<憑依>憑依の瞬間①~その瞬間~

憑依した瞬間に
憑依された人間が思わず出してしまう声、
思わずビクンとしてしまうその様子ー。

それに、至上の喜びと興奮を覚える
憑依人がいた…。

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”憑依”

その力の、奥深さを追求している人物たちがいた。

”憑依四天王”
そう呼ばれる4人の人物たちは
「普通の憑依」にはすでに飽き飽きしていた。
憑依能力を持つ4人は、
憑依の更なる快楽を追求し、
それぞれ、憑依の底の底まで、
魅力をしゃぶりつくそうとしていた。

「--憑依して、どこまでその人間を
 豹変させ、壊すことができるか。
 今までその人間が何十年もかけて
 積み重ねてきたものを数日にして破壊する。
 ここに、僕は興奮を感じるわけだよ」

イケメン風の青年が言う。
憑依四天王のひとりだ。

「-ーなるほど。それも確かに一興だ。
 だが、まだまだ甘いですな」
眼鏡をかけたエリート風の男性が言う。

「憑依はビジネスです。
 憑依して奪った女性の身体を
 いかに、金に換えるか。
 一度の憑依で何人の福沢諭吉を
 稼ぐことができるのか。

 それが、一番憑依の有効的な使い方でしょう。

 女性の身体を奪い、
 身体を使って福沢諭吉を招き入れる。
 これこそ、新時代のビジネスです」

その言葉に、
四天王の唯一の女性が笑う。

「わたしはねぇ、モテないからねぇ。
 とにかくエッチに溺れることしか考えてないわ
 ありとあらゆる方法で…ネ?」

そして、
四天王最後の一人に
スポットライトがあたった。

「”憑依の瞬間”だー」
彼は呟いた。

他の3人の”四天王”が彼の方を見る。

「憑依された瞬間、
 女が出すうめき声のような声…
 ビクンと震えるあの瞬間…

 この世で最も美しい芸術だ…」

四天王最後の一人の言葉に、
他の3人は息をのみこむ。

「知っていたか?
 憑依された瞬間の反応は
 憑依される女によって違うー。

 それに、憑依する場所、タイミングに
 よって本当に色々な”反応”を
 見せてくれる。
 憑依される瞬間は、最高に美しい…」

”憑依される瞬間”
その瞬間のみに人生をかけている男はそう言った。

4人がそれぞれ報告を終えて、
座っていたイスからそれぞれ立ち上がる。

「--さて、話はここまでだ。」
会場の明りが消えるー。

4人は1か月に一度、ここに集まり
憑依の楽しみ方について議論している。
”憑依の奥深い世界”をとにかく
楽しみ、追求するためだー。

「-……憑依された瞬間の
 美しさ…もっともっと追究しなければ」

憑依四天王のひとち
コードネーム・ジュピターはそう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とある高校。

チャイムが鳴り響く。

昼休みに友達とのトークが
盛り上がってしまい、
トイレに行くのを忘れてしまった
女子生徒が、授業のおわりと
同時に立ちあがった。

”ふ~、よかった~”

ツインテールの可愛らしい少女は、
内心でほっとした。
授業中に漏らしでもしたら最悪だった。
正直、途中やばいかな?とも思ったけれど
なんとか我慢できてよかった。

もちろん、授業中に
「先生、トイレに行ってもいいですか?」と
言えばいいだけなのだけれど、
彼女のプライドがそれを許さなかった。

授業中にそう言えばクラスメイト全員に
トイレに行くことがばれてしまう。

「---♪~」
トイレの方に早足で向かう少女。

もう我慢の限界だ。

ようやく、ゴールにたどり着くー
少女が内心で一息をついたその時だった。

「んあっ!?」
彼女がビクンと震える。
可愛らしい、けれども変な声。

「あ…んえっ…」
”憑依”された衝撃で、彼女は
我慢していたものをそのまま出してしまった。

下着が濡れる。
スカートが濡れるー

そして、廊下に
水たまりを作り、
彼女はその場に座り込んだ。

「んへへへへぇ…失禁しちゃったぁ」
ツインテールの少女は、
自分で作った水たまりの上に
座りながら微笑んだ。

我慢している人間に
憑依すると、衝撃で漏らしてしまうことがある。

”ジュピター”は、
そのことを知っていて、この少女に憑依した。

周囲がざわめいている。

「んへへへへへ…憑依の瞬間…さいこぅ…」
それだけ呟くと、ツインテールの少女は、
自分が作った水たまりの上で
気絶してしまったー。

少女から抜け出した”ジュピター”は微笑む。
憑依される瞬間は、実に美しい。

今の少女が憑依された瞬間に出した声。
ビクンとした震え。
はずみで漏らしたこと。
全てが芸術となって、ジュピターを興奮させた。

「くふふふふ…
 憑依の瞬間のシチュ…
 憑依される瞬間のあの声…
 たまらないな…」

ジュピターはそう呟くと、
”例のもの”を作るために、
次のターゲットを探した。

”ん…あの女でいいか”

落ち着いた雰囲気の
けれどもどことなくおしゃれな女性。
女子大生だろうか。

ターゲットを定めた
ジュピターは
歩いているその女性に憑依した。

「んっ・・・!」
ピクンと震える女性。
小さな、色っぽい声だった。

「くふ…」
女性は笑みを浮かべると、
歩いていた方向と反対に歩き出す。

そして、近くのビルの一室…
ジュピターが借りている部屋に入ると、
女性はその部屋に設置してあった
機械を起動させた。

イスの側には、
まるでレコーディングを行うかのような
環境が整っている。

女性は、不気味な笑みを浮かべながら
何かを再生した。

「んっ♡」

「あぁっ♡」

「ひぇぅ♡」

「んはぁっ!?」

「--それでね、あしたぁぁあいう♡」

色々な女性の声が聞こえる。

これは、
”ジュピターのボイスコレクション”だ。

ジュピターは、女性が憑依される瞬間の声を
集めて、録音していた。
今、憑依されている女子大生のように、
身体を乗っ取っては、ここにやってきて、録音するのだ。

部屋に、女性たちの憑依された瞬間の声が
響き渡っている。

色っぽい声を出す女性もいれば
とんでもない、うめき声のような声を出す女性もいる。

「んっん~♪」
今、憑依されている女子大生は、そのボイスを
聞きながら興奮していた。

もちろん、この女子大生にそんな趣味はない。

けれど、今はジュピターに完全に乗っ取られていて
女性は、ジュピターの意思に従って
興奮していた。

「--うつくしい」
目を輝かせる女子大生。

そしてー

「さてさて…」
と呟くと、器具を自分の前に向けて、
そのまま「うぁ…」と呟いて
女子大生は意識を失った。

女子大生から抜け出した
ジュピターはぐったりと意識を失っている
女子大生の方を見て微笑む。

そして、もう一度その女子大生に憑依する。

「ぁ…♡」
女子大生がピクンと震えて声を出す。

”ふふふ…いいぞ”
ジュピターは内心で笑みを浮かべた。

それに釣られて、女子大生も笑みを浮かべている。

ジュピターのボイスコレクションがまた一つ、増えたのだ。

「…」
ビクッと震えて再び女子大生が
意識を失う。

ジュピターは、ぐったりしている女子大生を再度見つめて
そして、また憑依した。

今度はさっきよりも勢いよく、だ。

「--んあぁっ♡」
女子大生がさっきよりも大きい声を出した。

”くくく…いいぞ”
ジュピターは笑う。

何度も何度も、これを繰り返す。

そして、何種類もの
”憑依された瞬間ボイス”を録音し、
それをコレクションに加える。

この日、この女子大生への憑依は、
38回にもわたり行われた。

そして、ジュピターが飽きた頃に、
この女子大生はようやく解放されたのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

ジュピターは”仕事”をしていたー

憑依四天王は、それぞれ
”憑依”でお金を稼いでいる。

四天王のひとり、
憑依にビジネスを追求している男
”サターン”は、
金を稼ぐことしか考えていないが、
”ジュピター”をはじめとする残りの3人は、
あくまでも生きるためだけに金を稼ぎ、
残りの時間は、自分の趣味のために憑依を
用いていた。

「--♪~」
ジュピターは、乗っ取った女性の身体で、
銀行口座からお金を下ろす。

ジュピターの金稼ぎはいたって簡単。
憑依して、その身体で銀行からお金を下ろし、
そして彼自身の家に運ばせるのだ。

もちろん、これは犯罪だろう。
だが、憑依の力なんて
あまりにも非現実的だし、
乗っ取った女性の意識を改変してしまえば、
何も問題はない。
お金関係の意識を変えてしまえば
良いのだからー。

「---…んひひひひひ」
ニヤニヤしながら主婦の女性が
ジュピターのアジトの一つに
お金を運ぶ。

夫が汗水たらして働いて稼いだお金を
憑依された妻は、何の疑問も抱かず、
ジュピターのために運んでいる。

「---ふへっ…
 今月はこれで十分だ」

憑依された女性はそう呟くと
そのままどこかへと立ち去った。

適当な場所で憑依から解放する。
記憶は適当にいじってー。

当然、夫婦仲は壊れるかもしれないし、
このままだと夫が喚きだして金の動きを
調べる可能性もあるから、
彼は先回りして夫にも憑依し、
記憶を書き換えておく。

「---…ふぅ」
彼は、今月の生活費を確保すると、
一息ついた。

あとは、憑依の瞬間を追求するだけだ。

彼ー
ジュピターは考える。

憑依の瞬間は
一種の芸術であると。

憑依された瞬間、人間は
何らかの声出す人が多い。

「ひっ!?」
みたいな声の人間もいれば
「あぁ♡」みたいな、
妙に甘い声を出す人もいる。

「うっ…」みたいなうめき声も。

それが、なんとも言えない
芸術だと、彼は考えていた。

変に女性が喘ぐ声を聞くよりも、
乗っ取られた衝撃でつい出てしまう声は、
なんとも、エロい。

だから彼は憑依の瞬間に出てしまう声を
先日にように録音し、コレクションしていた。

そしてー
憑依される瞬間ー
そのタイミングによってはとんでもない”事故”が
起きることもある。

先日の失禁してしまった
女子高生もそう。
トイレを我慢しているタイミングで
憑依された彼女は、そのはずみで
出してしまったのだ。

「---美しい」

彼はそう呟くと、
次の憑依対象を探し始めた。

彼は、人の人生を壊すことを何とも思わないー。
ただ、自分が憑依の瞬間を楽しむことができれば、
そのあと、どうなったって、関係がないのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---うっ…!?」
ピザの宅配中だった女性が憑依された。

ビクンと震えて、
ハンドル操作を誤って
そのまま彼女は激しく転倒してしまう。

激しい痛みが走る。

「あぁ…いひひひひひひっ、やっべぇ」
バイクから吹き飛ばされて路上に横たわったままの
若い女性が笑みを浮かべる。
どう見ても、重症。
いや、助からないかもしれない。

「--あぁ…運転中の憑依…
 たまらないなぁ…」

苦しみながら女性は笑みを浮かべる。

ジュピターの”憑依の瞬間”を楽しむためだけの行動に
付き合わされた彼女は、とんだ災難…。

「--くへっ……あぁ、、この、、
 他人の身体で感じる痛みも…
 興奮しちゃうなぁぁあ♡」

彼女は、自分が死ぬかもしれないのに
アソコを濡らしながら興奮していた。

だがー
しばらくすると、彼女に憑依している
ジュピターは、飽きたのか
そのまま彼女の身体から抜け出した。

”ありゃ、たぶん死ぬな”

ジュピターには、何の罪悪感もなかった。

もう、彼は次のことしか考えていない。

憑依の瞬間を追求する
”瞬間芸術家”を自称する彼は、
次の憑依対象を目指して旅だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

謎の空間ー。
そこで、
四天王のひとり”ネプチューン”と
四天王唯一の女性”ヴィーナス”が
会話をしていた。

「奴は四天王の中でも最弱…」

「瞬間しか楽しめないとはの憑依人のツラ汚しよ…」

四天王の中で、不穏な空気が
蠢き始めていたー

②へ続く

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コメント

憑依された瞬間…!

ピクンとなって、んぁっ…!?みたいな
瞬間、どんな風に感じるのか、
気になっちゃいますよネ!

ならない?
私はなっちゃいます~☆笑

憑依されて確かめるしかないですネ!

あ、お読み下さりありがとうございましたー!
続きは明日デスー!

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憑依<憑依の瞬間>

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