<入れ替わり>お姉ちゃんになりたいな②~日常~

憧れのお姉ちゃんと入れ替わることに成功した
弟の俊太。

入れ替わった姉と弟の運命は…?

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「---元に戻る方法、色々と調べてみるから…
 しばらく、わたしの身体で大丈夫?」

一通り「入れ替わってしまった」ことに対する
情報整理を終えると、俊太になってしまった優花里が
そう呟いたー

「--う、、うん!大丈夫…嬉しい…!」
優花里になれたことで、ドキドキが止まらない優花里(俊太)は、
満面の笑みでそう答えたー

「え?」
俊太(優花里)が首を傾げるー

「あ、いや、うん!大丈夫…!
 な、なんとか、お姉ちゃんになりきってみせるから!」
優花里(俊太)の言葉に、俊太(優花里)は頷いたー。

俊太になってしまった優花里が出した”結論”はー、
”元に戻る方法が分かるまで、お互いのふりをして過ごすこと”
だったー。

姉と弟が入れ替わってしまったー、なんて
誰も信じないだろうし、
両親にも心配をかけてしまうー。
何より、わたしたちも、おかしくなったとみんなに思われてしまうかもー、

と、俊太(優花里)は、言ったー。

優花里になりたかった俊太としては好都合だったー

俊太(優花里)が「元に戻れるまで、頑張ろうね!」と
優花里(俊太)の肩を叩いて、そのまま俊太の部屋の方に戻っていくー

”あぁ~…僕の姿でも中身がお姉ちゃんだと
 なんだか頼りあるように見えるなぁ~…”
優花里(俊太)はそんな風に考えながらも、
自分が優花里になれたという感動をかみしめるー。

「-ふっふふふ♡ これで今日から僕がお姉ちゃんだ!」
優花里(俊太)は、優花里の部屋で鏡に向かってピースをするー

「-お姉ちゃん…かわいい…」
優花里(俊太)が、鏡を見つめながら呟くー

「あぁぁ…お姉ちゃんだ…♡
 かわいいよぉぉ♡」
頬のあたりを触りながら顔を真っ赤にする優花里(俊太)-

しばらく鏡を見つめながら、”大好きなお姉ちゃん”の顔を
満足するまで堪能していくー

怒った顔ー
笑った顔ー
不貞腐れている顔ー
挑発的な顔ー
悲しそうな顔ー

色々な表情を、お姉ちゃんの身体で勝手に楽しんでいく俊太ー

「---…しゅ、、、しゅ…」
優花里(俊太)はやがて、顔を真っ赤にしながら、
鏡の前で何かを呟き始めるー

「しゅ、、しゅ、、しゅ、、しゅん、、しゅんた…… はぁ…はぁ…♡」
想像しただけで優花里の身体が勝手に火照りー、
そして、涎が垂れそうになってしまうー。

「--俊太…大好き♡」

ゾクゾクしてしまうー
優花里の身体が、激しく興奮しているのがわかるー

「--俊太…大好きだよ…♡
 俊太…お姉ちゃん…俊太の彼女になるー…」

鏡に向かいながら、優花里にとんでもないことを
言わせてしまう優花里(俊太)-

「ふ、、ふへっ、、お、、お姉ちゃん…僕もだよ…♡」
優花里の身体のまま、俊太が自分の言葉も口にするー

「俊太…キスしちゃおっか♡」

「うんー…!」

一人二役を始めて、優花里(俊太)は狂ったように
鏡にキスをしてしまうー

「んぁぁぁ…おねえちゃん♡ あぁ…♡ あっ♡」
クチュクチュ音を立てながら、姿見にしがみつく優花里(俊太)-

優花里の唾液が、鏡に滴るのも、気づかないほど、
優花里(俊太)は、鏡に映るお姉ちゃんに向かって
狂ったようにキスを続けたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「----…!」
俊太になった優花里は、俊太の部屋で、
苦笑いするー

机の中に、姉である優花里の写真が
こっそり何枚かしまわれていたからだー。

「---俊太ってば…」
苦笑いする俊太(優花里)-

「それにしても…
 男の子の身体で…なんだか、身軽なような…?」

髪が短いからー?
それとも胸がないからー?

なんとなく、俊太になった優花里は、
自分が身軽になったかのような、
そんな感覚を覚えたー。

「ん~~…というか、昔に戻った感じかなー?」
俊太(優花里)が胸のあたりに手を振れるー

自分も、数年前まではこんな感じだったー

高校生になった優花里は、
今では、明らかに女子と分かるぐらいに胸があるが、
小さいころは、そうではなかったー

なんとなく、懐かしい気持ちになる俊太(優花里)-

その時ー
隣の部屋ー
優花里(俊太)がいる部屋から、
イヤらしい声が聞こえて来たー

”だいすきだよ…”
などという声がー

俊太(優花里)は少しギョッとした感じで
顔を赤らめて、
やれやれという感じで首を振るのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「----」
「-----」

”学校”-

俊太になった優花里からすれば
”既に学んだこと”をもう1回するだけー

しかし、
優花里になった俊太からすればー
いきなり数年分の授業を飛び越えて、
高校の授業を受けることになってしまうー

けれどー
それでも、優花里(俊太)は
「お姉ちゃんのフリをするためだから!
 それに、お姉ちゃんの身体で学校休むわけにはいかないし!」と
言いだしたことで、二人は学校に行くことになったー

「--ーーあれぇ…」
優花里(俊太)が戸惑うー

昨日はお風呂に着替えにー
俊太にとっては刺激的すぎて大変だったー

優花里の身体で鼻から鼻血まで
出してしまうぐらいに興奮したー。

でも、今日は入れ替わり2日目ー
少しは昨日より落ち着いたかもしれないー

制服をなんとか身に着けてー
鏡を見つめるー

だがー、
なんだか、変なのだー

「--お姉ちゃん…こんなだったかなぁ~」

なんとなく感じる違和感ー。
優花里であって、優花里でないようなー
そんな気がしてしまうー

「--準備できた~?」
俊太(優花里)が、優花里(俊太)の部屋に入って来るー。

優花里(俊太)は戸惑いながら
「な、、なんか、うまくお姉ちゃんになれない…」と呟くー

顔の雰囲気や
髪の雰囲気がずいぶん違うー

「-ふっふ~ 女の子は、意外と大変なんだからね?」
俊太(優花里)は得意げに笑うと、
「--え~っとね~」と、
学校に行く前の”メイク”や、”髪型の作り方”を
優花里(俊太)に教え始めたー。

「--できた!」
俊太(優花里)が得意げに微笑むー

「わぁ…いつものお姉ちゃんだ!」
優花里(俊太)が鏡を見ながら嬉しそうに言うー。

「でしょ?これを毎日!意外と大変なのよ」
俊太(優花里)の言葉に、
優花里(俊太)はー
「僕、2つ学べたよ!ありがとう!」とほほ笑むー

ひとつはー
”いつものお姉ちゃん”は、朝、お姉ちゃんがきちんと整えているからこその
姿であることー、

そして、もう一つはー

「--僕が女言葉って意外と似合わないなぁ~って」
優花里(俊太)が言うと、
俊太(優花里)は少し恥ずかしそうに、
「ボクっ娘になってるわたしも似合わないよっ!」と、
軽く優花里(俊太)をぺし!と叩いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

学校に向かうふたりー

高校に到着した優花里(俊太)-

「--優花里~!」
優花里の彼氏・学が、話しかけて来るー
大人しそうで、優しそうな男子生徒だー

「--気安く僕に話しかけるな」
優花里(俊太)は「ふん」と顔を背けるー

俊太は、大好きなお姉ちゃんの彼氏である、学に
激しい嫉妬を抱いていたー。

「---え」
学が戸惑うー。

「---、あ、ちが、気安くわたしに話しかけないで!」
ドキドキしながら、優花里(俊太)が顔を背けると
学は戸惑いながら「ごめん…」と頷いたー。

高校の授業が始まるー
だが、当然のことながらー
授業についていくことが出来ずに、戸惑ってしまうー

”うぅ~これからお姉ちゃんとして生きるんだから
 ちゃんと勉強しなくちゃなぁ~”

スカート姿で自分が座っていることに興奮しながらも、
なんとか2時間目までクリアした優花里(俊太)は
緊張からか、トイレに行きたくなってしまうー

昨日ー
俊太になった優花里からトイレの仕方は教わったー

”立ったままできないのは面倒だなぁ~”
そんな風に思いながら、男子トイレの扉を
明けようとする優花里(俊太)-

「あ!優花里!そこ男子トイレ!」
彼氏の学が笑いながら指さしているー。

「--あ!、う、、うるさい!」
顔を真っ赤にしながら、優花里(俊太)は、女子トイレに駆け込むー

他の女子と目があってー
”男子なのに女子トイレに入っている”ような錯覚を感じながらー

「--あ…う…うぅぅぅぅぅ」
トイレを済ませるだけで緊張してしまう優花里(俊太)は戸惑いながら
トイレから出るー。

その後も、授業の内容はあまり理解できないままー。

4時間目の美術の授業は、美術室の場所が
分からないで戸惑っていたところ、
彼氏の学が親切に案内してくれたー

「--し、親切にしても、ぼく、、いや、わたしは
 あんたなんて認めないから!」

つーん、と、顔を背ける優花里(俊太)-
彼氏の学は戸惑っているー

”やば…お姉ちゃんをツンデレみたいにしちゃった”
そんな風に思いながら、優花里になった俊太は、
昼休みに突入するのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「今日の俊太、なんかすごくね?
 急に三段階進化した感じー」

昼休みー

俊太になった優花里は、俊太の友達から
そう言われて、苦笑いしていたー

「え~~そ、、そうかなぁ~
 あ、、あはははは」

俊太(優花里)は戸惑うー

授業中、先生から指をさされて
突然指名されたのにも関わらず、完璧に回答してみせた
俊太(優花里)-

それに、クラスメイトが驚いていたのだー

体育の授業もー
昼休み中の振る舞いもー

急に”すげぇやつ”になった感じー、だとー。

「-う~ん、少しセーブしないと」
俊太(優花里)は廊下を歩きながら思うー。

優花里は元々勉強熱心で成績もよいー。
その上、俊太の身体で過ごしているー、ということは、
高校生の自分が、中学の授業を受けている、という状態ー

つい、出来過ぎてしまうのだー。

「--セーブ、セーブ… --!」
俊太(優花里)は、ハッとしたー

「あ、、あぶない…癖で…」
女子トイレの扉を開けそうになってしまった俊太(優花里)は
危なかったぁ~、と、慌てて男子トイレに駆け込んだー。

個室の方に入る俊太(優花里)-

”立ってするのはさすがにちょっと、、
 なんかこう…違和感が…ね”

苦笑いしながら俊太(優花里)はトイレを済ませるのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「-おつかれさま~」
俊太(優花里)が、帰宅した優花里(俊太)を出迎えるー。

へとへと、という様子でソファーでぐったりする優花里(俊太)-

「ちょ!俊太!見えてる!見えてる!」
俊太(優花里)が叫ぶー

優花里(俊太)は「え~~~疲れたよぉ~」と、
ぐったりした様子で呟くー

”でも…お姉ちゃん、いつもにこにこして、こんなぐったりしてなかったよな…?”

俊太はそんな風に思うと、
ソファーから起き上がって、優花里らしく振舞うー。

”僕は、お姉ちゃんになるんだ”

偶然入れ替わった風を装いつつ、
大好きなお姉ちゃんになるー。

”元に戻れなくて仕方なく、お姉ちゃんとして生きていく”を
装いつつ、僕がお姉ちゃんになるー

そんな風に思いながら優花里(俊太)は
俊太(優花里)の方を見て、
”お姉ちゃん”の真似をして、にっこりとほほ笑んだー。

「僕は、お姉ちゃんになるんだー」

憧れのお姉ちゃんになるためー
優花里になった俊太は、自分の部屋に戻り、
必死に高校の勉強を始めたー

③へ続く

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コメント

憧れのお姉ちゃんになりきろうとする弟…
果たして、どうなるのでしょうか~?

最終回はまた明日デス!

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