謎の島に集められた10人。
脱出できるのは、最後まで残った一人のみ。
10人は、憑依・入れ替わり・女体化・皮・変身など
あらゆるTSFな事象を駆使して、生き残りを目指すー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーさっきの映画みたいなことになったら
慎太もわたしを守ってくれる?」
数か月前ー
映画を見終えた綾は、そんなことを呟いたー
「ーーははは…まぁ、俺はさっきの映画の主人公みたく
強くはないけどー
でもー…絶対に綾のことは守るよー」
慎太がそんな風に返事をするー
「ーーー…まぁ、途中で死んじゃうかもだけど」
映画の展開を思い出しながらそんな冗談を口にする慎太ー。
綾は笑いながらも、慎太のほうを見て嬉しそうに微笑んだー。
今日ー
映画を見たのはあの時以来ー
それがまさかー
こんなことになるなんてー。
「ーーー」
謎の島ー
合流した少女・梨沙の拠点にたどり着いた慎太は、
拠点で装備を確認するー。
「ー俺が目を覚ましたところと、少し置かれているものが違うな」
慎太が、人を皮にするナイフを見つめながら
そんなことを呟くと、梨沙は
「ーそうなのですね…」と、不安そうに呟いたー。
「ーーー」
慎太は周囲を見渡すー。
既に周囲が暗くなり始めているー。
10人それぞれに用意されていると思われる”拠点”なる場所は
それなりに身を隠しやすいし、
簡易テントのようなものも存在しているー。
夜を迎えるなら、ここから動かない方がいいー。
慎太はそう判断して、梨沙にそれを提案するー。
「ーあ、でも知らない男と一緒なのは
嫌だと思うからー
俺は少し離れた場所にいるよ」
慎太がそう言うと、梨沙は「いえ…」と、申し訳なさそうに
首を振るー。
「ーー水原さんと出会えてなかったらわたし、今頃
やられてたかもしれませんしー…」
梨沙がそれだけ言うと、慎太は「ーーいやいや、俺は大したことしてないし」と
笑いながら答えるー。
「ーーー…いえ…わたし、何の装備も持たずに森の中を歩いていたんですしー
出会ったのが水原さんじゃなくて他の人だったらと思うとー」
梨沙のそんな言葉に、慎太は
”確かに、最初に遭遇した高野のようなやつだったらー”と、考えるー
高野は女を皮にして支配したい、みたいなことも言ってた気がするー。
この子がもし、あの高野と出会っていたらー
皮にされて支配されていただろうー。
「ーーー……ーーじゃあ、俺はテントの側で寝てるからー」
少し離れた場所で、というのを訂正して、
拠点のテントのすぐ側で寝ることにした慎太ー。
梨沙は「ーすみません。わたしだけテントを使ってー」
と、申し訳なそうに呟くー。
慎太は”礼儀正しい子だなー”と思いながらも
「いや、だってここは一応君の拠点なんだし、
それに、俺は大丈夫だから、気にしないで」と、静かに
そう呟いたー。
やがてー
周囲は完全に暗くなり、慎太は周囲を警戒しながらー
目を細めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーあなたはだんだん死にたくな~る…」
拠点に置かれていた装備品の一つ
”人を洗脳する振り子”を手にした
死んだ目の女が、笑いながらそう言い放つー。
「ーーー…ぁ……」
相手の男はー、目つきの悪い男ー…
最初に慎太を襲撃した高野という男だったー
高野が”女を見つけた!”と嬉々として
襲い掛かったところー
女が持っていた人を洗脳する振り子の餌食に
なってしまったのだー
「ーーえへへへ…すごい…本当に洗脳できた」
死んだ目のまま無邪気に笑う女ー。
「ーーあ…」
虚ろな目になった高野ー
そんな高野に対して女は笑いながら「じゃあ、早速死んでみて!」と
言い放つー。
そう洗脳された高野は、笑いながら近くの崖に向かいー
そのまま断崖絶壁から飛び降りて姿を消したー
どう考えても、もう助からない場所だー。
「ーあははっ!すご~い!」
女はそう笑うと、
「ー最後に好きな映画を見たら自殺しようとしてたのにー
こんなことが起きるなんてー」と、
笑みを浮かべるー。
”最後に大好きな映画をー”
そして、それを見たら自ら命を絶とうとしていた女・玲子(れいこ)は、
死んだ目つきのままそう笑うと、
「ーあ~~ぁ…楽しいぃ~!」と、嬉しそうに、一人、夜の島の中で叫んだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”なんで、寝ねぇんだよ”
テントの中から、外を見張っている慎太を見つめる梨沙ー。
梨沙はーーー
装備品なしで島をウロついていたところー
”人に憑依する銃”を持った中年のサラリーマン・三沢(みさわ)と遭遇ー
そのまま銃を撃たれて憑依されてしまっていたー。
そうー
慎太と遭遇する前に、梨沙は、もう梨沙ではなくなっていたのだー
”ー女の身体を利用して、一人ずつ油断させてぶち殺すー”
そんな考えで、梨沙に憑依した三沢は、
慎太を狙っていたー。
だが、慎太は、一睡もせずに周囲を警戒しているー。
”他人の記憶を全て消去する”力を持った手袋をはめて、
それで慎太を抹殺しようとしていた梨沙ー。
しかしー
慎太は一向に寝る気配がないー
「ーチッ」
舌打ちしてから、梨沙はテントの外に出るー。
「ーーあ、あの、水原さんー…
み、見張りをして下さってるんですか?」
梨沙がそう言うと、慎太は「ーえ?あぁ、うんー」と頷くー。
「ーー…そ、そんな…じゃあー…あの、わたしも…
わたしも見張りますから、水原さんは休んでください!」
梨沙の言葉に、慎太は少し驚きながらも、
「ーーいや、俺は大丈夫だからー」と続けるー。
しかし、梨沙も食い下がるー。
「ーダメです!一度も寝ないと、明日、途中で眠くなってー
もし誰かに襲われたらどうするんですか!」
梨沙の少しイライラした様子に、慎太は少し違和感を感じながらも
「あ…あぁ…じゃあ…少しだけ」と、
テントの方に向かって行くー
梨沙は「そうですよ!休むのは大事です!」と
可愛らしい仕草をしながら、
慎太がテントに入ったのを確認して、
不気味な笑みを浮かべるー。
テントに入った慎太は
”まぁ、あの子の言う通り、少しは休まないとなー”と、
彼女の綾のことを心配しながら、そう呟くー。
「ーーーー……」
だがー
結局、慎太は緊張感の中、眠ることが出来ずー
”寝ろよーーー…クソが!!!!!!!!”
朝を迎えてしまったー。
梨沙に憑依したサラリーマン・三沢が心の中でそう呟くと、
梨沙の身体のまま、不満そうに爪をかじり始めるー。
”くそっ…絶対にお前は僕が仕留めてやるー”
そんな風に思いながらも「おはようございます!水原さん!」と
笑顔で笑う梨沙ー。
「ーーあぁ、おはよー」
その時だったー
パァン!
と、音が響き渡ると同時に、
梨沙の身体に、不気味なミミズのようなものが付着したー
「ーーえっ!?」
梨沙が驚くと同時にー
その寄生虫が、梨沙の耳の中から強引に梨沙の中に入り込みー、
梨沙が悲鳴を上げるー
「ー!! お、おいっ!」
慎太が慌てて梨沙を助けようとするも、
再び銃声のようなものが響き渡るー。
「ーーー!」
慎太は咄嗟に音のした方向を見つめるー。
するとそこにはー
昨日から慎太たちを狙っていた
パラサイト・ライフルを持つ男、木戸(きど)の姿があったー。
「ーー!!!」
慎太は自分の身を守ろうと、咄嗟に性別を転換させるライフルを構えるー
これでも”威嚇”になると考えたのだー。
ライフルを向けられたことで、木戸も警戒したのか、
そのまま木から飛び降りて姿を消すー。
「ーーー大丈夫kーー
大丈夫か!?と叫んで振り返ろうとした慎太は、
すぐに青ざめたー。
梨沙の身体が、寄生虫のようなものに包まれて、
梨沙が不気味に笑っていたからだー
「ーえへへへへぇ…人間の…身体ぁ」
梨沙はそう叫びながら
近付いてきたー。
「ーひっ!?」
パラサイトライフルが放った寄生虫に寄生された梨沙は
笑いながら慎太に襲い掛かって来るー。
慎太は慌ててそんな梨沙を蹴り飛ばすと
「ごめん!」と叫びながら、そのまま逃げだすー。
ゾンビのようによたよたと歩く梨沙はそのまま途中で
転倒してー、
それ以上は追ってこなかったー
「ーはぁ…はぁ… くそっー…守れなかったー」
悔しそうにそう言い放つ慎太ー。
「ーーーー………はぁ…はぁ…綾…」
彼女の綾はここに来ているのだろうかー。
それともー。
”君の責任じゃないー”
近くの無線機のようなものから、謎の男の声が聞こえてくるー
”彼女は、君と出会う前に、既に別の男に憑依されていたー。
君が気にしても、仕方のないことだろう?”
男の言葉に、慎太は「ふざけるな…!」と、
怒りの声を上げるー
「ーこんなことして、何になるー…!
一体、お前は何なんだ!」
慎太がそう尋ねると、”君が生き残れば教えてあげよう”と、
小馬鹿にした様子で呟くー。
”既に4名は脱落したー。残っているのは君を含め、6人
せいぜい、頑張りたまえー”
「ーーー…4人が脱落ー…」
慎太は頭の中で、その4人のことを考えるー。
一人は、最初に遭遇した”高野”という男に皮にされていた男のことだろうー。
そして、憑依された梨沙と、梨沙に憑依していた男は
恐らく、さっきの攻撃でリタイアになっているー…?
残りの一人は、慎太には心当たりはないが、
今、それを気にしても仕方がないー。
綾でないことを祈るしかないー。
「ーーーー」
慎太は、”ここにいたらまたライフルのやつに狙われるかもしれない”と
場所を移動し始めるー。
すると、慎太が目覚めた場所とは別の”拠点”を発見したー。
拠点と言っても、簡易なもので、装備とテントが置かれているだけだがー、
慎太はここで装備を補充することに決めるー。
”ーー別の人間の拠点を使っても、問題はない”
男の声が響くー
「ーーー」
慎太は返事をせずに、そのまま武器を確認するー
できるだけー
”人を傷つけずに”
戦闘不能に追い込むー。
そんなものを探していくー。
各武器には、色々な説明がついていてー
使い道が分からないー、と、いうことはないー。
武器を見つめながらお腹が鳴っているのに気づく慎太ー
「くそっ…食料も自給自足ってかー…?」
慎太はそう呟きながらも、最初に拠点に置かれていた
1本のペットボトルの水を口にするー
”毒入り”の可能性もあるがー…
確かー、憑依されていた少女・梨沙も水を飲んでいたはずー
これに毒が入っている可能性は低いと判断してー…
そのまま一口、水を飲んだー
「ーー…ほんとはもっと飲みたいけどー」
今、ここで全部飲んだら、それが命取りになるかもしれないー。
そう思い、ペットボトルのキャップを閉めるー。
その時だったー
ガサッ、と近くの木が揺れるー。
”相手を拘束する特殊弾を放つ銃”を、茂みの方に向ける慎太ー
「誰だー…!」
慎太がそう叫ぶー
「ーー……俺は誰とも戦いたくない…!
そっちが、戦う意思がなければ、俺も何もしないー…」
慎太は、隠れていると思われる相手に対してそう言い放つとー
しばらく間を置いてから、両手を挙げた状態でー
困惑した表情の女が出て来たー
「ーーー…!」
その女を見て、慎太はすぐに叫んだー
「あ、綾…!」
「ー慎太…!」
両手を挙げて出て来たのはー
彼女の綾だったー。
綾は、相手が慎太だということに安心したのか
すぐに手を下げてー
「よかったー」と、近付いてくるー
「ーーーあ、綾!待て!念のためー…
本当に、綾だよな?」
慎太が銃を向けたままそう言い放つー
「ーーう、うんー。わたしだよー…」
綾は少し困惑した様子を見せながらも、
慎太は「ごめんー…でも、分かるだろ?」と、
この島の憑依や入れ替わりー、皮、色々な現象のことを口にするー
「ーうん。慎太がそう思うのは、当然だよねー…
大丈夫」
と、言うと、綾は自分の個人情報の一部や、
慎太との思い出を語るー。
「ーー…よかったー」
慎太はそれだけ言うと「あ、俺もかー」と、
”綾からすれば、俺のことも疑わしいよな”と考え、
綾が言わなかった別の思い出を口にしたー。
「ーー慎太ー」
安心した様子で綾は、慎太の目の前までやってくると、
その再会を喜んだー
「ーーー…とにかく、ここから出ようー」
慎太が言うと、綾が頷くー。
だがーーー
「動くな」
声がして、慎太と綾が振り返るー。
そこにはー
慎太を執拗に狙っている
ライフルの男・木戸が、ショットガンのようなものを持って、
立っていたー。
”弾丸を打ち込んだ相手を皮にするショットガン”
それを手にしている木戸ー。
覆面で顔の半分が隠れー、
鋭い眼光からはその考えは計り知れないー。
慎太も、綾も慌てて抵抗する意思がないことを示すため
両手を上げると、
慎太が口を開いたー
「ーま、待ってくれー…
お、俺たちはー争う気は、ないんだー」
慎太が言うと、
木戸は「黙れ」と、だけ言葉を口にしたー
”話が通じる雰囲気ではないー”
慎太は、なんとか綾を守ろうと、表情を曇らせながら
”何か打開策はないか”必死に周囲を見渡したー
③へ続く
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コメント
次回が最終回デス~!
このサバイバルを生き抜くことはできるのでしょうか~?
今日もお読み下さりありがとうございました~!
★おまけ★
<サバイバル参加者>
1・慎太
2・高野に皮にされた男
3・高野(※最初に遭遇した男の中身)
4・梨沙(※女子高生)
5・三沢(※梨沙に憑依したサラリーマン)
6・木戸(※ライフルとショットガン使い)
7・玲子(※映画鑑賞後に自殺を考えていた女)
8・綾(※慎太の彼女)
9・?
10・?
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