<MC>お前の妹にラバースーツを着てほしい②~妖艶~(完)

親友からのとんでもないお願いー。

しかも、そのお願いを妹は、
聞き入れてしまったー…!?

困惑する兄の運命はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

無表情のまま、ラバースーツに着替える絵美ー。

自分の服を躊躇なく脱ぎ捨てて、
伸介が用意したラバースーツを身に着けていくー。

当然、絵美は
ラバースーツなど一度も身に着けたことがないー。
そのためか、少し慣れない手つきで、時折、
上手くいかないような素振りを見せながらも、
絵美はラバースーツを身に着けたー。

「ーーーラバースーツを着ました」
絵美が、そう呟くー

部屋の外で待っていた伸介はドキドキしながら
「ありがとうっ!ありがとうっ!」と何度も呟いているー。

絵美の兄・光也は複雑そうな表情を浮かべながら、
部屋の中にいる絵美に呼びかけるー

「絵美~!無理しなくていいからな!
 こいつ、よくくだらない冗談とか言うやつだし、
 もう着替えていいからー」

”妹のラバースーツ姿を見たいか?”と言われれば、
光也は、何とも言えない感情を抱くー。

実の妹のそういう姿を見たいかどうか聞かれれば、
もちろん、首を縦に振る兄もいるだろうー。

しかし、光也のような、妹をそういう
イヤらしい目で一度も見たことがないような
真面目な兄はもちろん、
普段は下心丸出しのような兄であったとしても
”実の妹のそういう姿を見たいかどうか”と
言われると、意見は分かれると思うー。

”他の女性”と
”妹”は、違うのだー。

光也は、絵美のラバースーツ姿を見ることに
乗り気ではなかったー。

しかしー
ガチャっと、絵美の部屋の扉が開くー

絵美は、ラバースーツ姿のまま扉を開いたのだー

「ーーーえ、絵美ー」
黒く輝くラバースーツを身に着けた絵美に、
光也は着ている絵美以上に恥ずかしさを感じて
顔を赤らめてしまうー

「うほっ…す、すげぇ!」
伸介は目を輝かせながら
ラバースーツ姿の絵美を見つめるー

ラバースーツが絵美のスタイルの良さを
引き立てていてー、
年齢に似合わぬ妖艶な雰囲気を
醸し出しているー。

思わず伸介は「ーー…す、すげぇ…すげぇ」と
何度も何度も呟くー

そんな絵美に対して、
伸介はニヤニヤしながら
「ーちょ、ちょっと、ワガママ言っていいかな?」と言うと、
光也がすぐに口を挟むー

「おい!絵美に変なことさせるなよ!」

その言葉に、伸介は「わ、分かってるよ!」と、言うと、
「ほ、ほら、モデルさんみたいに色々なポーズを決めてみて
 欲しいな…って」と、絵美に”お願い”をしたー

「ーーはい…わかりました」
絵美は、すぐにそう返事をすると、
突然モデルのようなセクシーなポーズを取り始めるー

「ふぉぉぉぉぉぉぉっ!」
伸介は、まるで目の前にアイドルがいるかのように
嬉しそうにしているー

絵美がラバースーツ姿でポーズをとるのを見て、
光也は何となく目を逸らしてしまうー

恥ずかしいようなー
絵美が遠くに行ってしまうようなー
何とも言えない感覚を覚えるー。

絵美が、アソコのあたりに手を触れたり、
時々甘い声を出したりして、色々なポーズを
取り続けるー

やがてー
絵美は、ラバースーツの上から胸を少しだけ触ってから
クスッと挑発するような笑みを浮かべたー。

「ーーあぁぁぁぁ~~~~♡」
伸介は興奮した様子でそう叫ぶー

「すとっぷ!すとっぷ!」
光也は慌てて絵美を止めると、絵美はポーズをとるのをやめて
光也のほうを見つめたー

「ーも、もういいって!あんまやりすぎると、
 こいつ、調子に乗るからー」

それだけ言うと、伸介は「ちぇっ!」とだけ呟いてー
そのまま「本当にありがとうな、絵美ちゃん」と、
微笑むー。

絵美は「はいー…」とだけ答えると、
そのまま沈黙するー

「ーーえ…絵美?」
絵美の様子が何だかおかしいような気がしたー。

そう、まるで何かの術に操られているような、
そんな不気味な雰囲気に感じるー。

光也は「え…絵美…?」と不安そうに
絵美のほうを見つめるー

だが、絵美はまっすぐ壁のほうを見つめていて、
その視線は、光也のほうを全く向いていなかったー。

「ーー”こ…これやばくね…?”」
伸介は、ドキドキしながらも、内心そんな風に思っていたー。

”人のお願いを何でも聞いてくれるおまじない”
ネットで調べたそんなものを、伸介は
絵美に対して試したー。

ラバースーツを着てほしいとお願いする前に、
ボソボソと呟いた言葉が、それだー。

しかし、当然伸介もそんなものが、
受験の前の合格祈願と同じように、
実際のところ意味のないことだと、理解はしていたー。

合格祈願をしても、合格するときはするし、不合格になるときは
不合格になるー。
あくまでもあれは”精神的なプラス”を得るためのものであり、
合格祈願をすれば、魔法使いが合格率を上げてくれるわけでも、
神様が助けてくれるわけでもないー…
と、いうことは伸介も理解していた。

当然、光也の妹・絵美にかけた”おまじない”もそのはずだったー。

あくまでも”どうかお願いを聞いてくれますように”と
願うためだけのものであって、
絵美が実際にラバースーツを着てくれるなんて
絶対に思ってもなかったし、
こんなことになるなんて、思ってもなかったー

”おまじない…本当に聞いてるとかないよな?”
伸介はそんな不安を覚えるー。

伸介は、この”おまじない”が、もしも
本当に”相手を言いなりにしてしまうもの”だと、
最初から分かっていればそれを使うことはなかったー。

人を操ってまで、ラバースーツを着せたい、とは
伸介は思わないー。

「ーーー(そんなこと、あり得ないよなー?)」

ラバースーツを着たまま、まるで操り人形のような
雰囲気を浮かべている絵美と、
その絵美に声を掛けている光也ー。

伸介の中での不安は強まっていくー。

第1、本当にラバースーツを着てくれるなんて
思わなかったし、
よく考えてみればおかしいような気がするー

「ーーー」
伸介は、ゴクリと唾を飲み込んでから
”ー絶対にしないことを、お願いしてみるかー”と、
心の中で呟くー。

絵美本人が、絶対にしないであろうことをお願いしてみてー
それを”しなかった”ら、
単に絵美はお願いを聞いてくれただけなのだろうー。

しかしー
もしもー
もしも、それを絵美がするようなことがあればー
おまじないは”本物”どころかー
人を操る非常に危険なものと言うことになるー。

伸介は口がカラカラに乾くのを感じながら
緊張した様子で、光也には聞こえないぐらいの小声で
絵美のほうを見つめながらー

”か…角オナをしてほしいー”と、
呟いたー

小声でも、おまじないの効果はあるー、と
確かにそう書いてあったー。

「ーーおい!絵美…?絵美?」
ラバースーツ姿の絵美になおも呼びかける光也ー

伸介は”やっぱ、そんなわけないよなー”と、
”角オナのお願い”を、絵美が聞かなかったことで、
少しだけ安心したかのような、
そんな表情を浮かべるー。

だがー

「はいー」

”えっ!?”

絵美が突然そう言葉を口にすると、
「ーわたしの角オナ…見ててね」と、
伸介と光也に対して言い放ったー

「か…か、か、角…!?えっ…?」
光也は顔を赤くして「お、おい!絵美!」と叫ぶー

絵美は机の近くまで移動すると、
ラバースーツの上から、机の角にアソコを
押し付けて恍惚の表情を浮かべるー

”や…やべぇ…なんだこれ!?”
伸介はそう驚きながら、
慌てて小声で「ストップ!もういいよ!いつもの絵美ちゃんに戻ってくれ!」と、
そう呟いたー。

「ーーー…あ」
角にアソコを押し付けるようなポーズをしたまま
絵美は急に顔を真っ赤にすると
「ーわっ!?えっ!?な、何これ!?」と叫ぶー

自分がラバースーツを着てるのを見て、顔を真っ赤にすると、
「お、お兄ちゃんのバカっ!」と急に絵美が叫びだして、
光也も、伸介も部屋の外に追い出されてしまったー

光也は混乱しながら「え…絵美…ご、ごめんな?」と、
意味も分からないまま謝罪の言葉を口にするー

”べ…別に…いいけど、着替えるから待ってて”と、
絵美の恥ずかしそうな声が室内から聞こえてくるー

一方の伸介は
冷や汗をかきながら”なんだ、あのおまじないー…”と
困惑の表情を浮かべているー。

そうこうしているうちに、
絵美は、部屋の扉を開けて
「あ、あの…なんか勢いで着ちゃいましたけどー…
 わ、忘れて下さいー…」
と、顔を真っ赤にしながら畳んだラバースーツの入っている
紙袋を伸介に手渡すー。

「ーーえ」
伸介は”絵美が着たラバースーツをそのまま返却された”ことに
顔を真っ赤にすると、
光也は「ーーダメダメ、これは没収だ」と、少し不満そうな
表情でラバースーツを取り上げたー。

「あ、あぁ…あの、なんか、無理なお願いしてごめんな
 てっきりー…断られるかとー」
伸介はー
当然断られると思って、今日、ここに来たー。

「ーーー…あ…は…はい…なんだか、急にー
 つい…」

絵美は自分の身に何が起きていたのかを
あまり理解できていない様子で困惑の表情を
浮かべると、そのまま光也のほうを見つめたー。

絵美の行動に、伸介は気まずくなり、
「お、俺、今日は帰るわー」と、
光也に言うと、光也は「お、おうー…わかった」とだけ答えて
心配そうに、妹の絵美に「大丈夫か?」と、
言葉を掛けたー

そんな様子を見ながら伸介は、
”あのおまじない…”と、不安そうに呟きながら
すぐに家へと帰宅したー。

だがー
再度確認したときには、既にその”おまじない”が
記載されたサイトは消滅していてー、
”空白のサイト”だけが取り残されていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんな出来事も忘れー
1カ月が経過したー

光也と伸介はいつも通りー。

光也の妹・絵美もあの日から異変はなく、
普通に過ごしているー。

どうして、絵美が急にラバースーツを着て
あんなことをしたのかは分からなかったが、
本人も元気になったし、光也もそれ以上、
あの日の話題は口に出さないようにしていたー。

「ーーな~んか、お前の家に行きにくくなっちゃってな~」
少し困ったような表情を浮かべて呟く伸介ー

光也は「自業自得だろー。絵美にあんなことさせて」と
不満そうに呟くー。

伸介は「悪かったよー」と、気まずそうに頭を掻くー。

そんな会話をしながら大学から出るー。

伸介とは別れて
時計を確認する光也ー。

”サークルの話し合いで少し遅くなっちゃったな”
そんな風に思いながら、自宅に帰宅すると、
まだ、妹の絵美は帰宅していなかったー。

「ーあれ?絵美は?」
母親に確認する光也ー。

「ーまだ帰って来てないよ~」
母親がそう返事をするー

時計を確認する光也ー

”いつもより少し遅い”がー、
まぁ、友達と話でもしているのだろうー。

そんな風に思いながら、光也は自分の部屋へと
戻っていくのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”闇魔術”

とある書庫に残されている古文書に、
そんな記述があったー。

その中の1ページにはーー

伸介が偶然ネットで見かけた
”おまじない”と同じ内容が書かれているー

そこにはー

”禁忌の洗脳術”と記されていてー

現代の言葉に訳すと、
こう、書かれていたー。

”この魔術は、未完成の人を操る秘術なりー。
 対象を”洗脳”することには成功したものの、
 ”重大な副作用”が残っており、実用性は低いー。
 
 洗脳された側の人間に”異様な反応”を引き起こし
 およそ1か月ほど経過したタイミングで、
 ”洗脳された側の人間”が、”洗脳した人間”を
 理性を失った状態で、殺害しようとするー

 そんな”副作用”が確認されたー
 これまでに6名ほどが殺されているー。

 ”副作用が起こる理由”は不明だが、
 洗脳された際に、洗脳した側の人間の記憶が
 強く入り込み、洗脳解除後に、それが洗脳された側に
 残ることで、何らかの異常反応を起こすものと
 考えているー

 この状況になってしまった人間は
 ”いかなる手段を使っても”
 自分を洗脳した人間を殺すことだけを考えるようになり、
 正気に戻ることはないー。

 いずれにせよ、このままではこの魔術の実用性はないー。
 現在、呪術師たちが、改善策を練っているー”

とー。

おわり

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コメント

梅雨でジメジメしている日が続きますネ~!

キノコに乗っ取られないように気を付けます~(?)!

お読み下さりありがとうございました~!

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