仕事帰りー。
彼は偶然”あるもの”を目撃してしまったー。
命を狙われることになってしまった彼は、
”女体化薬”を飲み、女体化した状態で身を隠すも…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーふぅー今日も疲れたな」
社会人3年目のサラリーマン・
奥寺 祐樹(おくでら ゆうき)は、
仕事を終えて、ため息を吐き出しながら、
そんな言葉を口にしたー。
社会人3年目ともなると、
だんだんと仕事の内容もマンネリ化してくるし、
どうしても新鮮味は無くなるー。
社会の歯車として、同じような日常を
繰り返す、そんな日々がやってくるー。
「ーーっと、もうこんな時間かー」
今日は、残業で帰りが22時になってしまった。
このあと、家に帰ったら、
サッと食事を済ませてお風呂に入って寝るー…
そんな、”仕事をするだけの1日”になる予定だー。
”ここのところ、残業続きだよなー…
繁忙期が終われば、まぁ、多少はマシになるんだろうけどー”
祐樹の会社は年末が近づいてくると
特に忙しくなるー。
そのため、最近は残業続きになっているのだー。
そんな日常を思いながら、今一度ため息を吐き出すと、
ふと、うめき声のようなものが路地裏の方向から聞えたー。
「ーーー???」
そのままその場所を素通りしようとしていた祐樹は
ふと、足を止めるー。
”今、何か声、しなかったかー?”
そんな風に思う祐樹ー。
が、すぐに「ー猫か何かかなー」と、呟くと
そのままその場を離れようとするー。
しかしー
”ーーーゃ…め… ろ…”
そんな声が聞こえたー。
「ーー!?!?」
祐樹は表情を歪めるー。
夜になると、この辺りの道はほとんど人通りがないー。
会社から家に帰るまでの最短距離であるために
祐樹はいつもこの道を歩いているものの、
この通りから、さらに路地裏のような場所に入ると、
さらに薄暗く、いかにも不審者が出そうな感じの場所になるー。
そんな場所から、”謎のうめき声”が聞こえて来たのだー。
”ゆ…幽霊………じゃ、ないよなー…?”
祐樹は、そう思いつつ、
一度はそのまま立ち去ろうとしたものの、
放っておくことが出来ずに、
その路地裏の方に足を踏み入れるー。
ほとんど人が通らない場所であるせいか、
ゴミが散乱していて、街灯もほとんどなく、
薄暗いその場所を進んでいくと、
やがてー、再び男のうめき声が聞こえたー。
「ーーー…」
祐樹は、さっきよりもその声が近くなっていることを
確認しつつー、”声のした方向”を、電柱の影に隠れながら
確認するとー、
そこにはーー…
男が苦しそうに座り込んでいたー。
「ーーーーーたのむ…… いのち……だけはー」
その男は、そう言葉を口にしたー。
血まみれで、”今にも死にそう”な感じだー。
”な…な…なんだあれはー…!?”
祐樹は困惑の表情を浮かべるー。
そしてー…
ちょうど、祐樹がいる場所からは死角になっていて
見えなかった場所から、
もう一人、男が姿を現したー。
「ーー俺に命乞いをされても、困るなー。
俺はただ、”依頼”されてお前を始末しに来ただけだー」
男はそう言うと、死にかけている男に向かって
”銃”のようなものを向けたー。
「ーー………た……た、たすけて………
たすけて…!」
今にも死にそうな男が、そう声を上げるー。
がー、黒いコートの男は、少しだけ笑みを浮かべると、
「ー”死に直面した人間”の顔は実に美しいー。」と、
そう言葉を口にするー。
そしてーー、その男はそのまま、死にかけている男に向けて
ほとんど音のしない銃を放ち、その男は動かなくなったー
「ーーーひっ…」
その様子を見ていた祐樹は、思わず声を漏らして
尻餅をついてしまうー。
「ーー誰だ!?」
黒いコートの男に気付かれてしまう祐樹ー。
「ーーひっ……!?」
祐樹は、相手の顔も見ずに慌てて走り出したー。
途中で鞄が裏路地のフェンスに引っかかってしまい、
引っ張って取ろうとしたものの、上手くいかずに、
鞄も諦めて、必死に逃げる祐樹ー。
「ーはぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…
ひ、人殺し現場を見ちまうなんてー」
祐樹は、生きている心地がしなかったー。
これまでの人生で恐らく、一番、一生懸命走ったと思うー。
やがて、ようやくアパートに到着した祐樹は
荒い息を吐き出しながら、
家に飛び込むと、そのまま玄関の扉を閉めて、
カーテンも閉めて、家の中でひたすらガクガクと
震え続けていたー。
「ーーーー」
幸いー…、黒いコートの男は、途中で祐樹を見失ったようで、
祐樹はなんとか逃げ切ることができたのだったー。
がー…
「ーーーーー」
先程いた裏路地に戻って来ていた黒いコートの男は
「チッ」と、舌打ちをするー。
「まさか、見られちまうとはー…」
そう言葉を口にしながら、ふと、黒いコートの男は
フェンスのところに鞄が引っかかっているのに気づくー。
”これは、あの男のー?”
そう思いながら、黒いコートの男はその鞄を漁ると、
中から出て来た社員証を発見して、笑みを浮かべたー。
「奥寺 祐樹かー…
正体さえ分かっていれば、こちらのものだー」
黒いコートの男は、そう言葉を口にすると、
そのまま、その鞄を回収して
ゆっくりと歩き出したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー。
祐樹は、目を覚ますと
大きくため息を吐き出しながら、
あくびをしたー。
「くそっー…昨日はホント、最悪な目に遭ったなー」
愚痴を口にしながら、会社に向かう準備を始める祐樹ー。
しかしー
その時だったー
♪~~~
インターホンが鳴り、祐樹は表情を歪めるー
普段”こんなに朝早く”誰かが来ることはまずないのだー。
もちろん、ただのセールスだったり、
近所の人だったりする可能性もあるものの、
昨日の夜の出来事が、祐樹に”イヤな予感”を感じさせたー。
「ーーーーー…」
恐る恐る、インターホンに映る映像を確認する祐樹ー。
するとそこにはーー
昨日の、黒いコートの男がいたー。
「ーーー!?!?!?!?!?!?!?!?」
祐樹は、青ざめるー。
暗かったから顔まではハッキリ見えなかったものの、
間違いないー。
この男だー。
コン コンー
返事をしないでいると、部屋の扉がノックされたー。
祐樹は、青ざめながら周囲を見渡すー。
”奥寺さんー
いらっしゃいますかー?”
黒いコートの男は、そう言葉を口にするー。
思ったよりも穏やかな声だー。
がー、祐樹は返事をせずに、ベランダの方を見つめたー。
そしてーー
”すみません!ちょっと着替え中なのでー、
少々お待ちください!”と、
玄関に向かって返事をすると、そのままベランダに飛び出し、
2階のベランダから、外に向かって飛び降りたー。
「くそっ…!何なんだよアイツ…!くそっ!」
祐樹が涙目でそう言葉を発するー。
がー、こんなところで殺されるわけにはいかないー。
祐樹はそのまま、自分のアパートから離れるために
必死に走り続けたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
扉を強引に開けた黒いコートの男が、銃を手に
中に入り込むー。
がー、そこに既に祐樹の姿はなく、
黒いコートの男は表情を歪めるー。
「ーーーなるほどなー…逃げたか」
すぐに男は、ベランダへの扉が開いていることに気付くと、
そう言葉を口にしたー。
「ーーあのぅ…どちら様ですかー?」
ふと、背後から声がしたー。
物音を聞いて、不安に思った
隣の部屋に住む一人暮らしのおばさんー、
小堀(こほり)さんだー。
「ーーーーあぁ、いやー」
黒いコートの男は”小堀さん”に背を向けたまま
そう言葉を口にすると、
「ー気にする必要はないー」と、そう言いながら振り返り、
「邪魔したなー」と、そのまま部屋の外に向かって歩き出すー。
「ーーえ……あ、あなたはいったいー…?
奥寺さんはー?」
”小堀さん”がそう言葉を口にすると、
黒いコートの男は、立ち止まってから振り返り、
「ーー寝ろ」と、だけ呟くと
音のしない銃で、無情にも小堀さんの頭を撃ち抜いて、
無表情のまま立ち去って行くー…。
「ーーーひっ…!?!?」
アパートの廊下ですれ違ったサラリーマンのおじさんも射殺すると、
「ーー奥寺祐樹ーこの俺から逃げられると思うなよー」と、
静かにそう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数時間後ー
祐樹は、ネットカフェに逃げ込みー、
そこの個室を利用していたー。
”くそっ…何なんだあいつー…”
祐樹は震えながら、ネットで”昨日の夜の件”が
ニュースになっていないか、確認していたー。
がーーー
”ーー奥寺 祐樹って子、いるー?”
女の声が聞こえたー。
「ーー!?!?」
個室にいた祐樹は表情を歪めるー。
”ーー探してるんだけどー”
女のその言葉に、店員が”お客様の個人情報はー”と、
そう言葉を口にした直後、銃声が聞こえたー。
悲鳴が上がる店内ー
”う、嘘だろー…??ど、どうなってるんだー…?”
祐樹は慌てて個室から飛び出すと、
混乱に乗じて、”黒いコートの女”の姿を確認しながら
そのまま、外に脱出するー。
「ーはぁっ…はぁっ…はぁっ…
俺が何したって言うんだー!」
祐樹は、あまりにも邪悪な”なにか”に命を狙われている状況に
青ざめながら、近くの廃病院を見つけると、
そこの中に飛び込んでいくー。
確かここは数年前に違法な研究が行われているとして
閉鎖された病院だったはずー。
が、今はそんなこと言ってられないー。
廃病院に身を隠した祐樹は、
毛布や、使えそうなものをかき集めて、
その場で一晩を過ごそうと考え始めるー。
「ーーー?」
しかし、その時だったー。
「ーーなんだこれー…?」
祐樹が表情を歪めるー。
廃病院内を動き回っていた祐樹は
”得体の知れない薬のようなもの”を発見したー。
それはー
”女体化薬”ー。
近くに残されたボロボロのメモに
”男から、女へー”と、
そう書かれているのが見えたー。
「ーーーー…」
祐樹は表情を歪めるー。
がー
黒いコートの男や、黒いコートの女が
自分の命を狙っている状況であることを思い出すと、
「くそっーどうにでもなれ!」と、そう言葉を口にしながら、
そのまま、”女体化薬”を飲み干したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーおいおいおいおいー
派手にやってくれちゃ、困るじゃないのー」
黒いコートの男に
”借金をしたまま夜逃げしようとした男”の
始末を依頼した、
”招き猫金融”の社長・東郷 陣(とうごう じん)は、
煙草を咥えながらそう言葉を口にしたー。
「ーー”目撃”されたもので」
黒いコートの男がそう言葉を口にするー。
「ーー…いやいやいや、目撃されたっつってもよ?
アパートで2人殺して、
ネカフェでも何人か殺しただろ?
ニュースになってるわけよ。分かるー?」
東郷社長はそう言葉を口にすると、不満そうに言うー。
「ー僕が依頼したのはー、
あの夜逃げ男の始末だけー。
あんま、事を荒立てないでくれるかな?
最悪、僕の会社まで捜査の手が伸びると困るからね」
東郷社長はそう言うと、
机の中からポップキャンディを取り出して
笑みを浮かべると、それを舐め始めるー。
「ーーーだが、逃がすわけにはいかないー」
黒いコートの男はそう言葉を口にするー。
彼は闇に生きる”プロのヒットマン”ー。
”目撃”した人間は今まで全て消して来たー。
そして、彼がヒットマンとして生きているのはー
”命の灯”を消すことが楽しくてたまらないからー
「ーあのねぇー、そんなポンポン人殺されちゃ困るんだよ
こっちも
そう叫ぶ招き猫金融の社長・東郷ー
しかし、その言葉を最後まで発されなかったー。
黒いコートの男が、依頼人であった東郷社長の頭を撃ち抜いたからだー。
「ーーー…誰にも邪魔はさせない」
黒いコートの男は、それだけ呟くと
静かに移動を始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーー…う、嘘だろー!?
お、俺がホントに女にー!?」
一方ー、廃病院内では”女体化”した自分を見て、
祐樹が驚きの声を上げていたー。
しかも、予想以上に美人だー。
「ーへ…へへへへー」
ドキドキしながら少しだけ胸を触ると、
「ほ、本物だぁ…」と、嬉しそうに呟きながら、
すぐにハッとして、「こ、こんなことしてる場合じゃないぞー」と、
そのまま廃病院の外に向かって歩き出すー。
「ーーーまさかホントに女になっちゃうなんて思わなかったけどー、
でも、この姿ならー」
女体化した祐樹は”この姿なら逃げきれるかも”と、
そう希望を抱きながら、その場を後にするのだったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
容赦ない恐ろしいヒットマンからの逃亡…!
女体化した状態で、隠れきることができるかどうか、
ドキドキデス…!

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