<入れ替わり>甘やかしすぎお姉ちゃん③~暴走~(完)

弟が嫌がることを何でも”入れ替わり”で
代わりにやってあげていたお姉ちゃんー。

しかし、その結果ー…、
弟は取り返しのつかないところまで歪んでいたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーな……なに……してるの?」
純太(美冬)が、呆然としながら立ち尽くすー。

「ーーーえ…… ぁ…   ぁっ…」
服装はチャイナドレスー、
手には大人のおもちゃが握られていて、
たった今、喘ぎ声を上げていた最中だった
美冬(純太)ー。

しかも、Hなゲームも、起動してそのままになっていて、
パソコンには”美冬の身体”で稼いだ収益を確認する
画面を表示したままにしてしまっていたー。

「ーーー……ねぇ……何してるのー…?純太ー」
純太(美冬)は”信じられない”という様子で、
そう言葉を口にするー。

「ーー……ね……ね…姉さんーーー…
 ーーー…ぼ、僕ーー え…?
 えっとー」

美冬(純太)は、身体が感じていた興奮が
一気に冷めるような感覚を覚えながら、
「ーーーこ、これはー…」と、言い訳を思いつかずに、
さっきから、意味のない言葉を繰り返し発しているー。

「ーーー…純太!!何をしてるの!?!?」

純太(美冬)が目に涙を浮かべながら声を荒げるーー

純太にとって、それは”姉さん”が怒っているのを見た
初めての姿だったー。

「ーーーぼ……ぼ……僕はーーーー」
美冬(純太)は震えながら、
”自分のしたこと”を自白するー。

結構前から、美冬の身体で欲望の限りを尽くしていたことー、
コスプレは少し前にメイド服を買ってから病みつきになってしまったことー、
美冬の身体で配信して、お小遣い稼ぎをし始めていたことー

それらを全て、白状したー。

「ーーーー………そんなーーー」
パソコンに映る、”際どい写真”を見て、呆然とする純太(美冬)ー

「ー純太がー…わたしの身体で、こんなことー……」
酷く落ち込んでしまう純太(美冬)を見て、
美冬(純太)は「ーーーで…でもー」と、言葉を口にするー。

「ね、姉さんは、僕を喜ばせたいんでしょ!?
 僕のこと、好きなんでしょー?
 だったら、僕が喜んでるんだから、そ、それでいいじゃないか!」

美冬(純太)は言うー。

「ーか、隠しててごめんとは思ってるけど、
 僕はー…僕はこういうことをしたいんだ!
 べ、別に犯罪を犯してるわけじゃないんだしー」

そんな言葉に、純太(美冬)は悲しそうに首を振るー。

「ーー…ね、姉さんが、ぼ、僕にこんないい身体を貸してくれるからー
 ぼ、僕、我慢できないんだー!
 
 だ、だって、僕だって、男なんだしー
 姉さんのこんな綺麗な身体を貰ったらー…」

開き直ったかのようにそう言葉を口にする美冬(純太)ー

「ーーーーーーうんー…もういいよー。ごめんねー。」
純太(美冬)は悲しそうにそう言うと、お守りを手に、
身体を元に戻すー。

「ーーー…」
チャイナドレス姿の自分の身体に戻った美冬は、
その場で落ち込んだ様子で座り込むー。

純太は慌てて、自分の”収益”を守るためだろうかー。
パソコンに表示されている画面のログアウトを行うと、
「ーー姉さんー…そ、それよりどうして急に早く帰って来たのー?」と、
そう言葉を口にしたー。、

チャイナドレス姿のまま座り込んでいる美冬は、
純太の方を振り返ることもせずに、
「ーー今日ねー…学校に爆破予告があって臨時で集団下校になったのー」
と、それだけ言葉を口にしたー。

「そ、そっかー」
純太はそれだけ言うと、戸惑った様子で美冬の方を見るー。

「ーーー…もう、今日は部屋から出てって」
美冬のその言葉に、純太は「姉さんー、ぼ、僕ー」と、
何か言い訳をしようとするー。

「ーー今日はもう話したくないーごめんね」
美冬は、なおも、申し訳なさそうにそう言うと、
純太は「わ、わかったよー」と、そう言葉を口にしながら
部屋の外に出ていくー。

「ーーーーーーー………」
一人残された美冬は、チャイナドレスを着たままの自分の姿と、
放り投げられたままの大人のおもちゃを見て、自虐的に笑うと、
「ーわたしー…純太のためを思ってたのにー…
 間違ってたのかなー」と、悲しそうにそう言葉を口にしたー。

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部屋に戻った純太はー、
「ーーーあ~~~~~~~~~!」と、不満そうに声を上げると、
「爆破予告なんてしやがってー!誰だよ全く!」と、そう叫んだー

「そいつのせいでー、僕は!僕はー…!」
純太は、自分が悪い、とは何も思っていない様子で、
「ーだいたい、姉さんがエロイから悪いんだ!」と、
不満そうに言葉を口にしたー。

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それ以降ー、美冬は純太との入れ替わりをしなくなったー。

純太が頼んでも、美冬は
「ごめんねー」の一点張りー。

美冬自身が手伝えることは手伝ってくれるものの、
それ以上のことはしてくれなくなってしまったー。

最初はー、純太もそれを受け入れようとしたー。
けれどー。

「ーーーあ~~~~…」
”姉”をオカズに、自分の身体で快感を味わうと、
「ーーダメだー」と、そう言葉を口にしたー。

”姉さんの身体”でもっともっと楽しみたいー、と
そんな風に思ってしまう純太ー。

やがてーーー

「ーー姉さん!明日…僕、裁縫の授業があってー
 苦手なんだー…

 入れ替わってよー」

と、再び、入れ替わりのお願いをしたー。

「ーーごめんね。純太ー。裁縫が苦手なら教えてあげーー…
美冬がそこまで言いかけたその時だったー

「ーいいから、入れ替わってくれよ!」
純太が声を上げたー。

「じ…純太ー…?」
美冬が怯えた様子でそう言葉を口にするー。

「姉さんは、僕のことが大事なんだよね!?
 だったら、僕のお願いを聞いてよ!」
純太のその言葉に、美冬は戸惑いながら言う。

「ーこ、これ以上入れ替わりを続けてもー
 純太のためにならないってー…
 そう気づいたのー!」
とー。

がーー

「ーうるさい!
 いいから姉さんの身体を貸せよ!」

子供のように喚きながら、美冬を叩き始める純太ー。

純太はー小さい頃から
イヤなことは全部美冬が代わって来たせいでー…
”何でも自分の思い通りにならないと気が済まない”
そんな、ワガママな性格になってしまっていたー。

「ー貸せ!その身体を貸せ!
 姉さんの身体を貸せ!」
姉に暴力を振るい始める純太ー。

美冬は「わ、わかったー…わかったからー」と
涙目で声を上げると、
「ーー姉さんー…分かってくれてよかったー…ありがとう」と、
純太はそう言葉を口にしたー。

「ーーーーー」
涙目のまま、純太と入れ替わる美冬ー。

美冬になった純太は、もはや隠す気もなく、
純太(美冬)が学校に行く前から、
胸を揉みながら、嬉しそうに叫び始めるー。

久しぶりの入れ替わりに我慢の限界だったのか、
すぐに自分のアソコを触り始める美冬(純太)ー

「ーーーーい…行ってくるねー…」
純太(美冬)は、寂しそうにそう言葉を口にするも、
顔を真っ赤にしながら嬉しそうに喘いでいる美冬(純太)は
もはや返事すらしなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーどうしたんだ?」
純太の友達・裕也が、純太(美冬)が元気がないことに気付き、
そう言葉を口にするー

高校の昼休みのひと時ー。

純太(美冬)は”わたしのせいで、純太はあんな風になってしまったー”と、
今になって、これまで純太をずっと甘やかしすぎてきたことを
強く、強く後悔していたー。

「ーーーーー…ちょっとーー後悔してることがあってー」
純太(美冬)が、悲しそうにそう言葉を口にすると、
友達の裕也は戸惑いながら「そ、そっかー…まぁ…なんていうかー…
あまり抱え込みすぎるなよ」と、それだけ言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからもー、純太の暴走は続いたー。

すっかりと本性を隠さなくなり、
純太の身体で、美冬が帰宅しても、
「ちょっと待って!このあと1回イってから!」などと、
堂々とそう言い放ち、すぐには身体を返してくれないー
そんな日々が続いていたー。

”入れ替わり”自体は、母にも説明してあるー。
美冬は、母に助けを求めようとしたもののー、
”お母さんにこれ以上負担をかけるわけにはいかないー”と、
自分の力だけで何とか解決しようとしたー。

「ーーー…ねぇ…!純太ー!
 わたし、純太にそんな風になってほしかったんじゃないの!」

ある日ー、
美冬が泣きながらそう言うと、純太は「姉さんー」と、
そう言葉を口にしながら、少しだけ表情を曇らせたー。

しかしー…

「ーー僕がこうなったのは、姉さんのせいだ!
 姉さんが、僕の性癖を狂わせたんだ!
 姉さんが、僕を怠け者にしたんだよ!

 だからー、姉さん、責任取って
 可愛い弟を守ってよ!」

ますますと純太は凶悪なことを口にするー。

「ーー純太ー…」
泣きながら項垂れる美冬ー。

「ーー泣いてもダメだよ姉さん。
 僕、姉さんには感謝してるけどー、
 途中で僕を見捨てたら許さないよ」
純太はそれだけ言うと、「そうだー。僕、ムラムラしてきたから
入れ替わってよ」と、そんな言葉を口にしたー。

”純太をこんなにしてしまったのは、わたしの責任ー”
美冬は、強い罪悪感から、
その後も純太との入れ替わりを続けたー。

それが、更なる破滅への道だと分かっていながらー、
”自分がこんな風にしてしまった純太”を見捨てられなかったー。

やがてー、純太は高校を卒業ー
大学受験はほぼ美冬に任せっぱなしー。

美冬自身は大学を卒業したものの、
正社員としての就職は”純太と入れ替わってることが多いため”
出来ずにバイトと、家で出来る仕事で何とかお金を稼いでいたー。

「ー姉さんも、身体で稼げばいいのに」
美冬になった純太は、ある日、そんなことまで口にしたー。

さらに、純太は大学を途中で辞めてしまいー、
「僕、姉さんの身体を使ってこれからも稼ぐからさ!
 もう大学に行く必要はないんだ!」と、
そんな言葉を口にしたー。

「ーーーー」
暗い表情の美冬ー。

ますます横暴になっていく純太ー。

そしてーー
”その日”は訪れたー。

慌てた様子で帰宅する純太ー。

「ーね、姉さんーぼ、僕ーー」
純太の様子に、美冬は「ど…どうしたのー?」と、
表情を歪めるー。

「ーー僕ー…人を殺しちゃったー…」
純太が動揺した様子で言うー。

「ーーーーえっ…」
青ざめる美冬ー。

その手には血がついているー。

「ーし、仕方なかったんだー。
 裕也が、僕の言うこと聞かないから!
 あいつが…!あいつが悪いんだ!」

純太は今日ー、高校時代の親友だった裕也と
遊びに出かけていたー。
が、何かトラブルが起きたのだろうー。

小さい頃から甘やかし続けられていた純太は
”自分の意見が通らない”と、キレる性格になってしまっていてー、
ついに、人の命まで奪ってしまったようだったー。

「ーーーーー姉さん!すぐに入れ替わって僕を助けてよ!」
純太が笑うー。

「ーー……わたしにー…代わりに逮捕されろってことー?」
すっかり感情を失った美冬がそう言うと、
純太は「そう!早くしないと警察が来る!さっさと僕と入れ替われよ!」
と、笑みを浮かべるー。

美冬は頷くと、自分の部屋に戻り、お守りを持ってくるー。

「ーえへへへーさっすが姉さんーいつもありがとう!」
嬉しそうに言う純太ー。

がーーー

「ーーーえ」
純太が青ざめるー。

目の前で、美冬はお守りに火をつけてー…
それを燃やし始めたのだー

「ーーえっ…ちょっ…!?はっ!?おいっ!!!」
純太が顔を真っ赤にしながら怒りの声を上げるー。

美冬は、洗面台に放り投げたお守りが燃えてなくなるのを
黙って見届けるー。

これが無ければ、もう入れ替われないー。

怒り狂った純太が、美冬を背後からグーで殴りつけると、
「ー何てことするんだ!!このクソ野郎!」と、そう叫んだー。

「ーーーーーーーふふふー…」
殴られた美冬は、目に涙を浮かべながら笑うー。

「ーーー何笑ってんだよ!クソ女!」
そう叫ぶ純太ー。

純太のためー
ずっとずっとー、そう思って来たー

その結果がー、
弟は殺人を犯しー、
散々助けたのに、”クソ女”呼ばわりー。

美冬は、思わず笑ってしまったー

「ーーわたしーー…純太のためって思ってたのにー
 ーー全然、純太のためになってなかったーー」

自虐的に、笑うしかなかったー。
”わたしって、ダメなお姉ちゃんー”
とー。

「ーーごめんねー。純太ー…」
美冬は目に涙を浮かべながら言うと、
純太は表情を歪めながら
「ー僕を守ってくれよぉ…!」と、泣きだしたー。

すぐに、逃亡した純太を追って来た警察官が家にやってくるー。

絶望の表情のまま連行されていく純太ー。

美冬は呆然としながら、そんな弟の姿を見つめるーーー

「ーーーーー…どうして、こんなことになっちゃったんだろうー」
美冬は、過去を振り返るー。

いじめられていた弟を”入れ替わり”で救ったー。

そうーー
”そこで”止めておけば良かったのだー。

そうすれば、きっと、違う未来が待っていたー

弟のためー、弟のためーと、
些細なことまで入れ替わりで代わってあげるようになってしまったからーー

きっとー、こうなってしまったのだー。

「ーーーーーごめんねー」
美冬は目に涙を浮かべながら、そう言葉を口にすることしかできなかったー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

最終回でした~…!★

救いのないダークな結末に…

そのうち、純太くんが外に出て来たとき、
純太くんがどうなっているかで…
この後の運命も変わりそうですネ~…!

お読み下さりありがとうございました~!☆!

コメント

  1. TSマニア より:

    純太は終身刑です(;∀;)

    純太は精神科にもお世話になりそうですネ!

    美冬姉さんの方が心配かも(;∀;)

    まさかの爆破予告でした~!★(-_-;)

    爆破予告は今風ですネ~!★

    自分が無名さんのカラダになった場合は純太ほどは暴走しないのでご安心を\(^o^)/笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~!☆

      爆破予告のせいで、計画が失敗におわった純太くん…!笑

      でも、あのまま続いていても
      いつかはお姉ちゃんにバレちゃいそうな気もしますネ~笑☆

      • TSマニア より:

        まさかの爆破予告で展開が無名さんらしかったデス笑

        いい意味で予想外で笑えました笑

        美冬姉さんにそのうちバレてましたね汗

        優しさも厳しさも愛情ですよネ!

        暑いので無名さんも体調管理など気を付けてくださいネ☆

        • 無名 より:

          デスデス~!☆

          私も甘やかしすぎないように気を付けるのデス…!
          (でもついつい…笑)

          は~い!体調管理も気を付けます~~!