憧れのお姉ちゃんと入れ替わることに成功した
弟の俊太。
入れ替わった姉と弟の運命は…?
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「---元に戻る方法、色々と調べてみるから…
しばらく、わたしの身体で大丈夫?」
一通り「入れ替わってしまった」ことに対する
情報整理を終えると、俊太になってしまった優花里が
そう呟いたー
「--う、、うん!大丈夫…嬉しい…!」
優花里になれたことで、ドキドキが止まらない優花里(俊太)は、
満面の笑みでそう答えたー
「え?」
俊太(優花里)が首を傾げるー
「あ、いや、うん!大丈夫…!
な、なんとか、お姉ちゃんになりきってみせるから!」
優花里(俊太)の言葉に、俊太(優花里)は頷いたー。
俊太になってしまった優花里が出した”結論”はー、
”元に戻る方法が分かるまで、お互いのふりをして過ごすこと”
だったー。
姉と弟が入れ替わってしまったー、なんて
誰も信じないだろうし、
両親にも心配をかけてしまうー。
何より、わたしたちも、おかしくなったとみんなに思われてしまうかもー、
と、俊太(優花里)は、言ったー。
優花里になりたかった俊太としては好都合だったー
俊太(優花里)が「元に戻れるまで、頑張ろうね!」と
優花里(俊太)の肩を叩いて、そのまま俊太の部屋の方に戻っていくー
”あぁ~…僕の姿でも中身がお姉ちゃんだと
なんだか頼りあるように見えるなぁ~…”
優花里(俊太)はそんな風に考えながらも、
自分が優花里になれたという感動をかみしめるー。
「-ふっふふふ♡ これで今日から僕がお姉ちゃんだ!」
優花里(俊太)は、優花里の部屋で鏡に向かってピースをするー
「-お姉ちゃん…かわいい…」
優花里(俊太)が、鏡を見つめながら呟くー
「あぁぁ…お姉ちゃんだ…♡
かわいいよぉぉ♡」
頬のあたりを触りながら顔を真っ赤にする優花里(俊太)-
しばらく鏡を見つめながら、”大好きなお姉ちゃん”の顔を
満足するまで堪能していくー
怒った顔ー
笑った顔ー
不貞腐れている顔ー
挑発的な顔ー
悲しそうな顔ー
色々な表情を、お姉ちゃんの身体で勝手に楽しんでいく俊太ー
「---…しゅ、、、しゅ…」
優花里(俊太)はやがて、顔を真っ赤にしながら、
鏡の前で何かを呟き始めるー
「しゅ、、しゅ、、しゅ、、しゅん、、しゅんた…… はぁ…はぁ…♡」
想像しただけで優花里の身体が勝手に火照りー、
そして、涎が垂れそうになってしまうー。
「--俊太…大好き♡」
ゾクゾクしてしまうー
優花里の身体が、激しく興奮しているのがわかるー
「--俊太…大好きだよ…♡
俊太…お姉ちゃん…俊太の彼女になるー…」
鏡に向かいながら、優花里にとんでもないことを
言わせてしまう優花里(俊太)-
「ふ、、ふへっ、、お、、お姉ちゃん…僕もだよ…♡」
優花里の身体のまま、俊太が自分の言葉も口にするー
「俊太…キスしちゃおっか♡」
「うんー…!」
一人二役を始めて、優花里(俊太)は狂ったように
鏡にキスをしてしまうー
「んぁぁぁ…おねえちゃん♡ あぁ…♡ あっ♡」
クチュクチュ音を立てながら、姿見にしがみつく優花里(俊太)-
優花里の唾液が、鏡に滴るのも、気づかないほど、
優花里(俊太)は、鏡に映るお姉ちゃんに向かって
狂ったようにキスを続けたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「----…!」
俊太になった優花里は、俊太の部屋で、
苦笑いするー
机の中に、姉である優花里の写真が
こっそり何枚かしまわれていたからだー。
「---俊太ってば…」
苦笑いする俊太(優花里)-
「それにしても…
男の子の身体で…なんだか、身軽なような…?」
髪が短いからー?
それとも胸がないからー?
なんとなく、俊太になった優花里は、
自分が身軽になったかのような、
そんな感覚を覚えたー。
「ん~~…というか、昔に戻った感じかなー?」
俊太(優花里)が胸のあたりに手を振れるー
自分も、数年前まではこんな感じだったー
高校生になった優花里は、
今では、明らかに女子と分かるぐらいに胸があるが、
小さいころは、そうではなかったー
なんとなく、懐かしい気持ちになる俊太(優花里)-
その時ー
隣の部屋ー
優花里(俊太)がいる部屋から、
イヤらしい声が聞こえて来たー
”だいすきだよ…”
などという声がー
俊太(優花里)は少しギョッとした感じで
顔を赤らめて、
やれやれという感じで首を振るのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「----」
「-----」
”学校”-
俊太になった優花里からすれば
”既に学んだこと”をもう1回するだけー
しかし、
優花里になった俊太からすればー
いきなり数年分の授業を飛び越えて、
高校の授業を受けることになってしまうー
けれどー
それでも、優花里(俊太)は
「お姉ちゃんのフリをするためだから!
それに、お姉ちゃんの身体で学校休むわけにはいかないし!」と
言いだしたことで、二人は学校に行くことになったー
「--ーーあれぇ…」
優花里(俊太)が戸惑うー
昨日はお風呂に着替えにー
俊太にとっては刺激的すぎて大変だったー
優花里の身体で鼻から鼻血まで
出してしまうぐらいに興奮したー。
でも、今日は入れ替わり2日目ー
少しは昨日より落ち着いたかもしれないー
制服をなんとか身に着けてー
鏡を見つめるー
だがー、
なんだか、変なのだー
「--お姉ちゃん…こんなだったかなぁ~」
なんとなく感じる違和感ー。
優花里であって、優花里でないようなー
そんな気がしてしまうー
「--準備できた~?」
俊太(優花里)が、優花里(俊太)の部屋に入って来るー。
優花里(俊太)は戸惑いながら
「な、、なんか、うまくお姉ちゃんになれない…」と呟くー
顔の雰囲気や
髪の雰囲気がずいぶん違うー
「-ふっふ~ 女の子は、意外と大変なんだからね?」
俊太(優花里)は得意げに笑うと、
「--え~っとね~」と、
学校に行く前の”メイク”や、”髪型の作り方”を
優花里(俊太)に教え始めたー。
「--できた!」
俊太(優花里)が得意げに微笑むー
「わぁ…いつものお姉ちゃんだ!」
優花里(俊太)が鏡を見ながら嬉しそうに言うー。
「でしょ?これを毎日!意外と大変なのよ」
俊太(優花里)の言葉に、
優花里(俊太)はー
「僕、2つ学べたよ!ありがとう!」とほほ笑むー
ひとつはー
”いつものお姉ちゃん”は、朝、お姉ちゃんがきちんと整えているからこその
姿であることー、
そして、もう一つはー
「--僕が女言葉って意外と似合わないなぁ~って」
優花里(俊太)が言うと、
俊太(優花里)は少し恥ずかしそうに、
「ボクっ娘になってるわたしも似合わないよっ!」と、
軽く優花里(俊太)をぺし!と叩いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校に向かうふたりー
高校に到着した優花里(俊太)-
「--優花里~!」
優花里の彼氏・学が、話しかけて来るー
大人しそうで、優しそうな男子生徒だー
「--気安く僕に話しかけるな」
優花里(俊太)は「ふん」と顔を背けるー
俊太は、大好きなお姉ちゃんの彼氏である、学に
激しい嫉妬を抱いていたー。
「---え」
学が戸惑うー。
「---、あ、ちが、気安くわたしに話しかけないで!」
ドキドキしながら、優花里(俊太)が顔を背けると
学は戸惑いながら「ごめん…」と頷いたー。
高校の授業が始まるー
だが、当然のことながらー
授業についていくことが出来ずに、戸惑ってしまうー
”うぅ~これからお姉ちゃんとして生きるんだから
ちゃんと勉強しなくちゃなぁ~”
スカート姿で自分が座っていることに興奮しながらも、
なんとか2時間目までクリアした優花里(俊太)は
緊張からか、トイレに行きたくなってしまうー
昨日ー
俊太になった優花里からトイレの仕方は教わったー
”立ったままできないのは面倒だなぁ~”
そんな風に思いながら、男子トイレの扉を
明けようとする優花里(俊太)-
「あ!優花里!そこ男子トイレ!」
彼氏の学が笑いながら指さしているー。
「--あ!、う、、うるさい!」
顔を真っ赤にしながら、優花里(俊太)は、女子トイレに駆け込むー
他の女子と目があってー
”男子なのに女子トイレに入っている”ような錯覚を感じながらー
「--あ…う…うぅぅぅぅぅ」
トイレを済ませるだけで緊張してしまう優花里(俊太)は戸惑いながら
トイレから出るー。
その後も、授業の内容はあまり理解できないままー。
4時間目の美術の授業は、美術室の場所が
分からないで戸惑っていたところ、
彼氏の学が親切に案内してくれたー
「--し、親切にしても、ぼく、、いや、わたしは
あんたなんて認めないから!」
つーん、と、顔を背ける優花里(俊太)-
彼氏の学は戸惑っているー
”やば…お姉ちゃんをツンデレみたいにしちゃった”
そんな風に思いながら、優花里になった俊太は、
昼休みに突入するのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「今日の俊太、なんかすごくね?
急に三段階進化した感じー」
昼休みー
俊太になった優花里は、俊太の友達から
そう言われて、苦笑いしていたー
「え~~そ、、そうかなぁ~
あ、、あはははは」
俊太(優花里)は戸惑うー
授業中、先生から指をさされて
突然指名されたのにも関わらず、完璧に回答してみせた
俊太(優花里)-
それに、クラスメイトが驚いていたのだー
体育の授業もー
昼休み中の振る舞いもー
急に”すげぇやつ”になった感じー、だとー。
「-う~ん、少しセーブしないと」
俊太(優花里)は廊下を歩きながら思うー。
優花里は元々勉強熱心で成績もよいー。
その上、俊太の身体で過ごしているー、ということは、
高校生の自分が、中学の授業を受けている、という状態ー
つい、出来過ぎてしまうのだー。
「--セーブ、セーブ… --!」
俊太(優花里)は、ハッとしたー
「あ、、あぶない…癖で…」
女子トイレの扉を開けそうになってしまった俊太(優花里)は
危なかったぁ~、と、慌てて男子トイレに駆け込んだー。
個室の方に入る俊太(優花里)-
”立ってするのはさすがにちょっと、、
なんかこう…違和感が…ね”
苦笑いしながら俊太(優花里)はトイレを済ませるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-おつかれさま~」
俊太(優花里)が、帰宅した優花里(俊太)を出迎えるー。
へとへと、という様子でソファーでぐったりする優花里(俊太)-
「ちょ!俊太!見えてる!見えてる!」
俊太(優花里)が叫ぶー
優花里(俊太)は「え~~~疲れたよぉ~」と、
ぐったりした様子で呟くー
”でも…お姉ちゃん、いつもにこにこして、こんなぐったりしてなかったよな…?”
俊太はそんな風に思うと、
ソファーから起き上がって、優花里らしく振舞うー。
”僕は、お姉ちゃんになるんだ”
偶然入れ替わった風を装いつつ、
大好きなお姉ちゃんになるー。
”元に戻れなくて仕方なく、お姉ちゃんとして生きていく”を
装いつつ、僕がお姉ちゃんになるー
そんな風に思いながら優花里(俊太)は
俊太(優花里)の方を見て、
”お姉ちゃん”の真似をして、にっこりとほほ笑んだー。
「僕は、お姉ちゃんになるんだー」
憧れのお姉ちゃんになるためー
優花里になった俊太は、自分の部屋に戻り、
必死に高校の勉強を始めたー
③へ続く
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憧れのお姉ちゃんになりきろうとする弟…
果たして、どうなるのでしょうか~?
最終回はまた明日デス!
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