夫の治夫は、
なんとか妻を救い出し、
二人の子供を守ろうとするー。
しかし、
憑依された梨香は、そんな思いを踏みにじって行く。
---------------—
「音山ァ!」
倒れた音山の胸倉をつかむ治夫。
「---あひっ!?
ゆ、許してください!」
音山が必死に叫ぶ。
「梨香はどこだ!?」
治夫が叫ぶと、
音山は、「し、、知らない…!」と叫ぶ。
「--知らないだと?
あんたが、梨香に憑依してたんだろ!?
梨香の身体をどこにやったんだ!?」
治夫が怒りの形相で叫ぶと
音山は必死に叫ぶ。
「し、、知らない…!
憑依なんて…知らない!」
音山の目からは涙が浮かんでいるー。
梨香に憑依している人間は、
自分たちのことをよく知っていたし、
妬んでいるような発言をしていたー。
日常的に我が家の事を知っていて、
憑依しそうな人間は少ないー。
治夫は、この音山こそが
梨香に憑依した犯人だと思っていた。
がー
どうも、反応がおかしいー。
治夫を見て逃げ出したのは確かだから
何かあるー。
だがー。
「--お、、、奥さんが今、どこにいるかは知らないーー」
音山が必死に呟く。
「じゃあ、なんで俺を見て逃げたんだ!」
治夫が怒鳴る。
するとー
「あら…」
背後から声がした。
梨香の声だー
慌てて振り返ると、
そこにはキャバクラ嬢のような姿をした梨香がいた。
「---り、、梨香…」
治夫が驚く。
周囲の通行人が
治夫たちを見て、ざわざわし始めているー。
「音山さん、昨日は、良い夜でしたね
うふふ…」
それだけ言うと、梨香は二人を無視して
そのまま立ち去ってしまう。
「--り、、梨香…!
ど、どういうことなんだ!?」
音山の方を見ると、
音山は呟いた。
「す…すみません…昨日、旅行から帰ってきたら
偶然、奥さんと出くわして、
誘惑されてつい…
その、、ホテルで…」
音山が呟く。
「----」
治夫は拳を握りしめたー
憑依しているのは音山じゃないー。
音山は旅行帰りに、梨香と出くわして
梨香に誘惑されてそのままラブホで
一晩を過ごしたのだと言うー。
治夫を見て逃げ出したのは、
そのためだろう。
「--人妻に手を出しやがって!」
治夫はそれだけ言うと、
音山から手を離した。
「ご、、ごめんなさいごめんなさい」
音山は、泣きながら謝り始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・
治夫は慌てて家へと帰宅したー
するとー
「--ほら!お母さんのおっぱい、もっと揉むのよ!」
千夏が、梨香の胸を触らされていた。
「--んふふふふ…
千夏、お前をエッチな女に育ててあげるからね…
くふふ…」
梨香が娘に胸を触られながら笑っている。
「--おい!」
治夫が叫ぶ。
「---パ、、、パパ」
娘の千夏が泣きそうな目で治夫の方を見る。
「ほら!手を休めない!」
梨香が怒りの声をあげる。
千夏は泣きながら母親の胸を
触っている。
「---ふふふ…
次は、ママの女としての部分を見せてあげる」
そう言うと、梨香はスカートを脱いで、
股を広げて見せた。
「--千夏…ママのここに手を入れてみなさい?うふふ」
梨香が、娘の千夏に卑猥なことを
させようとしているーー
「おいい!やめろ!」
治夫は慌てて千夏と梨香を離す。
「千夏!部屋で休んでなさい」
治夫がそう言うと、
千夏は泣きながら呟いた。
「パパ…
ママ、どうしちゃったの…?」
ボタボタと千夏の目から
涙がこぼれる。
「---千夏…」
治夫は、8歳の娘が
こんな風に辛い思いをさせられている現状を見て、
強く心を痛めた。
なんとかしなくてはならないー。
なんとか、しなくてはー
「---大丈夫」
治夫は千夏を優しく抱きしめてそう呟く。
「----よし、部屋に戻って」
治夫は、千夏を抱きしめ終えると、
千夏を安心させる言葉をかけて、
千夏を部屋へと向かわせた。
「---さて…」
治夫は、笑っている梨香の方を見る。
セーラー服姿で、下半身には何も身を付けていない
梨香が腰に手を当てながら笑うー
「--ふふふ…」
「--お前…一体誰なんだ!
そろそろ正体を見せろ!」
治夫が叫ぶと、
梨香は少し何かを考えたあとに頷いた。
「ふふふ…いいだろう」
”そろそろ絶望を与える時だー”
梨香が、突然苦しみだす。
「うぅぅぅぅぅうう…ううう…」
そしてー
梨香の口から、煙のようなものが吐き出されると、
梨香は抜け殻のようになって、その場に膝をついた。
膝をついた梨香は、虚ろな目で
口を半開きにしたまま、
涎を垂らしているー。
「--!!」
治夫は、梨香の口から飛び出た煙が、実体化していくのに
気付いたー
ついにー
憑依していた男が姿を現すー。
「----お前は…!」
治夫は目を見開いたー
「お届け物です~!」
治夫の実家は農家ー
実家から、よく野菜が届くー
そして
そのよく届く野菜や、宅配便を
いつも届けてくれていた
顔なじみの宅配員ー
その男が、梨香の口の中から
飛び出してきたのだ。
「くくく…いつもお世話になってますね…寺本さん」
宅急便の男が笑う。
「--お前…お前が梨香に…!」
治夫が、梨香の方を見ながら言うと、
梨香から飛び出した宅急便の男が笑う。
「えぇ…
いつも、あんたの家に荷物を届けに来ているうちに、
梨香さんのことが好きになっちゃいましてねぇ…。
いつもいつも幸せそうな寺本さんの
ご自宅を見てて、俺は嫉妬してたんだよ」
宅急便の男の言葉に、
治夫が叫ぶ。
「--ふ…ふざけるな!だからってこんな…!」
梨香はまだうつろな目でぼーっとしている。
「--俺は小さい頃からモテなくてね。
いつも一人だった。
告白しても振られるし、告白されたこともない。
でもね…。
梨香さんのことは…
今回だけは諦めたくなかった。
そんな時にー
俺はネットで憑依薬を手に入れたんだ」
宅急便の男が笑うー
「貴様…!」
治夫は男を睨む。
しかし、男は悪びれる様子なく笑う。
「--憑依薬ってすごいよなぁ…!
梨香さんが俺の思いのままだ!
ぐへへへへへ…!
お前たちのママは、俺のものなんだよ!
くへへへへへへへ!」
狂気的な目で笑う宅急便の男。
元々歪んでいた性格がー
憑依薬という武器を手にして
完全に狂ってしまったー。
「ーー梨香の気持ちを考えたことがあるのか!」
治夫が叫ぶ。
「急にお前みたいなやつに好き勝手されて…!
梨香のことが好きなら、少しは梨香のことを考えろ!!」
治夫が怒鳴り声を上げると、
宅急便の男は梨香の方をちらりと見た。
「えぇ…梨香さんのことはちゃ~んと考えてますよ」
!?
治夫は、梨香の方を見る。
梨香が、意識を取り戻していたー
「あぁ…♡ ゾクゾクする…♡」
梨香が顔を真っ赤にしながら
自分の胸を触りだす。
「--り、、梨香…!?」
治夫が唖然とした表情で梨香を見る。
セーラー服姿で
今の状況ー
てっきり、梨香が悲鳴を上げると思っていた。
しかしー
梨香は嬉しそうに自分の胸を触っている。
「---ど、、どういうことだ!」
治夫が叫ぶ。
すると宅急便の男が笑った。
「-俺の使っている憑依薬はねぇ、
乗っ取られた身体の脳にじょじょに影響を
与えていくんだよ…
エッチのことしか考えてない俺の思考に、
梨香さんの思考は塗りつぶされちゃった
みたいだなぁ!えへへ!」
宅急便の男はそこまで言うと、
唖然としている治夫を無視して叫んだ。
「梨香!また憑依して欲しいか?」
その言葉に、
梨香は笑みを浮かべる。
「はい…憑依…憑依して…!
もっともっと、、わたしに憑依して…!」
嬉しそうに叫ぶ梨香。
狂ったように宅急便の男に近づくと、
「憑依して…!早く、早く…!」と呟く。
憑依に興奮している宅急便の男の意識に
塗りつぶされて、梨香は憑依を求める
変態女になってしまっていた。
「--おい!梨香!目を覚ませ!」
治夫が叫ぶ。
その言葉に、ようやく梨香は治夫の方を見た。
「--わ、、わたし…どうしちゃった…んだろう…?
ごめんね…治夫…」
梨香が目から涙をこぼしながら言う。
「でも、、、でも…我慢できないの…!
憑依…早く、わたしの身体を乗っ取ってぇぇぇ!」
治夫から目を背けて、宅急便の男にすがりつく梨香。
「---ほら、梨香さんの幸せに感じることを
俺がしてやってるんだぜ?
優しいだろ?」
宅急便の男が治夫の方を見て笑う。
「きさまぁぁぁぁぁあ…」
拳を握りしめて、今にも襲い掛かりそうな表情で
男を見つめる治夫。
梨香はうっとりとした表情で
宅配便の男の方を見つめているー
「憑依して…早く!はやくぅ!」
飢えた女の声―
優しい母親の声なんてそこにはもうなかった。
「---ママ…」
部屋に戻ったはずの千夏が、
知らない男の声を聞きつけて戻ってきていたー
長男の勇樹もー。
「---ママ!」
「---お母さん!」
二人の子供が、梨香のことを呼ぶ。
その言葉を聞いた宅急便の男は笑った。
「--くくく
ほら、梨香さん、
可愛い子供たちが、呼んでるぞ?」
しかしー
梨香は、叫んだ
「--あんな子たちよりも、早く、わたしに憑依して!」
梨香の叫び声を聞いて、
治夫は唖然とする。
「お、、おい!梨香!お前、それ本気で言ってるのか!?」
治夫の怒鳴り声を聞いて、
梨香は言う。
「ごめん…ごめんね…
でも、、、でも…!」
梨香は自分でもわけが分からないと言いたげな様子で涙を流す。
「--くく…なら、俺にお願いしろよ、梨香さん」
宅配業者の男が言う。
梨香は子供たちの方を見たあとに、
一瞬迷うようなそぶりを見せたがすぐに叫んだ。
「--わ、、わたしに憑依して下さい…!
お願いします…!
この身体、好きにしていいですから…!
あぁ…もう我慢できない…!
ゾクゾクが抑えられない…
わたし、、、壊れちゃううう…」
梨香が必死に土下座をする。
宅急便の男は満足げに微笑むと、
梨香に向かって呟いた。
「--永遠に、お前の身体は俺のものになるんだぞ?
それでもいいのか?」
その言葉に、梨香は迷わず微笑んだ。
「はい…!この身体はあなたのものです…!」
とー。
宅急便の男は大笑いしながら叫んだ。
「聞いたか!はははは!
数日間憑依されていただけでお前らの大事なお母さんは
すっかり変わっちまった!
くへへへへ!これからは俺が梨香だ!」
そう叫ぶと、
宅急便の男は再び、煙のようになって
梨香の身体の中へと入って行った。
「うぁぁ…なにか、、入ってくる…
あぁぁあ♡」
梨香が苦しみだす。
駆け寄る治夫。
「--あぁあ…きもちぃ…いぃぃぃぃぃっ♡」
嬉しそうに身体を震わせる梨香ー
ほどなくして、梨香は完全に
宅急便の男に乗っ取られてしまったー
泣きじゃくる長男の勇樹と長女の千夏。
絶望する治夫。
「ふふふ…今日からお母さん、悪魔になっちゃう…♡」
梨香が微笑みながら立ち上がる。
「--あんたたち3人は、わたしの言うことを
何でも聞くのよ」
梨香が高圧的に宣言したー
しかし、子供たちも、治夫も、ショックで
言葉を失っていたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日ー
長男の勇樹は、母の梨香の手で、
あそこを触られて
気持ちよさそうにうめいている。
娘の千夏は、梨香から無理やり着るように
言われたエッチな格好をさせられている。
治夫は、そんな様子を見ながら
なんとかしようとしていた。
しかしー
梨香が治夫に近づいて囁く。
「--わたしに逆らったら、この手で子供たちの命…
奪っちゃうかもよ…?うふふ…
逃げても無駄よ…
夫に裏切られた悲劇の妻を演じて
お前たちの人生壊してやるから…くくく…
それに、わたしが人質になってることも忘れるなよ。
こんな女の身体、俺がその気になれば
いつでも壊せる」
それだけ囁くと、
身体を震わせた治夫を無視して
梨香は微笑んだ。
「--ふふふふふ…
これからも、家族4人で、幸せに暮らしていきましょ?
うふふ♡」
悪魔のような笑みを浮かべた梨香は、
甘い声でそう囁いた…。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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このあとの一家はどうなってしまうのでしょうか~?
皆様のご想像にお任せします~☆!
お読み下さりありがとうございました!!
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