<TSF>TSFサバイバルゲーム~没バージョン~

以前掲載した”TSFサバイバルゲーム”の
「③」の没バージョンデス~!

最終話を2パターン考えていて、
こっちのパターン(没になったもの)も途中まで書きましたが
結局、もう1パターンの方がしっくり来る気がしたので、
全く別の結末の方にしました~!

ただ、没版も勿体ないので公開しておきます!

※没バージョンなので途中で終わっています

※「③」の没バージョンなので「①」と「②」を読んでいないと内容が分かりません!
※「本編③」の木戸を撃破した後からの描写になります~!

⇒本編はこちらからご覧くださいネ~!
 
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「ーーーー!!!」
慎太が表情を歪めるー。

歩き出した慎太が見つけたのはー
ズタズタに引き裂かれている女の遺体だったー

「ーーひっ!?」
慎太は思わず声を上げてしまうー

「し、慎太ー!?」
後からそれに気づいた綾も、遺体を見つけると
言葉を失った様子で立ち尽くすー。

地面に横たわっていた女に、慎太は見覚えがなかったがー
既に死んでいるのは明らかだったー。

振り子のようなものを握りしめたままー
笑顔で死んでいる女ー。

慎太は、困惑しながらも、
ここにいても仕方がないー、と
その見知らぬ女に軽く手を合わせて
綾と共に移動を始めたー。

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「見事だったよー」

日が昇りー、
謎の男からの無線で、”生き残ったのは君たち二人だー”と、
連絡が入ったー。

そして、脱出地点として指定された場所に
慎太と綾が向かうとー
その男が、姿を現したー

スーツ姿の、穏やかそうな男ー
それが、慎太たちを拉致した男の正体ー

「あの映画館は、我々が所有する施設でねー。
 ”ある実験”のために、あの場にいた君たちを
 この島に連れて来たのだー」

男はそれだけ言うとーーー
突然、銃を慎太と綾に向けたー

「ー…な、何のつもりだー」
慎太が綾を庇う様にして、前に出ると、
男は笑みを浮かべたー

「ーー島から出られるのは一人だけ。
 君たちどちらか一人には、死んでもらうー」

そう呟く男ー

慎太は「は、話が違う!」と叫ぶー。

確かにこの男は、初日に

”無論だー
 諸君らが望むのであれば、
 他の人間と共に脱出することもできるー”

と、言ったはずなのだー。

しかしー
男は無情にも笑ったー

「ー君が死ぬかー
 彼女が死ぬかー
 選びたまえ」

とー。

「ーし、慎太ー…!」
怯えた表情の綾ー。

慎太は「ふ、ふざけるな!」と叫ぶー。

「ーふざけてなどいないー
 私は本気だー
 10秒で選びたまえー。

 彼女を見殺しにして、自分が逃げるか。
 自分が犠牲になって、彼女を助けるかー」

そんな言葉に、慎太は身体を震わせたー。

だがー
距離的にも、位置的にも、抵抗しようとすれば
殺されるー

それは、明らかだったー。

「ーーーー…綾ーごめんな」
慎太はそう言うと、
男の前に立ちはだかったー。

「ー綾は無事に逃がすー。
 約束してくれるんだな?」

慎太がそう言うと、
男は「あぁ」と、頷くー。

慎太はー静かに目を閉じて
「ーなら、俺が死ぬー」と、呟いて、
観念したかのようにその場に座り込んだー

永遠とも思えるような時間が流れるー。

だがー
いつまでも”銃声”は聞こえずー
代わりに、拍手の音が聞こえて来たー

「ーーえ…?」
慎太が困惑しながら目を開くとー
男が拍手をしていたー

「素晴らしいー
 愛する彼女のためなら、
 人殺しもできるし、自分の命も捨てることができるー

 やはり、愛とは尊いものだなー」

そう、言いながらー

「ーーえ…???え???」
慎太が首を傾げているとー
男は拍手をしながら続けたー

「ー私は”無限の愛”の会長、白瀧 丈(しらたき じょう)ー。
 愛に無限の可能性を感じ、追求しているものだー」

それだけ言うと、
”このサバイバルゲームの目的は、開発中の新技術の実践テストと、
 愛は人を突き動かすことを証明するための、テストだったー”

と、告げたー。

憑依や入れ替わり、女体化など、男が会長を務める謎の組織が
開発した技術の実践データを得るために、10人の人間を戦わせたー
”開発中の新技術のテストのため”
にー。

そしてー

「ーーーな、何を言ってるんだー…」
慎太が困惑しながらそう呟くとー
拍手の音が、前からではなく、後ろからも響き渡っていることに気付くー

「え?」
振り返るとー
彼女の綾も拍手をしていたー。

「ー大好きなわたしのために、ごく普通の男子大学生のあなたが
 人を殺し、わたしを守るために命も投げ出そうとしたー

 やっぱり、愛って素敵だわー」

と、そう言いながらー

「あ、綾…?」
慎太が完全に混乱しながらそう言うと、
綾は拍手をしながら、白瀧丈の隣に歩いていくー

「ー慎太ー
 いいえ、水原さんー ごめんなさいねー」

綾はそれだけ言うとー
”無限の愛”副会長と書かれた名刺を差し出したー。

「え…」
呆然とする慎太ー

「ごめんね。わたし、愛を研究する団体の副会長なのー」

綾はそう言うと、
”慎太と出会ったのも”
”慎太と付き合い始めたのも”
”この半年間彼女として振る舞ってきたのも”

全て、”無限の愛”の活動のためだと説明したー。

”好きな女のためにー
 愛のために、人はどこまで強くなれるのかー”

そんな研究を、無限の愛という謎の組織は行っていて、
そのために、慎太は利用されたのだとー。

「ーーい、意味が分からないー…
 な、なんなんだー…
 ど、どういうことなんだー?」

理解が追い付かずに混乱する慎太ー

「ーー水原さんー
 あなたは大好きなわたしのために、
 人を殺して、そして自分の命を投げ出そうとしたー。

 この半年間ー
 とっても興味深いデータを取ることができたー

 本当に、ありがとうございましたー」

他人行儀でそう言うと、綾はぺこりと頭を下げたー

「ーー…え……え……え???」
困惑
 

(ここまで で没になりました)

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コメント

この没版と、本編にしたバージョンの2パターンを
考えていて、話を進めていたのですが
こちらだと無駄に説明も長く、複雑になるので
もう一つの本編の方にした方の結末を採用しました~!

この勢いで書くと、最後まで説明で終わっちゃいそうですからネ~笑

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