目の前で同居中の彼女が”皮”にされて乗っ取られたー。
乗っ取られた彼女を前に、
何とか彼は、彼女を取り戻そうとするも…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーただいまぁ♡」
連日、遊び歩いている遥香が帰宅したー。
”乗っ取られた遥香”は、大学にも行かず、
遊び歩いているー。
バイトはしているものの、
”元々の”遥香がしていたバイトはとっくに辞めて、
今ではメイドカフェでバイトをして、楽しんでいるようだー。
そんな状況をー
同居している彼氏の輝之も黙ってみていたわけではなかったー。
何度も何度も、遥香を助けようとしたー。
しかし、その悉くで失敗してしまっていたー。
「ーーおいー…顔色が悪いぞー」
輝之がそう言葉を口にすると、
遥香は「毎日遊び歩いてるからねぇ~ふふふふ」と、
笑みを浮かべながら、煙草を取り出すー。
「ーおいっ!!!遥香の身体で吸うなって言っただろ!
遥香は喫煙者じゃないんだから!」
輝之が叫ぶも、遥香はそれを無視するー。
「ー”この身体が病気になろうと”関係ないしー」
とー。
「ーーふざけやがってーー…!」
怒りを滲ませる輝之ー。
遥香を乗っ取った男はー、
”乗っ取った身体”のことなど、まるで道具のようにしか考えていないー。
これまでもー、ずっとそうしてきたー。
乗っ取った身体は”一時的な洋服”のようなものー。
洋服は着て、着て、着てーー
ダメになったら捨てるー。
彼にとって、”皮にして乗っ取った人間”はそれだけのものー
顔色があまり良くないまま、ニヤニヤと笑う遥香を見て、
輝之はさらに怒りを滲ませるー。
「ーそれにしてもさ~、”わたし”の喘ぎ声ってエロイよねぇ~へへへー
今日もいい声いっぱい出しちゃってさぁ」
遥香の言葉に、輝之は震えながら、
怒りで顔を赤らめつつ、拳を震わせるー。
「ーおいおいおいー
もう無駄だってことは、散々理解しただろー?
”俺が飽きるまで”この女は俺に使われ続けるんだー
警察も、家族も、友達も、誰も役に立たなかっただろ?」
遥香のその言葉に、輝之は表情を歪めるー。
「ーそれとも、”わたし”をここから追い出してみる?
ふふっー
それならそれでわたしは構わないけど?」
遥香を助けることもー、
追い出すこともできないー。
遥香を乗っ取った男は、”そういう状況になるであろう”やつを
狙って乗っ取っているー。
”同居人”が、優しくてー、
”乗っ取られた彼女”や、”妻”や”妹”や”姉”ー…
そういった存在を捨てられないような人を選んで乗っ取っているー。
「ーーくくくくくくっー
輝之に”遥香”を捨てることはできないもんねー?
わたしがどんなに嫌な女になってもー」
ニヤニヤと笑う遥香ー。
「ーーー”お前はわたしが壊れていく”のを
見続けることしかできないもんねー」
遥香が乗っ取られてから既に”半年”ー
取り返しのつかない状況を前に、輝之は
悔しそうな表情を浮かべるー。
顔色が明らかに悪くなっているのに、嬉しそうに笑っている遥香ー。
大学も退学になり、バイトも辞めさせられー、
散々男遊びをしてー、女同士でも遊んでー、
遥香はもう、遥香じゃなくなってしまったー。
「ーーへへへー…”俺”のことが憎いか?憎いだろー?
いくら憎んでくれたって構わないぜー?
どうせ、お前にゃ何もできないんだからー
いいや、お前だけじゃないー
今までのやつらだってそうだったー」
遥香はそう言いながら、輝之の耳元で囁くー。
”人を皮にする力の前では、誰だって無力”
とー。
「ーーー…ふ、ふざけるなああああ!」
輝之は、怒りを露わにして、
遥香の頭に掴みかかるー。
”中身”を無理やりあぶり出そうとしたー。
けれどーー
「きゃ~~~~!って叫んじゃうよ?いいのかなぁ?」
遥香はいつものように、脅すような口調で言うー。
「ーーも、もう、その手に乗るものか!」
ギリギリまで精神的にも追い詰められていた輝之はそう叫ぶー。
がーー
その時だったー
ベリッーーー…
イヤな音がしたー。
「ーー!?」
輝之が驚くと同時に、”遥香”の頭がめくれてー、
中から”男”が姿を現すー。
「ーー…!!!!」
半年前ー、”遥香”を皮にして乗っ取った男だーー
そのまま遥香の上半身を”脱ぐ”と、
男は笑みを浮かべながら、
「ーーお前さぁ、今まで何度か”俺”を無理やり外に出そうとしたけど、
”このあと”どうするつもりなんだよ?」
と、そう言葉を口にするー。
「ーー…な、なにっ…?」
震える輝之ー。
”皮”になった状態の遥香が、無言で床に横たわっているー。
まるで、”脱ぎ捨てられたキャラクターの着ぐるみ”のようにー。
そんな遥香の”残骸”とも言える状態を見つめながら、
輝之は困惑の表情を浮かべると、
「ほら、どうするんだよー。お前の彼女の無様な姿ー」
と、ニヤニヤしながら男は言うー。
「ー俺を殺したいほど憎んでるんだろ?
殺したきゃ殺せばいいー。
でも、お前の彼女はペラペラのままだけどなぁ!はははっ!」
男が笑うー。
「ーーぐ…は、遥香ー…くそっ!目を覚ましてくれー」
”皮”になったままの遥香を見つめながら目に涙を浮かべるー。
「ーへへーこれで分かっただろ?
何をしても無駄ー。何もかも無駄ー。
俺がその気になってお前の彼女を解放するまでー
お前は何もできやしないー」
男が邪悪な笑みを浮かべながら、遥香の皮を掴むー。
「ーー……ふざけるなー…
どうせ、お前が飽きたら、遥香を”皮”のまま放置して
消えるつもりだろー…?」
輝之がそう言い放つー。
が、男は遥香の皮を身に着けると、笑みを浮かべながら言うー。
「ーそれはしないさー。
”皮のまま”放置したらー、
万が一にも、”彼女が皮にされました”ってお前が叫んだら
信じるやつもいるかもしれねぇー
だから、俺が飽きたらお前の彼女は元に戻してやるよー
そのあと、どうなるかは俺の知ったことじゃねぇがなー」
遥香の声でそう言葉を口にすると、
「ーそういやー、”お前と”遊んだことなかったなぁ?」と、
ニヤニヤしながら、遥香が顔を近づけて来るー。
「ー”わたし”とするー?」
邪悪な笑みを浮かべる遥香ー。
「ふざけるなー…」
輝之はそう言葉を口にすると、乗っ取られた遥香の誘惑から
逃げるようにして、その場から立ち去って行ったー
「ククククー
せいぜい苦しめー
俺はもう少しの間、この女の身体で遊ばせてもらうからよー」
遥香はそう言葉を口にすると、ニヤリと笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーおい」
それからさらに、時が流れたー。
ボサボサの髪の遥香が、輝之の部屋に入って来ると、
輝之に対して言ったー。
「ーーそろそろこの女、解放してやるぜー
俺はまた、”次”のおもちゃで遊ぶことにするからさー」
遥香はそう言うと、自分を指差しながら笑うー
「ーわたしさぁ~”妊娠”しちゃったんだよねぇ~
誰の子供かも分からないけど!あははははっ!」
遥香は笑みを浮かべながら言うと、
「ー気付いたあともしばらく遊んでたけど、もうそろそろ限界だしー、
こいつの身体はいいかなぁって」
と、そう言葉を口にするー。
「ーーーーーー」
ここ最近は、精神的におかしくなってしまったのか、
輝之は”ほとんど”無反応だったー。
「ーーへへへーなんだよ、”わたし”が知らない男と
妊娠しても無反応なのかぁ?」
遥香がクスクスと笑いながら言うー。
しかし、それでも輝之は反応しないー。
そんな様子を見た遥香は「ケッ」と、笑うと、
そのまま遥香を脱ぎ始めるー。
「ーーーーー」
輝之はそんな様子を呆然とした表情のまま見つめるー。
「ーーククー約束通りこいつの”皮”は返してやるぜー。
もちろん、人間に戻してやるよー。
心配するなー」
ニヤニヤしながら男が言うー。
脱ぎ捨てられた遥香は、ニヤニヤしたまま、
ペラペラの皮になっているー。
脱がれた人間は、脱がれた時に浮かべていた表情のまま、
微動だにしないー。
着ぐるみのような状態となって、只々、意思なく
その場に横たわり続けるー。
「ーーーーーーー」
そんな様子にも、無反応な輝之ー。
「ケッー。壊れちまったかー。
ま、なかなかお前の反応にも楽しませてもらったぜ」
そう言葉を口にしながら、男は少しずつ後ずさるー。
玄関の方まで下がっていくと、
”脱ぎ捨てた遥香”を手に、笑みを浮かべるー。
「ーー俺を殺したいほど憎んでるだろ?
でも、俺を殺したらこの女は元には戻れないー。
分かるな?」
男はそう言葉を口にすると、
玄関の扉の鍵を開けてから、遥香の皮を手にするー。
「ーーーー」
輝之は、それでも黙り込んだままー。
男はいつも”解放”するときには気を遣っているー。
判断を間違えれば、
大切な人を奪われた人間が、殺す気で襲い掛かって来るかもしれないからだー。
”ーーま、コイツの場合、心配する必要は無さそうだなー
彼女を好き放題されて、完全に壊れちまったー”
遥香を乗っ取っていた男は、そう心の中で呟くと、
笑みを浮かべながら、
遥香に手をかざすと、はめていた指輪が光り出すー。
”皮”になっていた遥香がみるみるうちに元に戻っていくー。
「ーーーーーーー」
目に涙を浮かべたまま、輝之はそのまま座り込んだ状態ー。
遥香を完全に人間に戻し終えると、
男は「じゃあなー!あとは好きにしな!はははっ!」と、
そう言葉を口にしてから、人間に戻った遥香の身体を
蹴り飛ばして、輝之の方に転がしー、
そのまま逃げ去っていくー。
”クククククーーー…
今回も十分楽しめたぜー…
今回はJDで楽しんだから、次はJKでも探すかなー
へへへへへー”
遥香を乗っ取っていた男ー…
人を皮にする力を悪用して悪事の限りを尽くす
山路 栄介(やまじ えいすけ)は、笑みを浮かべると
”次”のターゲットを探すため、闇の中へと姿を消したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーー遥香ーー」
意識を失っている状態の遥香に近付く輝之ー。
乗っ取られる前とは、何もかも変わってしまった状況ー。
やがて、遥香が少しずつ目を開き、意識を取り戻すと、
「ーーて……輝之ー……わ、わたしー…?」と、
震えながら言葉を口にするー。
遥香からすればー
”宅配便を装って家に入り込んできた見知らぬ男”に
押さえ込まれて何かをされたのが最後の記憶ー。
乗っ取られている間の記憶は存在しないー。
「ーー遥香ー…」
輝之は、そう言葉を口にすると、
「ーー大丈夫ー。俺が絶対にこれからも遥香を守るからー」と、
優しく言葉を口にしてから、
「ーーだからーーー…できるだけ冷静に聞いてほしいー」と、
そう前置きをしてから、静かにこれまでのことを説明し始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー次のターゲットはこいつだー」
遥香を乗っ取っていた男・山路 栄介は笑みを浮かべながら、
スマホの写真を見つめるー。
次のターゲットはお金持ちのお嬢様・佐嶋 真綾(さじま まあや)ー。
母親は既に他界しており、娘を溺愛している父親と二人暮らしの
女子高生ー。
「ーーククククー今度はこいつの身体を着てーー」
そんなことを心の中で思いつつ、歩いていたその時だったー。
「ーー山路 栄介だなー?」
突然、男に取り囲まれた英介は驚きの表情を浮かべるー。
「ーーー…な、なんだー!?」
英介が声を上げると、
男が警察手帳を取り出し、それを英介に見せ付けたー。
「ー”得体の知れないその力”のことで聞きたいことがあるー」
「ーーなんだと…??」
英介が表情を歪めるー。
すると、取り囲んだ別の警官が言葉を口にするー。
「ー署までご同行願えますか?」
とー。
威圧するような態度の警察官たちー。
英介は驚いた表情を浮かべながらも
”逃げ場はない”と悟り、悔しそうにそのまま
警察官に従うのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”ーーあのクソ野郎ー、捕まったみたいだなー”
報告を受けた輝之は安堵のため息を吐き出すー。
輝之は、ずっと待っていたー。
彼女の遥香が”解放”されるその瞬間をー。
その場面を映像に記録して、”奴”を滅ぼす時をー。
”乗っ取られた遥香”の様子を映像に残しても意味がないー。
遥香が何を言わされていても、”遥香が乗っ取られている証明”は出来ないー。
警察も動かないだろうー。
そして、”途中”に、遥香の中から男が出てきた時の映像を残すことも
できなかったー。
確かに、それなら証拠にはなるかもしれないー。
しかし、”遥香が解放される前”に行動を起こせば、
遥香が殺されるかもしれないー。
何かされるかもしれないー。
だからー、”男が遥香を解放する”のをずっと待っていたー。
男の言動から、男は飽きれば遥香を解放すると、
それだけを信じて輝之はひたすら耐えたー。
精神的におかしくなったふりをして、耐えて、耐えて、耐えたー。
そして、遥香が解放されたあの日ー、
精神的に壊れたフリを続けながら、
小型のカメラで、”決定的瞬間”を録画したー。
男が遥香を脱いで、遥香を人間に戻すー。
そんな光景をー。
意識を取り戻した遥香に事情を説明ー、
警察に通報して、警察に証拠を提示ー、
警察とも相談した上で、遥香を病院に搬送ー、
警察は当然、最初は戸惑っていたものの
決定的証拠を前に、ついに動いてくれたー。
「ーーーー」
ふぅ、とため息を吐き出す輝之ー。
そして、今日も遥香が入院している病院に向かうー。
遥香はーーーーー
「ーーーー…ーーー」
遥香は、妊娠までさせられてしまって、
身体のあちこちを悪くしていたものの、
それでもー…”生きる希望”はまだ持っていてくれた。
「ーーごめんねー…こんなことになってー」
遥香がそう言葉を口にするー。
「一番辛いのは遥香だから、そんなこと心配しなくていいよー。」
輝之は穏やかに笑うと、
「ーーまだまだ色々大変だと思うけど、俺もできる限り力を貸すからー」と、
そんな言葉を口にしたー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
最終回でした~~!☆
彼女はボロボロになってしまいましたケド、
なんとか最悪の結末を回避…☆の、結末でした~!
(そのままバッドエンド直行になる作品もありますケド…笑)
お読み下さりありがとうございました!!☆

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