<憑依>あなたの大事な人の魂はこの中よ②~調査~

突如として豹変した彼女ー。

それと同時に、大学内で二人の人間が姿を消し、
彼は、オカルト系サークルに所属していた子のことを
調べ始めるも…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーふふふふー
 あなたはもう美香じゃないー」

”美香”は、今日もお姫様のような服に身を包みながら、
嬉しそうに、
”キャンドルの入った謎のケース”を見つめるー。

「ーーーあなたは、ただの”魂”ー。
 ”身体がなければ”あなたは美香じゃないー」

キャンドル入りのケースに向かって
そう言葉を口にした美香は、
嬉しそうに笑うー。

「ーわたし”が”美香ー。」
とー。

”ーーーーーーー”
そんな言葉を、部屋の外でこっそりと聞いていた
美香と同棲中の彼氏・秀幸は困惑の表情を浮かべるー。

”ーー美香ー…”
秀幸は、ここ最近、色々なことを調べて回っていたー。

消えた親友の栄吉ー
消えたオカルト系サークルに所属する女・雪田 麗子ー
そして、彼女である美香の異変ー。

色々調べていくうちに、
秀幸は一つの推理を完成させていたー。

それはー…
”雪田 麗子”は、栄吉の言っていた通り
”他人に乗り移る”謎の術の練習をしていてー、
それを使って、美香に乗り移った…という推理だ。

雪田 麗子が元々自分の容姿にコンプレックスを抱いていて、
特に、容姿の整った子には、
憎しみにも似た感情を向けることがあったー…
と、いうことは、これまでに麗子のことを知る者たちに聞いて分かったー。

幼馴染であり、彼女でもある美香はー…
もちろん、見た目で選んだわけではないけれどー、
とても可愛らしい容姿を持っているー。
そんな美香に、雪田麗子が憎しみを募らせて、
そして、謎の術で美香に乗り移ったとしても、何らおかしい話ではないー。

そして、親友の栄吉は、その雪田 麗子が”乗り移りの術”を
練習しているところを目撃して、邪魔してしまったために
”消された”ー。

それが、秀幸の”推理”だー。

しかし、全て推測でしかなく、
証拠はひとつもないー。

唯一”現実”として起きていることは
親友の栄吉と、その雪田 麗子が行方不明であること、
そして、彼女の美香の様子が明らかにおかしいことだけだー。

雪田 麗子が術の練習をしていた、という話も
親友の栄吉から”聞いた”だけであり、秀幸が直接見たわけはないー。

今のところ、具体的に何か行動を起こすことができるほどに
”材料”が揃っていなかったー。

「ーーーーー」
が、秀幸は”ある決断”をしていたー。

このまま、悩みながら生活していても、
キリがないー。
もしも、美香が本当に”雪田 麗子”に乗り移られているのであれば、
どうにかしないといけないー。

時間が経てば経つほどー…”美香”本人がどうなってしまうかも
分からないー。
”美香が、美香でなくなってしまうー”
そんな、最悪の事態まで頭をよぎるー。

「ーーーあらー」

「ー!」

ちょうど、部屋から出てきた美香がクスッと笑いながら
秀幸を見つめるー。

まるで”お姫様”のような別人のような格好に
秀幸は困惑しながら「ー美香ー。どうかしたのかー?」と、
何食わぬ顔でそう言葉を口にすると、
美香は「ーーお手洗いにー」と、クスクス笑いながら
そのままゆっくりと歩いていくー。

「ーーー…」
秀幸は、戸惑いながらも、美香がトイレに入ったことを確認すると、
そのまま美香の部屋の中に入っていくー。

「ーーーー…」
最近の美香は、”部屋”も、まるでお姫様のような
メルヘン調の部屋に模様替えしており、
異様な感じさえするー。

もちろん、”元々”こういうのが好きな子であれば、
秀幸は何も文句を言うつもりはないし、
変な目で見ることはしないー。

秀幸自身、”趣味は人それぞれ”で、
他人に迷惑をかけるような趣味でなければ、
どんな趣味を持っていようと、
それは個人の自由だと、そう考えているからだー。

しかしーー
”急に”こんな風に部屋の様子が変わったことには
強い違和感を感じるー。

そう思いつつ、美香がいつも手にしている
謎のキャンドル入りケースのようなものを確認するー。

まるで”カンテラを持って歩く老婆”のように、
トイレやお風呂の時以外、常にそれを持ち歩いている美香ー。

しかも、部屋の中から
このケースのことを”美香”と呼び、話しかけているような、
美香の声が聞こえるのだー。

「ーーー……ーー」
秀幸は、そのケースを見つめるー。

そしてーーー
意を決して言葉を口にするー

「ーー美香?」
とー。

そんなことあるはずがないー。
そう思いつつも、今の美香がこのキャンドル入りの不気味なケースを
”美香”と呼んでいることにとても強い違和感を抱きー、
そう語り掛けたー。

すると、キャンドルの炎が不気味に揺れたー。

あまりにも不自然にー、
揺れるー。

「ーーーー…美香なのか?」
不安そうな表情を浮かべながら、秀幸がさらにそんな言葉を口にすると、
キャンドルがゆらゆらと揺れるー。

まるで”助け”を求めるかのようにー。

しかも、”よく見ると”
そのキャンドルの光は、炎などではなく、
まるで人魂のように、不気味なーーー

「ーーーーあら」

その時だったー。
背後から”美香”の声がしたー

「ーー!?」
思ったよりも早く、美香がトイレから戻ってきてしまい、
勝手に部屋に侵入したことに気付かれてしまったー。

「ーーわたしの部屋に勝手に入るだなんてー…」
美香はそう言葉を口にすると、
睨むようにして、鋭い口調で言ったー。

「ーー悪い子ー…」
とー。

「ーーーー…」
秀幸は意を決して言うー。

「ーー雪田 麗子なのかー?」
とー。

「ーーーー」
美香は答えないー。

「ーー雪田 麗子なんだなー!?」
とー。

「ーーーふふ」
美香は少しだけ笑うと、
「わたしは、美香ー… かわいいかわいい美香ー」と、
うっとりとした表情を浮かべるー。

「ーーふ、ふ、ふざけるなー…!
 美香は自分のこと、そんな風に言わないー!」
秀幸はそう叫ぶー。

美香が自分のことを”かわいい”と思っていたかどうかは
分からないー。
しかし、たとえ彼氏相手であっても、
自分のことを”かわいいかわいい美香”などというほど、
美香は己惚れてはいないー。

「ーーーー”これからのわたし”は言うのー。」
美香はそれだけ言うと、キャンドル入りのケースを手にして、
秀幸に”部屋から出ていくように”促すー。

「ーー栄吉のこともーー…お前がーー!」
秀幸が親友の栄吉のことを口にすると、
美香は秀幸のほうを見つめながら、
言葉を口にしたー

「ーー”憑依”ー」
とー。

「ーー憑依?」
栄吉のことは答えず、そう言葉を口にした美香ー。

そして、美香は、
「ーあなたの大事な人の魂はーこの中ー」と、
キャンドル入りのケースを指差しながら、不気味な笑みを浮かべたー。

「ーや…やっぱりお前は、美香じゃないんだなー!?」
秀幸がそう叫ぶー。

しかし、美香はクスクスと笑いながら
「わたしは美香よー」と、それだけ言葉を口にすると、
「早く、人の部屋から出て行ってもらえるー?」と、
それだけ言葉を口にするー。

困惑した表情を浮かべる秀幸ー。
上手く会話が成立しないー。

こちらが問い詰めても、なんだかふわふわした感じで
躱されてしまうー

「ーーもう一度だけ聞くー。お前は”雪田 麗子”だなー?」
秀幸がそう確認すると、
美香は「ーーわたしは美香よー。見て分かるでしょ?」と、
自分の容姿を自慢するかのように微笑むと、
それ以上は答えなかったー。

「ーー…ーー…美香は絶対に俺が助けるー」
秀幸はそれだけ言葉を口にすると、
彼女の美香が乗り移られてー…
本人が言うには”憑依”されていることを確信し、
何とかして助け出そうと動き始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”雪田 麗子を追いつめるには、
 とにかく決定的な証拠を付きつけないとー”

そう思いつつ、秀幸は大学内で色々調べを進めると同時に、
美香の持つ”謎のケース”についても調べようとするー。

そしてーー
秀幸は”オカルト系のサークル”に美香と一緒に所属していた子を
見つけることができたー。

美香が所属していたオカルト系のサークルは数名しか
所属している人間がおらず、
しかも閉鎖的なサークルであったために、誰が美香と一緒に
活動しているのか、調べるのに時間がかかったのだー。

「ーー乗り移りー?」
美香と同じく、オカルト系サークルに所属していた岸島 佳代(きしじま かよ)は、
首を傾げるーー。

「そういうー…他人に乗り移るみたいなこと、サークル内でやっていたかどうか、
 知りたくてー」
秀幸が言うと、佳代はしばらく考えてから
「そういうことは一度もー」と、そう言葉を口にするー。

さらに詳しく確認するも、
佳代は「わたしはやってないし、聞いたこともないー。
麗子ちゃんもそういうことをやってるのは、わたしは見たことないー」と、
それだけ言葉を口にしたー。

「ーーーーー」
佳代と別れたあと、秀幸は困惑の表情を浮かべながら
消えた親友・栄吉の言葉を思い出すー。

”「いやー…別になんかあったとかじゃなくて、
 ”自分の身を幽体に変換して、他の人の身体に乗り移る術”
 みたいな練習をしてたらしくてさー…」”

栄吉は確かにそう言っていたー。

しかし、同じオカルト系のサークルに所属している佳代は
そんなことしたこともないし、見たこともないと言っていたー。

可愛い子や容姿の整った子にコンプレックスを持っていたという麗子のことを
指摘しても、佳代は”確かにそれはそうだけど”とした上で
”そんな術の練習をしたことはないと思う”と、そう繰り返したー。

さらに、佳代以外のもう一人のメンバーにも確認したところ、
その答えはほぼ同じだったー。

「ーーーー」
秀幸は帰宅すると、不敵に微笑む美香の姿を見つめるー。

「ーーー…ねぇ、わたし、可愛いでしょー?」
美香は嬉しそうに自分の容姿を自慢するー。

まるでお姫様のような自分の姿を、
誇らしげに自慢してくるー。

「ーーーー何が目的だー?どうしてこんなことをー」
秀幸が、美香に対してそう言い放つも、
美香は笑うだけで何も答えないー。

「ーーくそっー」
部屋に戻っていく美香ー。

秀幸は表情を歪めながらも、
力づくで”謎のケース”を奪い取るかどうか、考え始めるー。

あの中に”美香本人”の魂があるのであれば、
あれを奪い取ればーー…
美香を元に戻す方法があるかもしれないー。

とー。

しかし、キャンドル入りの謎のケースを奪い取ったあとの
”憑依された美香”の行動が不安だったー。

もし、本当に雪田 麗子が美香に憑依しているのだとすれば、
美香の身体が人質に取られているも同然だー。

逆上した”憑依された美香”が自らを傷つけたり、
とんでもない行動に出る可能性があるー。

やはり、謎のケースだけを奪い取って、
解決させようとするのは、リスクが高いー。
憑依された美香ごと、何とかして追いつめて
彼女から事情を聴き出して解決させるしかないー。

秀幸はそう思いつつ、さらに調べを続けていくー。

そんなある日のことだったー。

秀幸が大学内で”美香が持つ謎のケース”の情報収集と
消えた親友の栄吉、そしてオカルトサークルに所属していた麗子の
情報を集めていた際に、一人の男子が言葉を口にしたー。

「ーーーそういえばさーー…
 栄吉のやつ、スマホで”憑依”とか、訳の分からないこと
 調べててさー」

とー。

「ーーーえ?」
困惑の表情を浮かべる秀幸ー。

栄吉にも秀幸にも、当然互いに別々の友人は存在するー。
栄吉の友人だった一人が、そんな言葉を口にすると、
栄吉が一人でニヤニヤしながらスマホを見ていたから、
背後からこっそり近付いたら”憑依”について、
栄吉が調べていたのだというー。

「ーーそれって本当かー?」
秀幸が確認すると、「あぁ、間違いない」と、
栄吉の友人は、自分の見たものに自信があるような様子で
そう言葉を口にするー。

「ーーーーー」
秀幸は困惑するー。

栄吉がどうして”憑依”などという単語を調べていたのだろうかー。

いやー、でもー、
オカルトサークルの雪田 麗子の”乗り移りの術”の邪魔をしてしまって、
その関連で不安になって調べていたのかもしれないー。

がーー

「ーー栄吉は、ニヤニヤしてたのかー?」
秀幸は再度確認するー。

”不安になって調べていた”なら、ニヤニヤしているのはおかしい気がするー。

すると、その友人は
「すげぇ嬉しそうに笑ってたよー」と、そう返事をしたー。

「ーーーーー」
秀幸はさらに調べを進めるー。

そしてーーー

以前、栄吉と雪田 麗子の間に”トラブル”が起きていたことも分かったー。

秀幸は、ある不安を抱きながらーー
”新たな推理”を頭の中で完成させ始めていたー

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

次回が最終回デス~!!

憑依の真相と、
憑依された彼女を待ち受ける運命を
ぜひ見届けて下さいネ~!!!

今日もありがとうございました~★!

コメント

  1. TSマニア より:

    スゴい展開になってきましたっ!?

    奥深いですネ!?

    今回はこのまま…ダークな展開…

    憑依から救えるのは難しいですネ汗

    オカルトサークルに入って

    乗り移りの術をマスターして…自分のカラダから幽体離脱して…

    こっそり無名さんに憑依しちゃうのデス~(*´艸`)笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~!☆

      ダークな展開一直線…★のオーラを感じちゃいますネ~!!!

      わわっ!?
      憑依される日をぶるぶるしながら待ってます~笑