とある王国の平和を乱す謎のスライム男。
彼は、欲望を楽しみながら着実に、一歩ずつ
女王の元へと迫っていたー。
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地下牢に向かう女王・リリアーヌの護衛の女騎士の一人、
デルフィナを見つめながら、
メイドのオレリアは邪悪な笑みを浮かべていたー。
「ーくくくー
誇り高き騎士様が、女王に接近するために利用されるー…
たまらないぜー…」
オレリアは興奮した様子で、ゆっくりと
”幽閉されているメイド・マリリンのいる地下牢へ向かう
デルフィナの後を追うー。
”ようやく捕らえたぞー”
”この大悪党を決して、外に逃がしてはならぬー”
”ーー貴様…大人しくしろ!”
遠い、昔の記憶ー。
朧げなその記憶を、スライム男は
少しだけ思い出すー。
遠い昔、スライム男はこの王国で悪事を重ねている
盗賊だったー。
もう、名前も覚えていないし、
何をしていたのか、具体的には何も覚えていない。
ただ、”盗賊”だったことしか覚えていないー。
そして、彼は悪事の限りを尽くした末に、
当時の王国の騎士団に捕まったのだー。
”貴様が、最近、世を騒がせている盗賊かー”
当時の国王はそう言い放ったー。
「ーー王ー。どうしますか?」
横にいた側近の騎士がそう言うと、
国王は深く頷いたー
「罪人どもの中にはこやつに憧れて
盗みを始めたものもいるー。
こやつは危険な存在だー。
そういう奴らをこれ以上生み出さないためにも
こやつは”見せしめ”にする必要があるー」
国王はそう言うと、
”男”を、魔術で生み出した硫酸を用いて
”溶かす”ことで処刑することを決めたー。
民衆の前で大々的にこの”大盗賊”を溶かすのだー。
残酷な見せしめを行うことで、
他の盗賊たちのけん制にもなる、と当時の国王はそう考えたのだー。
”少しずつ”
檻の中に閉じ込められた状態で
魔術師による”硫酸処刑”が開始されるー。
あまりの残酷さに、この盗賊に親を殺され、
”早くこいつを処刑して!”と泣きわめていた娘ですら、
青ざめていたー。
「う… う… うぁ ぁ ぁ あ ア
貴様ーー 貴様らー…
俺がこんなことでくたばると思うなよー?
ぁ… ぁ」
溶けていく身体の中で彼は叫んだー。
「ー俺は、必ず貴様の王国をー闇に染めてやるー!
絶望のどん底に…
叩きこんでやる!」
男は、顔だけになりながらも叫ぶー。
だが、国王はそんな彼を失笑したー
”我が王国は、永遠に滅びぬー
貴様ごとき、盗賊の手に、2度と平和を乱させはしないー。
わしが死のうとも、息子や娘が、
代々この王国を導いてくれるだろうー”
その言葉を聞いた男は、笑うー。
そしてー、
完全に”溶けた”
はずだったーーー
が、彼の強い執念は、やがてー
彼を”溶けたままの状態”ー
スライム男として、蘇ったのだー。
元の自分のことも、もうほとんど覚えていないー。
けれども彼は今、幸せだー。
だって、こんな風にー
「ーーぁ… き、貴様…なにも…の?」
こんな風にー…
誰であろうとその身体を自分のものにできるのだからー。
そしてー、
この力があれば、何故だかとっても憎いこの王国を
”支配”することができるのだからー
「ーーひっ……?」
牢屋にいるメイド・マリリンが悲鳴を上げながら、
”牢屋のすぐ外”で起きた光景を見て、震えているー。
メイド・オレリアに寄生していたスライム男が、
オレリアから、姫の護衛の騎士である女騎士・デルフィナに”移動”したのだー
「ーーー……ふふふふふふー…
見ちゃったねぇ?」
デルフィナがニヤニヤしながら、
そう言葉を口にするー。
その足元には、ついさっきまで寄生されていたオレリアが
倒れ込んで、ピクピクと痙攣しているー。
「ーんふふふふふ」
デルフィナは笑みを浮かべながら、”スライム”の身体の一部を変形させて、
アソコからそれを肉棒のような形で、外に出すと、
そのままオレリアの頭を乱暴に掴んだー。
「ほら、早く起きな」
デルフィナがオレリアにビンタをするー。
牢屋の中から、マリアンが怯え切った様子で
何か言葉を口にしているー。
しかし、デルフィナはそんなこともお構いなしに”事”を続けるー。
「ーーぇ…」
ようやく、寄生されていたオレリアが意識を取り戻すー。
がーー、
直後に、デルフィナの身体にあるはずのない”肉棒”が、
オレリアの口に無理矢理捻じ込まれるー
「んっ…ふひっ♡」
デルフィナが下品な笑みを浮かべるー。
オレリアは訳も分からないまま、
デルフィナのそれを口に含まされて、困惑するー
「へへへへへー
女騎士に見えて、実はわたし、男でしたぁ~?
って言ったら、メイドちゃんたちはどう思うぅ~?」
デルフィナが
ゲラゲラ笑いながら、オレリアの頭を無理やり掴んで
揺らすー。
オレリアも、牢屋に閉じ込められているままのマリアンも、
完全に怯え切った様子でガタガタと身体を震わせるー。
「ーーー……ぁ… ぁ… いい… いい… ふへへ♡」
やがて、だらしない表情を浮かべながら、デルフィナが
”スライム体”で作り出した肉棒をヒクヒクと揺らしながら、
嬉しそうに笑うー。
十分に楽しんだデルフィナ、いや、スライム男は
オレリアを邪魔そうに押しのけて、そのまま地下牢の外に向かおうとするー。
「ーーーん~~…」
が、立ち止まったデルフィナは怯え切ったオレリアと
マリリンを見つめると、にこっと笑ったー。
「これから姫に寄生するのに、”目撃者”がいると
困っちゃうんだよなぁ」
いつもは凛々しい雰囲気のデルフィナが邪悪な笑みを
浮かべながら二人を見つめるー。
オレリアも、マリリンも怯えた様子で
そんなデルフィナのほうを見つめるー。
「ーくくー怖がらなくていいよ」
デルフィナはにっこりと笑みを浮かべると、
オルフィナの方に近付いていくー
「や…やめて…やめてください…
も、もう、わたしの身体に入ってこないで!」
涙目で叫ぶオレリアー。
が、デルフィナは優しく微笑むと
「ー大丈夫。もう乗っ取ったりしないから」と、
そう言葉を口にすると、オルフィナにゆっくりとキスをしたー。
じゅるー…
”スライム男”は、自分の一部をオレリアの中に流し込むー。
しかし、今度はオレリアを乗っ取るためではないー。
オレリアの体内に入り込んだスライム男の一部は、
オレリアの心臓に到達ー。
それを、包み込むー
「ーーっ!」
オレリアが目を見開いてその場に倒れ込むー。
そしてーー
オレリアの口から、どろりとしたスライムの一部が出てくると、
オレリアはその場で動かなくなったー
「オ…オレリア…?」
牢屋の中にいるマリリンが怯えた表情で言葉を口にするー。
「ー”心臓”を停止させたー ふふー…口封じのために、ね」
寄生されているデルフィナが笑みを浮かべるー。
その言葉を聞いて、マリリンはガクガクと震えるー。
「牢屋の中にいるから安心ーなんて、思ってないよな?」
デルフィナはそう言うと、スライムのような液体を口から吐き出してー、
鉄格子の隙間を抜けー、マリリンの目の前にやってくると、
マリリンの”下”から、体内に強引に入り込んでー、
そのまま”心臓”を停止させたー。
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「ーーーー例のメイドの件はー?」
女王・リリアーヌが少しだけ不安そうに呟くー。
「ご安心ください姫様ー。
恐らくは、同僚のオレリアによる無理心中だと、
先ほど、騎士から報告がありましたー」
リリアーヌの護衛の女騎士がそう言葉を口にするー。
「そうーーーー」
リリアーヌは、メイドたちの死に心を痛めるー。
がーーー、
彼女は、もう”メイド”たちの心配をしている暇などなかったー
なぜならー
今、自分の横にいる”護衛の女騎士”ー…デルフィナの中に
その”悪魔”は潜んでいるのだからー…。
「ーークク…ククククー」
デルフィナが邪悪な笑みを浮かべるー
”ククーダメだーもう少しだけ耐えるんだー
もう少し、姫様の護衛の騎士として過ごすのも楽しそうじゃないかー
まだだー。まだ堪えるんだー”
デルフィナは自分の口元を手で隠しながら、
もはや隠し切れない笑みを隠そうとするー。
がー
それももう、30秒と持たなかったー。
「ーーーダメだーもう、我慢できないー」
デルフィナはそれだけ言葉を口にすると、
背後から女王・リリアーヌの腕を掴むー。
「ーーえっ!?」
リリアーヌが驚くと、デルフィナの身体からは、
スライム男が”ドロドロ”と、あふれ出し始めていたー。
「ーーあぁぁぁ…もう、もう、我慢できま ぐぼっ… ぼぼぼっごぼっ」
デルフィナの目からー、鼻からー、耳からー、
あまりの興奮にスライム男があふれ出すー。
本当はもう少し”デルフィナ”として
姫様の護衛ごっこをするつもりだったがー、
もう我慢できないー。
「ーーーひめさまのからだぁ、いただき、 まぁ ぅ」
デルフィナが、ぎこちない動きでそれだけ呟くと、
スライム男が全て身体から抜け出し、デルフィナは
そのまま意識を失うー。
「ーーーひっ…!?」
逃げ場のない部屋にいた女王・リリアーヌは悲鳴をあげようとするー。
がー、ドロドロとした液体は、既に姫に纏わりついて、
その口を塞いでいたー。
”ーー怖がることはないー”
スライム男の言葉が、リリアーヌの脳裏に響いてくるー。
リリアーヌの耳から、スライムが侵入し、
リリアーヌの”脳”に直接語り掛けているー。
”ーー女王の身体を傷つけるつもりはないー
ただ、ちょっとその身体を借りたいだけだー”
スライム男の言葉に、リリアーヌはガクガクと震えながら、
まだ動く手で、なんとかスライムを払いのけようとするー。
だが、そんなことをしてもスライム男を
払いのけることなどできるはずもなくー、
スライムがどんどん”体内”に入り込んでいくー。
やがて、倒れ込んだリリアーヌは、
悪あがきをするかのように足をじたばたとさせたー。
けれどー、それすらも無くなりー、
リリアーヌはにやりと笑みを浮かべながら、
よろよろと立ち上がったー
「ーーー借りた身体を”返す”かどうかは、別だけどなー」
リリアーヌがそう言葉を口にすると、
意識を失ったままのデルフィナを冷たい目で見下しながら、
笑みを浮かべるー。
ーーーリリアーヌの”耳”から、スライム男の一部が飛び出すと、
そのままデルフィナの”中”へと侵入していくー
「ーーーくるくるくるくるー」
リリアーヌがしゃがみ込んで、倒れているデルフィナを
見つめながらそんな言葉を口にするー
「ふふふー…”わたし”の身体、あなたのせいで奪われちゃったー」
リリアーヌを乗っ取ったスライム男は、
そう言葉を口にしながら、笑みを浮かべるー。
リリアーヌ本人の意思ではないー。
しかし、まるでリリアーヌ本人が恨み言を言っているかのような
言葉ー。
そしてー、人差し指を立てて、
笑みを浮かべながら再び「くるくるくる…」と、囁くー。
デルフィナの身体がピクピクと震えるー。
デルフィナの”中”に侵入したスライム男の一部が、
デルフィナの”脳”をかき混ぜているのだー。
「ーーーふふふふー…これで十分ー」
リリアーヌはそう呟くと、デルフィナの鼻から出て来た
自分の一部を回収して、笑みを浮かべるー。
そしてーーー
「ーー誰か!デルフィナが急にー!」
と、廊下に飛び出して叫ぶー。
「ー姫様!?」
メイドと、近くの区画にいた騎士が駆け付けると、
リリアーヌは”話をしている最中に急にデルフィナが倒れた”と
説明したー。
「ーーーぅ ぁ」
翌日ー
目を覚ましたデルフィナは赤ん坊のように笑いー、
時々奇声を発したり、泣いたりするだけでー、
一切のコミュニケーションが成り立たない状態になってしまっていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーククククー」
”女王”の身体を奪ったスライム男は、
女王・リリアーヌとしての生活を始めて居たー
「ーーーーぁ……女王様ー」
メイドのシビルが、リリアーヌを前に
顔を赤らめるー。
「ーふふふふ…シビルー
もっとわたしのこれを、気持ちよくしてー?」
スライムの一部が変形し、
まるで”リリアーヌの肉棒”にも見えるそれを、
メイドのシビルに咥えるように”命令”しながら笑うリリアーヌ
「ーんっ… ふふ♡ うふふふふ♡」
美貌も、地位も、権力も、欲望も、
何もかもを手に入れたリリアーヌを支配したスライム男は
この王国を改造して、”自分好みの欲望の王国”にしていこうと、
笑みを浮かべるのだったー
おわり
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コメント
寄生とふたなり…
珍しい組み合わせのお話でした~!☆★!
こちらは、とある企画で、
む~やん様から受け付けた「こんなお話が読みたい!」を元に
書いたお話でした~!☆
(※ご本人様からお名前と原文の掲載許可を頂いています~★
※通常のリクエストは受け付けていないので、ごめんなさい~!!)
頂いた原文は
”ファンタジー世界
ヤドカリのようにカラダ(宿主)を乗り換えては
楽しむスライム男(宿主の記憶も読め知識や能力も)。
本体スライムなので疑似作ってふたなりで相手を楽しんだりもできる
乗っ取った身体で他の女性を襲い、その相手に乗り換え移ってる。
最終的には上の立場に成りあがっていって女騎士やら国の王女やら
こんなのエピに入れてほしい
魔道具屋の魔法使いに店の商品の媚薬をかけて発情させ、
ふたなりで行為。愉しんだ後彼女に乗り換え。訪れた相手が気に入った相手なら移る”
と、いうものでした~!
ここから、考えたのが今回のお話ですネ~!
私自身も新鮮な組み合わせのお話を描けたので、
貴重な経験でした~!
ここまでお読み下さり、ありがとうございました~~!!
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