納豆好きの男子高校生が
納豆嫌いの女子に憑依…!
その女子の身体で納豆を…!?
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「-ふ~~」
帰宅した桃子は、濡れた下着とスカートを気にしながら
台所からごはんを持ち出すと、
そのまま自分の部屋に入ったー
「--あ~~~、漏らしてるみたいで気持ちわるいなぁ~」
スカートをパタパタさせる桃子ー
「男子と女子であんなにトイレの感覚が違うなんて
思わなかったなぁ~」
桃子はそう呟きながらも、
女の子としてトイレを済ませたことに
ドキドキしていたー。
着替えようかとも思ったが
憑依がいつまで続くのかもわからないし、
本来の目的である”納豆好きにする”ことを
優先しようと、スーパーで購入してきた納豆を取り出す。
どこのスーパーでも売っている
3パックセットの納豆を、机の上に置くと、
「--はぁ…これから……これから桃子ちゃんとして
納豆を食べるんだ…」と、桃子の声で
興奮しながら呟いたー
納豆のパックを開封するー。
納豆の豆の上に置かれた
透明のビニールを取り除いて、
たれとからしを取り除くー
透明のビニールの裏側に付着した納豆を
ペロ ペロと舐める桃子ー。
その姿が鏡に映るー
「あぁぁぁ…♡ いい…、いい♡」
桃子は興奮した様子で何度かそう呟くと
納豆にたれとからしを入れたー。
しかし、そこで桃子は手を止めるー。
「---あ」
ご飯は持ってきたが
肝心の箸を持ってきていないことに気づいた桃子ー。
「---あ~~これじゃ混ぜられないや」
そんな風に呟くと、桃子は面倒臭そうに立ち上がって
そのまま部屋から出るー。
あくびをしながら
がに股で2階から1階におりて
台所に向かうとー
台所に桃子の母親らしき人物がいたー
”う”
桃子に憑依している恭太郎は思うー。
桃子として振舞える自信が正直、あまりないし、
そもそもスカートが濡れたままだー。
箸を自分の部屋に持っていこうとするのも
怪しまれそうだ-
”--顔を合わせたくないな”
桃子はボリボリ頭をかきながらそう考えると、
”桃子の母親と遭遇せずに台所から箸をとるのは
無理だ”と考えて、諦めてそのまま部屋に帰ったー。
「-----」
納豆のパックを開けた状態で、
部屋で待機する桃子ー。
母親が台所からいなくなったら、
箸を持ってこよう-、
と、そう考えていると
桃子のスマホが音を鳴らしたー
”おじさんです”
納豆おじさんからだったー。
文章の始まりが、とても胡散臭い感じで
桃子は思わず笑ってしまいながらも、
おじさんとやり取りをするー。
あとは、購入した納豆を”おいしい”と思いながら食べることで、
乗っ取られて”脳”が完全に無防備な状態になっている桃子に
納豆への愛を刻むことが出来るのだと言う。
「へへへへ」
桃子はニヤニヤしながら納豆を見つめるー
部屋中に納豆のにおいが充満しているー
桃子の可愛らしい小物や、部屋全体にも
納豆のにおいが染みついてしまうかもしれないー
「--わたし、納豆少女になっちゃうもん!」
桃子にそう言わせてみるー
激しく興奮しながら、
”そろそろいいかな”と、再び部屋から出て
1階に向かったー。
だがー
桃子の母親は晩御飯の支度をしているのか、
まだ1階の台所にいたー
”ちょ…箸取れないじゃん”
桃子はそう感じながら、
”平然と箸を持ち出すか?”と考えるー。
だが、桃子の母親に話しかけられると
やはり面倒だし、
そもそもスカートが濡れたままだからー
と、再び諦めて部屋に戻ったー。
そしてー
「--もういいや!」
桃子はそう呟くと、
桃子自身の綺麗な指で、納豆をかき混ぜ始めたー
「えへへへへ…手でかき混ぜるなんて…
興奮しちゃうなぁ…!」
桃子はニヤニヤしながら
桃子に憑依している恭太郎自身も経験したことのない
納豆体験をするー
手があっという間にネバネバだらけになり、
納豆の感触が手に伝わって来るー
「あぁぁぁ~~~夏野さんを汚してるこの感じぃぃぃ~!」
完全に変態の表情になった桃子が、
納豆をたっぷりかき混ぜるとー
ネバネバに満ちた手を納豆から取り出したー
「ふひっーーー」
ペロっと、綺麗な手を舐める桃子ー
「えへへへへ」
ぺろぺろペロペロと、桃子の手についたネバネバや
納豆を舐め続けー
興奮した様子で、自分の足を触るー
「あぁぁ…足もべたべたしちゃう…♡」
ニコニコしながら桃子は、納豆とご飯を手で掴みー
そして、食べ始めたー
”納豆おいしいー”
”納豆さいこうー”
ゾクゾクしながら納豆を食べていく桃子ー
「納豆食べるだけで興奮しちゃってる女の子なんて…
世界でも夏野さんぐらいじゃないかなぁぁ…」
桃子の声がいつも聞く声とは少し違う感じがするー。
それもそのはずー
桃子の身体自体が興奮しているからだー
興奮しすぎて、桃子の声のトーンが変化しているのだー
「んふっ…
んふふふふふふ」
制服をも汚しながら納豆を食べていく桃子ー
ようやく食べ終えると、桃子は納豆まみれになった手で、
嬉しそうに自分の身体のあちこちを触るー
部屋中に納豆のにおいが充満する中ー
満足そうに微笑んだ桃子はー
「おかわり!」と叫んでー
2パック目の納豆を開封してー
そのまま食べ始めたー
夜ご飯の時間間近になりー
桃子は3パック目の納豆を開けるとー
自分の身体に納豆をこすりつけ始めたー
「はぁはぁはぁ…夏野さんが納豆食べてるって思っただけで… はぁはぁはぁ…」
納豆を桃子の身体にこすりつけていく桃子ー。
桃子はいつの間にか、半裸状態で嬉しそうに
自分に納豆をこすりつけていたー
”納豆最高!”
”わたしは、納豆女よ~~~~♡”
心の中で、納豆おじさんに言われた通り、
納豆への愛を叫びまくるー
すっかり汚れ切った桃子と
納豆のにおいが充満した部屋を、
鏡で満足そうに見つめると、
恭太郎は、桃子の身体から抜け出したー
”最高だったー……
納豆おじさん、ありがとな”
そんな風に心の中で呟きながら、
恭太郎の幽体は、自分の家へと戻っていくのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日ー。
恭太郎は焦っていたー。
桃子がーーーー
登校しなくなってしまったのだーー
心配した恭太郎は、桃子の家に足を運ぶー
あくまでも”心配したクラスメイト”を装い、
学校で配布されたプリントを
”俺が届けますよ”と立候補してー
そのまま、桃子の家にやってきたのだー。
「あの……何かあったんですか?」
恭太郎は不安そうに聞くー。
桃子に憑依している最中にも見かけた
桃子の母親が困り果てた様子で首を振るー。
「--もしよければ…桃子に会ってあげてくれませんか?
母親が言う。
桃子の彼氏とでも勘違いされたのだろうかー。
恭太郎は、一瞬迷いながらも頷いたー。
桃子の部屋に案内された恭太郎ー。
そこにはー
体育座りをして、ふさぎ込む桃子の姿があったー。
「---わたし………おかしいのかな?」
桃子が言う。
恭太郎が聞くと、
桃子には憑依されていた間の意識と記憶はなく、
桃子からすれば”半日ぐらい記憶が飛んでいて、しかもその間、自分は納豆を食べて
しかも身体に塗り付けていた”という状況で、
激しくショックを受け、動揺、精神的に病んでしまったようだったー。
「---わたし…どうしちゃったんだろう…?」
桃子が言う。
恭太郎は、まさか”俺が憑依したんだ”とは言えずに
戸惑ってしまうー
憑依して、納豆を食べれば、桃子が納豆好きになるのではなかったのか?
そんな風に思いながらー。
「--わたし…納豆なんて、好きじゃないのに…」
泣きながら言う桃子ー
完全に精神的に追い詰められている様子で、
しかも言動から”納豆が好きになった”とは思えないー。
”どういうことだ?”
桃子と話し終えると、桃子の母親に挨拶して、
桃子の家から外に出たー。
「--」
納豆おじさんに連絡を送る恭太郎ー
すると、納豆おじさんから返事が返ってきたー。
”ありがとう”
とー
「--は?」
恭太郎は思わず首を傾げたー
何がありがとうなのかー?
意味が、分からないー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”精神が弱った人間を、洗脳するのは、実にたやすいー”
納豆おじさんは、笑みを浮かべるー。
納研が、何故納豆好きを増やそうとしているのかは、
おじさん自身も知らないー。
「-----」
納豆おじさんは、落ち込んだ様子の桃子が、
病院から、とぼとぼと歩いていく姿を見かけて、笑みを浮かべたー。
恭太郎に憑依されてから、2週間が経過したー
桃子は、すっかり精神的に落ち込んでしまっているー。
そうーーー
”精神的に弱っている人間”を洗脳するのは、たやすいー
納豆おじさんが、物影から飛び出しー
桃子の前にやってくるー
驚く桃子ー
納豆おじさんは、目を赤く光らせたー。
そしてーーー
桃子を洗脳したー
かつてーー
”自分がそうされたようにー”
納研は、
目的は不明だが、納豆の魅力を伝えているー。
納豆おじさんが、恭太郎にそうしたように、
幽体納豆を、納豆好きの人間に渡し誰かに憑依させるー。
そして、恭太郎が、桃子にそうしたように、
誰かに憑依させて、そして、憑依対象の”心を破壊”させるー。
恭太郎に憑依された桃子は、憑依されたことの恐怖心や
不安から、精神的に病んだー
精神的に病んだ人間は、完全に洗脳しやすいー。
結果ー
桃子は洗脳されて、”納研の使者”になったのだー。
この方法で
納研は、勢力を拡大しているー
その真意は、納豆おじさんには分からないー
何故なら納豆おじさんも、
過去に、別の誰かに憑依されて、精神を病み、
その結果、洗脳されて、納豆おじさんになってしまった”被害者”なのだからー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日ー
スーパーでは、納豆の着ぐるみを被った
謎のお姉さんが出現していたー
「--あなた、納豆に興味はある?」
甘い声を出しながら、納豆売り場にいた男性客に声をかけるー
”納豆お姉さん”
「--え?」
男性客が戸惑うー
「お姉さんは、変態じゃないわよ」
納豆の着ぐるみを着込んだ納豆お姉さんはほほ笑むー。
「実はお姉さん、納豆会社の社員なの。
試作品の納豆の試食あなたにお願いしたくてー」
”納豆おじさん”が恭太郎に幽体納豆を勧めた時と
同じような台詞を呟く納豆お姉さんー。
「--この納豆はね、、食べると幽体離脱することができちゃう納豆なのよ…ふふふ♡」
納豆お姉さんはーー
恭太郎に憑依されて、精神的に弱った挙句、
その隙を付け込まれて納豆おじさんに洗脳された桃子だったー
彼女はもう、元には戻れないー
心身ともに、納豆に支配されてしまっているー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「くそっ!」
恭太郎はスマホを握りしめたー
「こんなことになるなんて!こんなことになるなんて!」
恭太郎はスマホを見つめるー
”-夏野桃子の人生を壊したことを
世間に知られたくはないだろう?
納研のために、これからも働いてもらおうー”
「---くそっ…くそっ!」
恭太郎は、納研に脅され、
納研の意のままに働かされていたー。
”いうことを聞かなければ、憑依のことも何もかも全て
周囲の人間に知らせるー”
とー。
そう言われてしまった恭太郎は、納研に逆らうことはできなかったー
・・・・・・・・・・・・・・・・
悪意は、拡散するー
納研は、洗脳した人々にー
納豆おじさん
納豆お姉さん
納豆お兄さん
と名乗らせー
幽体納豆を拡散していくー
幽体納豆を使った人間は
後から脅して、意のままに働かせるー
そして、憑依されて心が弱った人間を洗脳しー
また、納豆おじさん、お姉さん、お兄さん、おばさんを
増やしていくー
洗脳されて納研の意のままに働く者ー
脅されて納研の意のままに働く者ー
悪意は確実に、拡散しつつあったー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
納豆と憑依のお話でしたー!
お読み下さり、ありがとうございましたー!
どうして納豆だったのかは、秘密…!
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