<憑依>増幅する罪悪感①~副作用~

その憑依薬には”副作用”があったー。

どんなに邪悪な人間でも、その憑依薬を使って
相手の身体に憑依すると”強い罪悪感”を感じてしまうという
副作用がー…。

そんな”副作用ありの憑依薬”を使った者たちの物語ー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーククククー
 ククククククー」
一人、邪悪な笑みを浮かべながら笑っている男ー。

彼の名は白木 隆俊(しろき たかとし)ー。

一人でニヤニヤ笑っている彼は、
頭がおかしくなったわけではないー。

隆俊は数日前に、裏ルートで”憑依薬”と呼ばれるものを
入手したのだー。

「ーーおい、白木、一人で何ニヤニヤしてたんだよー。
 また”悪だくみ”かー?」

荒れくれ者の組織、銀狼(ぎんろう)に所属する男の一人、
笠岡 鉄馬(かさおか てつま)が、一人でニヤニヤしている
隆俊に気付くと、そう言葉を口にするー。

二人とも、”銀狼”に所属し、好き放題やっている”ワル”だー。

鉄馬に声を掛けられた隆俊は
「ククーついに”例のやつ”を手に入れたんだよー」と、
そう言葉を口にすると、
鉄馬は「例のやつ?」と、首を傾げるー。

「ーへへー…”憑依薬”だよー。少し前に話しただろ?
 ”ゼポ”って名前の売人からやっと、購入できたんだ」
隆俊はそう言いながら”憑依薬”の容器を見せ付けるー。

「ーおいおい、マジかよー
 この前言ってた、”他人の身体を乗っ取ることができる”ってやつだろ???」
隆俊から憑依薬を手に入れたと聞かされた鉄馬も、
邪悪な笑みを浮かべながらそう言葉を口にすると、
隆俊は得意気な表情で頷いてから言葉を続けるー。

「へへへー女に憑依して滅茶苦茶にしてやるぜー」
邪悪な欲望を隠そうともしない隆俊ー。

「へっー、お前に憑依されるとか、その女も災難だなー
 お前に憑依されちゃ、身体が壊れるまでエロイこと
 させられ続けるんだろうしなー」
鉄馬がそう言うと、隆俊は「ククーよく分かってるじゃねぇか」と、
そう言葉を口にするー。

その上で、隆俊は少しだけ笑みを浮かべると、
「今度お前にも分けてやるぜー。憑依薬」と、ドヤ顔でそう言い放ちながら、
「じゃ、俺はそろそろ憑依する女を物色するから、じゃあな」
と、手を上げながら立ち去って行ったー。

「ー”憑依薬”かー…
 へへー、俺にも分けてくれるなんて最高だぜ」
鉄馬はそう言葉を口にすると、
嬉しそうな表情を浮かべながら
隆俊の反対側に向かって歩き始めたー。

「ーーーーーーーーーーーーーーー」
その様子を、少し遠くから見つめている
レインコートの男がいたー。

”銀狼”とは別の危険な組織ー、
”犯罪組織アビス”の構成員ー、毛利 茂樹(もうり しげき)だー。

「ーーー”憑依薬”かー」
茂樹はそう言葉を口にすると、
「欲しいものは力づくで手に入れる」と、そう呟いて
そのままその場を立ち去って行ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日の夜ー

「ククククー
 ”お前に決めた”ぜー」

憑依薬を手に入れた隆俊は、
そう言葉を口にしながら
部活帰りの大人しそうな雰囲気の女子高生、三森 柚香(みもり ゆずか)の
前に姿を現していたー。

「ー…え………ど、どういうことですかー?」
突然現れて”お前に決めた”と、そう宣言した隆俊に対して、
柚香は怯えた表情を浮かべながらそう言葉を口にするー。

「ーククー、お前の身体にこれから憑依するって意味だよ!」
そう言葉を口にすると、隆俊は使い捨ての容器に入れてあった
1回分の憑依薬を飲み干すと、その場で霊体になってみせるー。

「えっ…?」
柚香からすれば、目の前で突然”男”が消えた状態ー。
突然、憑依の存在も、憑依薬の存在も知らない
柚香からすれば、何が起きたのかさっぱり分からない状況だー。

がー…
その直後ー、何が起きているのかも理解することができないままー

「ーーひっ!?!?」
柚香はビクッと震えると、そのまま隆俊に憑依されて
身も心も支配されてしまうー。

「ーークククククー」
怯えていた柚香の表情が、一転して邪悪なものに染まっていくー。

「ははははははははっ!
 本当に、本当に憑依出来たぞ!」
柚香が普段しないような表情、出さないような声を出しながら
早速両手で勢いよく胸を揉み始めるー

「ふひっ♡ なんだこれ… これが…これが女の揉まれる感覚かー
 げへへへへ」
柚香は学校に持って行っていた鞄を落としたことにも気づかずに
夢中になって胸を揉むと、
今度は自分の制服のニオイを嗅いだり、スカートをめくったりして、
邪悪な笑みを浮かべるー。

「ククククーーたまらねぇぜーこの身体ー」
身体中を激しくゾクゾクさせながら、柚香は
ペロリと唇を舐めると、ようやくその場から移動し始めるー。

そして、「明日、アイツにも楽しませてやるかー」と、
同じく”銀狼”に所属している鉄馬のことを思い出しながら、
柚香に憑依した隆俊はそう言葉を口にすると、
ゆっくりと夜の街を歩き始めたー。

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「ーーもしもし?」
知らない電話番号から電話が掛かってきているのを見て、
”銀狼”の構成員である鉄馬は少し面倒臭そうにしながら
電話に出たー。

荒れくれ者の組織に所属している彼にとって
知らない電話番号から電話が掛かって来ることは、
そこそこよくある”日常茶飯事”でもあったー。

そのため、迷うことなく電話に出ると、
「誰だー?」と、そう言葉を口にしたー。

”ーーククククー俺だよ”
電話の向こうから聞こえて来たのは、
その言葉とは裏腹に、妙に可愛らしい声ー。

「あ????誰だお前はー」
鉄馬は”こんな口の悪い女、知り合いにいたか?”と
そう思いつつそう返すと、
”おいおいおいー、今日憑依するって言っただろ?
 俺だよ。白木だよ”と、
柚香に憑依した隆俊が、電話の向こうから
自分の名前をハッキリと名乗ったー。

「し、白木ー…そ、その声ー…マ、マジかー?」
”憑依薬を買った”と聞かされていたとは言え、
”本当に憑依できるのか”は半信半疑に思っていた鉄馬は
心底驚いた様子でそう言葉を口にするー。

”クククーだから言っただろ?
 さっき、早速この女の身体でイってみたんだけどよー
 マジでヤバかったぜー?”

憑依された柚香のそんな言葉に、
鉄馬はその声を聞いているだけで少しドキドキしながら
「それでお前、少しはぁはぁ言ってるのかー」と、
そう言葉を返すー。

”ククーまぁなー
 男と違ってーイった後もヤベェんだよー
 スーッと冷める感じがねぇからさ”

柚香は興奮した様子でそう言うと、
”そうそう、明日、お前にもこの女とヤらせてやるよー。”
と、そんな言葉まで口にし始めるー

「マ、マジかー!?いいのかよ?」
鉄馬がそう言うと、
電話相手の柚香はゲラゲラと笑いながら
”当たり前だろ?男とするのがどんな感じか、
 俺も女の身体で味わいたいしな”と、そう言葉を口にするー。

「へ、へへへへー分かったーじゃ、どこで何時に待ち合わせにする?」
鉄馬が興奮した様子で、明日の”お楽しみ”の打ち合わせを始めると、
電話相手の柚香も嬉しそうに返事を口にするー。

”そうそうー、この後エロイ自撮り何個か送ってやるよ
 楽しみにしてな”

そんな言葉と共に、柚香は電話を切るとー、
電話を終えたばかりの鉄馬は興奮した様子で、
「憑依薬…ヤベェなー」と、そう言葉を口にするのだったー。

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「ーーへへへへへー」
電話を終えた柚香は、ニヤニヤしながら
スマホをその場に置くと、
そのまま制服をわざと乱した格好で、
自撮りを始めるー。

さらにはスカートをめくった自撮りや、
胸元をアピールするような、そんな自撮りも撮影して、
それを送信しようとし始めるー。

がーー…そのタイミングで柚香は表情を歪めたー。

”勝手にこんなことしていいのだろうかー?”と、
柚香に憑依している隆俊は、突然、そんな”罪悪感”にも
似た感情を覚え始めたのだー。

「ーーー…」
部屋の中を見渡す柚香ー。

”憑依される前”の柚香が積み重ねて来たであろう、
色々な”生活の跡”がそこには残されているー。

受験勉強や部活にも一生懸命だった、真面目な子であろうことが
部屋の中や机を見ているだけでも分かるー。

突然、そんな得体の知れない罪悪感に襲われた
柚香に憑依した隆俊は「チッー…んなこと気にする必要ねぇよ」と、
そう言葉を口にすると、
そのまま撮影した自撮りを、同じく”銀狼”に所属する鉄馬に対して
送信したー。

しかし、送信し終えてからは、
急激に柚香の身体で欲望を満たす気が失せてしまい、
柚香に対して”申し訳ない”という気持ちが
強く、強く膨らんでいくー。

「ーー」
部屋に置かれていた姿見の方にふと視線を移した柚香は
”柚香”の姿を見て、さらに強い罪悪感を覚えるー。

「ーくっ…な、なんだよこりゃー…
 今更、どうしたってんだー…?」
柚香に憑依している隆俊は、
表情を曇らせながら、そう言葉を口にするー。

これまでの人生、彼は多くの人間を傷つけて生きて来た。

人を傷つけることなんて何とも思わなかったし、
特に、自分とは関係のない人間の人生がどうなろうと、
知ったことではなかったし、
今までに同情したり、可哀想だと思ったり、
謝罪の言葉を口にしたり、そういったことはしたことがなかったー。

どうせ、人生は一度きり。
他人が傷つこうが、何をしようが、
最終的に全てにおいて最優先されるのは
”自分の人生”だと、
彼は強くそう思っていたー。

それなのにー…

「ーチッー…しっかりしろよー…俺」
柚香はそう呟くと、
女子高生に対して憑依したことに
罪悪感を感じている自分自身に苛立つようにしながら、
そんな言葉を口にしたのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー。

鉄馬が、約束の場所にやってくると、
柚香もじきに姿を現したー。

がー、柚香は「白木ー…ちょっといいかー?」と、
そう言葉を口にすると、
「今日はー…そのー、飯を喰うぐらいで済ませようと
 思うんだがー」と、そんな言葉を続けたー。

「ーは?
 ははー、どうしたんだよいきなりー。
 昨日、ヤらせてくれるって言ってただろー?」

鉄馬がそう言葉を口にすると、
柚香は「あぁ、あぁ、分かってるー」と、それだけ言葉を口にしながらも
「けどよー。この身体は俺のじゃねぇしー、今まで、この子が積み重ねて来た
 人生をそんなに簡単に壊しちまっていいのかなって思ってさー」と、
困惑したような表情を浮かべながら言葉を口にしたー。

「はぁ?はははー
 白木、お前らしくもないー
 急にどうしたんだよ?

 憑依薬を使ってその女を乗っ取ったんだろ?
 だったら、やりたい放題じゃねぇかー」

鉄馬が笑いながらそう呟くー。

が、それでも柚香に憑依している隆俊は
「ーーそういうわけにもいかないだろー」と、
そう言葉を返して来たー。

「ーー?????
 いやいや、どうしたんだよ?
 その女は今や”お前のもの”なんだから
 好きにしちまえばいいんだよー。

 それに、もし乗り換えできるんなら、
 その女がダメになったら”乗り換え”すれば
 いいだけだしなー」

鉄馬は、なおも、柚香に向かって”好き放題しろよ”と、
そう続けるー。

しかし、柚香に憑依している隆俊は
昨日の電話での話っぷりが嘘かのように、
どこか申し訳なさそうな表情を浮かべたままだったー。

「ーーーー俺、憑依なんかするんじゃなかったー…
 俺は、なんてことしちまったんだー」
柚香に憑依している隆俊は、そんな言葉まで口にし始めるー。

その様子を見て、鉄馬は「おいおいおいーいい加減にしろよ」と、
そう言葉を口にした上で
「エロイ身体を手に入れたんだから、遊びまくればいいじゃねぇか」と、
そう続けるー。

がー、柚香に憑依した隆俊は
「ーー憑依なんて、しちゃいけないんだー…俺はこの子の人生をー」と、
心底悲しそうに言葉を口にしたー。

「ーーーはぁー、もういいー」
鉄馬は呆れ顔でそう言うと、
「憑依薬、分けてくれる約束だったよなー。俺によこせ」と、
そう言葉を口にするー。

が、柚香は「憑依なんてしたら、お前も必ず後悔するぞ!」と、
そう言葉を返すー。

しかし、鉄馬は「俺は後悔なんざしねぇよ」と邪悪な
笑みを浮かべながらそう言葉を口にすると、
柚香に憑依した隆俊から憑依薬を奪い取るようにして手に入れて、
欲望に満ちた笑みを浮かべるのだったー

「ーーーー」
その様子を遠くから見ていた犯罪組織アビスの構成員・
毛利 茂樹はレインコート姿のまま少し笑みを浮かべると、
「ー憑依薬…必ず俺が頂くー」と、そう言葉を口にして、
そのまま立ち去って行ったー…。

②へ続く

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コメント

コメント欄の感想の中で、以前、
”憑依薬の副作用で罪悪感が生まれる話”というネタを
頂いたので、それを実際に書いて見ました~~!★

罪悪感が副作用…!
こうなってしまうと大変ですネ~!

続きはまた明日デス~!★!

「増幅する罪悪感」目次

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憑依<増幅する罪悪感>

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