人類を脅かす脅威”キメラ”と戦う
秘密組織がいたー。
しかし、そのオペレーターが
憑依されてしまうー。
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「---背後に回られたぞ!」
特殊部隊”N・E・O”-。
人類は今、未知の危機に晒されていた。
その名は”キメラ”-
人類を侵食する敵だー。
一見、人間のような風貌でありながら、
他の生き物の特徴が混じっていることがあり、
複数の生物の特徴を持つことから”キメラ”と呼ばれている侵略者ー。
ある日、時空のゆがみから突如として出現し
以降、秘密裏に政府らが戦いを続けている。
そのキメラ対処として、結成された特殊部隊がN・E・Oだった。
キメラの出現と同時に、
”特殊な力”に目覚める人類が、各地でみられるようになり、
そんな特殊な力を持つ人間の一部が、キメラと戦う”N・E・O”に
スカウトされ、キメラとの戦いを続けていたー。
「--ーー春夫(はるお!)」
銃を持った体格の大きな男が叫ぶと、
春夫と呼ばれた、アニメの主人公っぽい雰囲気のイケメンが、
「--任せろ!」と叫ぶー。
そして、背後から回り込んできたキメラたちを撃ちー
悲鳴をあげながら地面に倒れたキメラは、床に溶けるようにして消滅したー。
「--しかし、慣れないものですね」
眼鏡をかけた男性・信彦(のぶひこ)が苦笑いしながらやってくるー
「--まさか、銃を持って、人間の姿をした、異世界の侵略者を
撃つことになるなんてー
NEOに入る前には、思いもしませんでしたよ」
信彦の言葉に、
先ほどの体格の良いゴツイ男が「まぁな」と笑みを浮かべる。
自衛隊出身の大二郎(だいじろう)。
戦闘能力も高く、頼れる男だ。
「--もう!戦いの最中よ!戦いに集中してよね!」
アニメのヒロインっぽい感じの恋歌(れんか)が、頬を膨らませながら言うと、
「はは、そうでしたね!」と信彦が銃を手に、
キメラを撃ちまくるー。
「--みんな!油断するな!」
リーダーの春夫はそう叫ぶと、迫りくるキメラたちを迎え撃ったー。
・・・・・・・・・・・・・
銃声が止むー。
「よっしゃ、片付いたな」
大二郎が言うと、
「そのようですね」と信彦が笑うー。
「-恋歌、だいじょうぶか?」
春夫の言葉に、恋歌は「うん」と頬を赤らめながら答えたー
郊外の下水処理施設周辺に出現したキメラの盗伐ー。
そのミッションを完了させたー。
”今日もお見事でした!お疲れ様です!”
春夫たちに通信が入るー
オペレーターのメイー。
本名は愛唯子(めいこ)なのだが、
”わたしを呼ぶときは、一文字でも少ない方が楽だと思いますから、
メイでいいですよ!”
と、本人が言っているので、みんなメイと呼んでいるー。
「--あぁ、メイもありがとう」
NEOのオペレーター・メイは、
スイーツ大好きな可愛らしい少女。
オペレーターとしてとても優れた能力を持っていて、
部隊も、彼女のことをとても信頼しているー
時折、天然発言が目立つも、それもまた
可愛い一面と言えた。
”いえいえ、前線の皆さんのお役に
少しでも立てればうれしいです!”
メイの言葉に、春夫は少しだけ微笑むと、
任務の状況を報告したー。
今日も、いつも通りミッション完了ー。
キメラと戦う日々は、これからも続くはずだったー
だがー
キメラもまた、”知的生命体”
ハチのように、人類にいつまでも巣を駆除されてしまったり、
ゴキブリのように、人類にいつまでも駆除されるだけだったりー
そういう昆虫たちとは違うのだー。
彼らは、”学ぶ”-
出現してはNEOに退治されてー、を
繰り返すほど”馬鹿”ではないー。
人間は、あまりにも慣れていなかったー。
自分以外の”知的生命体”との戦いにー。
もちろん、虫だろうと、鳥だろうと、
一定の知性はあるー
けれどー
それでも、”人間に勝るとも劣らない知能”を持つ存在との
戦いは、初めてと言えたー
だからこそ、油断があったー
「---5年前に廃棄された発電所にキメラが集結している」
NEOの司令官のひとり・ドルドが、春夫たちに説明をするー
司令官は8人存在していて、世界各地のブロックを担当しているー
日本支部の司令官が、このドルドという男だー。
有名な諜報部隊に所属していた経験もあり、
諸外国の軍隊の指揮官を務めた経験もある。
冷静かつ、合理的に物事を判断できるうえに、
実戦経験もある、頼れる男だった。
「--数はそれほどでもないが、罠の可能性も0ではない。
決して油断はするなよ?」
ドルドの言葉に、春夫は「もちろんです」と答えたー。
イスに座っていた、髪を束ねるリボンが特徴的な
メイが「無事で帰ってきてくださいね!」とほほ笑むー
「おうよ!」
大二郎が嬉しそうに答えたー
大二郎は、メイのことが気になっているーーー
と、いう噂もあるー。
ブリーフィングを終えて
春夫、恋歌、信彦、大二郎の四人が、現場へと向かうー。
「行くぞ!」
春夫の掛け声で、NEOのヘリコプターから
4人が、現場の発電所に着陸したー
”その発電所は、5つの区画に分かれています
そのうちのC区画には、キメラが集結していて、
E地区には強い反応がありますので、
まずはA地区、B地区、D地区を順番に
処理して下さい”
メイの言葉に、
春夫は「了解だ」と答えるー
”皆さんの端末に、発電所の地図を解析したものを
お送りします。
ご活用下さい”
「---」
地図を受け取りながら
大二郎が「メイちゃんって、アニメ声でいい声だよなぁ~」と笑うー。
恋歌が「こら!戦いに集中しなさい!」と
大二郎に苦言を呈すると、大二郎は「へいへい」と苦笑いしたー。
発電所の奥に進む4人ー
メイに言われた通り、A区画に居座っていた少数のキメラを
あっという間に片づけるー。
「メイ、C区画のキメラたちに動きは?」
春夫が確認すると
メイは”大丈夫です”答えるー
”E区画の強い反応にも動きはひとまずありませんので、
B区画とD区画の攻略を急いでください”
「了解だ」
春夫は、次にB区画に向かうー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---少し、失礼するよ」
司令官のドルドが呟くー
「あ、はい」
メイがパソコンを見つめながらそう呟くー。
メイが、発電所内の見取り図と
キメラのエネルギー反応を確認しながら
現場にいる春夫たちに的確に指示を下していくー。
「---」
そんな様子を安心した様子で見つめると、
ドルドは指令室から一度退席したー。
トイレに向かうドルドー。
「---」
トイレの個室に入り、便座に座ると、
用を済ませようとするー。
しかしー
その時だったー
プシュ
「-!?」
ドルドが違和感を感じたー
そして、それが
ドルドがこの世界で感じた
”最後”の違和感ー。
「--くふふふふふふ」
トイレの水からスライムのようなものが出現するー
”上級キメラ”-。
自らの身体を液体のように変化させることができるー。
そのキメラがトイレにやってきたドルドを一撃で葬り去ったー。
ドルドの遺体に手をかざすと、
ドルドが溶けていくー
そしてー
上級キメラはドルドの姿に変異したー
「--ぱくぱくぱく」
あくまでも”擬態”レベルであり、
ドルド本人のように声を出すことはできず、
動きもぎこちないがーー
侵入にはちょうど良いー
何事もなかったかのように、
ドルドの姿をしたキメラは、指令室へと向かうー
「ーーはい、B地区の反応も消滅、お疲れ様です。
残りはC、D、E各地区ですが、
C地区にはお話している通り、多量のキメラ反応、
E地区には強大なキメラの反応があります。
D地区には、ちょうど、発電所が廃棄されたあとに
爆薬の研究に使われていて、放棄された爆薬が
ありますので、それを回ー」
春夫たちに指示を出しているオペレーターのメイの肩に
手が触れたー
メイが振り返ると、
そこには、ドルドがいたー
「--あ、しれいkーーー」
メイがそう言いかけると、
ドルドが突然、メイにキスをしたー
ドルドに擬態していた上級キメラがーー
液体となって、メイの口から体内に入り込んでいくー
メイが瞳を震わせるー
そしてー
「---くくくくく…人間の女の身体、げぇ~~~っと」
メイが邪悪な笑みを浮かべながら唇を舐めると、
再びモニターの方に目を向けたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---」
メイの指示通りD地区に向かう
春夫たち4人ー
その時だったー
”あー、待ってください”
通信でメイの声が聞こえてくるー
「---どうした?」
春夫が立ち止まると、
”D地区に突如として巨大反応…
D地区に向かうのは危険です”
メイはそう言い放ったー。
そしてー
”代わりにC地区に集結していたキメラが先ほど、制圧した
A地区とB地区に移動して、数が減りました
あとはーー
E地区のエネルギー反応は、ノイズだったようで、
キメラはほとんどいません”
と、メイは付け加えるー。
「と、言うと?」
春夫が指示を仰ぐー
メイは悪女のような笑みを浮かべながら呟いたー
”A地区、B地区、C地区、E地区をそれぞれ分担して
制圧したほうが良いかと。
各地区を制圧後、D地区の強大なエネルギーに対処しましょう”
とー。
「わかった」
春夫は、何も疑わずに、そう答えると
「俺はA地区を制圧するー
恋歌はB地区、大二郎さんはC地区、信彦はE地区を頼むー」
と、素早く指示を下したー。
「了解!」
4人が散開していくー。
モニターでその様子を確認しながらー
足を組みながら片手で胸を揉んでいるメイは、笑みを浮かべたー
「くくくく…馬鹿な人間ども」
大二郎が”アニメ声”と評した声でメイが笑うー。
モニターには
最初、メイが言っていた通りー
C地区には大量のキメラ反応、D地区には少数のキメラ反応、
E地区には強大なキメラ反応が表示されているー
”D地区に突如として巨大反応…
代わりにC地区に集結していたキメラが先ほど、制圧した
A地区とB地区に移動して、数が減りました”
乗っ取られたメイが伝えたのはー
全部”嘘”だー。
「--くくくくくっ…
あははははは…
あははははははははははははっ!!!」
メイが表情を歪めながら、
不気味な声で笑い始めたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
発電所内ではー
何も知らない大二郎がC地区に突入したー
”多数のキメラが待ち構えている地区”だー。
だが、乗っ取られたメイの
C地区のキメラは移動したーという言葉に騙されーーー
”そこにいるキメラは2体です”
大二郎に対して通信を送るメイ。
「おうよ!すぐに片づけてやるぜ!」
大二郎が、C地区の最深部に入っていくとー
そこにはーー
大量のキメラがーー
「な、、な、、、な、、、ど、、どういうことだ!?」
大二郎が悲鳴にも似た叫び声をあげるー
そしてー
”あっれぇ~~~~~~?????
間違えちゃいましたぁ~~~♡”
メイが挑発的に笑うー
大二郎が「な、、なんで…えっ!?」と
困惑している間にー
一人ではとてもかなわない量のキメラに襲われてー
そのまま大二郎はズタズタに引き裂かれたー
「あははははっ♡ ばいば~い!」
メイがモニターを見つめながら笑うー
C地区の生体反応が消滅ー。
大二郎は死んだー
そして、メイは笑みを浮かべたー
「あと、3人ー」
とー。
②へ続く
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世界の平和を守る組織の
オペレーターが憑依されちゃうお話を書いてみました!
続きはまた明日デス~!
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