<憑依>あなたの大事な人の魂はこの中よ①~異変~

ある日を境に、彼女が突然豹変したー。

そんな彼女を問い詰めた彼は、
彼女から衝撃的な言葉を聞かされることにー…

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「ーー今日は俺の方が早く帰ると思うから
 帰りにスーパーに寄っておくよー」

男子大学生の溝口 秀幸(みぞぐち ひでゆき)が
そう言葉を口にすると、
秀幸の隣にいる女子大生ー、
藤堂 美香(とうどう みか)が
「あ、うんー、ごめんねー。秀幸も忙しいのにー」と、
少し申し訳なさそうに言葉を口にするー。

「はは、いいさー」
秀幸は何も気にしていない、と言わんばかりに笑顔で答えると、
「ーあ、そうだー。何か必要なものがあれば買っておくけどー」と、
そんな確認の言葉を口にするー。

「ーう~ん…と、それなら、確かマーガリンがもうすぐなくなるのとー、
 あとはー」
と、必要なものを頭に思い浮かべながら、美香がそう言葉を口にするー。

「ーーーよし、オッケー。分かったー。」
秀幸は、スマホに”美香から頼まれたもの”をしっかりとメモしておくと
少し得意気にそう言葉を口にしながら、
「じゃあ、またあとでー」と、いったん美香と別れて、
そのまま次に受ける授業の場所へと向かおうとするー。

秀幸と美香は、小さい頃からお互いを知る幼馴染で、
高校は別々であったものの、
その間も連絡を取り続けていたり、一緒に遊んだ梨する間柄だったー。
高校時代に恋人同士となり、
大学が同じだと知った二人は、互いに相談した上で家賃を半分ずつ
支払う形で、同居を始めて、今に至っているー。

お互いに相手の両親のこともよく知っていて、
二人が同居することには、秀幸の両親も美香の両親も
それぞれ”賛成”している状態だったー。

「ーーーー藤堂さんとお前、本当に夫婦みたいだよなー」
先程の会話を見ていた、秀幸の親友・柴田 栄吉(しばた えいきち)が、
そう言葉を口にすると、
「ーははー。まだ結婚はしていないしー」と、秀幸は笑うー。

「ーいやいや、もう事実婚みたいなもんだろー
 それに、どのみち結婚するんだろー?」
栄吉がそう言うと、秀幸は照れ臭そうにしながら、
「ま…まぁ、そりゃあ…」と、それだけ言葉を口にするー。

「へへへ、照れやがってー」
揶揄うように言葉を口にする栄吉ー。

そして、二人は雑談しながら次の授業が行われる場所へと向かうー。

そんな中、栄吉がふと言葉を口にしたー

「そういや、オカルトの研究ばっかしてるサークル知ってるかー?」
とー。

「ーーん??いやー」
そんなサークルの存在自体、あまり知らなかった秀幸が
そんな反応をすると、栄吉は少し気味わるそうな表情を
浮かべながら答えたー。

「ーいや、俺さー、この前、そのサークルの部屋の前
 通ったんだけどさー…
 その部屋から、不気味な奇声が聞こえてきてー…
 何かあったのかと思って、部屋の扉を開けたんだよー」

栄吉がそこまで言うと、秀幸は「それで?」と
続きを促すー。

「そしたらさー、中に
 そこのサークルにいる、雪田(ゆきた)って女がいてー、
 変な蝋燭を立てたりして、一人で奇声を上げてたんだよー」

栄吉のそんな言葉に、秀幸は「ははー…」と苦笑いすると、
「ーーえ…?それで、どうして奇声をー?」と、言うと、
栄吉は「いやー…別になんかあったとかじゃなくて、
”自分の身を幽体に変換して、他の人の身体に乗り移る術”
みたいな練習をしてたらしくてさー…」と、心底”気持ち悪い”と
言いたげな表情を浮かべつつ、そう説明するー。

「ーーーな、なんだよそれー…そんなこと、できるわけないだろー…?」
秀幸が戸惑いながら言うと、
栄吉は「俺もそう思うんだけどさー」としたうえで、
奇声が聞こえて心配になって扉を開けた栄吉は
”練習の邪魔をした”とかで、その女子生徒、雪田 麗子(ゆきた れいこ)に
怒られてしまったのだと言うー。

「ーーー俺、なんかされるんじゃないかって思って気味悪くてさ」
栄吉は愚痴るようにして言葉を口にするー。

雪田 麗子は、自分の容姿に強いコンプレックスがあり、
”可愛い子の身体を奪いたい”とか、そんなことを周囲に漏らしているらしいー。

そんな話をした栄吉は、少しだけ笑うと、
「もしー、もしもさ、俺に何かあったり、消えたりしたらー…
 雪田になんかされたって思ってくれよなー」と、半分冗談めいた口調で
そう言葉を口にするー。

「ーおいおい、縁起でもないこと言うなよ」
秀幸は少し戸惑った表情でそう言葉を口にすると、
栄吉は「ははー悪い悪い」と、そんな言葉を口にしたー。

しかしーーー
その1週間後ーー。

栄吉は”消えた”ー

大学に来なくなり、連絡をしても、
連絡がつかなくなってしまったー

「くそっーどういうことなんだー…?」
秀幸は戸惑うー。
昨日まで、栄吉は普通に大学に来ていて
何も変わった様子はなかったー。

そしてー、
そんな秀幸の中には
先週、栄吉から言われた言葉が何度も何度も
繰り返し再生されていたー

”「もしー、もしもさ、俺に何かあったり、消えたりしたらー…
 雪田になんかされたって思ってくれよなー」”

「ーーう、嘘だろ…?」

オカルト系のサークルに所属する雪田 麗子ー。

秀幸は直接的に接点はないものの、
その子の存在自体は知っているー。

まさかとは思いつつも、”雪田 麗子”に一応話を聞こうと、
「雪田さんは、今日来てるー?」と、麗子と同じ学部にいる子に
確認をしに行くー。

がーー”雪田 麗子”も、今日は大学にやってきていないようだったー。

「ーーーくそっ…いったい何がどうなってー…?」
秀幸は戸惑いつつも、
雪田 麗子が、栄吉に何かしたという確証も持てず、
警察や大学に相談することもできずにいたー。

そしてーーーー

”もう一つ”秀幸を戸惑わせる事態が起きたー。

帰宅すると、同居している彼女の美香が
まるでお姫様のような白い服を身に纏い、
キャンドルの入ったケースを手に、
不気味な笑みを浮かべながら、玄関にやってきたのだー

「ーーみ、美香ー?」
戸惑う秀幸ー。

「ーふふーおかえりー」
美香は不気味な笑みを浮かべながらそう言葉を口にすると、
いつもの美香と全然違う雰囲気に戸惑いながら
「な、何かあったのかー?」と、秀幸はそう言葉を口にするー。

しかし、美香は「ふふふー」と、笑みを浮かべながら
そのままゆっくりと自分の部屋に向かって行くと、
そのまま部屋の中に引き籠ってしまったー。

「ーみ、美香ー…?」
いつもとは全然違う美香の振る舞いと格好に戸惑うー。

メイクの雰囲気も違っていて、何か”おかしな雰囲気”を感じさせるー。

そしてー、
その”違和感”は時間の経過と共に
確かな”確信”へと変わっていくー。

美香は、一向に部屋の中から出て来ず、
いつも、秀幸と一緒にいることが多い美香が、
部屋にずっと籠りっぱなしだったー。

しかも、晩御飯の時間になっても部屋から出て来ず、
美香の部屋からは時々笑い声が聞こえて来るー。

さらには、夜になると喘ぐような声まで聞こえてきて、
”最高♡…”と、興奮しきったようなー、
聞いたこともない美香の声が部屋から聞えてきたー。

「ーーーいったい、どうなってるんだー」
戸惑う秀幸ー。
親友の栄吉とも連絡が取れない状況の上に、
同居している彼女の美香までおかしくなってしまったー。

そう思いつつ、秀幸は意を決して、部屋をノックすると、
”何か用なのー?”と、美香のそんな声が聞こえて来たー。

「い、いやー…そのー…晩御飯も食べなくて大丈夫なのかなーって」
秀幸が戸惑いながらそんな言葉を吐き出すー。

しかし、美香は”ふふふー大丈夫よ。ありがとうー”と、
いつもと違う、お姉さんのような口調でそう言葉を口にしたー。

”やはり、何かがおかしい”ー
そう思わずにはいられないー

そしてー、ふと、
”美香”が持っているキャンドルが入ったケースのようなものを見つめるー。

まるで、”カンテラ”を持っているかのような感じで、
ずっと、それを持っている美香ー。

「ー美香ーそれは…?」
不安に思った秀幸が、美香に対して”それは何?”と確認すると、
美香は「ふふー」と笑うだけで、それ以上は何も答えなかったー。

「ーーーーーー」
困惑した様子で美香のほうを見つめる秀幸ー。

やがて、美香は
「ーまだ何か、用でもあるのかしらー?」と、
そう言葉を口にすると、
秀幸は「いやー…」と、そう戸惑いながら
「ーじ、邪魔してごめんー。じゃー」と、そのまま美香の部屋から外に出て、
ため息を吐き出したー。

”ーー絶対におかしいー”
部屋の外に出た秀幸は、そんな風に思うー。

”美香”と話をしているはずなのに、
”美香”じゃない誰かと話をしているような、
そんな感覚に陥ってしまったー。

確かに、美香の顔、美香の声、美香の身体で
あることは間違いないー。

けれどー…
雰囲気も仕草も、話し方も、美香じゃないような気がするー。

”ふふふふふふー…ふふふふふふふふふ♡”
美香の部屋の中から、奇妙な笑い声が聞こえて来るー。

いつもの美香の笑い方と明らかに違うー。

「ーーどうしちゃったんだー…美香ー…」
そんな言葉を吐き出しつつも、結局、その日美香は
お風呂とトイレ以外、部屋からほとんど出て来ずに、
お風呂に入ったときも、妙にお風呂が長く、
心配して外から声を掛けに行った際にも
”わたしー…綺麗♡”などと、奇妙な言葉を
口走っているのが聞こえたー。

膨らみ続ける秀幸の中の不安ー。
けれど、その日はそれ以上、どうすることもできなかったー。

翌日以降もー
美香の様子はおかしかったー。

まるで、お姫様のような格好を好むようになり、
その格好で大学にまで足を運ぶー。

周囲からも”美香の違和感”を心配されてしまうほどー。

そして、親友の栄吉は相変らず行方不明のままで、
栄吉が不気味がっていたオカルト系サークルに所属する
女子大生・雪田 麗子も大学にやってこないままだったー。

そんな中、秀幸は”ふと”あることを思い出すー。

それはー

”「”自分の身を幽体に変換して、他の人の身体に乗り移る術”
みたいな練習をしてたらしくてさー…」”

と、いう栄吉の言葉だったー。

「ーーー…いや、まさかなー…
 そんなことできるわけがー…」

雪田 麗子が、美香に乗り移ったのではないかー。
そんな風に、秀幸は考えてしまったー。

あり得ないー
人が、人に乗り移るなんて絶対にできるはずがないー。
頭の中ではそう思いつつも、
最近の美香の様子から、”もしかしたらー”と、思ってしまうー。

美香の姿をしているだけでー、
全く”美香”に思えないのだー。

言動もー、振る舞いもー、表情もー、
そのすべてがー。

秀幸に対しても、全く興味の無さそうな振る舞いを続ける美香ー。
昨日は”俺…何か悪いことしちゃったかなー?”と、そんな風に確認したものの
美香はクスクス笑いながら「別に、何もないわー」と、
そんな答えを口にするだけだったー。

日に日に違和感を強めていく秀幸ー。
もしも、美香が”雪田 麗子”に乗り移られているのであれば、
早く助けないといけないー。

そんなことを思いつつ、秀幸は色々と自分自身で”調べる”ことにしたー。

美香の異変の原因をー、
親友の栄吉の行方をー、
そしてオカルトサークルに所属していた雪田 麗子をー。

色々調べていくうちに、秀幸は、それぞれの方面で
いくつかのことが分かったー

まずは親友の栄吉ー。
栄吉の友人の一人から、”栄吉のSNS”を教えてもらった秀幸ー。
あまり近しい人のSNSを見たりはしない秀幸は栄吉のSNSを知らなかったものの、
栄吉は消える前日に”ヤバい女から連絡がきた”と、そう発言していたのだと言うー。
実際に、それも確認することができたー。
ヤバい女=雪田 麗子のことかもしれないー。

一方、オカルト系サークルに所属していて、栄吉同様に消息不明の
雪田 麗子についても、色々聞いて回ったー。
が、確かに麗子はオカルト系サークルに所属していて、不気味がられていたものの
”乗り移る術の練習”などをしている光景を見たという者はいなかったー。

そしてー、美香ー。
美香は、持っているキャンドル入りの謎のケースに
一人でブツブツ話しかけていることが多いことが分かったー

しかも、その内容はーーー
”美香”に語り掛けるようなー、不気味な内容であることもー。

”美香”が、”キャンドル入りのケースに向かって”
”美香に話しかけるような内容”の言葉を口にしているのだー。

それらを知った秀幸は只々困惑しー、
”やはり何かが起きている”と確信せざるを得なかったー。

②へ続く

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コメント

今日は猫の日…!
でも、猫は登場しませんでした~☆笑

急に身近な人が憑依されちゃうと大変ですネ~!
続きはまた明日デス~!!

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