<入れ替わり>慣れないセーラー服②~デート~(完)

親友の妹と入れ替わってしまった…!

互いに成りすましながら、
元に戻る方法を模索していくものの…?

※リクエスト作品デス!

---------------—-

「お、、、お、、、お、、お帰りなさいませ…ご主人様…!」

美紀(隆二)は身体をぷるぷる震わせていた。

この双子…
いつも、何をしてやがるんだ…?

とー

今、美紀の身体になってしまっている隆二と、
美紀の双子の兄である久雄は親友だ。

だが、深夜に”メイドさんごっこ”をやっているなんて
聞いたことがないぞー。

「---じゃあ次は、いつもの頼むよ~!」
久雄が、アソコを大きくしながら笑う。

「--え…え…い、、いつもの…?」
美紀(隆二)が困惑しながら言うと、
久雄は笑った

「美紀たんの耳かきだよ~!えへへへへ」

久雄は膝枕をせがんでくる。

メイドさんごっこをするときは、
妹のことを美紀たんと呼んでいるようだー。

「---(おぇぇ…気持ちわりぃ…)」
美紀の身体になっている隆二は内心でそう思った。

親友の見てはいけない秘密を知ってしまった気分だ。

「--お、、、お、、、お…」

(こんなやつ、おにいちゃんとよ呼ぶのも
 気持ちわりぃ…)

でも、ばれるわけにはいかないし、
この溺愛ぶり、
もしも妹の身体の中に隆二がいる、なんて知られたら…

そう思いながら
ひきつった笑顔で、耳かきを始めるのだったー

「ふぁぁぁ~」
久雄が満足気に微笑む。

「明日はバニーガールさんごっこしようぜ」
当たり前のように言う久雄。

「え…あ、、、う、、うん」
美紀(隆二)が困惑しながら呟くと
久雄は満足そうに自分の部屋に
戻って行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

学校でタイミングを見計らって、
隆二(美紀)と接触するー。

「--な、、なぁ…昨日のアレ…
 どういうことだよ!?」

美紀(隆二)が
隆二(美紀)に詰め寄る。

「--え…?メイドさんごっこのこと?」
隆二(美紀)はきょとんとした表情で言う。

「--あ、、あんなこと普通の兄と妹なら
 しないと思うんだけどさ…
 美紀ちゃん、やらされてるのか?」

美紀(隆二)がそう言うと、
隆二(美紀)は満面の笑みで答えた。

「中学生のころ、わたしから言い出したの!」

とー。

”ダメだこの双子…早く何とかしないと”

美紀の中にいる隆二はそう思った。

確かに美紀は可愛いー
けど、こんなことになるなら、
早く元に戻りたいー。

その後も、二人は、色々と話し合い、
昼休みの終わりを告げるチャイムが
なった為教室へと戻るのだった。

そんな二人の様子を、
影から見ている男子生徒がいたー

美紀の双子の兄・久雄だったー。

「----」

ゴゴゴゴゴゴゴとでも効果音が
聞えて来そうな鋭い目つきで
久雄は二人の方を見つめていたー

教室に戻る途中、
教室前のロッカーで隆二の友人の一人・五郎が
自分のぐちゃぐちゃなロッカーをいじっているのが見えた

「--お、、五郎!」
美紀(隆二)は気安く話しかけてしまった。

「相変わらず整理整頓できないんだなぁ~あはは」
笑う美紀(隆二)

可愛い美紀に話しかけられて困惑する五郎。

「---…」
五郎の不思議そうな顔を見て、美紀(隆二)ははっとする。

「----あ、ちが…
 え、、えと、、五郎、、じゃなくて…草薙くん…!」

気まずそうに言うと、
五郎も気まずそうに首をかしげた

「あははははは…!」

笑ってごまかしながら
その場から立ち去る美紀(隆二)

仲良しの男子生徒と話す時も、
この姿じゃ〇〇くんと呼ばなくてはいけないー

下の名前で急に呼ばれたらびっくりするだろう。

逆にー

「ま…ま…ま…真彩ちゃん…」

教室で、学年でも一番可愛いと人気者の真彩(まや)に
話しかける美紀(隆二)

美紀と真彩は仲良しだ。

その真彩を苗字で〇〇さんと呼べば
違和感を感じられてしまうー

がー
可愛い真彩を下の名前で呼ぶのは
とんでもなく緊張したー

もう疲れた…

そう思いながら、真彩と話していると
真彩が微笑んだ。

「---美紀ちゃん、なんだか疲れてるね…?」

にっこりとほほ笑む真彩ー

可愛すぎる…!
美紀(隆二)はそう思った。

美紀と真彩は可愛い子同士、仲良しなので、
男子たちからは憧れの的でもあった

妹的キャラの美紀と、
お姉さん系キャラの真彩で、
ジャンルは全く別なのだけれども。

「---今日の放課後、いつもの東棟の教室で」
真彩がそう言って微笑んだ。

「--?」

なんだろう?と思いながら美紀(隆二)は
確認のLINEを美紀本人に送る

”あ~!真彩ちゃんね!
 とにかく空き教室に放課後、行ってあげて”

すぐにそう返事が返ってきて、
美紀(隆二)は、何なんだろう…と思いながら
困惑することしかできなかった。

放課後。
空き教室にやってくると
真彩は微笑んだ。

甘い笑みを浮かべて近づいてくる真彩。

真彩は、普段、他の生徒たちの前では
見せないような甘い表情を浮かべているー

凛として真面目な雰囲気の
頼れるお姉さん的な真彩が
乱れた雰囲気を見せている

「あ…え、、えと…何をするつもり…なのかな?」
美紀(隆二)が苦笑いしながら言うと、
真彩は美紀(隆二)に抱き着いた。

そしてー

そのままディープなキスをーー

「----!?!?!?」
美紀(隆二)は突然のことに驚いて
身動きもとれず、
ドキドキして、言葉も発することができなかった。

「--誰にも邪魔されない二人の時間…
 うふふふふ♡」
真彩は嬉しそうに笑うのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰宅した美紀(隆二)は
すっかり疲れ果てていた。

慣れないセーラー服を身にまとい、
慣れない女の子としての振る舞いをするー

こんなことが、いつまで続くのかー

早く、元に戻りてぇ。
隆二はそう思った。

ガチャー

部屋の扉が開く。
兄の久雄だ。

久雄は、バニーガールの服を手に持ってニヤニヤしている。

「そういえばさ、今日、隆二のやつと
 仲良さそうに話してたよな~?」

久雄が笑う。

「---え…あ、、あれは…」
美紀(隆二)が誤魔化そうとすると、
久雄は叫んだ。

「---美紀!お前のお兄たんは俺だけだぞ!」

とー。

”久雄、これ以上、俺を幻滅させないでくれ…”

美紀の中にいる隆二は、
そう思わずにはいられなかった…。

「今日はバニーガールごっこだ!」
久雄が叫ぶ。

目の前にいるのが美紀だと思い込んで
そんなことを叫んでいる久雄に対して
「俺は隆二だぞ!」と叫んでやりたい気持ちになった。

だがー
美紀のためにもそんなことはできない。

隆二は、親友である久雄の妹・美紀のことが
密かに好きだった。

だからー

元に戻るまでの間、美紀を演じなくてはならないー

慣れないセーラー服だろうが、
慣れないバニーガールの格好だろうが、
何でもきてやる…!!

「---!?」
そう思いながら美紀(隆二)が
久雄の方を見ると、
久雄がバニーガールの格好をしていた。

「今日は、お兄たんバニーだよ♡」
久雄が叫ぶ。

「-------」
美紀(隆二)はもはや言葉を失ってしまった

バニーガールの格好をしながら
ぶりっ子な仕草をする久雄。

この兄妹は何をしてやがるんだ、と
思わずにはいられなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「むっふぅぅぅぅぅ~んんあ♡」

一方、
隆二になった美紀は、
一人、部屋で白い液体を放出していたー

「あぁぁあ…これが男の人の快感…」

隆二(美紀)は顔を赤らめる。

快感を味わったと同時に
途端に、むなしい気持ちになる。

「ふぅ~ん…これが賢者がなんたら…
 くふふ」

隆二(美紀)は笑った。

元に戻る方法をスマホで調べていた隆二(美紀)は、
そっと、スマホの電源を切った。

「--このままでもいいかもっ!うふ」
隆二(美紀)は笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間が経過した。

”俺”ではなく”わたし”
そう言うことにも慣れたし、
美紀として振る舞うことにも慣れた。

元に戻る方法を模索しているが
そもそも入れ替わりなんてそう簡単に起きることじゃないし、
そんな情報はネットにもなかった。

”知恵袋”で質問してみても
ふざけた回答が戻って来るだけだ。

そんな中、隆二(美紀)に呼び出された美紀(隆二)は
空き教室へとやってきていた。

「--よぉ」
空き教室に入ると隆二(美紀)が言う。

「--おいおい、二人だけの時まで俺のふりをしなく…」

美紀(隆二)がそこまで言いかけると
隆二(美紀)が叫ぶ。

「”俺”じゃなくて”わたし”!」

とー

「は…?」
美紀(隆二)が困惑する。

「決めたの
 わたし、元に戻るの諦めて
 隆二君として生きるって」

隆二(美紀)が微笑んだ。

「---え、、ちょ、ちょっと待ってくれ」
美紀(隆二)が言うと、
隆二(美紀)が笑う。

「わたしね、正直お兄ちゃんの愛情が重かったの。
 でね、隆二君と入れ替わって、最初は寂しい気がしたけど
 数日たってみると分かったの。

 久雄お兄ちゃんが家にいないって、なんて楽なんだろう!
 ってね」

隆二(美紀)の言葉を聞いて
美紀(隆二)は首を振る

「ま、ま、ま、待ってくれ!俺は元にもどりたー」

そこまで言うと、
隆二(美紀)が突然、壁ドンをした。

「ひゃっ!?」
美紀(隆二)は思わず驚く。

「--今はさ、わたし…ううん、俺の方が
 力も強いんだよ?」

隆二(美紀)がニヤニヤしながら
壁ドン状態で囁いた。

「--隆二くんがわたしのこと好きなのは
 分かってたよ?
 だからさ、身体は逆になっちゃったけど
 付き合ってあげるから、
 元に戻るのは諦めて、このまま過ごそう?」

その言葉に
美紀(隆二)は反論しようとした。

冗談じゃない!
いつまでも女の子の身体でー

しかしー
その言葉を遮り、隆二(美紀)は
美紀(隆二)にキスをしたー

「むぐっ…!」
美紀(隆二)は口をふさがれてもがくー

「--これからよろしくね…隆二くん…
 いいえ、美紀ちゃん」

隆二(美紀)はそう言うと、微笑んだー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

時は流れー
高校3年の冬ー

遊園地ー

「ねぇねぇ、次はあれに乗りたい~!」

「ははは、仕方ないな~!」

隆二と美紀が、仲良くデートをしていた。

おしゃれな美紀と
ファッションセンスのある隆二。

二人は、
今も入れ替わったままだー。

けれどー
今ではすっかり、
隆二は美紀として、
美紀は隆二としての
人生を謳歌していたー

最初は着慣れないと思っていたセーラー服も
今ではすっかりなじんでいるー

そしてー
やがて、二人は元自分と結婚してー
幸せな日々を送ることになるー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

昨年頂いたリクエストを元にした作品でした!
書くのが大分遅くなってしまいましたが
ようやく完成デス!

リクエストの原文は

”2人の男子高校生は幼馴染みで、
一人には双子の妹があります。ある日、その妹と幼馴染みが入れ替わってしまいます。
以降女の子になった彼は友達だった
幼馴染みのことを”お兄ちゃん”って呼んだり
セーラー服を着たりするようになります。
学校では仲良しだった男の友達を名字に君づけで呼んだり
あんまり親しくなかった女の子を名前で呼ぶようになります。
自分の事は”私”、人の事は”貴方”と呼ぶのも抵抗があります。
でも時間が経って女の子としてのふりに慣れて元自分と結婚して幸せな日々を送ります。”

と、いうものでした!

2話分にまとめたので、
全ての要素をゆっくり入れることは
できませんでしたが、
こんな感じになりました!

お読み下さりありがとうございました!!

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    リクエスト外のところで濃い要素入れすぎじゃない…ww
    いや、そういうところがまさに無名作品て感じで大好きですけどね!
    お兄ちゃんがバニーと化すのは読めなかったよ

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > リクエスト外のところで濃い要素入れすぎじゃない…ww
    > いや、そういうところがまさに無名作品て感じで大好きですけどね!
    > お兄ちゃんがバニーと化すのは読めなかったよ

    ありがとうございます~☆
    頂いたリクエストに味付けするのも、一つのお楽しみデス~☆!

    飛龍様もバニーと化してみてはどうでしょうか~!笑