人を皮にする”力”を手に入れたものの、
”ひとり”しか皮にすることが出来ず、
仕方がなく、”ひとつの皮”を二人で使い回して
欲望を楽しんでいた兄弟ー。
そんな兄弟の行きつく先は…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーえへへへへー
ーー先輩、今日もわたしの口で気持ちよくしてあげましょうか?」
クスクスと笑う萌奈ー。
今日は兄・雅俊が萌奈の”皮”を着て、
萌奈の身体を乗っ取り、大学へとやってきているー。
兄の雅俊は”男”遊びを繰り返して、
相手の反応を見たり、手玉にとって楽しんでいるー。
「ーーへへーほ、ホントにー?
じ、じゃあ、お願いしようかなー」
女子慣れしてない”大久保”先輩は、
今やすっかり”萌奈”の手玉に取られていたー。
萌奈はわざと甘えるようにしながら、
大久保先輩に身体を密着させながら、
そのまま大学内にある”とっておきの場所”ー
二人がいつもHなことを楽しんでいる場所へと向かうー。
「ーーーあ…」
ふと、そんな萌奈の姿を、
萌奈の後輩である愛唯ー、
萌奈と”百合”の時間をいつも楽しんでいる愛唯が見かけてしまうー
愛唯は”弟の勝義”が、萌奈を乗っ取っている時に
”恋人同士”かのようにお楽しみを繰り返している子だー。
「ーーせ、先輩ー、あ、あのー」
愛唯が、ドキドキした様子で萌奈に声をかけるー。
がー、今日の萌奈の”中身”は兄の雅俊ー。
雅俊は”百合”に興味がないために、
雅俊が中身の時の”萌奈”は、愛唯に興味を示さないー。
「ーあ~ごめん、明日にしてくれる?」
萌奈が面倒臭そうにそう言葉を口にすると、
寂しそうな表情を浮かべる愛唯ー。
そんな愛唯のことを気にも留めず、
萌奈はそのまま「大久保せんぱ~い!もうドキドキしてるんですかぁ~?」と、
揶揄うような口調で、大久保先輩に密着しながら
愛唯の前から姿を消したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーなぁなぁ、今度さー、大久保先輩と
1回だけでいいから遊んでやってくれないかなー?」
帰宅した萌奈がそう言うと、
今日、萌奈を乗っ取っている雅俊の弟・勝義は
少しだけ首を傾げたー。
「僕は男とは遊ばないよー。
だって、男とキスしたりするの、身体が女になってても
気持ち悪いじゃんー
僕は男なわけだし」
勝義がそう言うと「そこを何とか!」と、萌奈が手を叩きながら
頼み込むー。
「ー兄さんが自分で、その大久保先輩と遊べばいいだろ?」
勝義が少しだけ戸惑いながら言うと、
「いや、大久保先輩から”バニーガールの格好してほしい”って
泣きつかれてさー…頼むよ」と、
萌奈が嘆願するように言うー。
兄の雅俊は”萌奈”の身体でコスプレをしたことはないー。
何だか恥ずかしくてできないのだー。
しかし、一方の弟・勝義は萌奈の身体で連日コスプレを楽しんでいて、
コスプレをすることに抵抗はないー。
そのため、雅俊は、勝義に”大久保先輩の願いを叶えてやってほしい”と、
そうお願いしていたー。
「ーえ~…兄さん、その身体でたくさん遊ぶ男用意してるだろ?
その大久保先輩なんて放っておけばいいじゃんー」
勝義がそれだけ言うと、
萌奈を着ている雅俊は「ーいやぁ…」と、少し苦笑いしてから、
「ーあまりにもモテなさそうで、可哀想でさー…
それに、俺も萌奈ちゃんに振られた人間だからー
気持ち、分かるんだよー」と、萌奈の身体でそう言葉を口にしたー。
「あははー情が沸くなんてー」
弟・勝義は少しだけ笑うと、
「まぁ、いいよー。うんー。バニーなら持ってるし、僕に任せておいて」と、
そう言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー。
弟・勝義が”萌奈”を着ている日に、
兄・雅俊から頼まれた通り、
バニーガールの格好をして大久保先輩と会っていたー。
「ふへへへへーす、すげぇー……」
ひたすらニヤニヤしながら、嬉しそうな表情を浮かべている
大久保先輩ー。
大久保先輩は嬉しそうにバニーガール姿の萌奈の足を触るー。
がー、萌奈は大久保先輩に気付かれないように
嫌そうな表情を浮かべていたー
”僕、男に触られたりしたくないんだよなぁ…”
萌奈を着ている勝義は、内心でそんな風に思うー。
兄・雅俊とは違い、”乗っ取った女の身体”で、
男に触られることを勝義は嫌っていたー。
そして、自分自身も元々男であるために
”男とのキス”や、男のアレを口に咥えるなんてことは
勝義からすれば信じられないことだったし、
想像しただけでオェッ!となってしまうぐらいには
”イヤ”だったー。
「ーーーえへへへへへー長峰さんー最高すぎるー」
大久保先輩がバニーガール姿の萌奈の足を
ペロペロと舐め始めるー。
”当たり前のようにそういうことをする”のは、
恐らくは兄の雅俊がいつも”好きにしていいよ”という感じで
やらせているのだろうー。
「ーーーっっ…」
しかし、今日の萌奈の”中身”は弟の勝義ー。
悪寒を感じながらも”兄さんのためだ”と、それを我慢するー。
がーー
ついに大久保先輩は、萌奈に”キス”を勝手にしようとし始めたー
「ーうわっ!やめろ!」
萌奈は反射的にそう声を発すると、大久保先輩を突き飛ばすー。
大久保先輩は驚いた表情を浮かべながら、
近くの壁に激突すると、
痛そうにしながら「ーーな…何だよ…急にどうしたんだよ!」と
不安そうに声を上げるー。
「ーいつも、いくらでもキスしていいって言ってくれてるじゃないか!」
不満そうな大久保先輩ー。
萌奈はそんな大久保先輩を前に、戸惑いの表情を浮かべるー
大久保先輩は「そ、そうだー」と、声を上げると
興奮した様子で、目の前でズボンを脱ぎ始めて、
”棒”を晒すと、
「ーーへへーいつもの”アレ”お願いするよー」と、そう言葉を口にするー。
異性に全く縁のなかった大久保先輩ー。
けれど、中身が雅俊の”萌奈”にすっかり、
”萌奈に対しては何でもしていい”と、”教育”されたのか、
当たり前のようにフェラを要求してくるー。
「ーーーーい、いや、その、今日はー」
後ずさる萌奈ー。
それでも強引に萌奈にそれを求める大久保先輩を前に
「き、キモッ!!!僕には無理だ!」と、そう叫ぶと、
大久保先輩の急所を蹴って、そのまま逃走してしまうー。
「ぐっ…ぉぉぉぉぉ!?」
一人残された大久保先輩は苦痛に苦しみながら
表情を歪めるとー
「どうして…どうして…???どうしてなんだー!?」と、
不満そうに言葉を吐き出したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ~~~…酷い目に遭ったー」
バニーガールの格好から私服に着替えると、
萌奈は身なりを整えながら、そう言葉を口にするー。
がー、
物陰から、後輩の”愛唯”が、その姿を見つめていたー。
弟の勝義が萌奈を着ている時にいつも一緒に”百合”を楽しんでいる後輩が、
萌奈を睨みつけるようにして見ているー。
「ーー先輩ーーー浮気してたなんてー許せないー」
愛唯はそう言葉を口にするー。
”萌奈”の中身が二人いるー。
そんなことも知らずー、そもそも萌奈が男に乗っ取られているという事実など知らず、
萌奈と百合な日々を楽しんでいる萌奈は、
”わたしに冷たくして、男の人と遊んでいるなんて許せない”と、
怒りをたぎらせていたー。
そんな愛唯の視線に気づかず、
そのまま萌奈は「今日はもう帰ろっとー」と、そう言葉を口にすると
家に向かって歩き始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「へへー今日は俺の番だぜー」
萌奈の”皮”を着て、大学に向かおうとする兄・雅俊ー。
「ーあ、兄さんー
昨日のことー」
昨日、キスやフェラを拒んだことを既に兄・雅俊に
伝えていた勝義が少し申し訳なさそうに言うと、
萌奈を着ている雅俊は
「大丈夫大丈夫ーあの先輩は、俺が適当に誤魔化せば
すぐ顔を赤くして嬉しそうにするからさー」と、
そんな言葉を口にするー。
大久保先輩は、完全に”萌奈”に魅了されているー。
どうとでもできるから、そんなに心配する必要はない、と、
萌奈はそう言い放ったー。
「ーーはは、それならよかったー
じゃ、今日は僕は昼寝でもしながらダラダラ過ごすよー」
”萌奈”を乗っ取った時に弟の勝義は元々自分が通っていた大学をやめて、
今はこうして、”萌奈”の身体を1日起きに使いながら生活しているー。
二人とも”萌奈の身体”で上手く稼ぐ道を見つけているために、
お金のことは心配はないー。
「ーー”萌奈”を着る日以外、寝てばっかりだな」
苦笑いする萌奈を着ている兄・雅俊ー。
「ーーははーまぁね」
勝義のそんな反応を見て、萌奈は「じゃ、俺は行くわー」と、
そう言葉を口にしてから大学に向かうために家の外へと出て、
ゆっくりと歩き始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大学に到着した萌奈は、ニヤニヤしながら
”さぁ~て、今日はどの先輩を揶揄うかなぁ”
と、萌奈の身体で手玉にとった男の先輩たちを思い浮かべるー。
がーーー
その時だったー。
背後から突然、腕を強く掴まれた萌奈ー
驚いて振り返ると、
そこには大久保先輩の姿があったー
「ーーえ、大久保せんぱー」
そう言葉を口にすると同時に、
萌奈は突然、顔面を殴られてしまうー。
「ーー!?!?!?!?」
驚くと同時に、物陰に連れ込まれた萌奈は
「ちょ!?な、なにをー!?」と、
鼻から血を流しながら声を上げるー。
しかし、大久保先輩は狂った目つきで
「お前ー僕を騙してたんだな!僕を弄んでたんだな!」と、
そう叫ぶー。
異性に全く縁のなかった大久保先輩はー、
雅俊の予想以上に”萌奈”にのめり込んでいたー。
けれど、昨日、”中身が勝義”の萌奈に拒まれた挙句、
突き飛ばされた大久保先輩は怒り狂っていたー。
「ーえ、そ、そんなー、わ、わたしはー」
そう言葉を口にする萌奈ー
しかし、体格だけは無駄にゴツイ大久保先輩は、
萌奈の頭を掴んで、そのまま地面にたたきつけ始めたー。
”おい、マジかよーくそっ!この野郎ー!”
萌奈を乗っ取っている雅俊は、すぐに反撃しようとするも、
萌奈の身体では、反撃できないー。
怒り狂った大久保先輩の攻撃を受ける中、
なんとか皮を脱ごうとするも、大久保先輩の強烈な蹴りが
頭を直撃して、萌奈はそのまま目を見開いて
その場に倒れ込んでしまうー。
「ーーーーぁ……」
”一度もモテたことのなかった先輩”を、
欲望のために弄んだ雅俊は、そういう人間を甘く見過ぎていたー。
中には、危険なほどにのめり込んでしまう人間もいる、ということをー
倒れ込んでも、まだ大久保先輩の暴力は続いているー。
欲望の兄弟の兄・雅俊は、萌奈の皮を着たまま
その命を奪われてしまうのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「えっー…」
弟・勝義がスマホでニュース速報を見て呆然とするー。
”大学内での凶行”ー
そう書かれた見出しー。
被害者は”長峰 萌奈”ー
「ーーに、兄さんー!?」
慌てて家の外に飛び出そうとすると、
そこには、後輩の愛唯ーーー
勝義が、”萌奈”を乗っ取っているときの、
”百合”の相手ー、愛唯がいたー。
「ーーえっー」
愛唯がどうしてここに?そう、思いつつも勝義が
表情を歪めると、
愛唯は言ったー。
「ーーわたしを、騙してたんですね」
とー。
「ーーえっ、そ、それはどういうー?」
勝義が不思議そうにしていると、
萌奈は勝義を家の中に押し戻すようにして
強引に家の中に入ってきたー
兄・”雅俊”の方が中身の時の萌奈に冷たくされた愛唯は、
不満に思って萌奈を尾行したー。
その結果、萌奈が”男”ー、と、お楽しみをしているのを目撃してしまったー。
さらに不満を抱いた愛唯は、萌奈を家まで尾行ー
その結果ー、”萌奈を着ている兄弟”のことに気付いてしまったー。
そして、”わたし”と遊んでいたのは、
弟の方であることも、突き止めてしまったー。
「ーーわたし、萌奈先輩のこと、愛してたのにー」
愛唯はそう叫ぶと、隠し持っていたナイフで
勝義の首を突然斬りつけたー
「ーーひっ!?!? ぁ… ひっ…」
血を吹き出しながら、倒れ込む勝義ー
「先輩ー”あっち”では、先輩も可愛い姿になってー
いっしょに、ず~~~っと、愛し合いましょうね♡」
愛唯はそう言うと、勝義にトドメを刺してから、
自らも笑いながら命を絶ってしまったー。
”欲望”のために、
周囲の人間を弄んでいた兄弟は、
この日、ほぼ同じタイミングで自らが弄んでいた相手によって、
その命を奪われてしまったのだったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
欲望の果てに身を滅ぼす結末に…★
二人で使い回ししてなければ、
どちらのトラブルも起きなかったかもしれませんネ~…!
お読み下さりありがとうございました~~!
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