<女体化>美しき逃亡者②~潜伏~

偶然、人の命が奪われるところを目撃してしまった彼は、
命を狙われる羽目にー…

そして、逃亡する最中、女体化薬を見つけた彼は
生き延びるためにそれを口にしてー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

女体化した祐樹は、
身を隠しながら、街にやってきていたー。

「ーー……さすがに、この姿なら狙われることないよなー…」
鏡で顔を確認する祐樹ー。

女体化したことで、まるで別人のような容姿になり、
髪も伸び、身体つきも変わっているー。
これなら、あのコートの男と女に、バレることはないー…
と、そう思いたいー。

「ーーいや、でも待てよー
 この服でバレるかもなー…」
女体化する前から着ている服を、鏡越しに見つめる祐樹ー。

そもそも、女体化したことでちょっとサイズも合っていないし、
もともと着ていた服であるために、
黒いコートの男や、黒いコートの女に、違和感を抱かれる可能性があるー。

男の命を奪い、さらにアパートにまでやってきたあの黒いコートの男ー
そして、ネットカフェに乗り込んで来た黒いコートの女ー
奴らは何者なのだろうかー。

祐樹は、トイレを出て
近くのデパートでとりあえず服を買おうと、
そう決心するー。

”ー女になったとは言え、女装するような気分で落ち着かないけどー…”
そう思いつつも、祐樹は出来る限り、
元々の自分とかけ離れた雰囲気になるように、とにかく綺麗で、可愛らしい雰囲気の服を
独断で買い漁っていくー。

「ーーーー…流石に家に戻るのはまずいよなー…
 奴らの仲間が見張ってるかもしれないー」
そう思いつつ、祐樹はデパートの中を移動するー。

女体化してー、髪も、胸も、声もー、体格もー、
色々気になるところはあるけれど、
今は正直、そんなことを楽しむ気持ちにはならなかったー。

さっき、少し胸を揉んでみたけれど、
確かにドキドキしたし、今までにない快感を感じたものの、
今はそれよりも”殺されるかもしれない”ー、
そんな恐怖の方がはるかに勝っていたー。

人間、下心を楽しむ余裕があるー、ということは
素晴らしいことなのかもしれないー。
と、祐樹はそんな下らないことを考えつつ移動するー。

しかしー、
その時だったー

「ーー!!!」

階段を下りていると、
下から”黒いコートの男”が姿を現したのだー

「ーーーー!!!!!」
祐樹は、心臓が止まりそうになったー。

だがー、すぐに
”いや、今の俺は女だー。動揺するなー
 普通にしてりゃ、バレないー”
と、心の中でそう呟くー。

平静を装いながら、
チラッと黒いコートの男を確認するー。

するとーーー
”昨日の男”とは、また違ったー

昨日の男は、威圧感のある鋭い目つきの男だったー。
が、この男は、爬虫類のようなイヤらしい感じの目つきー。
昨日の男とはまた違うコートの男だー。

”おいおいー俺は何人に命を狙われてるんだー?”

一瞬、そんなことを思うも、
”いや、待て待て待て 黒いコートを着てる男なんて
 どこにでもいるだろうし、奴らの仲間とは限らないー”
と、そう思っていると、
階段を上り終えた黒いコートの細目の男が
”この人を知らないか?”と、階段の上にいた店員に声を掛けているのが
見えたー。

「ーーー!」
女体化した祐樹がチラッと、その写真を階段を下りながら
遠目で確認するー。

そこにはーー
”祐樹の姿”が写し出されていたー

”くそっ!やっぱあいつらの仲間じゃないか!”
祐樹は心の中でそう思いつつも、
女体化していたことに安堵しながら、
その場を立ち去るー。

「ーーーくそっ…何であんなに執拗に俺のことを狙うんだー…」
女体化した祐樹は、そう言葉を口にしながら
”とにかく、どこか着替えられるところを見つけないと”と、
周囲を見渡すー。

絶対に殺されるわけにはいかないー。
殺されてたまるものかー。

そんな風に思いながら、祐樹は慣れない”女の身体”で
足早に歩き始めるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”昨日、アパートで住人2名が射殺された事件でー、
 警察は逃げた男の公開捜査に踏み切りましたー”

そんなニュースが流れているー。

「ーーー…」
着替え終わって、服装も含めて完全に”女”になった祐樹は、
家電量販店の入り口前のテレビに流れている
そんな映像を見つめるー。

「ー昨日のやつだー…」
昨日、祐樹のアパートに乗り込んできた黒いコートの男ー。
その防犯カメラの映像が公開されていたー。

だがー…

”身元などについては、現在調査中とのことでー…”

ニュースでは、そんな風に報道されているー。

「ーーここまで顔がくっきり写っているのになー…」
祐樹はそう言葉を口にすると、
”とにかく、捕まってくれればいいけどー…”と、
心の中でそんなことを考えるー。

しかし、あの黒いコートの男が捕まったとしても、
ネットカフェに乗り込んで来た黒いコートの女に、
さっきデパートの階段ですれ違った
細い目つきの黒いコートの男もいるー。

一体、あと何人いるのかー
そんな不安を感じながら、祐樹は歩き出すー。

「あぁ~…くそっ…スカートって落ち着かないなー…」
女体化した祐樹は、歩きながら
自分のスカートを触り、恥ずかしそうな表情を浮かべるー。

”~~~逃げるためとは言っても、なんか
 落ち着かないなー…これじゃ、会社にもいけないしー…
 …っていうかせめて女体化する前に会社に連絡しておけば
 よかったなぁ……
 これじゃ無断欠勤だし、下手したらクビだしー…”

女体化した祐樹は、ソワソワしながらも、
今はどうすることもできない、と、
”今夜はどこで過ごそうかなー…”と、色々と考えるー。

どこか宿泊できるところを探すかー…、
あるいはー…

「ーーそうだ…鮫島(さめじま)ならー…」
祐樹はふと、大学時代からの友人の名前を口にするー。

女体化した状態では、なかなか知り合いを頼ることもできないし、
あまり”距離の近い人間”の元に身を隠せば気付かれる可能性もあるー。

が、大学時代の友人・鮫島なら、少なくとも”近すぎる”
距離感じゃないしー、
”女好き”の鮫島なら女体化のことを信じてくれても、
くれなかったとしても、力になってくれると、
祐樹はそんな風に考えたのだー。

「信じてくれればそれでいいしー、
 ダメなら……気持ち悪いけどこの身体で誘惑してでもー…」

”気持ち悪い”とは鮫島のことではなく、
男である自分が、女として他人を誘惑することを言っているー。

がー、今はどんな手段を使ってでも、
身を隠せる場所が欲しいー。

そう思いつつ、祐樹は早速、
大学時代の友人である、鮫島 拓斗(さめじま たくと)を
頼るべく、その家がある場所に向かって歩き始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー奥寺 祐樹はどこだー?」
細い目つきの黒いコートを着た男ー…

祐樹が、昼間、デパートの階段ですれ違った男が、
祐樹の勤務先にやってきていたー。

「ーーーお、奥寺は今日ー無断欠勤でしてー」
祐樹の上司である部長がそう言うと、
細目の黒コートの男は言葉を口にしたー。

「ーーもう一度だけ言うぞ。奥寺はどこだー?」
黒コートの男の言葉に、部長は
「し、知らないー。連絡もつかないんだー!」と、
そう言葉を口にすると、
「そうか。邪魔したなー」と、
細目の黒コートの男は、そのまま部長に銃を放ったー。

動かなくなった部長を見て、残っていた社員たちが悲鳴を
上げて逃げ出すー。

”チッー…あの男ー…どこに行きやがったー…?”
細目の黒コートの男はそれだけ言葉を口にすると、
「ーーぁ… ぁ… ぁ…」
と、机の隅で蹲っているOLの姿を見つけたー。

「ーー…奥寺祐樹の机はどこだ?」
黒コートの男がそう行くと、泣きながらOLは指を指すー。

「そうかー」
黒コートの男が「お前にもう用はないー。この部屋から出ていけ」と、
逃げ遅れたOLにそう言うと、祐樹の机を漁り始めるー。

「ーー」
そしてー、祐樹の”緊急連絡先”を見つけると、
男は少しだけ笑みを浮かべるー。

そして、オフィスの部屋の出口にたどり着いた
先程のOLの方をチラっと見つめると、
そのまま銃を放ちー、倒れ込んだ女に近付くー。

「ーー”希望から絶望に突き落とされた時の顔”ー
 美しいー」
倒れた女の顔を見つめながら、「ん~~~」と、
興奮した様子で声を上げると、細目の黒コートの男は、
そのまま走り出したー。

”奥寺 祐樹”を始末するためにー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーし、信じられないと思うけど、
 俺なんだ…!助けてくれ!」

女体化した祐樹は、
大学時代からの友人・鮫島 拓斗の家にたどり着き、
必死に事情を説明したー。

「ホントに祐樹なのかぁ?」
拓斗は困惑しながらも、
「ーじゃ、大学の学園祭の時に、
 俺がやらかした”アレ”覚えてるかー?」と、
拓斗はニヤニヤしながら言うー。

「お、覚えてるーもちろん覚えてるよ」
女体化した祐樹が、学生時代の”黒歴史”を拓斗に
耳打ちしようと拓斗に近付くと、
拓斗はドキドキしながら「ちょ、ちょっと近いなー」と、
そう呟きつつ、その”黒歴史”を聞くー。

「ーー……~~」
拓斗と祐樹本人ぐらいしか知らないような
その”黒歴史”を聞かされた拓斗は
「お、お前、マジで祐樹かー?」と、
それだけ言葉を口にするー。

女体化した祐樹は頷くー。

「やつらから逃げるために、逃げ込んだ廃病院で
 女体化薬ってのを飲んだからこんな姿だけどー、
 ホントに、ホントに俺なんだー」

祐樹の必死の訴えに、拓斗はようやく
目の前にいる女が祐樹だと信じると、
「分かったー。とにかく、そこにいろー」と、
そう言葉を口にしながら、戸締りを確認し直すと、
「ーちょうど、”元カノ”の着替えとかあるからー
 適当に使っていいぞー」と、拓斗は
元カノの着替えがある場所を指差したー。

「ーーえ…い、いやーいいのかよー?」
女体化した祐樹が申し訳なさそうに言うと、
「ははー、大丈夫大丈夫。捨てといてって言われてるし
 もう、復縁することもないからさー」と、
そう言葉を口にしながら、着替えは元カノのを使ってくれ、と
それだけ言葉を付け加えたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー。

”現場となった、支社では、
 5名の死亡者が出ており、
 警察は容疑者の行方を追っていますー”

ニュースでそんな報道が行われているー。

「ーーーーー…部長…嘘だろ…」
呆然とする女体化した祐樹ー。

”細目の黒いコートの男”に襲撃されたのは
祐樹の勤務先の会社だったー。

部長や、同僚ら5人が射殺されたらしく、
被害者として報道されている5人は
全員、こうなる前までは日常的に祐樹と会話したりも
していた人々だー。

「ーーー……」
学生時代の親友の拓斗は、そんな祐樹の方を
戸惑うような表情で見つめているー。

「ーーーくそっ…コイツ、
 昨日、デパートの階段ですれ違ったやつだー」
女体化した祐樹が悔しそうに言葉を口にするー。

”細目の黒コートの男”ー
昨日、祐樹が服を買いに行った際に、
デパートの階段ですれ違っている男だー。

「ーーーー」
拓斗がじっと、祐樹の方を見つめているのを見て、
その視線に気づくと、
「心配かけて悪いなー」と女体化した祐樹が言うー。

「あ、いやー。太腿エロイなって思ってー」
祐樹をじっと見つめていた拓斗が笑いながら言うと、
「ーなんだよ!そこかよ」と、祐樹は少し困惑しながら
そう叫ぶー。

「ーへへーしかし、”身元不明の男”ってどういうことなんだろうなー
 あれだけハッキリ顔が映ってるのにー」
テレビのニュースを指差しながら拓斗が言うと、
女体化した祐樹は首を横に振ったー。

「分からないー。俺のアパートに乗り込んで来た仲間も
 そう報道されてたしー…」

祐樹がそう言うと、
拓斗は戸惑いながら「お前を狙ってるやつは何人ぐらいいるんだー?」と、
戸惑いながら、呟くー。

「ーそれも分からないー…でも、少なくとも3人はいるー」
女体化した祐樹が、落ち着かない様子で自分の髪を触りながら言うー。

最初に、男を射殺して、その後に祐樹のアパートにも乗り込んで来た
黒コートの男ー。

祐樹が身を隠したネットカフェに乗り込んで来た
黒コートの女ー。

そして、デパートの階段ですれ違い、祐樹の会社も襲撃した
細目の黒コートの男ー。

最低でも、三人はいるー。

「ーーったく、全員捕まっちまえばいいのになー」
拓斗がそう言葉を口にすると、
女体化した祐樹は苦笑いしながら、
「ーーでも、まぁー…」と、言葉を口にしかけたー。

がー、
その時だったー

♪~~~

拓斗の家のインターホンが鳴ったー。

「ーー?」
拓斗が表情を歪めるー。

「ーー……誰か来る予定、あるのかー?」
女体化した祐樹が言うと、
拓斗は「いや…」と、それだけ言いながら
不安そうに玄関の方を見つめたー。

③へ続く

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コメント

次回が最終回デス~!!★

果たして、無事に逃げ切ることは
できるのかどうか、
ぜひ見届けて下さいネ~!

今日もありがとうございました~!☆!

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女体化<美しき逃亡者>

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