<憑依>良いところだけ俺のもの②~略奪~

憑依されてしまった美里は、
”良いところだけ”奪われるー

そのことを深く考えることもできないままー
利用されていく彼女の運命はー?

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「ーーーうっふふふ~♡ 本当に楽しい♡」
幸せそうな美里ー

とても可愛らしいおしゃれをして、
彼氏とのデートを楽しんでいるー

高校3年生になった美里には
彼氏が出来ていたー

クラスのイケメンと付き合いだした美里ー

だがー
今の美里は乗っ取られているー

”良い場面”だけ奪われているー
美里に憑依した男にー

”あぁぁ、ゾクゾクするぜ…”

デートを楽しむ可愛い女子を演じながら
相手の男の反応を見て、ゾクゾクしている美里ー

デートは楽しいー
美少女として、楽しむデートは。

この彼氏に告白したのも、
美里の意識をコントロールしたことによるものだー。

美里を乗っ取っていないときでも、
中から強く念じることで、美里の意志を
ある程度コントロールできる。

このイケメン男子の真人(まさと)を好きになるように
美里の中で、真人のことを想い続けたー
結果、美里は勝手に真人に告白し、
真人と付き合い始めたのだったー

美里を乗っ取っている男自身、
真人のことは好きでもなんでもないー

だが、こうしてー
”デートを楽しむ女子高生”をやってみたかったのだー

「真人といると、本当にしあわせ♡」
嬉しそうな声を出す美里ー。

真人が顔を赤くしているー

”くくくく…いい、”俺”が、お前をドキドキさせていると
 感じるだけで興奮する…
 くくく…楽しいなぁ、女子高生ごっこはぁ!”

デートを楽しむ美里は
とても上機嫌だったー

デートをするとき、
何故女は、おしゃれをするのだろうかー。

男はそんな風に思いながらも
いつも以上におしゃれな格好の自分ー
いや、美里を鏡で見つめて、笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・

最近ー
男はあまり”表”に出なかったー

美里の中で、のんびり過ごすことが多いー

「--はぁ~たいへん!」

何故ならー
美里が大学受験の勉強をしているからだー。

”勉強とか、めんどうなことは、
 任せるよ、美里ちゃん”

なれなれしくそう呼びかける男ー
もちろん、美里本人にそんな言葉は聞こえていないー

男は美里の中で
美里の記憶を見ながらのんびりしているー

小さいころの記憶やー
色々な恥ずかしい記憶ー
美里のこれまでの人生のあらゆる場面を
覗くのは、まるで映画を見ているかのような、
独特な高揚感があったー。

たまらないー。

「---はぁ~今日は勉強おわり!」
美里が満足そうに微笑むー

”よし、ご苦労様”
そう呟くと、男は美里を乗っ取ったー

「あぅっ」
美里がビクンと震えるー

そして、笑みを浮かべるー

「さぁ~て、エッチしますかぁ♡」
美里は笑いながら胸を揉み始めたー

本当はーー
めっちゃくちゃになって、乱れたいー
男を連れ込んでぐしゃぐしゃになってみたいー
エッチな格好をして、家中でエッチに狂いたいー

だがー
美里は女子高生だー
まだ、実家ぐらしー

今は、まだ、我慢だー
今はー。

だがー
大学に入学したら一人暮らしを始めることは
両親にも伝えてあるー

美里の中で一人暮らしの空想を強く重ねることで、
美里に一人暮らしをしたいという気持ちを植え付けたー

「---ふひひひひひっ♡」
鏡の前でポーズを決める美里ー

今日の夜も、存分に俺が楽しんであげようー
美里の代わりにー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

やがてー
美里は大学に合格したー

「やったあああああ!」
合格発表の最高の瞬間を乗っ取って、
男が美里として喜びを表現するー

可愛らしく女子高生として喜ぶー
これもまた、やってみたかったことだー。

良いところだけ、自分のものにするー。

男は、そんな憑依を続けたー

卒業式の日も、美里を乗っ取ったー
卒業式後のクラスの集まりでも、美里を乗っ取って、
存分にはじけて見せたー

「みんなとお別れのぎゅ~♡する~~!」
大胆な行動に出る美里ー

クラスの男子たちの顔を真っ赤にした
様子が忘れられないー

”どうせ、大学に入学すれば、お別れなやつらだ”

だからー
最後に大胆に遊んでやったのだったー

そしてー
大学生になった美里は一人暮らしを始めたー

「--ははははっ♡ 念願のファッションショーだ!」
色っぽいドレスを着て、一人暮らしの家の中で
一人ファッションショーをする美里ー
エッチな服をたくさん買い込んでー
まるでモデルのように鏡の前で歩くー

「あぁぁぁぁ~綺麗だ~♡」
美里がゲラゲラ笑うー

でもーー

「この女も、そのうち劣化が始まるだろうからなぁ~」
美里は、自分のことを他人のように呟くー

いつまでー

いつまで、この”器”に住むかー。
用がなくなったら、男は引っ越しをするつもりでいるー。

美里の身体を捨てて、
また別の身体に移るのだー

「ま、、20後半ぐらいまでかなぁ、ふふ」
美里は笑いながら足を組んで、
そして煙草を吸い始めたー

「--健康は、まぁ、ね?俺の身体じゃないし。
 へへへ」

美里はそう言いながら、
煙を吐き出したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大学に入学するー

”俺は紳士だからな…
 美里ちゃんを完全に乗っ取ったりはしないぜ

 共存共栄だ”

良い場面だけを奪っておきながら
都合のことを言う男ー

だが、美里は、最初とは違い、
自分の意識が飛んでることも気にしないように
されていたー

「---」
大学でも真面目に授業を受ける美里ー。

バイトも、必死に頑張っているー

”そうだ!働け働け”
美里の中で、男は笑うー

美里を働かせて、
バイトで稼いだお金は、自分で使うー

「--休憩はいります~」
美里が休憩に入ると、男は美里を乗っ取ったー

「ふ~~…おつかれさん」
美里は胸を少し揉むと、そのまま
弁当を食べ始めたー

「ん~~~~うまいうまい」
”食べる楽しみ”も男が奪っていたー

美里は休憩時間を満喫すると
「はい!面倒くせぇお仕事の時間。
 任せたぜ」
と、呟いて、うっ…とうめいたー

美里は
「あれ…!?!?」と、自分の意識が
飛んだことに違和感を感じたがー
美里に潜む男がポジティブな思考を内面から
強く送り付けていることによって、
美里は、気にせず、そのままバイトへと戻ったー

良いところだけ、俺のものー。
めんどうくさい部分は、お前のものー。

共存共栄ー。

男の自分勝手な共存共栄によって、
美里は、人生の良い部分を奪われ続けたー

喜びも、何もかもー
全てー。

それでも美里は、何も後ろ向きに考えることもできずー
大学も無事に卒業したー

成人式のときもー
卒業のときもー
彼氏にプロポーズされたときもー
何もかもを、奪われてー

「----♡」
ウェディングドレスを身に纏った美里ー

一人になったタイミングで鏡を見つめるー

「へへへ…最高だぜ、これが女の幸せってやつか~」
美里に長年潜み、長年美里の良いところを奪ってきた
男は、いつしか女としての感覚も身に着けていたー

今や、真人と結婚できることに喜びを感じているー

「くく…よ~く、考えたらこの女の人生、
 俺のせいで、ずいぶん狂っちまったかもな」

美里は、ウェディングドレス姿のままそう呟くー

一人エッチができなくなるのは残念だがー
真人とのエッチはできるし、
そろそろ結婚するのも悪くないー

どうせあと数年で、美里は捨てて
別の身体に移るつもりだし、
美里がどうなろうと知ったことではないー

「へへへ…俺って優しいよなぁ~」
美里がニヤニヤしながら呟くー

その人の人生を全て奪うなんてことはせずー
その身体を破壊したり、犯罪を侵したりすることもせずー
最後には身体も返してあげるー

「へへ、優しすぎるぜ、俺ー」
邪悪な笑みを浮かべたウェディングドレス姿の美里ー。

美里は、そのまま結婚式本番を迎えー
最高の幸せとゾクゾクを味わいながらー
結婚式を終えたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結婚式を終えたあとの美里は、
真人と幸せな日々を送っていたー

”へへへへ…仕事の時間だな”
美里に憑依している男は笑うー

相変わらず、男は
”良いところだけ”美里の身体を乗っ取り、
あとは美里の中でのんびりしているー

”身体を完全に乗っ取る”なんて、
鬼畜のすることだー。
男は独特の美学を持っていたー。

完全に乗っ取るのではなく
共存共栄することで、
相手の人生を奪わず、
なおかつ、自分もおいしい思いをするー。

男は、それをお互いが得をする関係であると
本気で思っているー

「----お疲れ様です」
美里が、今日も仕事を必死に頑張っているー

美里はーー
辛いことや、苦しいことー
疲れることー
そういうことだけを、やらされているー

最初は疑問に思っていた美里も、
今や、脳内で男にポジティブ思考を
流し込まれて、それすらも把握できなくなっているー

「----」
昼休みー
ぼーっとしている美里ー

ふと、
”わたしの人生、なんなんだろう…”と
考えるー。

なんか、
仕事をしたり、
ばかりしている気がするー

自分の人生なのに、
自分の人生じゃないような気がするー

一場面一場面、まるで、
ゲームをプレイしているかのように、
決められた場面をプレイしているかのようなー
そんな、気持ちがするー

”おーっと”
美里の中にいる男は、そんな美里の思考を
感じ取って呟くー

”余計なことは、考えなくていいんだぜ”
とー。

男は美里を乗っ取るー

「うっ…」
美里はうめいて、そのまま完全に乗っ取られてしまったー

「ふふふ…昼休み昼休み~」
良いところー
昼休みだけは俺のものだー

この会社の食堂は、意外と美味しい。

「-う~ん、美味しい!」
昼食を食べ終えると、女子トイレに籠り、
個室の中でだらしない格好をして、胸を揉むー

この女が高校時代から揉んできた胸ー
だいぶ慣れてきたしー
そして、ある意味飽きてきたと言えるかもしれないー。

「ーーはぁ…♡ はぁ…♡」
個室から出て鏡を見るー

「--へへ…さすがにちょっと劣化してきたかな」
まだ美里は若いが
少しずつ、その輝きを失っているようにも見えるー

自分の身体であれば、
まだ十分行ける年齢だと思うー

だが、美里の身体は所詮、他人の身体ー
そろそろ”乗り換え”するのも、悪くはないー。

「----くふっ」
美里は鏡の前で笑うー。

「そろそろ、乗り換える準備をするかぁ…」
美里はニヤニヤと笑みを浮かべたー。

乗り換える前にー
最後に、
遊びたいー

そう思った男は、
”あること”を思いついたー

鏡の前で、極悪人のような笑みを浮かべる美里ー

”抜ける”ことはいつでもできるー
恐らく、男本人の身体は、もうとっくに死んでいるだろうからー
次の身体を見つけて、またこうして潜む必要があるー

美里は、高校生の時代から乗っ取ったから、
今度はもっと低い年齢からスタートするのも面白いー

「へへへ…俺は紳士だからな…
 ちゃ~んと、身体は返してやるぜ」

”なにか”を思いついた美里に憑依している男は
美里の口でそう呟くと、
昼休みが終わることを確認し、
身体の主導権を美里に返したー

”ククク…”
美里の中で男は笑うー

男が、美里の中であまりにもニヤニヤしていたからかー
会社の廊下を歩く美里も無意識のうちにニヤニヤしていたー

③へ続く

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良いとこどりを続ける男の運命ー
良いとこだけ取られ続ける彼女の運命ー
明日が最終回デス!

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