彼には、気弱な性格の幼馴染がいたー。
男同士ながら、性格は真逆の存在ー。
けれど、彼は昔からその幼馴染のことを大事に思っていた。
しかし、ある日ー。
その幼馴染が”女体化”してしまってー…?
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高校2年生の松尾 瑛太(まつお えいた)には
気弱な性格の幼馴染がいたー。
森山 勇樹(もりやま ゆうき)ー。
彼は、近所に住んでいて、小さい頃から面識があって、
学校も同じだったー。
ただ、勇樹は気弱な性格であったためか、
学校に入ってからすぐ、いじめられるようになってしまい、
そんな様子を見かねて、瑛太が
いじめっ子たちを全員こらしめることで、勇樹を救ったー。
瑛太は、勇樹とは正反対で、
積極的で強気な性格ー。
間違っていることを見ると放っておけないような、
そんなタイプだったー。
勇樹がいじめられていると知り、
彼はすぐに「やめろよ!」といじめっ子たちの前に立ちはだかり、
勇樹を救ったのだったー。
それからも、色々トラブルはあったものの、
気弱な勇樹がいじめられないようにと、瑛太は
何かがあればすぐに勇樹を守るために全力を尽くしー、
勇樹もそんな瑛太にいつも感謝していたー。
「ごめんねー。僕は松尾くんに助けてもらってばかりでー…」
ある時、勇樹はそんな言葉も口にしていたー。
けれど、瑛太は「そんなこと気にするなよー」と、
笑いながらそう答えたー。
彼が勇樹を助けるのに、打算や悪だくみなどは一切なかったー。
”人生で一番最初の友達”を、守りたいー。
ただ、それだけで、
自分がどんなにクラスの中心的人物になっても、
友達が増えても、勇樹のことは絶対に裏切らなかったー。
そしてー、自分がクラスの中心的人物だからと言って、
無理に勇樹を同じ立場に置こうとすることもなかったー。
あくまでも勇樹の立場を尊重しつつ、
困ったことがあれば、全力で守るー。
そんな形で、瑛太はこれまで勇樹のことを守って来たー。
高校生になった現在でも、それは続いていて、
たまたま通う高校も一緒だったために
その縁は続いているー。
「ーそうだー、来週さ、近所でいつものお祭りあるじゃん?
勇樹が良ければ、一緒にどうだー?
好きだろ?お祭りー」
瑛太が電話でそう呟くと、
”ーえ~確かに好きだけど、いいの?”と、勇樹は笑うー。
勇樹は小さい頃から近所のお祭りが大好きだったー。
そんなことを思い出しながら、瑛太が電話で”一緒にどうだ?”と
誘ったのだったー。
「ーははー、イイに決まってるだろ?」
瑛太が笑いながら返すと、
勇樹は”でも、ほらー、松尾くんは友達も多いしー、色々予定があるんじゃ?”と
申し訳なさそうに言うー。
「ー俺の一番の友達は、勇樹だぜ?
最優先は勇樹。今までだってそうだっただろ?
あ、もちろん、勇樹が行きたくなきゃ、それでいいんだけどー」
あくまでも強制はしないー。
特に、勇樹はその性格上、”強引に誘うと”
行きたくなくても断ることができない。
だからいつも、瑛太から”行きたくないなら断ることができる”ように
言葉を付け加えているー。
実際にそれで、勇樹が瑛太の誘いを断ったこともあるー。
小さい頃から勇樹のことをよく知っているからこその配慮ー。
”ー行く。行きたいー”
勇樹がそう返事を返してくるー。
”行きたくなければ~”と逃げ道を作った上でも”行く”と行ってくる場合は
勇樹本人がちゃんと行きたいと思ってくれている証拠だー。
「ははー。じゃあ、数年ぶりに久しぶりに一緒に行くかー。
あ、俺、金魚すくいとか全然ダメだから、
また勇樹に変わって貰おうかなぁ~」
そんな言葉を口にしながら瑛太は笑うー。
別に、気弱で友達の少ない勇樹に対して
お情けで仲良くしているとか、
そういうことでもないー。
彼は純粋に、勇樹のことを一番大切な友達として、
そう考えていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
がー、お祭りに行く前日ー。
♪~~
勇樹から電話がかかって来たー。
「お、明日の話かな?」
瑛太は笑みを浮かべながらそう言葉を口にすると、
「お~勇樹、どうした?」と、いつものように電話に出るー。
が、電話の相手は勇樹ではなく、”女”だったー
”あ、あのー…”
「ーーー…?」
瑛太は戸惑いながら、スマホの画面に表示された
相手の名前をもう一度確認するー。
間違えて、他の人からの電話に出てしまったかー?
そう思いつつ、画面を見たものの、
電話相手は確かに勇樹だったー。
「ーーん…?え、えっとー…」
瑛太がそう言葉を口にすると、
相手の女は”え…あ、…そのー”と、気まずそうに言葉を口にしているー。
「ーー…????」
瑛太は頭の上に?を浮かべながら混乱した表情を浮かべたものの、
少し間を置いてから
「ーえっと、どちら様ですかー?勇樹のお母さん?」と、
そう言葉を口にしたー。
勇樹には、姉や妹はいないー。
勇樹から電話がかかってきている以上ー、
その相手は”勇樹の母親”ぐらいしか考えられないー。
そう思っていると、
”ーーいえーーーそのーー……ごめんなさい”と、
そう言葉を口にして、相手の女は電話を切ってしまったー。
「ーーー?????」
瑛太は”なんだったんだー?”と首を傾げながらも、
少し間を置いてから、ハッとしたような表情を浮かべるー。
”ごめんなさいー”と、すぐに謝ってしまうのは、
”勇樹の癖”だからだー。
「ーー!」
瑛太はすぐにもう一度”勇樹”に電話をかけると、
女の声が聞こえて来ると同時に「勇樹かー?」と、
そう言葉を口にするー。
”ーーーう、うんーー”
相手の女は、確かにそう言ったー。
”ぼ、僕ー…き、急に、女になっちゃってー
ど、どうしようー…”
泣きそうな声でそう言葉を口にする勇樹ー。
聞けば、今朝、目を覚ましたら突然”女”になってしまっていたのだと言うー。
それを聞いた瑛太は戸惑いながらも
「今からそっちに行くから待ってろ」と、そう言葉を口にすると、
それまでしていたことも全て放り出して、
近所にある勇樹の家へと向かったー。
勇樹の両親とも、当然小さい頃から知り合いの瑛太は、
「勇樹から話を聞いてー」と、そう言葉を口にすると、
そのまま勇樹の母親が、部屋に案内してくれたー。
「ーーー勇樹ー!」
瑛太が、勇樹の部屋にたどり着くと、
そこには、”女体化”したことでサイズが少し合わなくなってしまった
シャツを身に纏った、女体化した勇樹の姿があったー。
確かに、その顔立ちはどこか勇樹の面影を感じさせるような
感じではあったものの、
女っぽい顔立ちに変わっていて、
髪は伸び、胸も膨らんでいるー。
元々、男らしい雰囲気のタイプではなく、
どちらかと言うと、中性的な雰囲気もあったせいかー、
女体化した勇樹は、”美少女”と言えるような
そんな雰囲気も醸し出していたー。
「ーーーー……ま、松尾くんー僕ー…」
困惑した様子で目を逸らす女体化した勇樹ー。
「ーーー大丈夫か?
女になっちまった以外、どこか体調、悪くないかー?」
まるでお母さんかのように心配そうにそう言葉を口にする瑛太ー。
そんな瑛太を見て、女体化した勇樹は少しだけ微笑むと、
「ー大丈夫だよー。身体は大丈夫ー」と、
女体化してしまった以外には、調子の悪いところはない、と、
そう言って見せて、瑛太を安心させようとしたー。
「ーーで、でも、どうしてそんなことにー?」
瑛太が戸惑いながら言うと、
女体化した勇樹は「分からないけどー…朝、起きたら
こうなっていてー…」と、そんな言葉を口にしたー。
「ーーそ、そっかーー。
で、でも、こんなことあるんだなー」
瑛太は女体化した勇樹のことを見つめながら、
戸惑いの表情を浮かべると、
女体化した勇樹も同じように、戸惑いの表情を浮かべたー。
「ご、ごめんねー…こんなんじゃ、僕ー」
女体化した勇樹が、落ち込んだ様子で俯くー。
女体化しているせいか、そんな勇樹を見て
少しだけドキッとしてしまった瑛太は、
心の中で”勇樹相手に何変な感情を抱いてるんだ”と、
自分に言い聞かせるように言葉を口にすると、
「ー謝る必要なんてないぜー?」と、瑛太はいつもの調子で笑うー。
「ーどんな見た目になっても、勇樹は俺の最初の友達で
一番の親友だー。
何も変わらないし、何も心配しなくていいー。
学校で、変な子と言うやつがいたら
昔のように俺がやっつけてやるー。
だから、心配すんなー
なっー?」
瑛太は、とにかく女体化してしまった勇樹を安心させようと
そう言葉を口にすると、
女体化した勇樹は「ー松尾くんー」と、少し安堵の表情を浮かべながら
「いつも、本当にありがとうー」と、嬉しそうに微笑んだー。
その笑顔にドキッとして顔を赤らめてしまうと、瑛太は
”調子狂うなぁ”と、思いつつ、
”女体化した勇樹にドキッとしてしまっている”などと、
本人に伝わったら、本人にイヤな思いをさせてしまうかもしれない、と、
それを悟られないように「ー親友を助けるのは当然だろ?」と、
そう言葉を口にしたー。
「ーーーー」
がー、女体化した勇樹は、そんな瑛太のほうを見つめながら
少しだけ表情を曇らせるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
女体化した勇樹は、学校側との話し合いも終わり、
学校に登校するようになったー。
ただ、元に戻ることができるまでは、
男子ではなく、女子として扱われることになり、
制服も女子としての制服が用意されたー。
元々の制服は女体化した際に
身体のサイズが”もしも勇樹が女だったら?”の
サイズに変化したために、
元の勇樹よりも少し小さく、サイズが合わないために
そのまま使うことはできなかった。
両親、学校、本人を交えての相談の結果
”すぐに戻れる可能性が高いなら”そのまま男子扱いで、
行く方がいいと、3者の意見が一致したものの、
”いつ戻ることができるか分からない”状況であること、
そして、”そもそも元に戻ることができるか分からない”状況で
あることから、そのまま”戻れなかった場合”に備えて
女子として過ごすことになったー。
「ーマジかー」
「すげーー!」
「触らせてくれよ」
「いや、キモくない?」
「いったい、どうなってるの?」
教室でその挨拶をすると、周囲はそんな声を上げたー。
すかさず、瑛太が自分の座席で立ち上がると
「まぁまぁ、勇樹は勇樹だ。今まで通りに接すればいいだろ?」と、
そう言葉を口にするー。
しかし、女子生徒の一部からは不満の声が上がるー。
「そいつ、女子トイレ使うの?」
「体育はどうするんですか?」
とー。
担任の先生は少し戸惑いながらも、
「ーーま、まぁ、それはー、最初は戸惑うかもしれんが、だんだんとー」
と、少し歯切れが悪い言葉を口にするー。
「ご、ごめんなさいー…そのー僕ー」
女体化した勇樹が、困った様子の表情を浮かべているー。
それを見て、瑛太は”俺があいつを守らないと”と、
今一度強く思うと、
「ーだ、大丈夫だってー。勇樹はそういう下心とかあるやつじゃないのは
みんな分かるだろ?」
と、そう言葉を口にするー。
瑛太は昔から友達が多く、顔立ちもイケメンの部類であるため
女子からの人気もそれなりに高いー。
だからだろうかー。
”瑛太が言うなら”という空気になっていくー。
瑛太はそんな様子を見て”あと一押し”と、心の中で呟くと、
「ー勇樹は何も悪いことをしたりしない」と、
女子トイレを使っても、体育の授業を女子と混ざってしても、
問題ないと、クラスメイトたちに告げるー。
「松尾くんー」
女体化した勇樹が”そこまで信頼してくれるなんて…”と
驚きつつも、感謝していると、
教室の前にやってきて、瑛太は女体化した勇樹の手を掴むと、
「俺が保証するー。もしも何かあれば、俺も一緒に責任を負うー。
だから、信じてやってくれー」
とー。
「ーーーま、松尾くんーー」
女体化した勇樹は、申し訳なさと嬉しさと、感謝の気持ちで
目を潤ませながら、瑛太のほうを見つめると、
担任の先生も安堵した様子で
「ーということで、みんな頼むぞー」と、
女体化した勇樹をどうか受け入れてやってほしい、と、そう頼み込んだー
「ーー本当に、ありがとう」
女体化した勇樹が言うと、
瑛太は「いいって」と、少し照れ臭そうにするー。
そんな二人を見て、男子生徒の一人が
「瑛太~!そのまま付き合っちまえよ~!」と、
冷やかすようにそう言葉を口にするー。
「ーは、はぁ?うるせー!
俺と勇樹は親友だぞ!?そういう関係じゃねぇんだよ!」
笑いながらそう返す瑛太ー。
女体化した勇樹には、きっとこれからも色々な苦難が待ち受けているー。
でもー、俺が勇樹を守ろうー。
瑛太は、心の中でそう誓うのだったー。
②へ続く
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コメント
気弱な親友が女体化してしまった…!★
そんなお話デス~!!!
このまま上手く生活できるのかどうかは…
明日のお楽しみ…!★

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