<憑依>宣戦布告②~汚された彼女~

彼女が”憑依”されて奪われてしまったー。

突然、別れを告げられた彼は
困惑しながらも、諦めずに行動を起こすー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”ーまさか”彼氏”がいたなんて思わなかったけどー
 この女は今日から俺のものだからー
 
 だから今日でお別れバイバイー
 もう、今日からこの女はお前の彼女じゃないから
 二度と連絡してくるなよ!じゃっ!”

”憑依された彩菜”からの映像を再度確認しながら、
亮太は頭を抱えるー。

「ーー俺のものってどういうことだー…?」
戸惑う亮太ー。

動画の中で、彼女の彩菜は”憑依”という単語を一度も
出さなかったために、亮太は彩菜に何が起きたのか
分からずにいたー。

が、彩菜とは思えない奇妙な行動に、亮太はハッとするー

”まさか、誰かに脅されてー…?”
亮太は慌てて家を飛び出すー。

昨日の夜から連絡がつかなかった彩菜ー。
それは、”誰かが家に入り込んで、彩菜を脅しているのではないか”と、
そう思ったのだー。

それなら、あの謎の動画も納得できるー。
”誰か”に脅された彩菜が、自分の意思とは関係なく
あんな動画を送らされたのだとすれば、
しっくり来るー。

「くそっー…彩菜ー」
亮太は、彼女である彩菜の無事を、
ただひたすらに祈りながら、彩菜のアパートの前までやってくると、
彩菜の部屋の前に立ったー。

がー…
部屋の中からはー”声”が聞こえて来ていたー。

「ーーー!?!?」
その声はー…”欲望に溺れた彩菜”が、
喘ぎ狂う声だったー。

”ーーやべぇ…彩菜ーー彩菜ーー彩菜は俺のものだー
 えへっえへへへへへっ♡”

そんな声まで聞こえて来るー。

がー、その声は”男”の声ではなくー、
彩菜自身の声ー。

まるで、”彩菜と一緒にいる男”が喋るかのような内容を
彩菜が発しているー。

彩菜の、今まで聞いたこともないような、
欲望に満ちた喘ぎ声を聞きながら、
一瞬、ドキッとしてしまった亮太は、
”ふ、ふざけるなー”と、自分自身に対して
”ドキドキなんかしてる場合じゃないだろー”と、
改めて言い聞かせると、そのままインターホンを鳴らしたー。

しかしー、彩菜は喘ぎ続けているー。
亮太はドアをノックしながら、彩菜の部屋のインターホンを鳴らすと、
やがて、その声は止まり、
はぁはぁと息を漏らしながら、彩菜が応答したー。

「ーー彩菜!大丈夫かー!?
 さっきの動画ー、
 誰かに撮らされたのかー!?」

亮太がそう言うと、彩菜は”ん~~~?って”お前”元カレじゃんー”と、
そう言葉を口にするー。

彩菜の声なのに、まるで”彩菜”と話をしているように思えないー。
そんな状況ー。

亮太は戸惑いながら「あ、彩菜ー。中に誰かいるならー、
扉を開けてくれー」と、そう言葉を口にするー。

「大丈夫ー絶対に俺が助けるからー。彩菜に手出しはさせないー」
亮太は、”彩菜の部屋に男が上がり込んでいる”と、そう思いながら
そんな言葉を口にするー。

しかし、”憑依されている”彩菜は笑うと、
”ーあ~~~……そっかそっかー。なんか勘違いしてるのかー”と、
独り言のようにブツブツと呟くと、
”まぁいいやー。ちゃんと”教えて”やるよー”と、
彩菜らしからぬ口調でそう言葉を口にすると、
そのまま玄関の扉が開いたー。

出てきた彩菜は下着姿のままで、
しかも、その髪は乱れに乱れていたー。

「ーーーあ、彩菜ー…?な、何をされたんだー!?」
亮太は、”やはり誰かに何かされている”と、そう確信したかの如く、
そう言葉を口にするー。

がー、彩菜は「何勘違いしてるんだよー」と、
全く恥ずかしがる様子もないまま、
そのまま部屋の中に入っていくと、
亮太も気まずい様子のまま、中に入っていくー

部屋の中には彩菜自身の下着や服が散乱して
散らかりに散らかっているー。

ところどころに汚れも見られる中、
彩菜は、ニヤニヤしながら、
亮太の方を向いたー。

「ーこの女、イイ声で喘ぐよなー?
 お前もこの女とヤッたことがあるなら知ってるだろ?」

下着姿の彩菜がニヤニヤしながら言うー。

亮太は周囲をキョロキョロしながら”彩菜”以外に
誰かがいないかを確認するー。

しかし、彩菜は笑ったー

「おいおい、何か勘違いしてるみたいだけど、
 この部屋には”俺”以外誰もいないぜー」

彩菜のそんな男口調に、亮太は「おいー彩菜…一体どうしたんだよー?」と、
そんな言葉を口にするー。

彩菜はケラケラと笑いながら
「ーだから言ったろ?お前の彼女は俺のものだってー」と、
そんなセリフを口にするー。

「ーそ…それはどういうー…?
 だ、誰かに…お、脅されてるのかー?」

亮太はなおもそんな言葉を口にするー。

”彩菜”が、”お前の彼女は俺のもの”と、言うのは、
通常では”おかしい”のだー。
まるで自分のことを、別人のような言い草だし、
”お前の彼女(彩菜)”は”俺(彩菜)”のものー”と言っているようなもので、
亮太からすればサッパリ意味が分からないー。

「ーーははははっ!!
 ははははははっ!そんな顔すんなよ!ははは」
嬉しそうに笑う彩菜ー

”顔”だけ見ればいつもの笑っている彩菜であるものの、
その笑い方ー、そして言動ー、格好は、
まるで彩菜とは思えないー。

「ー俺はお前の彼女に”憑依”してこうして身体を乗っ取ったんだよー」
彩菜がニヤニヤしながら、自分の胸を下着の上から
触りつつ、笑みを浮かべるー

「の、の、乗っ取ったー…?ひ、憑依ー?」
完全に混乱した表情で、
亮太が彩菜に聞き返すー。

「そうだよー…俺はお前の彼女の身体を意のままに動かせるんだよー
 へへーこうやって胸を揉んだりー」

彩菜は下着の上から、ニヤニヤしながら胸を揉むと、
その場で下着を脱ぎ捨てて、「生まれたままの姿にすることもなぁ!」と、
ゲラゲラと笑うー。

「ーそ、そんなことあるわけがー」
亮太は目の前にいる彩菜の姿にドキドキする間もなく、
茫然と言葉を吐き出すと、
「ー”こいつ”が、こんなことするかー?」と、
笑みを浮かべながらーー
”無残な姿”となったハムスターの”きーちゃん”を指差したー

「ーーー!!!!!!!!!!!!」
亮太も、彩菜が飼っているハムスターをとても大事にしていることは
知っているー。
少しハムスターの調子が悪いだけで、彩菜が酷く落ち込んでいたことも、
知っているー。

その彩菜が、こんなことをするなんてー、絶対にー

「ーーあはははははっ!これで分かっただろ!?
 彩菜は俺のものだ!!
 お前の彼女の身体も心も俺のもの!
 あはははははっ!」

彩菜が狂ったように笑うー。

「ーふ、ふ、ふ、ふざけんなー!」
亮太がそう叫ぶー。

”彩菜が憑依されている”
それを認めざるを得なかったー。

「ーだ・か・らー、
 昨日でわたしたち、お別れー。
 わたしはもうー、”上杉くん”だけのものなんだからー」

うっとりとした表情で、彩菜に憑依している幸太郎は、
”自分の名前”を呼ばせて彩菜の身体でドキドキとしながら笑うー。

「ーーー…う、上杉ー!?そ、それがお前の名前かー!?」
亮太がそう叫ぶー。

彩菜はニヤニヤしながら、
「わたし、”上杉 彩菜”になるのーふふっ」と、
笑みを浮かべるー。

「ーーふざけるな!!彩菜の身体から出ていけ!」
亮太が声を上げるもー、
彩菜は「嫌だね」と、即、それを否定するー。

「ーーー…ぐー…」
そうこうしているうちに、インターホンが鳴るー。

「ー!?」
亮太が戸惑うと、生まれたままの姿の彩菜は
笑みを浮かべながら、
「ー昨日、こいつを乗っ取った直後に”注文したもの”が
 届いたみたいだなー」と、笑みを浮かべるー。

「ーー注文したもの?」
亮太がそう聞き返すと、彩菜は笑いながら頷くー。

「せっかく女の身体を乗っ取ったんだから
 色々エロいやつ、着て見たいだろ?」
とー。

「ーーーーー~~~!」
亮太は怒りが込み上げてきて、爆発しそうになるのを感じながら、
「ーー彩菜に何をするつもりだー…?」
と、そう言葉を口にするー。

「ーへへ…まぁ、届いたものを開ければ分かることさー
 あ、そうだー。お前取って来いよー」
憑依されている彩菜は亮太に対して、
お届け物を取りに行くように促すー。

「ーな、なんで俺がー…」
亮太が嫌悪感を露わにするー。

がー、すると彩菜は立ち上がって、
「じゃあ、俺が出るしかねぇな」と、
”生まれたままの姿”で、届いた荷物を受け取ろうとするー

「ーー!お、おい!ふ、ふざけんな!」
亮太がそう声を上げると、彩菜はニヤッと笑いながら
「じゃあ、お前が受け取れよー」と、
そう言い放つー。

「ーーーぐ…」
亮太はニヤニヤしながら、この状況を楽しんでいる
”憑依された彩菜”を見つめながら、「分かったよー」と、
そう言葉を口にするー。

そのまま玄関を開けて、彩菜の代わりに届いた荷物を受け取るー。

一瞬、ここで配達員の人に”うちの荷物じゃありません”と言って
届いたものを追い返すことも考えたものの
そんなことをしたら、彩菜の身体で何をされるか分からないー、と
渋々とそのまま荷物を受け取るー。

やがて、荷物を受け取って部屋に戻ると、
生まれたままの姿で、蟹股になってピースしながら
鏡を見つめている彩菜の姿が見えたー。

「お前!!彩菜に何て格好させてるんだー!」
亮太が荷物を持ったまま怒りの声を上げるー。

しかし、彩菜は
「えへへへへ~わたし、乗っ取られて
 こんなことさせられちゃってま~す!」と、
嬉しそうに鏡の前で叫ぶー。

「ーーお前っ…!」
亮太は荷物を落とすと、そのまま怒りの形相を浮かべながら
彩菜に近付くー。

が、彩菜はそのままのポーズで、亮太の方を向くと、
「なぁなぁ、好きな女がこういうことさせられてるって
 どんな気持ち?」と、ニヤニヤしながら言うー。

亮太は、その言葉に答えずに彩菜の腕を掴むー。

「痛いよー…亮太ー」
彩菜は急に弱弱しい表情を浮かべながらそう言うと、
亮太はドキッとして「ご、ごめっ…」と、慌てて手を離してしまうー。

「ーなんてな…バーカ!」
彩菜はゲラゲラと笑うと、
「よこせ」と、ダンボールをこっちに動かすように要求してくるー。

「ーーーぐ……彩菜の身体でこれ以上、好き勝手すんな…!」
亮太がそう言い放つも、
彩菜は「”わたし”がわたしの身体で何をしようと勝手でしょー?
”元カレ”の癖に命令しないでー」
と、挑発的に言葉を口にするー。

怒り狂ってしまいそうな状況の中、亮太はダンボールを蹴り飛ばすと、
彩菜は「も~~~!乱暴だなぁ」と、いつものような口調で
亮太に言い放ったー。

まるで、彩菜に怒られているような気がして、亮太は表情を歪めるー。

やがて、彩菜は荷物を開くと、
そこに詰め込まれていたHな衣装の数々を見て
嬉しそうに笑うー

「えへへー…藤森さんにどんな格好だってさせ放題だー」
興奮した様子で彩菜が言うと、
ひとりで「ねぇー上杉くんーどんなわたしが見たいー?」と、
まるで彩菜が憑依している幸太郎に話しかけるような口調で、
言葉を口にする彩菜ー。

亮太は、”相手”が彩菜の身体で怒りをぶつける場所もなく、
狂ってしまいそうな思いを感じながら
「ふざけるな!!彩菜を解放しろ!!」と、そう叫ぶー。

しかし、彩菜はそれを無視して、
メイド服を着ると「どう??似合うでしょ?」と、
嬉しそうに笑うー

「ーーぐ…」
亮太はメイド服姿の彩菜にドキッとしてしまう自分にも
腹を立てながら、何とか彩菜を助け出そうと考えるー。

「ーえへへーわたしのご主人様は上杉くんだけどねー。
 えへへーどう?彼女のわたしが
 取られちゃった気分はー?」
なおも煽って来る彩菜ー。

「ー黙ってろ」
亮太はそう言いながら、冷静になろうと深呼吸をするー。

しかし、メイド服姿の彩菜は身体を密着させてくると、
「ーメイド姿の彩菜にドキドキしてるの?」と、
甘い声で囁いて来たー

「ーーあぁ!もう!離れろ!」
亮太がそう声を上げると、
彩菜はゲラゲラと笑いながら、
「あ、そうだー」と、何かを思い出したかのように
言葉を口にすると、そのまま部屋にあったパソコンの電源を入れるー。

「何をー…?」
亮太が戸惑いながら彩菜を見つめるー。

すると、彩菜はパソコンから、
小太りの男ー…とてもモテなさそうな雰囲気の
陰険な顔つきの男の画像を表示したー。

「ーーー誰だそれー…」
亮太がそう尋ねると、
彩菜は笑うー。

「ーお前の彼女に憑依した俺だよー」
とー。

その画像は、憑依している”上杉 幸太郎”の写真ー。

「ーーーそれがお前かー…!」
亮太は怒りを露わにしながら、
スマホを取り出して、消されないうちに
”上杉 幸太郎”の顔写真を撮影するー。

「ははー無駄無駄ー
 ”俺の彼女は憑依されてます”って、誰が信じるんだよー」

彩菜はメイド服姿のままそう言うと、
「ーお前に楽しい光景を見せてあげようと思ってなー」と、
そう言葉を口にしてからーー
パソコンに表示した、彩菜に憑依している上杉幸太郎の顔写真に向かって、
突然、彩菜なキスを始めたー

「なっーー…」
表情を歪める亮太ー。

パソコンの画面に向かってー…
画面に映し出された上杉幸太郎の顔に向かって
嬉しそうにキスをするメイド服姿の彩菜ー。

まるで、彩菜が男とキスをしているような錯覚を覚えて、
亮太は、地獄のような光景を見つめることしかできなかったー

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

ダーク一直線な、奪われる憑依モノ…☆!

最終回にまさかの逆転はあるのかどうか、
それともそのままダークに突き抜けるのか、
ぜひ見届けて下さいネ~☆!

今日もありがとうございました~!☆!

PR
憑依<宣戦布告>

コメント

  1. TSマニア より:

    このダーク路線からの平和な結末は難しいですよネ…(-_-;)

    ハムスターのきーちゃんはやっぱりでしたネ(;∀;)