アイドルのイベントが原因で、
混雑に巻き込まれてしまったアイドル嫌いの男ー。
偶然、そのアイドル本人の姿を見かけた彼は
一言文句を言ってやろうと考えたもののー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーー~~~~~~…」
男は、苛立っていたー。
会社員の相馬 将輝(そうま しょうき)は、
仕事帰り、車を運転しながら
”いつもなら、この道にこんなに人がいることはないのに”と
思いながら、人混みの方を見つめるー。
大通りー、とは言えないようなその道は
普段は決して、こんなに人が集まることはなく、
車の通行量も少ないー。
しかし、今日に限って言えば、
どこを見ても人・人・人で、車の数も多く、
なかなか前に進まないー。
「ーったく、明日も残業だってのに
何なんだよこいつら」
将輝は苛立ちを露わにしながら、
イライラした様子でハンドルをトントンと指で叩き始めるー。
やがてー、イライラしながら人混みを観察していると、
通行人たちにある共通点があることに気付いたー。
同じ、アイドルを応援するような
そんなグッズを多くの人が持っているのだー。
「ーーー愛里(あいり)ー?」
将輝はイライラしながら、人混みの中の一人が
そう書かれた団扇を見つめるー。
「チッー。イベントか何かがこの辺にあるのかー」
将輝は、普段は混雑していないこの道が
混雑している理由を理解すると、
怒りの形相でハンドルを叩いたー。
しかしー、待っても待ってもなかなか進まないことに
ついにイライラも頂点に達した将輝は
「クソアイドルめー」と、呟きながら
近くの駐車場に車を止めて、
そのまま、この辺で夕食を済ませることにしたー。
「ーー…愛里ちゃんってマジでかわいいよな~」
「あぁー…へへへーこのあとの握手会も楽しみだなぁ」
ニヤニヤしながらそんな会話をしている男二人とすれ違うー。
「ーーーチッ」
将輝は不機嫌そうにため息をつくー。
彼は、アイドルが嫌いだったー。
今日は、明日から続く”残業3連続”を前に
早く家に帰ってゆっくりしようとしていたのに、これだー
「何が”愛里ちゃん”だー
この邪魔者どもめー」
まだ怒りが収まらない将輝は、
そんな言葉を口にしながら、近くのラーメン屋に入りー、
ラーメンを注文するー。
が、災難なことに
その店の店主は不愛想で、ラーメンもあまりおいしくなく、
しまいには「あんたも、アイドル目当てだろ?ったくー」などと、
勝手にアイドル目当て扱いされて、将輝はさらにイライラしながら
会計を済ませたー。
「ーあ~~~!くそっ!クソまずい醤油ラーメンに1000円も取られるなんて
やってられっか!」
そんな言葉を口にしながら、ようやく人混みが少し解消されたのを
確認すると、将輝はそのまま車を止めてある
駐車場の方に戻ろうと、商店街のような場所の一角にある階段を
登り始めたー。
がー、その時だったー。
階段の上側からアイドルの格好をした女が慌てて駆け下りてー…
いやー、途中から転がり落ちて来てー、
そのまま将輝の方に向かってくるー。
「ーーは!?!? え!?!? なんだよこれ!?」
まさかの出来事に声を上げる将輝ー。
しかし、転がり落ちて来たアイドルを避けきることが出来ず、
将輝はそのままアイドルに巻き込まれる形で階段から転落してしまったー。
「ーーっ…いててててー…」
幸い、大きな怪我をすることはなく、
気絶したりもしなかった将輝は不満そうに
「おい!どこ見て走ってんだ!危ないだろ!」と、
そう声を上げるー。
がーーー…
その声は”自分の声”ではなく”女の声”で
発されたー…。
「ーーーー…あ?」
将輝は、そう声を出すと、自分の身体を見つめるー。
自分が、アイドルの格好をしているー。
いや、それだけじゃないー。
髪が長くて、胸もあるー。
「ーーは????」
混乱しながら、将輝はスカートの上からアソコを触るー。
ーないー。
「ーーー…はっ!?!??! はぁあああああああああああ!?!?」
思わず、可愛い声を大にしてそう叫んでしまうー。
するとー、
すぐそばで、同じくこの状況に戸惑っていた
アイドルー…
いや、将輝の姿をしたアイドルが
「す、すみませんー…こ、これは、その一体ー?」と、
戸惑いの表情を浮かべるー。
「ーーあ…?お、俺が目の前に!?」
アイドルになってしまった将輝は、さらに戸惑いの表情を
浮かべると、その姿のまま
「おい!お、お前がアイドルの愛里とかいう女かー!?」と、
そう声を上げるー。
「ーーえ…!?あ、は、はいー…そ、そうですけどー」
将輝になったアイドルがそう答えるー。
どうやら、階段の上からダッシュしてきた挙句に転落、
将輝とぶつかって、入れ替わったアイドルは
将輝の苛立ちの元凶でもある、
この辺りでイベントをやっている最中のアイドル・愛里だったー。
アイドル嫌いの将輝でも、なんとなく顔は見たことがある気がするー。
将輝自身、アイドルに詳しくないため、名前と顔は一致しないが、
この愛里という子は、まぁ、それなりに人気はあるのだろうー。
「ーーくそっ…!お前が愛里かー…
いいか?俺は明日から3日間連続で残業で、
今日は早く帰って休もうと思ってたのに
お前のイベントのせいで、渋滞に巻き込まれて
仕方なくこの辺に車を止めて
まずいラーメンを食わされて、ようやく車に
帰ろうと思ったら、このざまだー
どうしてくれるんだよ…」
愛里になった将輝が不満をぶちまけるー。
将輝になった愛里は「す、すみませんー」と、
言いつつも、
「で…でも、ざ、残業とかラーメンとかはわたしのせいじゃ…」と、
戸惑い気味に言葉を口にするー。
「ーうるせぇ!アイドルはいいよな!
チヤホヤされてるだけの楽な商売で」
愛里(将輝)は、そう言い放つと
「こんな、おっさんたちをホイホイするような格好してー、
中身のねぇ言葉を並べてニコニコしてー。
で、ギャーギャー騒いで、俺より稼いでるんだから
やってられねぇよ」と、悪態をつくー。
その言葉に、将輝(愛里)は、
目に涙を浮かべながら震えるー。
「ーーー!」
まさか泣かれるとは思ってなかった愛里(将輝)は、
少しハッとした様子を見せながらも、
「ーーそ、そうやって、すぐ泣けばいいと思ってるー。」
と、そんな言葉を口にしたー。
ふん!と、顔をそむける愛里(将輝)ー
「ー早く、元に戻せよ」
愛里(将輝)は不満そうに腕組みをしたまま
そう呟くー。
がー、将輝になった愛里も、
別に”入れ替わり”を仕組んだわけではないー。
どうしてこうなってしまったのかは、愛里自身にも
分からず、愛里は困惑していたー。
「ーーそ…その、ごめんなさいー…
元に戻る方法は、わたしにはー…」
将輝(愛里)が不満そうにそう言うと、
「ーあぁ???」と、愛里(将輝)が声を上げるー。
「ご、ごめんなさいー…
わたしー…わたしー」
将輝(愛里)はついにその場で泣き出してしまうー。
「ーーあぁクソが!泣きてぇのは俺の方だよー」
愛里(将輝)は悪態をつきながらも、
”泣いている20代後半のサラリーマン”と”その近くで文句を言っているアイドル”
という異様な光景を前に、周囲の人々の視線を集めていることに
今になって気付くと、
少しだけ気まずそうに
「ーー俺の身体で泣くな。迷惑だ」と、それだけ言葉を口にするー。
「ーーー…す、すみませんー…で、でもー…」
将輝(愛里)の言葉に、
「あ~~~~!面倒くせぇな本当に!」と、そう言葉を口にすると、
「とにかく、こっちに来い!」と、そう言いながら、
人の視界に入らない路地裏の方に移動したー。
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路地裏に移動してからもまだ泣いている
将輝(愛里)を見て
愛里(将輝)はイライラした様子で
「ーーはぁ…いい加減泣き止めよー。
そういうのが面倒臭いんだよー
どうせウソ泣きだし」
と、髪を掻きむしるような仕草をしながら、
ため息をつくー。
「ーー嘘泣きじゃないですよぉ…!」
将輝(愛里)がそう言うと、
「じゃあなんなんだよー…いちいち面倒臭いな」
と、愛里(将輝)はさらにうんざりとした表情で、
将輝(愛里)を見つめたー。
アイドルの世界にもイヤな人はたくさんいるし、
厳しいことを言ってくる人もいるー。
SNSで叩かれることは日常茶飯事だし、
実際に対面するファンにもおかしなのはたくさんいる。
ファンだけではないー
アイドル仲間にも陰険な子はたくさんいるし、
スタッフや事務所の人間にも厳しいことを言ってくる人間、
セクハラをしてくる人まで、
色々な人間がいるー。
がー、初対面でここまでキツイことを連呼してくる
人間は、生まれて初めてだったかもしれないー。
「ーーわ…わたしのせいでこんなことになってごめんなさいー。
全部、わたしのせいなのは分かってるんですー」
将輝(愛里)がそう言うと、
愛里(将輝)は「じゃあ責任取って元に戻せよ」と、
そう言い放つー。
アイドルの身体になっても、ドキドキする素振りすら見せず、
当然、身体にもほとんど興味が無さそうな愛里(将輝)ー。
「ーーーーー…」
この入れ替わりは将輝(愛里)が仕組んだわけではないー。
本当に、”偶発的な”事故だー。
だからこそ、”元に戻せ”と言われても、
将輝(愛里)にできることなど、何もなかったー。
”元に戻す方法”が分からないのだからー。
「ーーチッー
どうせアイドルなんていつもチヤホヤされてるし、
甘やかされて育ったんだろ?
どいつもこいつも、アイドルなんて自分勝手な奴らばかりだー。
お前のせいでこんな状況になってるのに、
今度は黙り込むつもりか?
ふざけやがって」
愛里(将輝)がそう言い放ったその時だったー。
「ーーあ。いたいたー 愛里ちゃんー」
背後から声がして、振り返ると
路地裏に、少し特徴的な眼鏡をした男ー
マネージャーの柏木 優吾(かしわぎ ゆうご)が、姿を現したー
「ーーーーか、柏木さんー!」
将輝(愛里)がそう声を上げると、
マネージャーの優吾は「ん?誰、そっちのおっさんー」と、
愛里(将輝)を見て、そう言葉を口にしたー。
”おっさんー?俺はまだ20代だぞ!後半だけどー”
と、内心で思いながら愛里(将輝)は「あ???」と、
露骨に不機嫌そうな態度を取るー。
「ーあんたこそ誰だよー」
愛里(将輝)がそう言い放つと、雄吾は驚いた表情を浮かべるー。
「ーーーま、マネージャーの僕のことを忘れたのかい!?」
不満そうに声を上げる優吾ー。
そんな雄吾に対して、愛里(将輝)は
「ー俺はあんたのところのこの女のせいで、
階段を上ってたら急にぶつかられて、
その結果、身体が入れ替わっちまってこのざまだー。
どう責任を取ってくれるんだ?」と、
不満そうにそうぶちまけるー。
「ーー…な、なんだって…い、いれかわー…?」
マネージャーの優吾が戸惑うー。
「ーち、ちょっと…やめてください!」
将輝(愛里)が慌てて、
愛里(将輝)を止めようとするー。
「ーーだって、事実だろー。
他の人にも伝えた方が、元に戻る方法が分かるかもしれない」
愛里(将輝)が振り返りながらそう言うと、
将輝(愛里)は「ーで、でもー」と、戸惑いの表情を浮かべるー。
「ーーこの身体で俺がアイドルの身代わりなんか
死んでもやらないからなー。
でも、あんたらそれじゃ困るだろ?」
愛里(将輝)がそこまで言うと、
自分自身を指差しながら、言葉を続けるー。
「この女が売れてるアイドルなら、
このままじゃ困るはずだー。
だから、とっとと元に戻す方法を責任を取って
探してもらおうか」
愛里(将輝)のその言葉に、
将輝(愛里)はただ、戸惑うような表情を浮かべているー。
マネージャーの優吾は、少しだけ頷きながら
「なるほどー…そういうことねー」と、ブツブツ呟くー。
「ーったく、本当にアイドルってのは
迷惑な奴ばっかりだな!
いいからさっさと元に戻る方法を見つけろ!」
愛里(将輝)は、うんざりした様子で、
将輝(愛里)とマネージャーの優吾に対して言い放つと、
険しい表情を浮かべたまま、目を閉じたー。
”ーーごめんねー”
そんな、”言葉”を思い出すー
「ーークソがーー…」
愛里(将輝)は、その言葉を言い放った者の顔を
思い浮かべながら、今一度舌打ちをすると
目を開いて、二人の方を見つめるのだったー
②へ続く
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コメント
アイドルを毛嫌いする男と、アイドルの入れ替わりデス~!
明日以降、どんな風になっていくのか、
ぜひ見届けて下さいネ~!
今日はこの更新の前に
忘れていた大切な勇気という入れ替わりモノも投稿しています~!
(とある企画に参加した際に私が書いた新作デス~!)
初めて見る皆様も多いと思うので、新作気分でこちらも楽しんでくださいネ~!
今日もありがとうございました~!★!

コメント
アイドル嫌いとアイドルの入れ替わり、どんな展開になっていくのか楽しみですネ!♪
アイドルのかれんたんと入れ替わりたいのデス笑
かれんたんのスタイル抜群のカラダでミニスカ履いてオシャレしてカフェ巡りしてインスタにアップしたいのデス\(^o^)/笑
TSマニア様がアイドルと入れ替わったら…
相手のこともちゃんと大切にしてくれそうですネ~!☆!
ちょっとお楽しみもしそうですケド…★
基本的にはお家や車とかも綺麗にしてるし余計な物はあまり置かないほうてますね肌とかも日頃からケアしてるので綺麗なほうだと思います☆笑
かれんたんと入れ替わったら笑顔で握手会しますよ(*´艸`)笑
お仕事終わってかれんたんのお家に帰ったら、ちょっとお楽しみしちゃいますネ…きっと…\(^o^)/笑
カワイイ暴走で済む予定なのデス笑
明日の続き楽しみにしてますネ♪♪
笑~★
TSマニア様のアイドルの楽しみ方なのデス~!
は~い!★
明日(0時過ぎたのでもう今日になっちゃいましたケド笑)も
頑張ります~~~!☆