とある週刊誌編集部は、
あるスキャンダルを狙っていた。
それは、大物芸能人のスキャンダルー。
しかし、どんなに調査しても、スキャンダルは
見つからないー。
だが、彼らには、切り札があった…
------------------------------
「-悪いけど、邪魔なんだよ」
大物俳優の橋川 雄吾(はしかわ ゆうご)は
そう呟いた。
「---ちょ、ちょっとだけでもお話を~」
週刊誌記者の男が言う。
「---これ以上付き纏うなら、訴えるからな」
雄吾はそう言った。
彼は30代前半にして大物俳優と呼ばれるほどの
実力者だ。
小さい頃から芸能活動をしており、それゆえ、プライドが高く、傲慢な性格の持ち主。
それ故に、ファンも多いが、敵も多いー。
今も、若手女優との食事デートがささやかれていて、
それを週刊誌記者に直撃されているところだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
週刊ヘヴン編集部ー
「--くそっ!」
編集長の髭山が呟く。
名前の通り、髭の濃い男だ。
雄吾の、若手女優との食事はー
誤報だったー。
そもそも相手は若手女優ではなく、
彼の、妹だったのだ。
新人記者が遠目から見て、
某若手女優に似ていたので、見間違えたのだ。
「--橋川さんの芸能事務所は、われわれを告訴するようです」
編集部員の一人が言う。
「--くそが!見間違えなんてしやがって!」
髭山が新人編集部員を怒鳴りつける。
髭山は個人的に橋川 雄吾という俳優が嫌いだった。
だから、編集部員たちに銘じて、
スキャンダルをこれまでも狙ってきたのだが、
まったくと言っていいほど、それがない。
彼は実力があるだけではなく、
スキャンダル面ー
”守り”においても優秀だった。
「--くそっ!訴えられたら我々は負けるぞ!」
髭山が叫ぶと、
デスクで昼間からビールを飲みながら机の上に
足を乗っけていたいかにもやる気の無さそうな男が手をあげた
「へ~い、編集長ォ~」
その声に、編集部員たちが、振り返る。
編集部長の髭山も同じだ。
「---俺が、動きましょうかぁ~?」
その男ー
俣野 勝正(またの かつまさ)は、
酔っているのか顔を赤らめながら言った。
彼はー
上司の指示を一切受けない。
そして、仕事もしないー。
彼は、彼が”やりたい”と思った仕事しかしないー
それ以外はデスクで、自分のやりたいことをしているだけだー。
しかしー
そんな彼がこの編集部に居ることができるのはー
”超・凄腕”だからだー。
今までに彼が動いたのは”12件”。
彼は、狙った獲物のスキャンダルを必ず見つけ出し、
そして、徹底的に叩きのめす。
彼のせいで、
芸能界引退になった芸能人ー
政界引退になった政治家は、”12人”居たー。
つまり、彼に狙われたら、最後なのだ。
「---ま、、俣野!動いてくれるのか!」
編集長・髭山は嬉しそうに立ち上がった。
「えぇ~俺も、雄吾とかいうあの俳優の態度には
腹が立ってますからねぇ。
スキャンダル、俺が暴き出してやりますよ」
勝正がそう言って立ち上がった。
「---あ、、、ありがたい…頼むぞ、俣野!」
編集長の髭山は嬉しそうに言った。
すると、勝正は髭山のデスクの前にやってきた。
「---?」
彼は指を1本立てた。
「---、、、チッ」
髭山は、舌打ちすると、彼に小切手を渡した。
”100万円”と書かれている。
勝正が動くときは、法外な報酬を要求するー。
編集長の髭山は、それに困りながらも、
勝正の驚くべき実力を認め、いつもお金を支払っていた。
「ど~も!」
勝正はそう言ってぼさぼさの頭を書くと、
前に居た新人編集者に「どけ」と言って、
編集部のある部屋から外に出たー
「くくく…楽しめそうだなぁ」
彼ー
俣野 勝義は、
スキャンダルを暴く男ではないー
”スキャンダルを作り出す 男”
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--お疲れ様でした~!」
ドラマの撮影を終えた雄吾は、
ふぅ、とため息をつきながら現場を後にしようとした。
共演の若手女優である
本瀬 園香(もとせ そのか)にお疲れさん、と呟いて
雄吾は、廊下を歩きだす。
園香は、25で、現在、最も人気のある女優に
数えられる若手の一人だ。
可愛らしい容姿と、
真面目で清楚な雰囲気が人気だ。
「--お疲れ様でした!」
園香も、スタッフたちに挨拶して、
スタジオを後にする。
園香が仕事を終えて、一人歩いていると、
背後から声をかけられた。
「--どうも~!週刊誌・ヘヴンの俣野と申します~!」
園香がその声に振り返る。
「え?あ、はい、私に何か御用ですか?」
俣野は、にやりと笑みを浮かべると
呟いた
「えぇ、あなたの身体に」
そう言うと、俣野は有無を言わさず、
園香にキスをした。
そしてーーー
俣野の身体が、煙のようになり、
園香の口から中に入り込んだのだったー
園香の身体がビクン、ビクンと震えて、
やがて、身体の震えが止まるー。
「---くふっ」
園香が笑みを浮かべる
「--スキャンダルが見つからなければ、
作っちゃえばいいじゃない~」
甘い声で呟くと、園香は不気味な笑みを浮かべて、
歩きはじめた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
雄吾が撮影を終えると、
園香が微笑みながら近づいてきた。
「あの…このあと、お食事でもいかがですか?」
園香が雄吾を誘うー。
普段と同じような仕草に見えるが、
彼女は週刊誌記者の勝正に憑依され、
身も、心も完全に支配されている。
勝正は、憑依した身体から、
記憶を読み取ることもできる。
それゆえ、園香の普段の仕草を完璧に
読み取ることができるのだ。
「----園香ちゃんと食事か…
行きたいケドさぁ、
色々、世間の目もあるから」
雄吾は既婚者なので、その気がなくても
女性と1:1で食事に行くことは、
誤解を招きかねない。
今の時代、誤解を招いたら終わりだ。
雄吾は、若い頃から成功し、挑戦的な態度のため、敵も多い。
ただし、バカではない。
”自分が嫌われていること”をしっかりと自覚し、
相手に反撃の材料を与えないようにしているのだー。
「---じゃあ~カメラマンの後藤さんと、後輩の璃乃さんも
誘っておくので…
それならいいですよね?」
園香が言う。
可愛らしい園香にそこまで言われては…。
それに、他のスタッフもいるなら、
流石に週刊誌の連中もどうにもできないだろう。
「--わかった。行こう!」
雄吾は多くのファンを虜にした、甘いマスクで微笑んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1時間後。
待ち合わせ場所の洋食屋に辿り着いた雄吾は声を首をかしげた。
「---後藤さんと璃乃ちゃんは?」
雄吾はそう尋ねたが、園香は「おかしいですね~」と答えるだけだった。
最初から、二人のことなど誘っていなかったのだ。
「---まぁ、お店のすぐに来ると思いますから、
お店の中で待ちましょ!」
園香がそう言うと、
雄吾は仕方がなく、お店の中に入った。
お店の中では、いつも通りの園香を演じて、
普通に談笑した。
そして、園香は、雄吾にお酒を勧める。
園香もわざとお酒をたくさん飲み、
やがて、雄吾に酔いが回ってきたー。
自分も含めて、酔ったことを確認すると、
園香は微笑んだ
「--スキャンダルは、探すものじゃなくて
作るものだぜー」
と、可愛い小声でささやいたー。
お店から出た二人。
「あぁぁ…だいぶ酔っちゃった♡」
身体は酔っているが、憑依している勝正は正常だ。
その上でわざと、雄吾の腕にしがみつく。
雄吾も酔っていたからか、それを受け入れて、
園香を優しく抱えているー。
「----…」
園香が甘い表情で、雄吾の顔に唇を近づけた。
そしてー
2人の唇が優しく触れるー。
「---あ、、、ご、、ごめんなさい」
驚く雄吾に、お詫びする園香ー。
そんな様子を、遠くから、汚らしい男が
カメラで撮影していたー。
雄吾は、園香をタクシーに乗せて、
そのまま自宅へと歩み始めた。
どんな状態でも、園香をホテルに誘ったりしないし、
それ以上の関係にはならない。
雄吾はー
スキャンダルの恐ろしさをよく知っているからだー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--あ、もういいや、すぐ降ろして」
タクシーに乗った園香は、偉そうな態度に豹変していた。
戸惑う運転手。
この人はべろんべろんに酔っていたはずでは?と
首をかしげる。
「---あ、釣りはいらないから」
園香は愛想なく言うと、タクシーを下りて
近くの公園に向かった。
「--へへ、取れましたぜ」
公園では、汚らしい男がカメラを手に待っていた。
「---くく、、ご苦労様」
園香が腕を組みながら、笑みを浮かべて
カメラに保存された写真を確認する。
雄吾と園香がキスをしている場面ー
嬉しそうに手をつないでいる場面ー
「--これは、いけるぜ」
園香はそういうと、男を見た。
この男は、ホームレスで、哲三さんと呼ばれている人物だ。
週刊誌記者の勝正は、憑依した際に協力してもらう人物として、
この”哲三さん”を利用している。
「---旦那、じゃあいつもの…」
哲三は笑った。
「--ふふふ…いいわよ…今日はた~っぷりサービスしてあげる♡」
園香は上着をはだけさせると、
人気のない夜の公園で、哲三を押し倒した。
「---うはぁ…あの園香ちゃんとエッチできるなんて…へへ」
笑う哲三。
園香は妖艶に微笑み、哲三の唇に自分の唇を重ねた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ…あ♡ はぁ♡ はぁ♡」
何度もイった園香は、顔をぐしゃぐしゃに歪めて笑っていた。
こんな姿、見られたら清純派女優が台無しだー
「---最高でしたよ、旦那」
哲三が満足そうに笑う。
「ーーーんふふ♡ わたしも♡ さいこうだったぁ♡」
園香は、下着姿で夜の公園の砂場の上に寝ころんでいた。
「---さぁて…と」
園香は立ち上がると、
適当に汚れた服を着て、哲三に別れを告げると
そのまま歩き出した。
近くの裏路地の誰にも見つからない場所に
スキャンダル写真を収めたカメラを隠す。
そしてー
「--記憶、書き換えておこうっと♪」
そう言うと園香は、乱れきった姿のまま、何かを呟き始めた。
「わたしはーー雄吾さんが大好きー」
「今日、雄吾さんと浮気したー」
「--わたしは、雄吾さんと一緒になれるなら、芸能界をやめてもいいー」
そう、脳に刻み付けていくー。
園香の身体が少し痙攣して、
”偽りの記憶”が刻み込まれていくー
これで、さらに”捏造スクープ”が確実なものになるー
勝正はそのまま憑依から抜け出そうとしたが
遊び心から、もう一つ付け加えたー
「---わたしは、エッチな女ー
もう本性を隠すのに疲れちゃったー」
そう言うと、園香はうふっ♡と笑って、その場に倒れた…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
とある住宅街ー。
学校に行こうと、制服に着替えている途中だった
女子高生が、突然身体を振るわせたー
「んくっ…」
髪の毛や、服装が乱れた状態の彼女は笑った。
「~~ちょ~っとだけ、身体、借りるよ~ぉ」
女子高生は笑うと、
スマホを乱暴にいじり始めた。
昨夜、自分の身体で回収した、スクープ写真。
それをネット上のドライブからコピーした女子高生は
自分のツイッターアカウントにログインするー
そしてーーー
”見ちゃった!大物同士の不倫~すごくない~?”と
写真つきでツイートした。
第3者の目撃情報を増やすことで、
よりスキャンダルの威力を強めるのだ。
「--ふふ!下準備おっけー!」
女子高生は笑いながらスマホをゴミ箱に
放り投げると、呟いた。
「--わたしは、二人の不倫を見たー」
そう、脳に刻み込む。
そして、ついでにー
「--わたしは、不良の女の子…
真面目に生きるなんて、馬鹿らしい」
そう呟いて、脳に刻み込んでおいたー
制服を着替えている途中だった女子高生は
半笑いのまま意識を失い、その場に乱れた格好で倒れた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なんだ…これは…」
数日後。
俳優の雄吾は、発売された週刊誌を見て唖然としたー
そこには、園香と雄吾がキスをしている写真がーー
掲載されていた。
大騒ぎになる事務所。
「---くそっ!」
雄吾は壁を蹴り飛ばした。
以前から”週刊ヘヴン”に狙われていることは知っていた。
だがー
こんなカタチでスクープされるとは…
キスをしたのはまずかった。
だがー
園香が否定をすればーなんとか…
「--はい、事実です」
テレビの生中継が映し出される。
記者に直撃されている園香が、
”雄吾との浮気”を認めたのだ。
「--だってぇ、イケメンじゃないですかぁ♡
そんな男の人前にしたら、
キスしたくもなりますよぉ~♡
ふふふ…
彼と、お店の中で抱き合ったり、手をつないだり、
今度、ホテルに行く予定もあったんですぅ~」
園香はそう言うと、唖然とする記者を残して
嬉しそうに立ち去って行った。
「---なん…だと」
テレビの前で放心状態になる雄吾。
「---くそっ!名誉棄損だ!」
雄吾は叫ぶ。
持っていた週刊ヘブンをぐちゃぐちゃに丸めると
怒りにまかせて床に叩きつけたー。
彼の、反撃が始まろうとしていたー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
憑依能力を駆使した週刊誌記者のお話です。
スキャンダルは作るものー
果たして、最後に笑うのはどちらでしょうか!
コメント
SECRET: 1
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
小学生の娘を溺愛している母親が娘からお母さんへの愛情が、いつまつづくのかと不安になる。娘はこれから愛情が移っていく事、いつかは結婚していって自分は年老いて娘より先に死んではしまう事に不安を覚えていく。それで、入れ替わる方法を知るか道具を手に入れる。そして、娘が片思いの同級生の男の子と入れ替わる。お互いにの記憶やしぐさを取り込めるため成りすます事は可能。男の子は反発するが男の子の弱みを握り娘の母親に成り切るように強制していく。男の子は母親として娘に接していく、また、娘の父親である夫と体の関係を持ち今の立場に喜びを感じるようになる。母親は男の子として娘に告白し付き合うようになる。母親の時より学校生活や娘と会話やデートなど親密になり喜びを感じる。身体の関係も持ってしまう。そして、10年後2人は結婚する。と言う話をリクエストします
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
> 小学生の娘を溺愛している母親が娘からお母さんへの愛情が、いつまつづくのかと不安になる。娘はこれから愛情が移っていく事、いつかは結婚していって自分は年老いて娘より先に死んではしまう事に不安を覚えていく。それで、入れ替わる方法を知るか道具を手に入れる。そして、娘が片思いの同級生の男の子と入れ替わる。お互いにの記憶やしぐさを取り込めるため成りすます事は可能。男の子は反発するが男の子の弱みを握り娘の母親に成り切るように強制していく。男の子は母親として娘に接していく、また、娘の父親である夫と体の関係を持ち今の立場に喜びを感じるようになる。母親は男の子として娘に告白し付き合うようになる。母親の時より学校生活や娘と会話やデートなど親密になり喜びを感じる。身体の関係も持ってしまう。そして、10年後2人は結婚する。と言う話をリクエストします
ありがとうございます~!
時間はかかりますが、気長にお待ちくださいネ~!
SECRET: 1
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
マスゴミは言うまでも無く現実でも糞過ぎだから今回は俳優の方に勝ってほしいが
個人的にはもう正しい事が報道されないんじゃ終わりだと思ってる。
だからどっかの文春や朝日なんかだけでなく最近はテレビすらも見なくなり新聞も読まなくなった。
まさにマスゴミですな( ^ω^)・・・作者さんも間違えてマスゴミと書いてしまわないよう気を付けてください。
他にもこんなだからテレビ離れが進むんだとか色々コメしたいけど切り無いから止めときます。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
無様>
コメントありがとうございます!
憑依能力が無くても、捏造はありますよネ…汗