<入れ替わり>俺がお前を可愛くしてやる③~可愛いは正義~(完)

”俺がお前を可愛くしてやるー”

そんな提案から始まった入れ替わりー…

一匹狼の男子と、
奥手な女子生徒、二人を待ち受ける未来はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーー」
帰宅した麻紀(斗真)は、
制服から私服に着替えて、
そのまま軽いストレッチを始めるー。

「ーーーーーー」
入れ替わって間もなく1か月ー。
激太りしていた麻紀は、すっかり標準体型になりー、
とても可愛らしくなったー。

鏡を見つめる麻紀(斗真)

「ーよし。今日も可愛い!」
麻紀(斗真)は満足そうにそう呟くー。

「ーまぁ、俺は別に興味ないけどな」
笑顔から急に真顔になると、麻紀(斗真)は、
しばらくのんびりしてから、お風呂に入ろうと、お風呂に向かって
移動をし始めるー。

”可愛い”か”可愛くない”か
その判別はできるー。
だが、斗真にとって、それは”概念”として判別できるだけで
興味がない。
相手が可愛かろうと、可愛くなかろうと、
彼の反応は変わらないー。
彼にとっては、どうでも良いことだからだー。

お風呂に入りー、髪を洗いながら、
”女の髪って洗うの面倒臭いよな”などと思いつつ、
それ以上の感情を抱かないー。

可愛くなった麻紀の身体を見ても、
何も感じず、淡々と身体を洗っていき、お風呂に入るー。

女の身体でお風呂に入るのも、
男の身体でお風呂に入るのもー
彼にとっては変わりはないー。

「ーーーは~~~~~~…そろそろ、元に戻り時だな
 来週のー…そうだな、月曜日には元に戻るか」

麻紀(斗真)はお湯につかりながら、
そんなことを呟くー。

既に、”いじめ”はなくなったー。
斗真の読み通り、”麻紀”が可愛くなったことで、
誰も麻紀をいじめなくなったのだー。

最後まで麻紀に嫌がらせをしていた男子も、
周囲から”いい加減にやめろよ!”と言われて、
すっかり今では大人しくなったー

最も本人も、可愛くなっていく”麻紀”を前に
最後は、いじめたくないのに、”急にいじめをやめる”ことが
恥ずかしくて、半分ヤケになっていたような
そんな感じにも見えたー。

もう、麻紀をイジメる人間はいないー。
イジメがなければ、”中身”が麻紀に戻っても大丈夫なはずだー。

一度”クラスの人気者”になった可愛い子はー
そう簡単には転落はしないー。

周囲が勝手に守ってくれるからだー。

麻紀(斗真)はそんなことを思いながら、
「これで、俺も教室で不愉快ないじめを見なくて済む」と、
呟きながらお風呂から上がったー。

全ては、自分のためー。
麻紀がどうなっても、別に知らないー。
だが、自分の利益になることであれば
人を助けることをするし、貶めることもするー。

彼の行動理念は、ただそれだけだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー来週の月曜日ー?」
斗真(麻紀)が驚いた様子で言うー。

「あぁ、そしたら、元に戻ろう」
麻紀(斗真)が言うと、
斗真(麻紀)は、少し意外そうに
麻紀(斗真)のほうを見つめたー

「ーーー…ホントに…興味ないんだね…」
とー。

「ん?なに?」
麻紀(斗真)が首を傾げるー。

「ううんー…ほら…なんかー…
 そんなに可愛いとー……身体、そのまま奪われちゃうんじゃないかってー」

斗真(麻紀)が恥ずかしそうに言うと、
麻紀(斗真)は髪をわざとらしく触りながら
「お前ー”自分のこと”を可愛いと言ってるのか?」と、揶揄う様に笑みを浮かべたー。

「ーーち、ちがっー」
顔を真っ赤にする斗真(麻紀)ー

”今の麻紀”は、見た目も雰囲気も変わりすぎて”わたし”には思えない。
入れ替わる前は、あの激太りをした自分だったわけだからー、
そう思ってしまっても仕方がないー。

だから、つい”他人に可愛い”というような勢いで
そんな言葉を口にしてしまったー。

「ーククー別にいいじゃないか。自信を持つことは」
麻紀(斗真)はそれだけ言うと、
「ー話を戻すがー、俺は別に可愛いとか可愛いくないとかは興味がない。
 当初の予定通り、お前を可愛くして、いじめがなくなった。
 それで俺の役割は終わりだ」
と、堂々と言い放ったー。

「ーーー」
そんな、麻紀(斗真)を見つめながら斗真(麻紀)が、
「もしもー…その身体を上げるって言ったらどうするー?」
と、少しだけ声を潜めて言ったー。

「ーーお前のこの可愛い身体を俺に?」
麻紀(斗真)が自分を指差しながら言うと、
斗真(麻紀)は「そうー…このまま過ごそうって言ったら?」と、
不安そうに言葉を口にしたー。

「いらないー。興味ないからな」
麻紀(斗真)は即答するー。

あくまでもぶれないその様子に、
斗真(麻紀)は笑うとー
「じゃあ、来週の月曜日だったよねー?」と
不安そうに言葉を口にしたー。

「あぁ、月曜日の放課後に元に戻るー。
 俺の身体でやり残したことがあるなら、
 それまでに済ませておけ」

麻紀(斗真)はそんな言葉を口にすると、
その場から立ち去って行ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

入れ替わった状態での
”最後の数日間”はあっという間に過ぎ去っていくー。

麻紀(斗真)は、これまで通り
”元に戻るまで”の間、
さらに自分磨きを続けてー、
学校では、さらに”元に戻ったあともいじめを受けないように”だけを
考えた行動を繰り返しているー。

斗真(麻紀)は、
誰にも干渉されない斗真の身体に居心地の良さを感じー、
のんびりとその数日を過ごしたー
いじめも受けないし、何か馴れ馴れしく話しかけられることもない。
まさに”一匹狼”的な存在だー。

その状態を心地よく感じながらも、
自分の身体に戻ったらうまくやって行けるだろうかー、
と、そんな心配を覚えていくー。

「ーーーーーー」

斗真(麻紀)は何かを考え込むような素振りを見せると、
静かに何かを決意した表情を浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そしてー…
”元に戻る”日がやってきたー。

「ーどうだった?俺の身体での最後の1日はー?」
麻紀(斗真)がいつものようにやってくると、
そう言いながら返事を聞くこともなく、
例の赤い糸を取り出したー。
質問しておきながら、返事にも興味がないー。
そんな、様子だー。

人間観察と、ネットで変なものを見つけては買うのが趣味な
斗真が見つけた赤い糸ー

どんな”仕組み”なのかは分からないが
こうして身体が入れ替わる、ということは、
何か仕掛けがあるのだろうー。

麻紀(斗真)は、
「クラスのうち、三人ぐらいが今の”麻紀”のことを好きだな。間違いない」と、
分析結果を口にするー。

「あと、5人ぐらいエロい目で見てるのと、女子が2人、嫉妬してるー。
 ただ、あいつらはいじめをするほどの度胸はないから、問題ない」

淡々とそう報告する麻紀(斗真)ー

斗真(麻紀)は思わず
「どうして…そんなことまで分かるの?」と
不思議そうに言葉を口にすると、
「これが、俺の人間観察スキルだ」と、
少し誇らしげに麻紀(斗真)は言葉を口にしたー。

赤い糸を自分の指に巻き付けると、
続けて斗真(麻紀)の手を掴み、その糸を巻き付けようとするー

「ーーーーーーーーーーー」

しかしー、
”あること”を考えていた斗真(麻紀)が、
咄嗟に行動を起こしたー

制服の中に隠していたハサミを左手で掴みー、
突然ーー

「ーー!?!?!?!?」
麻紀(斗真)が驚くー。

突然、赤い糸を切断したのだー。

”元に、戻れないようにー”

「ーーな…!?」
麻紀(斗真)が呆然としていると、
「ーー並川くんにも”観察”できないこともあるんだねー」
と、斗真(麻紀)は言い放ったー。

「ーーわたし、色々考えたのー。」
斗真(麻紀)がそれだけ言うと、
麻紀(斗真)は表情を歪めるー。

「ーわたし、元に戻りたくないー。
 並川くんの身体の”誰も話しかけてこないけど、無視されてるわけでもない”
 そんな、今のこの感じが、とっても居心地がいいのー」

斗真(麻紀)のそんな言葉に、
麻紀(斗真)は、唖然とした様子で「お前ー」と、言葉を口にするー。

「ーき、急に…急に相談もしないでごめんなさいー…
 でもー」

斗真(麻紀)が慌てふためいた様子で、そう声を上げるとー、
入れ替わって生活をしているうちに、
どうしてもこの”誰からも干渉されない”斗真の生活が
居心地よくなってしまったのだと、そう告げたー。

「ーーーーー」
麻紀(斗真)は無言でその場に立ち尽くすー

「も、元に戻ればー…
 そ、それは並川くんの言う通り、いじめはなくなったかもしれないけどー
 で、でもやっぱり、急に”人気者”になるのも怖いしー
 居心地が悪いしー…」

斗真(麻紀)が、必死にそんな言葉を続けていると、
麻紀(斗真)は頷いたー

「わかった。それでいいー」
とー。

「へ?」
斗真(麻紀)は、唖然とするー。

てっきり、それなりに文句を言われると思っていたため、
あっさりと”入れ替わったまま”を承諾した”斗真”に驚きの表情を浮かべるー。

「俺の人間観察も確かにまだまだだったようだー。
 俺みたいなやつになりたいもの好きがいるとはなー。

 可愛いやつは特に、みんな男になんかなりたくないって
 そう思ってたけど」

麻紀(斗真)が言うと、
斗真(麻紀)は戸惑いながらも「じ…じゃあ…わたし、このままでいいの?」と、
嬉しそうに言い放つー。

「ーあぁ、構わないー。
 しかしいいのか?俺の身体で生きるということはー、
 自分の親とはもう家族ではなくなるしー、
 友達もー」

麻紀(斗真)がそう言うと、
斗真(麻紀)は寂しそうに「親はわたしのこと嫌いだしー…
友達はいないしー…」と、呟いたー

「ーーーーー」
麻紀(斗真)はそれ以上はあまり言えずに、言葉を止めるー。

「そ、それよりもー並川くんの方こそいいの?」
と、自分から”元に戻りたくない!”と言い始めたのに
心配になってそんな言葉を口にする斗真(麻紀)ー

「あぁ、俺は構わないー。
 俺は自分にも他人にも興味がないからなー。
 別に男の身体だろうが、女の身体だろうが構わないし、
 家族にも同級生にも興味がない。
 
 入れ替わったままがいいと言うなら
 俺はこの身体で、今まで通り人間観察と
 ネットで変なものを探して楽しむだけだ」

淡々と言い放つと、麻紀(斗真)は、
「ー他に何か言いたいことは?なければ俺はこれで」と、
そのまま立ち去ろうとするー。

「ーーーあーー」
斗真(麻紀)がそう言うと、
麻紀(斗真)は「まだ何か?」と言いながら振り返ったー。

「ーーあ、ううんー…
 自分の身体を奪われたのに、あっさりしすぎてて、逆にびっくりと言うかー…」

斗真(麻紀)はそう言うと、
麻紀(斗真)は言ったー。

「ー言ったろ?俺は人間に興味がないって。
 ー他人にも、俺自身にもー」

そう言うと、そのまま麻紀(斗真)は立ち去って行ったー。

以降ー…
麻紀(斗真)は入れ替わりのことを口にすることもなく、
”元・自分”に特別絡むこともなくー、
”見た目の可愛いクールな女子生徒”として、そのまま卒業まで貫き通したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数年後ー。

大学で、麻紀(斗真)は、ため息をつくー。

”またか”ー
舌打ちをする麻紀(斗真)ー

最近、同じ学部の気弱そうなぽっちゃり男子がいじめられているー。
清潔感がなく、いつも薄汚れていることが
大きな原因のひとつー…

麻紀(斗真)からしてみると、そんな風に見えるー。

だがー、
”観察”の結果、痩せて清潔感を身に付ければ
結構なイケメンに見えるー

麻紀(斗真)はそう心の中で思うと、
大学内でいじめられているその男子に声をかけたー。

「ーーーねぇ」
麻紀(斗真)は、今やすっかり”女”として喋れるようになっていてー
一人称も「俺」から「わたし」に変えたー。

特に女になりたいという願望もなかったがー
男でいたいという願望もなくー
女の身体で”俺”と言っていると何かと目立って面倒臭いため、
振る舞いや言葉遣いを”女”モードに切り替えたー。

斗真からすれば、どちらでも良いことだー。

「ーーあ、あ、鮎川さんー!?」
いじめを受けている男子が、”麻紀”のような氷のような美人に
声を掛けられてドキッとするー。

「ーいじめられてるんでしょ?」
麻紀(斗真)はそう言うと、言葉を続けたー

「わたしがあんたを、イケメンにしてあげるー。
 そうすれば、誰もあんたをいじめなくなるー」

とー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

今度はいじめられている男子と入れ替わって
その子をイケメンにするようですネ~笑

ここまでお読み下さり、ありがとうございました~~!☆!

コメント

  1. TSマニア より:

    斗真はやっぱり赤い糸をまだ持っていたんですネ!

    赤い糸がある限り斗真は活動し続けますネ★

    自分は最近、女性の大人セクシー系もいいなぁって思ってきました☆

    赤い糸で無名さんのカラダと入れ替わって

    無名さんのカラダでスリットのセクシーなスカートを着こなしてメイクも髪型も大人セクシーにしてみたいデス笑

    普段の無名さんとはまた違ってゾクゾクしますよ笑

    • 無名 より:

      赤い糸は複数手に入れていました~☆笑
      これからも自分のために、淡々と入れ替わりを
      していきそうデス~笑

      わわ~!
      いつもと違う私を違う身体から見つめる…
      それも楽しそうですネ~笑

      • TSマニア より:

        はい(^o^ゞ

        無名さんのTwitter見ましたけど夏はズボンほとんど履かないんですネ!

        暑いですからネ汗

        自分もミニやショーパン大好きですが

        最近スリットのセクシーを覚えました\(^o^)/笑

        夏は暑いので

        秋になったら無名さんのカラダと入れ替わって無名さんのカラダで大人セクシーバージョンになりたいのデス笑

        スリットでもかなりセクシーなの着こなしたいデス笑

        8時間くらい入れ替わりたいデス笑

        • 無名 より:

          元々私は小さい頃からあまり履かなかったりします~笑

          何となく、全体的にズボンの生地に覆われていると
          絞めつけられているような感じがして、落ち着かないのデス…★!

          • TSマニア より:

            そうなんですネ☆

            無名さん美脚だしサイコーですネ!

            あぁ…無名さんのカラダと入れ替わって美脚アピールしたオシャレたくさんしたいデス( *´艸`)笑

            無名さんのカラダと入れ替わってサラサラヘアも触って酔いしれたいのデス笑

            自分のカラダになった無名さんが髪の長さ無いのに触る仕草するの目の前で見て笑い合いたいですネ笑

            自分は無名さんのカラダで大人セクシーにキメて可愛くオレンジジュース飲んでギャップに酔いしれたいのデス笑

          • 無名 より:

            オレンジジュースを飲む私は…
            いつも通りですネ~!

            もっと足が綺麗な人は探せばどこにでもいるのデス~!!笑