憑依に入れ替わりに皮に女体化に変身ー…
謎の島に集められた10人は、
謎のTSFサバイバルゲームに強制的に参加させられていたー。
何とか脱出を目指す彼を待ち受けている運命はー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼女の綾と合流したのも束の間、
慎太は最大の危機を迎えていたー
”人を皮にするショットガン”を手にした
覆面の男・木戸に狙われた慎太と綾ー。
木戸は先ほども、憑依されていた女子高生・梨沙に
容赦なく寄生虫のようなものを遠くからライフルで放ちー、
その結果、梨沙は寄生され、ゾンビのような状態になってしまったー。
「ーーーわ、わたしたち、何もしませんから…!
お、お願いします!助けて下さい!」
綾が木戸に向かって叫ぶー。
しかし、木戸は「黙れと言ったはずだ」とだけ、呟くー
映画好きで、ミリタリー好きの木戸は、
元々、休日には”サバゲー”を楽しんでいて、
実際にフィールドに赴いたりすることも多々あったー
彼にとってー今、この状況はー
極限の緊張状態であると同時にー
望んだ世界でもあったー。
「ーー(まずは彼氏のほうを仕留めたほうがいいか)」
木戸は心の中でそう呟くー。
”先に綾”を皮にすれば、キレた彼氏が思わぬ反撃をしてくる可能性もあるー、
と木戸は考えたのだー。
慎太の方にショットガンを向ける木戸ー
慎太は恐怖を表情に浮かべながらもー
叫んだー
「綾!!!逃げろ!」と、
そう叫びながら、慎太が木戸に捨て身の突進を仕掛けるー。
「慎太!」
叫ぶ綾ー。
だがー
木戸のショットガンは、慎太の方に向きー
「ーーー!?」
ーーー人を皮にする銃弾が放たれるー
そう思ったその直後ー
木戸は、背後から、”何か”に頭を掴まれたー。
「ーー…!!!」
慎太は慌てて木戸から離れて、
綾に向かって叫ぶー
「綾!!走るんだ!」
とー。
綾は頷き、慎太と共に走り出すー
「ーうっ…うっ…うああああああああっ!」
頭を掴まれて振り返った木戸は悲鳴を上げるー。
口からー耳からー
寄生虫が顔を出して蠢いた状態の
女子高生・梨沙が笑いながら木戸を襲撃したー。
「ーひひひひひひひ…
うふ…うふふふふふふふぅ♡」
サラリーマンの三沢に憑依されー
さらには木戸が放ったパラサイトライフルによって
謎の寄生虫に寄生されてしまった梨沙は、
もはや、本人の意思とは全く関係なくー、
木戸を襲いー、そのまま地面に木戸を押し倒して、
欲望のままに木戸を喰らいつくしたー
・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーはぁ…はぁ…はぁ…はぁ」
少し離れた場所で、慎太が
疲れ果てた様子で息を吐き出すと
綾は怯えた様子で
「な…何なの…あの子ー…」と、表情を歪めるー。
慎太は「あの子はー……もう」と、首を横に振るー。
梨沙のことを思い出しながらも、
結果的に”寄生された梨沙”に助けられた形になった慎太は、
この島で10人の人間を弄ぶ謎の男に激しい怒りを感じながら
拳を震わせたー
「慎太ー…」
綾が心配そうに慎太のほうを見つめるー。
「一番許せないのは、この島で俺たちを弄んでるやつだー…
俺は絶対に、あいつを許さないー」
慎太がそう呟くー。
「ーーーーー」
綾は心配そうに周囲の様子を見渡しながら、
「ーーまた、日が暮れそうー」と、呟くー。
また、夜がやって来るー。
綾が「確かわたしが目覚めた拠点が近くにあった気がするからー」と、
言葉を口にすると、
慎太は「今日はそこで休もうー」と、綾と共に移動を始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーこの先ー」
綾が指を指すと、綾が目覚めたという拠点が見えて来たー
「ー食料も少しあったからー
今日はここでー」
綾がそう言うと、拠点の方から音がするのが聞こえたー
「ーー!」
慎太は険しい表情を浮かべるも、すぐに「俺が先に見て来るー」と、
拠点の方に向かうー。
するとそこにはー
「ーーー…あ」
おしゃれな格好のツインテールの少女が
拠点の中で缶詰のようなものを貪っていたー
「ーーあ」
しかも、何故か下着姿のその子の姿を見てー
慎太は咄嗟に「ご、ご、ごめんなさい!」と叫んでテントの外に出るー
確かー
憑依された挙句、寄生されてしまった少女・梨沙が
”友達と一緒に映画館に来ていた”と言っていたー。
彼女が、その”友達”だろうかー。
だがー
そのツインテールの子はーーー
平気で下着姿のままテントから出てくるとー
「ーーへへへ」と、不気味な笑みを浮かべたー
「ーー…!」
身構える慎太ー。
「ーー!」
ツインテールの女の指には赤い糸のようなものが巻かれているー
「あれは…」
慎太は、自分が目覚めた拠点にも、その赤い糸が置かれていたことを思い出すー
”確かー…身体を入れ替えるとか、なんとかー”
慎太はそう思いながら、大人しそうな顔立ちなのに、
ニヤニヤしながら下品な仕草で缶詰を食べている女のほうを見つめるー
「ーな、な、何この人ー」
綾が困惑した様子で叫ぶー
「ーた、たぶん…身体を入れ替えられてー」
慎太がそう言うと、ツインテールの女は「ピンポーン!」と、嬉しそうに叫んだー
「ーこのエロイ身体は、もう僕のものなんだよねぇ!」
ツインテールを揺らしながら彼女がそう叫ぶと、自分が”入れ替わり”の糸を使って、
”島に連れて来られた10人のうちの一人”であり、梨沙の友達だった雅美(まさみ)という
子と身体を入れ替えたのだと言うー。
「ーーーい、入れ替わりー…」
改めてその言葉に表情を歪める慎太ー。
「そうさ!すげぇだろー?
いやぁ、まさかニートだった僕が、偶然見に行った映画館で、
こんな島に連れて来られてー
しかも!こ~んなエロイ身体が手に入るなんてー
ほら…ツインテールだって嗅ぎ放題だー
うへ…うへへへへへへぇ!」
目の前で嬉しそうに胸を揉み始める雅美ー
綾は小声で「最低ー…」と呟くー。
とてもじゃないが、話が通じそうな相手じゃないー。
慎太がそう思っているとー
雅美は銃を取り出し、慎太たちに向けたー。
そしてー
銃を容赦なく放ちながら叫ぶー
「ー僕は、このエロイ身体をゲットして
この島から出るんだ!
だから、お前らは死ねぇぇ!」
銃を適当に乱射し始める雅美ー。
”何の銃”だかは分からないがー
皮にされたり、憑依されたり、ロクなことが起きないのだけは、
目に見えているー。
「ーーーーに、逃げろ!」
慎太が叫ぶと、綾も逃走を始めるー。
幸いー
雅美と入れ替わった男は、”銃の扱い”はド下手らしく
全然狙いが定まらないー。
「ーーー待てよ~~!逃がさないぞぉ~!」
雅美はペロペロと舌を出しながら、そのまま慎太たちを追いかけ始めるー。
しかしーーーー
木々の生い茂る地帯に逃げ込んだ慎太たちを見失ってしまうー。
「ーーー!!!慎太!」
「えっ!?」
隠れた綾が、怯えた表情で指を指すー。
その先にはー
”熊”がいたー。
「ーく、熊!?」
命の危険を感じる慎太ー
そんな慎太に対してー
綾は、何かを取り出して、それを慎太に手渡すー
「ーこれ使って、あの子に変身すればー」
熊を指さしながらそう呟く綾ー。
綾が慎太に手渡したのはー
”他人に変身する眼鏡”だったー
拠点から持ち出していたのだろうー。
「ーで、でも…」
慎太が戸惑うー
”熊に変身して、身体を入れ替えられた雅美に反撃する”
確かにそれは可能だー
でも、それをしたらー
あの雅美という子は死んでしまうかもしれないー
”人殺しはしない”
どんな状態であっても誰かを傷つけたくないー。
慎太は奇跡的に、このサバイバルゲームをなんとか生き残ってきたものの
これまで、一度も、誰一人として、慎太が自ら傷つけたことはなかったー。
けれどー
「ー慎太…!わたし…死にたくないー…」
涙目でそう叫ぶ綾ー
しかしー
慎太には、どうしても、人を傷つけることはー
「ーーー…し…死にたくないー!」
その時だったー。
綾がパニックを起こして逃げ出そうとするー。
それを見つけたツインテールの雅美(変態男)が、
笑みを浮かべながら綾の方に銃を向けるー
「ー君も可愛いけど、やっぱこのエロイツインテールの身体を
持ち帰りしたいからー
君には死んでもらうよぉ!!!」
雅美(変態男)がそう叫ぶー
悲鳴を上げる綾ー。
雅美(変態男)が、綾に銃を向けてー
そしてーーー
「あ…綾あああああああああああ!!!!」
慎太は、そう叫んだー
”綾を守りたいー”
その一心で、慎太は綾から受け取った眼鏡で
熊のほうを見つめて、”熊”に変身しー
無我夢中で、綾に銃を向けていた雅美(変態男)に襲い掛かったー
それからはー
自分でもよく分からなかったー。
だがーーー
気付いた時には、雅美(変態男)の身体もー
オリジナルの熊の身体も、ボロボロになって
近くに横たわっていたー
「ーーはぁ…はぁ…」
眼鏡を外して、呆然と座り込む慎太ー。
「ーーー慎太ーーー…」
慎太は、綾を守るためー
熊に変身して、雅美(変態男)と熊の命を
奪ったのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝日が昇るー。
疲れ果てた様子の綾を見つめながら、
慎太は「必ず、脱出できるからー」と
言葉を呟くー
あと、何人残っているのだろうかー。
そんなことを思いながらテントの外に出るー。
「ーーーー」
自分も含めたここにいる”10人”は、あの映画館に来ていただけだー。
なのに、上映中に何らかの方法で眠らされて
ここに連れて来られたー
その目的は一体ー
いや、とにかくまずは、綾と共にこの島から出ーーー
ガッ
慎太は、強い衝撃を感じたー
何が起きたのか分からず、そのまま倒れ込む慎太ー
”え…?”
慎太は混乱したまま、うつ伏せに倒れた身体を何とか
仰向けにするとー
血のついた大きな岩を手にした綾がー
笑みを浮かべながら慎太にその岩を叩きつけたー。
「ーーーーご苦労さまァ…」
死んだ目をした女ー
映画館で映画を見たら自殺しようとしていた玲子が、
相手を洗脳する振り子を手に、
”慎太を岩で殴り殺した”綾のところに近付いてくるー
「ーーーー」
だが、綾は虚ろな目のまま、ふらふらと歩き出すー
「ーあぁ、そっか、これから死ぬんだもんねー
ばいばい」
玲子はクスクス笑いながら興味なさそうに微笑むー
「これで、わたしの勝ちィ~~~」
嬉しそうにそう笑いながらー。
慎太の彼女・綾は、慎太と合流する前に
玲子と遭遇してしまい”洗脳”されていたー。
慎太と最初に遭遇した男・高野を洗脳して殺した玲子は、
その後も身を隠しながら島を徘徊しー、
やがて、綾を見つけたー。
迷わず綾を洗脳した玲子は、綾から”彼氏がいる”ことを聞かされて、
彼氏の慎太も島にいることを知りー
そしてー
綾にこう命令を下したー
”彼氏を利用して、わたし以外のこの島にいる人間を殺しなさい”とー。
さらにー
”わたしとあんたとあんたの彼氏、残り三人になったら彼氏を殺して
あんたは自殺しなさい”
とも、命令したー。
そのためー
慎太と合流した綾は、慎太が他のサバイバル参加者を殺すようにうまく差し向けてー
たった今、”残り三人”になったタイミングで綾は慎太を岩で殺害ー
そして、慎太の命を奪ったあとに
ふらふらと歩き出し、立ち去って行ったのはー
”洗脳”された通りに自ら命を絶とうとしているためだー。
「(急に今のタイミングで彼氏を殺したってことはー
島のどこかに残ってたあとひとりー…
たぶん、変態男と入れ替えられたツインテールの子が
どっかで死んだってことだよねー)」
玲子はそんなことを心の中で思っているとー
”おめでとう”と、島の防災無線のようなものから声が聞こえて来たー。
”最後の一人が、たった今、島の崖から飛び降りて自殺したー
残っているのは君一人だー。
素晴らしい戦いだった”
男がそう言いながら、
”島から出るための船は用意してある”と、
玲子に説明したー
玲子が指定された場所に向かうと、
そこには船と、スーツ姿の穏やかな表情の男が立っていたー
だが、その眼光は鋭いー。
「ーーおめでとうー」
男が拍手をすると、「約束通り、生き残った君は自由だ」と笑うー。
さらに、「生き残った一人の願いを一つだけ聞く約束もしたなー。
願いを言ってみなさい」と、言葉を付け加えるー。
「ーーーーー」
玲子はクスッと笑いながら、
「ーわたし、元々自殺しようとしてたんでー
ここから出ても、また死にに行くだけ」と、呟くー
「ほぅ」
男は驚く様子もなく頷くと、
玲子は言葉を続けたー
「だから、あんたの仲間にしてほしいのー」
とー
「ー…ふふ…これはこれはー
予想外のお願いだなー」
男はそう言うと、
少し考えてから
「いいだろうー」と、玲子のほうを見つめたー
「ーあの映画館は我々が経営していた映画館ー
上映中に特殊を座席から放ち、ランダムに10人を眠らせて
上映後にも寝たままだった君たち10人をここに連れ出したー
目的はーー
君の使ったその洗脳装置や、その他新技術の実践テストー」
男が淡々とこの島のことを説明すると
玲子は「すっごい…面白そう…!」と、狂ったように笑うー。
「ーとんでもない女が生き残ったものだー」
男はやれやれと言う様子で首を横に振ると
”仲間になりたい”という玲子に向かって手を差し伸べたー
「ーー君は今日から、我々の仲間だー」
「ーーーふふ…やったぁ」
狂ったように笑う玲子ー。
そんな玲子を見て、男は静かに呟いたー
「”闇.net”へようこそー」
とー。
素性不明の
謎の活動を繰り返す闇組織ー
生き残った玲子は、その仲間に加わったのだったー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
TSFサバイバルゲームの最終回でした~!☆
主人公補正で生き残ることはできず…☆
現実(?)は厳しいですネ~
お読み下さりありがとうございました~!
☆おまけ☆
サバイバル参加者
1・慎太 (男子大学生。洗脳された彼女に岩で頭を殴られ死亡)
2・高野に皮にされた男 (自営業。高野に皮にされてリタイア)
3・高野(※最初に遭遇した男の中身 玲子に洗脳されて自殺)
4・梨沙(※女子高生 三沢に憑依された挙句、寄生もされてリタイア)
5・三沢(※梨沙に憑依したサラリーマン 寄生された梨沙の身体ごとリタイア)
6・木戸(※ライフルとショットガン使い サバゲー好き 寄生された梨沙に襲われ死亡)
7・玲子(※映画鑑賞後に自殺を考えていた女 生還者)
8・綾(※慎太の彼女 慎太と合流前に玲子に洗脳されていて、慎太殺害後に自殺)
9・雅美 (※梨沙の友達 変態男に入れ替えられたあと、彷徨っていたものの足を滑らせて転落死)
10・雅美と入れ替わった男 (※変態男 雅美の身体を入手後、熊に変身した慎太に殺される)
コメント
綾は登場した時からなんか怪しい感じしてましたが、洗脳されてたというオチですか。
どうせなら、男に憑依されてたとか、身体を入れ替えられてた、という展開が見てみたかったような気が。
そして、本当にろくでもない女が最終的に生き残っちゃいましたね。
ところで、誤字っぽいのがありました。
↓
「ー君の可愛いけど、やっぱこのエロイツインテールの身体を
持ち帰りしたいからー
君には死んでもらうよぉ!!!」
君は――あるいは 君も 可愛いけど、の間違いだと思います。
コメントありがとうございます~!☆
憑依は梨沙の時に使ってしまったので、
洗脳しました~☆笑
誤字報告ありがとうございます~!☆
「君も」が正解ですネ!
直しておきます~!!