<皮>ひとつの”皮”を二人で使う①~欲望~

とある場所に住む兄弟ー。

彼らは”人を皮にする”力で
皮にした人間を”二人で”使い回ししていたー。

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「ーーただいま~~!」

女子大生の長峰 萌奈(ながみね もな)が、
帰宅すると、家の中にいた男ー、
木村 雅俊(きむら まさとし)が、
笑みを浮かべながら「へへー…待ちくたびれたぜー」と、
笑みを浮かべるー。

同じぐらいの同じぐらいの年齢の男ー
が、彼はー”萌奈”の兄ではないし、弟でもないー。
夫でもなければ、彼氏でもないー。

それだけではないー
友人でも知人でもない男の家に、萌奈は帰って来ていたー。

「ーーまったくー。ってか”兄さん”、
 大学でまた先輩と”ヤッた”んだってー?
 噂になってたよー」
萌奈がニヤニヤしながら言うー。

兄でもない雅俊を”兄さん”と呼びながら、
男のような座り方をして、そう言葉を口にすると、
「へへへー先輩、女慣れしてないから反応が面白いんだよー」と、
ニヤニヤしながら、雅俊はそう言葉を口にしたー。

「ーーははぁ~…
 僕は女の身体でも、男とヤル気はしないけどなぁー

 今日も愛唯(めい)ちゃんとは楽しんで来たけどー」

萌奈はそう言うと、
「やっぱさ、せっかく女になったんだから、女同士に限るでしょ」と、
得意気な表情を浮かべるー。

「ーう~~~ん…俺は男が戸惑ってるのを見る方が楽しいけどなぁ へへー」
雅俊はそう言うと、
ニヤニヤしていた萌奈が突然、自分の後頭部に手を触れてからー…
自分の頭を”脱ぎ”始めたー。

萌奈の頭がだらん、と、着ぐるみのように垂れ下がりー、
その中から別の男が出て来るー。

「おいおいおいーー急に脱ぐなよなー勝義(かつよし)ー」
萌奈と話していた男…”兄さん”と呼ばれていた雅俊がそう言葉を口にすると、
”萌奈”の中から出て来た男・勝義は笑みを浮かべたー。

「ー僕が、大学帰りにシャワー入らないと気が済まない性格なのは
 知ってるだろ?」
萌奈から出て来た男・勝義が少し笑いながらそう言うと、
「いや、それは知ってるけどー…」と、そう言いながら、
雅俊は「ーーでも、目の前で急に美少女の中から男が出て来ると興ざめするんだよ」と、
そんな言葉を続けるー。

「ーははー。ま、いいやー
 じゃ、僕はシャワー浴びて来るからー」

彼はー、雅俊の男・木村 勝義ー。

元々は別々の場所で暮らしていたものの、現在は”同居”しているー。

そのきっかけはー、
”人を皮にする水鉄砲”ー。

弟の勝義が偶然ネットで発見ー、
兄の雅俊に”これ、すごくない?”と話を持ち掛けたところ、
雅俊も”マジで誰かの身体を乗っ取ることができるなら最高だよなー”と、
話に乗ってきて、それぞれバイトで貯めたお金を出し合って購入したー。

”1個につき、”皮”にすることができる人間はひとり”であったため、
2つ購入して、兄弟でそれぞれ好きな相手を”皮”にして乗っ取り、
楽しむつもりだったー。

しかし、二人が注文するタイミングで、
ちょうど在庫が最後の1個になってしまっていたために、
それができずにやむを得ず”1個”だけ購入ー。

”人を皮にする水鉄砲”が1個しか手に入らなかったことで
皮にして乗っ取ることができる相手は兄弟で”ひとり”だけになってしまったー。

そのため、弟の勝義が”同居”を提案。
兄・雅俊と、弟の勝義が一緒に暮らし、
二人で話し合った結果、”選んだ”兄と同じ大学に通う
長峰 萌奈を”皮”にしてその身体を乗っ取り、
好き放題使っていたー。

がー、もちろん”萌奈”の身体はひとつしかないー。
そのため、兄・雅俊と弟・勝義が話し合った結果ー
1日ごとに交代交代で萌奈の身体を使う、ということで、
今、こうして交互に萌奈になる日々を送っていたー。

今日は弟・勝義が”萌奈”の身体を使っているー。

「ーなぁ、シャワー入ってる間、俺が萌奈ちゃんになってていいか?」
兄・雅俊が洗面台のある方向に向かってそう叫ぶと、
”え?いいよ~!まぁ、10分ぐらいで出て来るけど”と、
そんな返事が返ってきたー。

「ーーへへ、10分もあれば十分だぜ」
兄・雅俊はそう言うと、脱ぎ捨てられた萌奈の皮を見て、
笑みを浮かべるー。

その皮を早速身に着けて”萌奈”となった雅俊は
ニヤニヤしながら胸を揉み始めるー。

「ーはぁぁぁ…♡ へへっ…へへへへへ♡」
萌奈は、色っぽく身体を動かしながら
嬉しそうに胸を揉み続けるー。

「はぁぁ…振られた時は、もう、
 萌奈ちゃんのこと諦めかけたけどー、
 まさか、俺が萌奈ちゃんそのものになれるなんてー
 ふひっ…へへへへへ♡」

笑いながら、夢中になって胸を揉み続ける萌奈ー。

やがて、”萌奈”の身体を乗っ取ってから
兄弟で購入した姿見を見つめながら、
「ーわたし、雅俊くんのことだ~いすき♡」と、
言わせて笑みを浮かべるー。

「ー雅俊くんだいすき♡ 雅俊くん大好き♡」
萌奈の声でそんな言葉を発することができる、そんな状況に
ドキドキワクワクしながら、それを続けていると、
やがて、弟の勝義がシャワーを終えて戻って来たー。

「ーははー…ホント、それやるの好きだなぁ兄さんはー
 乗っ取った身体で自分に告白して楽しい?」
勝義がそう言うと、萌奈を乗っ取っている雅俊は
少し顔を赤らめながら、
「う、うるせー!俺を振った萌奈ちゃんに告白されるとゾクゾクして
 最高なんだよー」と、萌奈の声でそう言葉を口にするー。

「はいはいー。
 じゃ、今日は”僕の日”だから、その身体を返して」
勝義のその言葉に、少し名残惜しそうにしながらも、
それに従うと、雅俊は”萌奈”の皮を脱いで、
それを洋服でも渡すかのように、軽く手渡して、
勝義がそれを受け取ったー。

萌奈の皮を早速着る勝義ー。

「ー本当は、僕と兄さんで”ひとつずつ”身体があれば最高だったんだけどなぁ」
萌奈になった勝義が言うと、
「ーまぁなー。でも、俺たちが仲良しな兄弟でよかったよー」と、
雅俊がそう言うと、萌奈は「ふふーまぁ、そうだねー」と、そう言葉を口にしたー。

弟の勝義は”コスプレ”好きで、帰宅すると萌奈の身体で
色々なコスプレを楽しんでいるー。

「今日はこれかなぁ~」
セーラー服姿に着替えた萌奈が笑いながら言うと、
兄・雅俊は「うぉぉぉ!萌奈ちゃんの女子高生時代!」と、嬉しそうに笑うー。

「ーへへーまだまだ全然いけるよねぇー」
鏡を見つめながら、萌奈は満足そうに
セーラー服を身に纏った自分の姿を堪能するー。

「ー兄さんもさー、コスプレすればいいじゃんーこの身体で」
萌奈がスカートを嬉しそうに触りながら言うと、
「ー俺は”見る”派なんだよなぁー。自分が女になってる時はー
 なんかこうー、恥ずかしくてさー」と、
雅俊が笑いながら言うー。

「ーはははは、恥ずかしいってー…
 自分であんな鏡の前で告白しまくってるのに?」
セーラー服姿の萌奈がそう言うと、雅俊は恥ずかしそうに目を逸らしたー。

「ーーそれにー」
少し間を置いてから、雅俊はそう言葉を口にすると、
「ー俺はコスプレしてる萌奈を抱く方が好きなんだよなー」と、
そう言葉を口にすると、弟に乗っ取られている萌奈を抱きしめて、
笑みを浮かべながらキスをし始めたー

「ちょ、兄さんってばい、いつも大胆ー あっ♡」
萌奈はそう言いながらも、どこか嬉しそうに
興奮した様子でニヤニヤと笑みを浮かべたー。

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翌日ー。

「ーーへへー今日は俺が萌奈ちゃんだぜー」

今日は兄・雅俊が”萌奈”を着る番ー。
嬉しそうに萌奈の皮を身に着けると、
そのまま髪を整え始めるー。

「今日はあえてツインテールで行くかぁ」
ニヤニヤとしながら、萌奈はそう呟くと、
「ーお~兄さん、可愛いじゃんー」と、
弟の勝義も、満足そうにツインテールの萌奈を見つめるー。

「ーーーへへへー
 さ~て、女子大生してくるかぁ」
萌奈はそう言い放つと、嬉しそうに大学へと向かったー。

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「ーーあ…萌奈ちゃんーおはよ~」
大学に到着すると、同じ大学に通う後輩の愛唯が
声をかけて来たー。

萌奈は少し面倒臭そうに
「あ~…おはよ~」と、それだけ言葉を口にするー。

「き…昨日は、あ、ありがとうー」
愛唯がドキドキしながらそんな言葉を口にするのを見て、
萌奈は「昨日?」と、少しだけ表情を歪めるー。

そういえば昨日ー、弟の勝義が”今日も愛唯ちゃんとは楽しんで来たけど”
と、そう言っていたことを思い出すー。

弟の勝義は”萌奈”の身体を乗っ取っているときに、
”女の子同士のHなこと”を楽しんでいるー。

その”本命”の相手がこの愛唯だー。

がー、兄の雅俊は”百合”には興味がないこともあって、
愛唯には冷たく当たっていたー。

「ー別にー」
萌奈はサッサと話を切り上げようとするー。

「あ、あのー…よ、良かったら、今度またー」
奥手な性格に見える愛唯が、勇気を振り絞るようにして
そんな言葉を口にするー

「ーーーはぁ~~~~」
しかし、今日の”萌奈”は昨日の萌奈とは違うー。

萌奈の性格が日によってコロコロと変わることから、
最近、大学内では”二重人格”なのではないかとまで
言われたり、
”気分屋すぎる”と言われたり、そんな状況になっているー。

もちろん、萌奈を乗っ取っている雅俊と、勝義も、
そんな風に噂されてしまっていることは知ってはいるものの、
”まぁ、皮にして乗っ取ってるなんて、誰も思わないし気付かないだろ”と、
お構いなしで、そのままそれぞれが好きなように振る舞っているー。

一応、その日の出来事は帰宅後に大事な事は伝えていて、
兄弟の連携は取れているために、
今のところ、それで大きなトラブルになっているようなことはないー。

「ーーあのさー今日はそういう約束する気分じゃないから
 明日にしてくれる?」
萌奈がそう言うと、後輩の愛唯は戸惑いの表情を浮かべながら
「あ…明日?」と、そう繰り返すー。

「そう。明日。いい?」
萌奈のその言葉に、愛唯は頷くと、
萌奈はそのまま愛唯の前から立ち去るー。

「は~、やっぱ女の身体を手に入れたら
 男を惑わして遊ぶ方が楽しいだろ」
ひとりでそう言葉を口にしながら、大学内を歩く萌奈は
「そうだー。今日は大久保(おおくぼ)先輩で遊ぶかー
 へへーあの人も女子慣れしてないから楽しいんだよなぁ」と、
ご機嫌そうにそう言葉を口にしたー。

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翌日ーーー

「ーーーな、長峰さんー昨日は本当にありがとうー
 そ、そのーき、気持ち良かったよーすごくー」

大久保先輩がそう声をかけて来るー。

が、今日の”萌奈”は、弟の勝義が使っていて、
”昨日の萌奈”とは違うー。

「ーーーあ、あはははーー
 ど、どうもー先輩が喜んでくれたなら良かったですー」
兄の雅俊とは少し違って、弟の勝義は
とりあえず話を合わせることが多いー。

がーー
それと同時にー

「ーそ、それで、昨日、何をしたんでしたっけー?」
萌奈が笑いながら聞くー。

話を合わせると同時に、
”昨日”兄が何をしていたのか、興味があって
よくそれを聞いたり、調べたりしていることも多いー

「え…ほ、ほら、僕の、これー口で気持ちよくしてくれたりー」
大久保先輩がそう言うと、
萌奈は少しだけ表情を曇らせるー。

「兄さん、よく男のアレなんてしゃぶれるなぁ…
 僕には無理だよー想像しただけで鳥肌が出るー」
ボソッとそう呟く萌奈ー。

「?」
独り言の内容を聞き取ることはできなかった大久保先輩が
少し首を傾げると、
萌奈は「ふふ♡なんでもないですよ」と、そう言葉を口にして歩き出すー。

弟の勝義が”萌奈”を乗っ取っている日は、
愛想が良くて、明るい感じー、
兄の雅俊が”萌奈”を乗っ取っている日は、
”興味もない相手には冷たい”感じで、時々男っぽい仕草も多いー、
そんな感じで、1日を過ごしているー。

「ーせ、先輩ー」
背後から、声がして振り返る萌奈ー

そこには後輩の愛唯の姿ー。

萌奈は嬉しそうに笑うと、
「ー今日、またわたしとしちゃう?」と、そう言葉を口にすると
顔を赤らめた愛唯を見て笑うー。

「ーふふー愛唯ちゃんって本当に可愛いなぁ」
萌奈はそう言葉を口にすると、
その日も、”愛唯”とHなことを楽しむのだったー。

”ふたりでひとつの身体”を楽しむー。
そんな、二人の欲望の時間は、”順調”だったー。

②へ続く

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二人で、”同じ相手の身体”を交互に
使っている…そんな皮モノデス~!

兄弟仲良く、今のところは欲望を楽しめていますネ~~!!

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