<憑依>絶望の瞬間①~光~

彼の人生は順調だった。

しかしー
そんな順調な人生を妬むものも居たー。

知らぬうちに、母、妻、妹、娘…
身の回りの人間が憑依されて…?

※リクエスト作品デス!

-------------------------—

香川 雄也(かがわ ゆうや)
30代中盤の彼は、
会社で優れた成績を残し、
若くして課長になっていたー。

さらにはー
数年のうちに、部長への昇進も決まっていたー。

早い段階で結婚しー
現在中1の娘がいる彼は
公私ともに、充実した毎日を送っていた。

・・・・・・

「--に、しても香川はほんと、優秀だよなぁ~」

夜ー。
行きつけの居酒屋で
同期4人と雑談をしていたー。

雄也の同期4人は
今でも親しかった。

こうして週に1回ぐらいは、
居酒屋に集まって飲む中だ。

所属している部署は違うものの、
新入社員の時代から、雄也たち5人は
支え合ってきたのだったー。

「--ま、たまたまだよ」
雄也が言う。

先日も、上層部からとあることで
表彰された雄也をー。

そのことを他の4人の同期は、
祝ってくれている。

「---ま、みんなも頑張れよ」

雄也に悪気はないー。
だがー
時々ー
他の4人からすれば、雄也の態度は
鼻につく部分があったー

どこか”上から目線”に感じるのだー

そんな、”小さな不満”は
長年の蓄積で、爆発しようとしていたー。

同期たちとの飲み会を終えて帰宅した。

妻の妙子(たえこ)が「おかえりなさい」と声をかけてくる。

妙子は少し年が離れていて、
現在29歳ー。

ちょうど、雄也の妹・薫(かおる)と同い年だった。

同い年なこともあり、妻の妙子と、雄也の妹・薫は
仲が良く、よく連絡を取り合っている。

「---美香(みか)は?」
中2の娘の名前を出すと、
妙子は微笑んだ。

「いつも通り、勉強中よー」

とー。

恵まれた家庭ー
仕事も順調ー

彼の人生は
まさに”光”そのものだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

会社の会議室に、4人の社員が集まっていた。

雄也の同期たちだー。

「あいつ、うざくね?」
一人が言う。

「あぁ…確かに」
4人の中で一番体格のよい男が言う。

「で、丸山(まるやま)、話ってなんだよ?」
細見の男が言うと、
眼鏡をかけたインテリ風の男・丸山が
ノートパソコンを他の3人の方に向けたー

雄也の同期4人はー
雄也ばかりが出世していくことに
嫉妬していたー

そして、雄也の態度にも
腹を立てていたー

彼ら4人の同期は、よく雄也と比べられる。

どいつもこいつも
香川 雄也のことしか見ていないー

4人の怒りは頂点に達していた。

「---これは?」
スポーツ刈りの男が言う。

眼鏡の男・丸山が、
液体入りの容器を4つー
机の上に並べた。

「--憑依薬」
丸山はそう呟くと、
パソコンに何かを入力して
オークションの画面を開いた。

「--オークションで憑依薬ってもんを
 手に入れたんだ。
 これを使って、雄也のやつに目にもの見せてやる」

丸山が笑う。

「--はは、憑依薬ってよぉ、んなもんあるわけないじゃないか!」
体格の良い男が笑う。

しかし、丸山は首を振った

「憑依薬を出品している愛染 亮(あいぜん りょう)と言う男は
 評価も良く、裏世界では知れた名前だ。
 彼の出品している憑依薬は”ホンモノ”だ」

「--いや、しかし、それを使って何をー?」

細見の男が聞くと、
丸山は笑みを浮かべながら、
パソコンの画面に事前に作っておいた計画書を
表示したー

そこにはー
雄也の妻、娘ー
そして雄也の母と妹の姿が映し出されていたー

香川 多恵子 29歳
雄也の妻。祖父の病院で看護婦として勤務ー

香川 美香 13歳
雄也の娘

香川 佳恵 58歳
雄也の母

香川 薫 29歳
雄也の妹。現在は一人暮らし。教員。

「ーー俺達4人で、この4人に憑依してー
 雄也に復讐する」

その言葉に、他の3人は唖然としたー

雄也に絶望を与えるー。
”絶望プロジェクト”

「4人に憑依した後は、それぞれに成りすまして、
 1年間を過ごすー

 そして1年後ー
 憑依されたという真実を雄也のやつに伝えてやるー。

 それが、復讐のプランだ。

 1年も前に、家族が全員憑依されていたなんて知ったら
 雄也のやつ、絶望するだろうなぁ?ケケケ」

明日はちょうど、雄也の誕生日。
その誕生日に、身の回りの家族全員が憑依されて、
そして1年後の誕生日にその真実を明かすー。

その真実が明かされた瞬間、
雄也はどのような表情・反応をするのかー

丸山の言葉に
他の3人も、その復讐に加担することにしたー

「どうせ俺たちの人生なんて
 このまま老いて終わるだけだ
 だったら人の人生を奪うってのもいいな」

体格の良い男が笑った。

「あぁ、やってやろうじゃねぇか!」

憑依薬を使えばー
もう、元に戻ることはできないかもしれないー

丸山は”それでも雄也のやつに復讐するか?”と
他の3人に言うと、
3人は迷うことなくうなずいたー

「じゃ、誰に憑依する?」
丸山は笑みを浮かべたー

憑依対象の4人ー

丸山は、雄也の娘・美香を指さした。
スポーツ刈りの男も美香。
細身の男も美香ー。

体格の良い男だけが、雄也の妹・薫を指さす。

「--へへっ、俺はこの子に決まりだな」

体格の良い男が笑った。

「---最初はグー!」
残りの3人が、じゃんけんを始める―

これから奪う身体を決めるためにー。

どうせ身体を奪うならー
若くて可愛い方がイイー

彼らはそう思っていたー。

そしてー
現在58の佳恵には
なりたくないと考えながら
必死にじゃんけんを続けるのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---♪」
ご機嫌そうに、晩御飯の用意をしていた
雄也の妻・妙子。

その時だったー

「うっ…!?」
身体に異様な悪寒が走るー。

何事かと妙子が青ざめていると、
頭の中に声が聞こえてきた。

”申し訳ありません
 あなたの身体を頂戴いたします”

細見の男のシルエットが浮かび上がる。

「な…なんなの…やめ…!?」

「んひぃっ!?」

身体を震わせる妙子。

「い…いや…入って…こないでぇ…!
 た…たす…!」

必死に叫ぶ妙子ー

しかしー
その意識は薄れていきー

「んふぅぅぅ♪」
妙子はイヤらしい笑みを浮かべたー

「--お母さん!?」
上で勉強していた、娘の美香が慌てて駆け下りてくる。

「---あらぁ~?どうしたのぉ~?」
妙子が胸を触りながら言う。

「--ど、、どうしたって、、お母さんの悲鳴が…?」
美香が言うと、
妙子は、美香の方に近づいて微笑んだ。

「お母さんねぇ…憑依されちゃったの
 男の人に…ね?うふふふ」

「--!?」

美香が驚くと同時に、美香の身体にも激しい悪寒が走る。

「え…な、、何…?」

「--あなたも、お母さんと一緒になりましょ?
 うふふふふふぅ~!」

笑う妙子。

「い、、、いや…!お、、、お母さん!、、、た、、助けて!」
美香が目から涙をこぼしながら言う―

しかしー

美香は、
スポーツ刈りの男に憑依されてしまった。

「--えへへへ!わたし、乗っ取られちゃいましたぁ~♪」
嬉しそうに笑う美香。

美香と妙子はにやりと互いを見つめ合うと、
そのまま抱き合ってキスをし始めるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ただいま~!」

雄也が帰宅するー。

「あら~?お帰りなさい~!」
妻の妙子が雄也を出迎えた。

「ん…?」
雄也は少し妙子の姿に違和感を感じたー。

妙子が妙に色っぽかったのだ。

結婚してから、妙子は落ち着いた服装が
多くなっていたが、
今日はミニスカート姿に黒タイツという
妙子にしては挑戦的な服装だった。

「---あら?どうしたの?」
雄也の視線を感じて妙子が笑う。

「--い、いや…」
雄也は顔を赤らめて、靴を脱いで
家の中へと入った。

「--(くく…分かりやすいやつだな)」
妙子に憑依している同期の男は笑った。

「--こんなエッチな身体の奥さんがいるなんてなぁ…
 ま、今日からは俺の身体だけどなぁ」

黒タイツをこする妙子。

「むふふふふふ♡」

雄也が家のリビングに入ると、
そこには娘の美香がいた。

「あれ?」
雄也は美香の姿を見て笑った。

いつもと髪型が違うー

ツインテール姿の美香は
雄也の方を見ると微笑んだ。

「あ、お父さん!お帰りなさい~!」
父を嬉しそうに出迎える美香。

「あぁ、ただいま。」

雄也はー
妻と娘の”小さな異変”に気付くことはできなかったー。

「--お風呂に入ってくる」

お風呂に向かう雄也。

その姿を見て、
憑依された美香と妙子は微笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

雄也の妹・薫は
教職員として働いていた。

現在は、一人暮らしー。

「---ふぅ。今日も疲れたぁ~」

一人暮らしの家に帰宅した薫は、
椅子に座って一息つく。

ーーその時だった。

「---えっ…!?」

自分の身体が動かなくなっていることに
薫は気づく。

「ど、、、どういうこと…?」

戸惑う薫。

これが金縛りというやつだろうか。

そんな風に思いながら
どうしようと考えているとー
頭の中に声が響き渡った。

”なかなか美人さんじゃないか”

「---!?」

薫は「だ…誰!?」と叫んだ。

一人暮らしの女性を狙った
強盗か何かだろうかー。

”そう怖がる必要はないぜ”

薫に憑依した体格の良い男が笑う。

「---ど、、どういうこと?」
薫は困惑する。

”--これからは俺がお前になるんだ”

「--!?」

その言葉を聞いて、驚いた直後、
身体に今まで感じたことのないような衝撃が走り、
薫は深い眠りについたー

「--むふっ♡」

薫が笑みを浮かべる。

「--くくく…こんなエッチな身体で
 子供たちを教えているのかぁ…
 うふふふふふふ♡」

薫は自分の胸を触りながら笑みを浮かべていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「お誕生日、おめでと~!」

お風呂から出てきた雄也は
娘の美香と妻の妙子に祝福されていたー

「お父さん、いつもありがと~!」
「おつかれさま~!」

妙子も美香も、今年は
妙に祝福してくれるー。

「---あぁ、ありがとう」
雄也は幸せを噛みしめながら、微笑んだー

”あぁ、幸せだ”

そう思ったー

誕生日の祝福は終わりー
その日の夜には、妻の妙子が
久しぶりにとせがむので、
夫婦の営みを楽しんだ-

雄也は、幸せだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー。

同期たちが、失踪したー。

いやーー…
自宅で変死体としてーー

「ーーな、何があったんだ?」
雄也は戸惑う。

つい先日、同期たち4人と一緒に
飲んだはずだー。
あの時は、元気だったー

それなのにー

「---俺もびっくりしたよ」

雄也は、会社の休憩室で会話をしていた。

「--…あぁ…一体、何があったんだろうな…?」
雄也は、先日の飲み会を思い出しながらそう呟く。

「--さぁ…俺にも分からない…」
雄也の言葉を聞いた相手は、困惑した様子でそう呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

同期たちの変死はあったもののー
それからも穏やかな日常は続いたー

妻は、なんだか色っぽくなり、
エッチをする頻度も増えたー

娘も可愛らしくなったー

妹も、よく頼って来るようになったー。

母は相変わらずだがー
幸せな日常だったー

しかしー
雄也は知らないー

既に、自分の幸せは、壊されていることにー

彼は、まだ気づいていないー

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストを題材にした作品です!

どんなリクエストかは明日のあとがきに載せますネ~!

憑依<絶望の瞬間>
憑依空間NEO

コメント

  1. ステン より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    娘と妻の年齢が合わなくないですか?
    15歳で産んでますよ…

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 娘と妻の年齢が合わなくないですか?
    > 15歳で産んでますよ…

    わわ!ありがとうございます!
    書いている途中に色々あって、
    年齢設定を間違えました…汗

タイトルとURLをコピーしました