<MC>闇の預言書①~異変~

”謎の預言書”を手にしてしまった彼女…。

彼女はその日から正気を失い、
まるで預言書に操られているかのように、
そこに書かれていることを、”実現”させようと動き始めるー。

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「ーー少し前に、伯父さんが亡くなっちゃってー。
 今度の休みに、その片付けを手伝うことになっててー」

同じ大学に通う彼女の杉内 由香梨(すぎうち ゆかり)が
そんな言葉を口にするー。

「ーそっかぁ…それなら仕方ないなー」
その言葉を聞いた彼氏の山本 文哉(やまもと ふみや)は、
少し残念そうにしながら、そう返事をするー。

2人は、高校時代からの同級生で、
大学に入ってから付き合い始めて、
付き合ってから1年が経過した今でも仲良しな間柄ー。

お互いに実家で暮らしていて、文哉の妹である恵(めぐみ)が、
”由香梨さんに久しぶりに会いたい!”などと言い出したために
そのことを由香梨に伝えて、”今度の週末とかどうかな?”と
提案したのだが、亡くなった伯父さんの家の手伝いをする予定が
入っているとのことで、それは実現しなかったー。

「ーーそれなら、俺も手伝いに行こうか?」
由香梨の両親とも面識のある文哉がそう言葉を口にするー

「え!?いいよいいよー
 別に楽しいことをしに行くわけじゃないしー、
 伯父さんとは、わたしも最近はほとんど接点もなかったからー」

由香梨はそう呟きながら、苦笑いするー。

”由香梨の伯父さんは生涯独身を貫いた人で、
人付き合いがほとんどなかったために、
死後、家を片付ける人間もおらず、
由香梨の父親が、片付けをせざるを得ない状態に
なってしまっていたー。

由香梨もそんな状況を手伝うことにしたのだろうー。

「ーーそっかー。分かった。
 じゃあー…大変だと思うけど、頑張って」

文哉がそう言うと、由香梨は「うん!ありがとう」と、
いつものように優しく微笑んだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

土曜日ー。

ゴミ屋敷ー…と、言うわけではないものの
大分色々なものが散乱した状態の
”伯父さん”の家を整理整頓していく
由香梨と、由香梨の両親ー。

「ーは~、随分散らかしたもんだなぁ…」
由香梨の父親がため息をつきながら言うと、
「ーー由香梨は、無理して手伝わなくてもいいからなー?」
と、申し訳なさそうに言葉を口にするー。

「ーううんー。大丈夫ー。
 お父さんも大変だろうしー、
 それに、伯父さんにも最後ぐらいはー、ね」
と、少しだけ寂しそうに呟くー。

伯父さんとはここ数年はほとんど接点がなかったけれど、
小さい頃は可愛がってもらった記憶もあるー。
そんな伯父さんのために、せめて最後の整理整頓ぐらいは、
と、由香梨は今日、ここについてきているー。

「ーーふふ、由香梨は優しいねー」
由香梨の母親が、そんなことを口にしながら、
何か片付けるものはないかどうか、
辺りを見回すー。

「ーーあ、お母さん!わたし、あっちの物置の方も見て来るねー」
由香梨はそう言いながら、家の敷地内にある物置のような場所を指差すー。

「あ、うん!ホコリとか溜まってたら掃除機持ってくから言って!」
母親のそんな言葉に「は~い」と、返事をしながら
物置の方に向かう由香梨ー。

マスクをしながら、物置の整理を始める由香梨ー。

思ったほど、物置は散らかっておらず、
そんなにモノも多くないためにすぐに片付きそうな、
そんな雰囲気だったー。

「ーー?」
が、その時だったー。

由香梨が、あるものを物置の中で見つけるー。

そこにはー”預言書”と、英語で書かれた
謎の分厚い本が置かれていたー。

「ー預言?」
由香梨は、そう呟きながら
その分厚い本を手にするー。

”どうせ、世界の滅亡とか、そんな感じのこと書いてあるんだよねー”
そんなことを思いながら、由香梨が分厚い本の中を見つめると、

「ーーー!!」
由香梨の目が一瞬赤く光ったー。

「ーーーー…」
そしてー、由香梨はその本を大切そうに手にすると、
虚ろな目で、その中身をじっくりと読み始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

週明けー。

昼休みに
文哉が由香梨の姿を見つけて声をかけると、
由香梨もいつものように雑談に応じて、
色々なことを話し始めたー。

がー、昼食を食べながら雑談をしていた文哉は、
突然、お腹の痛みを感じて表情を歪めたー

「ーーどうしたの?」
由香梨のそんな言葉に、文哉は申し訳なさそうにしながら
「ご、ごめん…なんか急にお腹が痛くなってきてー」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーえ?じ、じゃあ、トイレに行って来たら?
 わたし、ここで見てるからー」

食べている途中の食事を指差しながら
そう言葉を口にすると、文哉は「ごめん!ありがとう」と
言いながら、そう言葉を口にするー。

「ーーーー」
去っていく文哉の姿を見つめながら
由香梨は思わずつぶやくー

「すごい…」
とー。

そして、笑みを浮かべながら”預言書”を鞄から飛び出すと、
そのページを見つめたー。

そこにはー
”大切な人が食事中に腹痛を訴え、トイレに行く”

と、そう書かれていたのだー

「ーーすごい…♡」
由香梨は、虚ろな目になると、そう呟きながら笑みを浮かべるー。

やがてー、しばらくすると文哉が戻ってきて
「ごめんごめんー」と、そんな言葉を口にしながら
着席したー。

がー、すぐに由香梨が夢中になって読んでいた
”奇妙な本”の存在に気付くと、
「あれ?それはー?」と、文哉は不思議そうに言葉を口にしたー。

「ーあ、これ? 
 すごいんだよー、この予言書ー!
 伯父さんの家の物置で見つけたんだけどー!」

そう言いながら、由香梨は嬉しそうに預言書を指差すー。

「あぁ、そういえば一昨日は伯父さんの家に行ったんだったなー。
 お疲れ様ー」
文哉がそんな言葉を口にすると、
由香梨は「ーほら!これ見て!」と、少しいつもより
テンションの高い様子で預言書を指差しながら、
そう呟くー。

「ーーん?」
文哉が少し不思議そうにしながらも、
由香梨が指を指しているところを見つめると、
そこにはー
”今日の日付”と、”大切な人が食事中に腹痛を訴え、トイレに行く”と、
そう書かれていたー。

「ーーえ……な、何これ…?」
今の出来事が書かれていることに、不気味さを感じながら
文哉がそう言葉を口にすると、
由香梨は「伯父さんが書いた預言書みたい!」と、感心した様子で
言葉を口にしたー。

「ー文哉、本当にお腹壊しちゃったから、すごいなぁ~って
 ふふふふふっ♡」

何だか、妙にテンションが高いー。
そんな風に思いながらも「た、たまたまだよー」と、
文哉が笑うと、
由香梨は「うんうんー。そうだといいんだけどー」と、
笑いながらパラパラとページをいくつかめくりながら、
1週間後の月曜日の部分を指差したー。

”彼氏に愛想を尽かして、彼氏と別れるー”

1週間後のページには、そう書かれていたー。

「ーーは…???」
文哉は戸惑うー。

「ーーあははーそんな驚いた顔しないでよー。」
由香梨は、笑いながら預言書のそのページを見つめると、
文哉は”何で、こんなことが書いてあるんだー?”と、
そう言葉を口にする

”伯父さん”からすれば由香梨は弟の娘、ということになるー。
が、どうして弟の娘の状況に合うような、
こんな預言書が物置に置かれていたのだろうかー。

しかも、”彼氏と別れる”なんてことが書かれているなんて
何だか気味が悪いー。

「ーあ、あ、あのさー
 その本ー、伯父さんが書いたんだよねー?」

文哉が言うと、由香梨は「うん、そうだと思うよー。この字、おじさんの字だし」と、
ノートに書かれている字を見せて来るー。

かなり特徴的な癖のある字で、
一度見たら忘れないような、そんな感じだー。

「ーーな、なんでこんな正確に由香梨の今の状況が
 書かれてるんだー?」

文哉のそんな言葉に、由香梨は預言書の内容を見つめながら
「う~ん…それは確かにー」と、呟くー。

パラパラと預言書の内容を見つめる由香梨ー。
不安そうな表情を浮かべながら、文哉は由香梨の様子を見つめるー。

「ーーーーーーー」
その由香梨の”目”が、なんだか預言書に吸い込まれるような、
そんな”輝きを失っている目”をしているように見えて、
文哉の不安はさらに膨らんでいくー。

「ーーー由香梨…?」
その言葉に、由香梨は「え?あ?」と、
ハッとした様子で、文哉の方を見つめると、
「ーーこの予言書、確かに不思議だけど、面白いよね!」と、
嬉しそうに笑みを浮かべたー。

「ーーーーー」
得体の知れない気味の悪さを感じる文哉ー。

ふと、この”預言書”とやらには他に何が
書かれているのか心配になり、
文哉は「ーー他には何て書いてあるんだ?」と
預言書を見ようとするー。

がー、由香梨は「だ~め!これはわたしの宝物なんだから」と、
預言書を抱きかかえるようにして、
それは見せてはくれなかったー

「ーーーー…」
文哉は、何となく居心地の悪さを感じながらも、
またお腹が痛くなってきて、
「ごめん。ちょっと体調がー」と、由香梨にそう断りを入れると、
またトイレの方に向かって行ったー。

「ーーー…ふふ」
一人残された由香梨が笑みを浮かべるー。

その手に握られていたのは、下剤ー。

文哉が、お腹を壊したのは偶然などではなく、
由香梨が”下剤”を、文哉の食事に盛ったからー。

預言書の今日のページを見つめる由香梨ー。

「ーーーー…ーーー」
由香梨は虚ろな目で、預言書の明日のページを見つめるー。

”父親と大喧嘩をする”

「ーーー…お父さんと、喧嘩ー」
両親とも仲良しな由香梨ー。
しかし、その予言書のページを見つめながら
由香梨は不気味な笑みを浮かべると、
「ーお父さんと、喧嘩しなくちゃー」と、
静かにそう呟いたー。

そして、翌日ー

「ーーお父さんなんて大っ嫌い!」
由香梨は今までに見せたこともないような
怒りっぷりで、物を父親に向かって投げつけると、
そのまま部屋の方に駆け込んでいくー。

「ーゆ、由香梨!?」
父親は戸惑うー。

きっかけは些細なことだったー。
由香梨がいつもよりピリピリしている気がして、
心配して声を掛けたら、由香梨が突然怒り出し、
何を言っても由香梨の攻撃的な言動は止まらず、
こんな結果になってしまったー。

「何かあったのかー?」
父親が戸惑いながら、母親の方を見つめるー。

が、由香梨の母親にも当然、
娘の異変の原因が分からず、困惑することしかできなかったー。

部屋に駆け込んだ由香梨は、
預言書を見つめながら笑みを浮かべるー。

「ー…ふふふ…ふふふふふふふふー」

次の日も、その翌日も、預言書に色々な内容が
刻まれているー。

その予言書には”伯父”の、憎悪と怨念が吹き込まれていたー。
生涯独身だった伯父の、”狂気”とも言える怨念がー。
ある感情と目的から生まれた怨念がー。

「ーーー……ふひ…ひひひひひ」
由香梨が不気味な笑みを浮かべると、
虚ろな目で、さらに預言書の内容を嬉しそうに読み始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”予言書”とやらにのめり込んでいく由香梨ー。
彼氏の文哉は、そんな由香梨の異様な様子を
心の底から心配していたー。

がーーー…

「ーー文哉、わたしと別れてー」

由香梨の様子がおかしくなってから1週間ー。
初日に”見せられた”通りのことが起きようとしていたー

「は…?な、何でだよー?」
文哉が戸惑いの表情を浮かべるー。

由香梨は笑みを浮かべながら
「だって、預言書にそう書いてあるんだもん!」と、
そう言葉を口にするー

”予言書に書いてあるから別れるー”
そんな言いぐさに、戸惑う文哉ー。

しかしー、文哉はまだ知らないー。
預言書のこの先のページに、
もっと恐ろしいことが書かれていることをー

”由香梨が、俺の記憶と意識を受け継いで、俺になるー”

そんな、恐ろしい”予言”が書かれていることを、
文哉はまだ、知らなかったー

②へ続く

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コメント

伯父が残した謎の預言書に洗脳されてしまうお話デス~!

①からいきなり不穏な気配が
漂っていますネ~…!

明日以降もぜひ楽しんでくださいネ~!
今日もありがとうございました~!

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MC<闇の預言書>

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