーを発火させた乗客がいて、
電車は遅延ー、
さらには、やむを得ず乗ったタクシーが道を間違えたことで
時間をロスー、
最寄りの駅までたどり着いて移動を始めたら、
金髪の男に絡まれてこの有様だー。
「ーーーーへへへー捕まえたー」
金髪の男が、詩音(雄太郎)を追いつめて、
ニヤニヤと笑みを浮かべるー。
「ーーや…や、やめてくださいー
だ、大体、ぼ、僕は、こう見えて男なんでー」
自分は男だと明かして、
早々にその場から立ち去ろうと考える
詩音(雄太郎)ー。
けれど、金髪の男は笑いながら
「ーーじゃあ、これはなんだ~?」と、
詩音(雄太郎)の服の上から胸を揉み始めるー
「うわっー、ちょっ…」
入れ替わり体験中に詩音の胸は散々揉んだー。
けれどー、他人から揉まれるのは初めてで、
今までに感じたことのないような、新しい感覚だったー。
しかし、そんな感触にドキドキしている場合ではないー。
早く、この身体を返却しなければ、
基本延滞料500万が発生してしまうー。
多少の貯金はあるけれど、500万をいきなり払うのは
彼にとってはかなり厳しいことであるのも事実ー。
とにかく、身体を返さないとー
「ーじ、じ、邪魔をするな!」
詩音(雄太郎)は声を荒げるー。
すると、金髪の男は詩音(雄太郎)のスカートの上から
アソコのあたりに触れて、ニヤニヤと笑みを浮かべたー
「ーへへへーついてないじゃん」
金髪の男の言葉に、詩音(雄太郎)は言葉を失いながらも、
「つ、つ、ついてなくても、男なんだよ!」と
必死に反論するー。
”へへへー分かってるよー、んなことはー”
金髪の男ー…
彼は、入れ替わり体験サービス”ドリーム★ちぇんじ”の関係者ー。
入れ替わり体験サービスの利用者の返却を
”わざと延滞させる”専門のスタッフで
こうして、返却場所に向かう利用者のことを”妨害”することが生業の人物だー。
”ドリーム★ちぇんじ”はこうした
”延滞料金を発生させるために、わざと利用者の妨害をする”ことを専門とした
”妨害スタッフ”と呼ばれるスタッフを用意していて、
この金髪の男・畑村 栄治(はたむら えいじ)はその一人ー。
”妨害スタッフ”はいずれも変装のエキスパートで、
先程、詩音(雄太郎)が乗って、
”道を間違えたタクシー”も、この畑村 栄治が変装していた姿だー。
入れ替わり体験サービス・ドリーム★ちぇんじは、
身体を返すだけではなく、
”わざと延滞料金を発生させて”利用者から莫大な金を奪うと同時に、
利用者の弱みを握る、極めて悪質なサービスだったー。
「ーーやめろ!!いい加減にしてくれ!」
詩音(雄太郎)が叫ぶー。
がー、金髪の男・栄治による妨害で時間を食われてしまうー。
なんとか栄治を振り払って、詩音(雄太郎)は、
夜の街を走り始めるも、
既に返却期限まではあと5分しかなかったー。
「ーへへーもう間に合わねぇよーそれにー…」
栄治はニヤリと笑うー。
詩音(雄太郎)は、栄治から逃げて
入れ替わり体験事務所を目指していたものの、
その途中でーー
「ーすみませんーちょっといいですかー?」
優しそうな雰囲気の女性警官の”職務質問”されてしまうー。
「ーーえっ、あ、いやー…」
詩音(雄太郎)が戸惑いながら、表情を歪めるー。
が、先ほど、金髪の男・栄治に絡まれたことで
服や髪が乱れていて”何かあった”と誤解されてしまっても
仕方がないー。
「ーーこの辺りで、不審者の情報があったので
お話を聞いて回っていましてー」
女性警官がそう言葉を口にすると、
詩音(雄太郎)は「え…あ、ーーはいー」と、
戸惑いながらも、それに応対してしまうー。
内心でニヤッと笑みを浮かべる女性警官ー。
この女性警官も、
入れ替わり体験サービス”ドリーム★ちぇんじ”が放った”偽物”だー。
他の”妨害スタッフ”と同じように
彼女もまた変装のエキスパート…。
女であることを生かした変装やー、
利用者の性格を利用しての”時間稼ぎ”を行うー。
詩音と入れ替わっている雄太郎のようなタイプの人間は
優しそうな女性警官に声を掛けられたら雑に扱うことはできない、と、
”ドリーム★ちぇんじ”側は、そう分析していたー。
そして、その分析は正しいー。
”早くしないと”と、思いながらも詩音(雄太郎)は、
”妨害スタッフ”の女性・滝本 瑠璃(たきもと るり)の話に
丁寧に答えていて、先に進むことができない状態になってしまっていたー。
「ーそういえばあなたー、何かあったのー?」
女性警官に扮している瑠璃が心配そうに言うー。
髪と服の乱れを
”どうしてそうなっているのか”を理解しながら、
指摘したのだー。
「ーーえ…えっと、こ、これはーちょっとー」
詩音(雄太郎)は戸惑いながら、何とか誤魔化そうとするー。
けれど、誤魔化すのに時間がかかってしまいー、
”返却期限”の時間は過ぎてしまったー。
”ふふふふー残念ねーゲームオーバーよ”
女性刑事に変装している瑠璃は内心でそう呟きながら笑みを浮かべると、
「ーじゃあ、このあたりに不審者の目撃情報もあるから、
無理をせずに帰ってね」と、
そう言葉を口にするー。
「は、はいー…ありがとうございましたー」
詩音(雄太郎)は、自分が女の身体になっているという
ドキドキも消し飛ぶほどに、”返却期限”までに身体を
返せなかったことに青ざめると、
入れ替わり事務所に到着して、すぐに土下座をしたー。
「ーーーわたし、身体を持ち逃げされたのかと思ってー
怖かったですー」
入れ替わり相手である入れ替わりスタッフ・詩音が、
雄太郎の身体でわざとらしく怯えて見せるー。
「ーあなたのような”期限を守らない人間”がいると、
我々も、困ってしまいますし、
サービスの継続が困難になる可能性も出て来てしまいますー
ですから、厳しいペナルティを課しているのですー」
”ドリーム★ちぇんじ”の接客担当である男・浦部 尚道(うらべ なおみち)が、
戸惑いの表情を浮かべながら言うー。
「すみませんーすみませんー
途中で変な男に絡まれたり、タクシーの運転手さんが道を間違えたりー…
かなり余裕を持って家を出たはずなのですがー」
詩音(雄太郎)が土下座をしながら叫ぶー。
しかし、「事前に説明はしたはずです」と、尚道はそう言葉を口にした上で、
「一度でも特例を作ってしまうと、他の利用者に示しがつきませんし、
”ここは延滞しても大丈夫だ”と思われてしまうと、それこそ大変です。
ですから、事前に説明した通り、延滞料金は支払っていただきます」と、
尚道は淡々と言葉を口にしたー。
「ーー…そこを、なんとかー」
詩音(雄太郎)は詩織の身体で泣きながら、まるで命乞いを
するかのように言葉を口にするー。
「どうしても、お支払いいただけない場合は、
あなたは”彼ら”と入れ替わっていただくことになりますー」
そう言葉を口にすると、
”病院”で入院中の余命宣告された人々の映像を表示させるー。
「ー代わりに死んで頂くー。
そうすることで、我々には莫大な金が入りー、
あなたの延滞料金分を回収することができますから」
尚道の言葉に、詩音(雄太郎)は泣きながら
「イヤだ!し、死にたくないー!」と、そう叫ぶと、
雄太郎(詩音)は「だったらー、延滞料金を払ってくださいね」と微笑むー。
そして、用意されていたカプセル型の入れ替わり装置で
二人の身体は元に戻されー、
陽太郎は後日、貯金を全て使い、さらには借金もして
延滞料金500万円を支払ったのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーそれにしても、チョロいですよね~」
詩音がそう言うと、
尚道は「そうだなー」と笑いながら、
入れ替わり報酬として詩音に100万円を支払うー。
2泊3日の入れ替わりー。
自分の身体をその期間貸すだけで100万円、という報酬は
彼女にとっては莫大な報酬だったー。
そして、妨害スタッフらにも、50万円ずつが支給され、
残りは会社の利益になるー。
「ーーふふふふー
人は”入れ替わり”という夢に食いつくー。
我々は、そんな夢に群がる者たちから
金を巻き上げるのだー」
尚道はそう言葉を口にすると、邪悪な笑みを浮かべるー。
”入れ替わり”ー。
それを利用した、悪質なサービスを展開する
”ドリーム★ちぇんじ”によって、今日もまた、
誰かが犠牲になるのだったー…
②へ続く
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コメント
悪質な入れ替わりサービスのお話デス~!!
今日の①では、どんな悪質なことをしているのかの、
流れを描きました~~!!
1話完結みたいな終わり方をしていますケド、
明日以降も続きがあるので、楽しんでくださいネ~!
コメント
ドリーム★ちぇんじおそろしやぁ~!★!★
下野くんに感情移入できてかわいそうでした(;∀;)泣
下野くんは純粋に入れ替わりを楽しんでるいい人そうですネ☆
無名さんと入れ替わって延滞料金発生したら後日ちゃんと払います…後日…
また無名さんのカラダと入れ替わって週1でキャバのバイトしてお返ししますネ(^_-)☆笑
無名さんのカラダに似合ったドレス選んだりヘアメイクのお姉さんと髪型打ち合わせて可愛くしてもらったりメイクもバッチリして…
無名さんのカラダで週1のキャバ嬢のバイトはまりそうデス~(*´艸`)笑
延滞料金はキッチリ返しますネ(^_-)☆笑
感想ありがとうございます~~!★
私も友達を使って
TSマニア様が期日内に返却できないように
妨害するのデス~笑
無名さんのいたずらっ子なところが出ましたね!★
無名さんのイジワルぅ~!★笑
延滞料金発生した方が自分が無名さんのカラダになってキャバ嬢になってバイトできるから延滞料金発生させちゃいますネ(*´艸`)笑
無名さんのカラダになってキラキラしたキャバ嬢になってステキにお客さんを接客したいし接待の協力もしたいし癒したいのデス(^_-)☆笑
延滞料金、以上に稼ぐのデス~!☆!☆!☆笑
ふふふふふ…★!
わわっ!?
延滞料金を上回る収入を得れば
永遠に…!?