小さな街ー
彼女は、そこで、生まれ育った。
そして今、彼女は婦警となり、その街の平和を守っている。
彼女は、その街が大好きだった。
しかし、彼女はまだ知らない、自分の手で、その街を壊すことになるとはー。
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わたしは安藤 涼花(あんどう りょうか)!
今日も街の平和を守っちゃいま~す!
…なんて、大きなことを言っても、
ただの新人婦警なんだけど…。
今やってることは、街のパトロールとか
そんな感じで、先輩の大貫さんと一緒に、
街を見回ってる感じかな。
でも、
そういう小さい事でも、
街の為に役立ってるなぁ~、って実感できるし、
大好きな街を自分が守ってる!って感じがして、
毎日とっても良い気分♪
わたしは生まれも、育ちもこの街だから余計かな~
「~~おーい、安藤、そろそろ行くぞ!」
あ、大貫さんに呼ばれちゃった!
そろそろ行かなくちゃ!
今日も1日頑張ります!
鏡に敬礼!
「---は~い!」
今日もパトロールの始まりデス!
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「--安藤は生まれも育ちもこの街だったっけか?」
先輩の大貫さんがわたしに聞く。
先輩の大貫さんは
40代の先輩刑事で、
とても優しくて、頼れるおじさんって感じ!
でも、わたしがミスをしたりしたときはちゃんと
叱ってもくれるし、頼れる存在なの!
「--はい、ずっとこの街で暮らしています」
「--そっか。
この街は好きか?」
大貫さんの質問。
わたしは、この街がとっても大好き。
小さいころからずっとずっと、
この街にいたんだもん。
当然だよね。
「---はい!大好きです」
他愛のない会話をしながら、
今日もいつものような1日が過ぎていく。
商店街では
小さいころからわたしを知る人たちが、
涼花ちゃん、涼花ちゃんだなんて、
可愛がってくれてついつい照れちゃうけど、
わたしももう25だし、
今度はわたしが商店街のみんなの安全を
守らないとねー!
「ーーーお疲れさん」
夜ー。
大貫さんと別れの挨拶を済ませて、
わたしは家へと向かう。
わたしは、今、一人暮らしーー
と、いうのも、小さいころに、お父さんは、
事件に巻き込まれて死んじゃって、
お母さんは2年前に倒れて、
今は隣の街の病院で入院中。
「-----」
あーーー。
わたしはふと、ポスターに目を止める。
”火の用心”
最近、このあたりで不審火が3件あった。
もしかしたら誰かが火をつけてるのかもー。
そんな話がわたしたちの間でも出ている。
「---私の大好きな街を傷つけるなんて
許さない!
わたしがこらしめてやるんだからー!」
もし放火魔がいるなら、
わたしが捕まえてやるんだから!
そんな風に想いながらわたしは、家へとー
「---こらしめる?へぇ~」
ーーー!?
振り返ると、そこには
浮浪者みたいな男が居た。
え…誰?
酔っ払いかしら?
「---」
酔っ払いさんが、わたしの背後の
火の用心のポスターを指さした。
え…なに?
なんなの???
「火の用心
最近さぁ、不審火が多いみたいだから
気を付けないとねぇ」
おじさんが言う。
やっぱ、ただの酔っ払いだ!
「あ、は、はい。ありがとうございます」
私は、酔っ払いおじさんにお礼を言うと、
そのまま帰ろうとした。
ーー!?
えっ???
「---もしもさぁ」
振り向くと、おじさんがわたしの肩をつかんでいた。
ちょっ…ち、痴漢か何か?それともただの酔っ払い?
「---もしも放火だったらどうする?」
おじさんが言う。
ちょ、ちょっと気持ち悪い…
「---ほ、放火だったら、許せないですよね!」
わたしはそう言った。
何て言えばいいのか、わからないけど
こういう酔っ払いのおじさんいは
話を合せるのがいいって、おばあちゃんが言ってた!
「----くく…」
おじさんが笑った。
なに笑ってるの?
なにがおかしいの?
わたしの顔に夜に食べたミートソースパスタの
ミートソースでもついてるの???
「ーーーお前が」
お前??
というかあなた誰よ?
酔っ払いにしちゃ度が過ぎてるんじゃ…
「お前が街に火をつけるんだよ!」
ーーーー!?!?!?
おじさんが…突然ガスのような煙に変形して…
え…
え…
ええええ!?
「きゃあああああああああああああ!!!!」
きゃあああああああああああああ
酔っ払いじゃない!な、なに、なになになに
「ぐぼぉおっぉおぉっ!」
く、、口の中に、煙になったおじさんが、、
え、、が、、があっ、た、、だすけ…助けて…
ぐぼおあおああああああぁあ
あああああ
あ・・・
あ・・・・
あ・・・・
あれ…?
「--ふふふ…憑依完了~♪」
え?何、憑依??
って、あれ???
な、なんで私が勝手にしゃべってるの??
「--聞こえるかい?婦警さん?
あんたの身体、貰ったぜ」
ちょ、、ちょっと!何言ってるの!?
え…
身体が勝手に…?
あ・・・え…えぇ!?
「--うはっ!イイ身体してるじゃねぇか!」
ちょっ!?な、何!?
ど、どこ触ってるの!?
「--はは、まぁそう言うなよ!
今は”わたしの身体”なんだから♪」
ねえ、、な、、何?どういうこと!?
ちょっと、やめなさいよ!
ねぇ、
あっ♡ あぁっ♡ あぁっ♡
「なんだぁ?お前まで感じてるのか、
ケケ、おもしろいじゃないか!
あぁ♡ あっ♡ あぁぁぁ♡
女ってぇ、こんなにぃ、気持ちよいのかぁ!」
えぁあああ♡ あああああっ♡
ちょ、、、ちょっと、、、外で、、、こんなこと♡
「どうせ♡ 誰も♡ 見てないだろ!
こんな人通りのない道!
あぁぁ♡ 夜だからぁ♡ あっ♡ あっ♡
遠くから見えたりしねぇよ♡」
あぁああ♡ やめ、、やめ、、、やめて、、、
らめぇ♡
「--お前の♡ からだぁ♡
憑依薬♡で、もらった、
あぁ♡ んあああああああああああっ♡」
ど、どこ触ってんのよ んあ♡
あ♡ あ♡
きもちいい♡ いああああああ♡
「--んあああああああああああっ♡
ああぁああああああ♡」
そ、、、外でイッちゃ、
だ、、だめ、、、らめぇええええええええっ♡
「---はぁ…はぁ…」
あ・・・♡ あ・・・♡
・・・・・。
・・・・・・。
「--さ、、さぁ、、、本題だ…
ふぅ…ふぅ、、すげぇな女の絶頂って」
・・・あ♡ あああ♡
「--ー教えてやるよ、
俺はな、放火魔だ
この街が大っ嫌いでな」
ーーー!?
や、、、、やめ…
「---お前は、この街が大好きなんだよな?
いつも、商店街のババアやジジイどもに
笑いながらそう言ってるの、見てたぜ」
な…な、、何をするつもりなの…?
わたしの身体で!
「---決まってるじゃねぇか」
・・・何なの?
この男?
わたしの身体…返してよ…!
「---”身体を返してよ”か」
ーーー!?
「--心の中で思っても無駄だぜ。
今は、この身体も、脳も、俺のものなんだからよ!
心の中で考えてることも
ぜんぶ俺に伝わってくる…」
や、、やめて…!出てって!!!
「--いやだね」
「--わたし、これから、だ~いすきな街に
火をつけて回るの!
うふふ♡」
そ…そんな…
「--おとなしく見てなさい!
もう、この身体はわたしのものなんだから♪」
ちょ…やめてよ!私のマネしないで!!!
「--ふふ、安藤 涼花!
街に火をつけちゃいま~す!」
や、、、やめてぇ~~~!!!
「--うるせぇよ。
ほら、胸揉んでやるからよ」
やめ…♡あ、、♡あああ♡
あああああっ♡
あっ…♡ あ・・・♡
「---んくく♡
興奮に溺れさせてやるよ♡ んくく♡」
あ・・・♡
やめて…♡
でも、、、♡
あっ♡
気持ちイイ♡
「--んふふ♡
さ~て、街に火をつけよっと!
うふふ
まずは、この裏路地の先の住宅街だな」
ーーーあ、、♡
あっ♡
な、、何してるの…?
「--ここに、放火用のグッズ隠してあるんでな!
くく…しかし、興奮するなぁ、
こんなに若くて可愛い子が、街に火をつけるなんて…
しかも、街の平和を守る婦警さんだ!
うへへ、ふははははは」
ーそ、、、そんなこと…!
そんなこと、させない…!
「--うるせぇよ!またアソコを触ってやろうか?
オラ!オラ!おらぁぁぁ!」
うぅ…
どうしたらいいの?
わたし、、、あぁ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡
だ、、、誰か…
誰か…誰か助けて…!
「---あれ?涼花ちゃんじゃない?」
ーー!!
この声は…
商店街で魚屋をやっているおばさん…!
「--ん~~?あぁ~こ~んばんは!」
…おばさん!気づいて!
わたし、、わたし、身体を乗っ取られて…
「--こんな夜中にどうしたんだい…
それに…?」
…!
おばさんが私の持っている
放火グッズに気付いた!!
おばさん!
そう!今のわたしは、わたしじゃないよ!
気づいて!!
「---くひひ、ばれちゃいました?
わたし、これから街に火をつけようと思って!」
「----!な、、、何言ってるんだい?
…涼花ちゃん…まさかアンタが最近の不審火を…」
ーーち、、、ちが~~~う!
わたしじゃないってことに気づいてよ!!
「--ふふ、そうよ!
ねぇ、おばさん。
邪魔だから、消えてくれる?」
え…?
ちょ、ちょっと!!!
私の身体が、、おばさんに暴力を振るってる…!
や、、やめてよ!ねぇ、やめて!やめて!!!
「----あ・・・・・・りょうか…ちゃん」
お、、おばさん!!!!
おばさーーーん!!!!
・・・
うそ・・・
わたしが・・・わたしの身体がおばさんを…
うああああああああああああ!
「---…
何だ?もう精神崩壊でもしたのか?
ま、いっか♪
さ、街に火をつけにいこ~っと!
ふふ♡」
②へ続く
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コメント
意識はあるけど、どうにもならない…!
そんなタイプの憑依です!
意識はあるけど、身体は勝手に動いちゃう感覚って
どんな感覚なのでしょうネ…!
次回もお楽しみに~!
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